散々さん/″\)” の例文
などと、わかいものが其處そこへぞろ/\た。で、はなしわらひながらつたへると、馬鹿笑ばかわらひの高笑たかわらひで、散々さん/″\ひやかしつける。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
マーキュ はて、あの蒼白あをじろ情無じゃうなをんなのローザラインめが散々さん/″\やつくるしめるによって、はて狂人きちがひにもなりかねまいわい。
「ふむ、そうだろうよ。そう云うだろうと思った。あれは君、散々さん/″\道楽をし抜いて、女に飽いた男が好くんじゃ。あの女の糞ならめるがナわしゃ。」
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
散々さん/″\のおたみ異見いけんすこそめ揚句あげく、そのひとにわかにわかれといふ、おさなきこヽろには失禮ひつれいわがまヽをくみて夫故それゆゑ遠國ゑんごくへでもかれるやうにかなしく
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お霜婆は散々さん/″\國の方の話をして、豐田のお婆さんや姉さんから私達兄弟のことも聞取りました。御蔭で國への土産話が出來た、それを別れ際まで掻口説かきくどきました。
充分したゝか打叩うちたゝきければ彼の男よこどうたふされしにぞ其間そのひまに又七と共に殘り二人の惡者わるもの散々さん/″\に打叩きける故みなかなはじと散々ちり/″\にげ行けりされば金は取られずまづ無事に其場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大氣焔だいきえんもつ威張ゐばらされるので、品川軍しながはぐん散々さん/″\敗北はいぼく文海子ぶんかいしかへりにつてれといふのもかず、望蜀生ぼうしよくせいれて、せツせとかへ支度じたくした。ぷツぷツおこつてゞある。
汽車のなか見舞みやげに買つたくり一人ひとり散々さん/″\食つた。其あまりは翌日あくるひ与次郎がて、みんな平げた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おゝ/\乱暴狼藉らんばうらうぜきで、飛石とびいしなぞはいぬくそだらけにして、青苔あをごけ散々さん/″\踏暴ふみあらし、折角せつかく塩梅あんばいこけむした石燈籠いしどうろうたふし、まつつちまひ、乱暴らんばうだね……何方どちらからお入来いでなすつた。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくし拳鬪けんとう仕合しあひはことはあるが、まだやつたことは一もない、しか申込まうしこまれてはをとこ意地いぢ、どうなるものかと一ばん立合たちあつてたがれぬわざ仕方しかたがない、散々さん/″\つて
『あゝ貴方あなたこゝれられましたのですか。』とかれしはがれたこゑ片眼かためほそくしてふた。『いや結構けつこう散々さん/″\ひとうしてつたから、此度こんど御自分ごじぶんはれるばんだ、結構々々けつこう/\。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
此の住持じうぢは丹波の郷士がうし大庄屋おほじやうやをつとめた家の二男だが、京に上つて学問がたい計りに両親ふたおや散々さん/″\泣かせたうへで十三の時に出家しゆつけし、六条の本山ほんざんの学林を卒業してから江戸へ出て国書を学び
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
それ外日いつぞや友人いうじんところで、或冬あるふゆさけみながらおそくまで話込はなしこんでゐたときこと恋愛談れんあいだんから女学生ぢよがくせい風評うはさはじまつて、其時そのとき細君さいくん一人ひとり同窓の友クラスメートに、散々さん/″\或学生あるがくせい苦労くらうをした揚句あげく熱湯にえゆのまされて
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「いかに方々かた/″\御前ごぜんまをし、何某殿なにがしどの御内室ごないしつをも一所いつしよ此中このなかまをさむか、雌雄つがひならでは風情ふぜいなくさふらふ」などと散々さん/″\
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御自分ごじぶんはかくしたまへども、他所行着よそゆきぎのおたもよりぬひとりべりの手巾はんけちつけしたるときくさ、散々さん/″\といぢめていぢめて、いぢいて、れからはけつしてかぬ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あららげて打すゑると雖も知らぬとばかりゆゑ掃部は茂助になはを取てきたれと言に茂助は臺所より荒繩あらなは持來もちきたりければ和尚を高手たかて小手こてしばはり釣上つりあたきゞを以て散々さん/″\打てば和尚は眼を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「なに、御拂おはらひ何時いつでもいんです」と受合うけあつてれた。宗助そうすけはとう/\御米およねのために銘仙めいせんを一たんことにした。主人しゆじんはそれを散々さん/″\値切ねぎつて三ゑんけさした。織屋おりやけたあとまた
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
萱門かやもん押破おしやぶつて散々さん/″\下草したくさをおあらしになりましたとこ御胆力ごたんりき、どうも誠に恐入おそれいりました事で、今日こんにち御入来ごじゆらいなんともうもじつ有難ありがたことで、おほきにほまれに相成あひなります、何卒どうぞすみやかに此方これへ/\。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
このときも、戸外おもてはまだ散々さん/″\であつた。はたゞ水底みなそこ海松みるごとくうねをち、こずゑくぼんで、なみのやうに吹亂ふきみだれる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つかすてしとは何ごとぞや十兩からは大金たいきんなるぞ夫を何ぞやつかこみらぬ顏して主人の大膽者だいたんものめと有合ありあふ十露盤そろばんおつ取て久八を散々さん/″\打擲ちやうちやくすを側に見て居る千太郎は我が骨節ほねぶし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はツかけの、やなやつめ、這入はいつてたら散々さん/″\いぢめてやるものを、かへつたはしいことをした、どれ下駄げたをおし、一寸ちよつとてやる、とて正太しようたかわつてかほせばのきあまだれ前髮まへがみちて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一體いつたい散々さん/″\不首尾ふしゆびたら/″\、前世ぜんせごふででもあるやうで、まをすもはゞかつてひかへたが、もうだまつてはられない。たしか横濱よこはまあたりであつたらうとおもふ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おなじくならびし花瓶はないけたほし、散々さん/″\破損けがをさせしに、旦那だんなつぎ御酒ごしゆめしあがりながら、美登利みどり轉婆てんばぎるのとはれしばかり小言こゞとかりき、ほかひとならば一とほりのおこりではるまじと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
是にもはらはたてども良人おつとあそばすことなればと我慢がまんしてわたしなに言葉ことばあらそひしたこと御座ござんせぬけれど、朝飯あさはんあがるときから小言こゞとえず、召使めしつかひまへにて散々さん/″\わたし不器用ぶきよう不作法ぶさはう御並おならへなされ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)