トップ
>
振舞
>
ふるま
ふりがな文庫
“
振舞
(
ふるま
)” の例文
第三、平素勝手元
不如意
(
ふにょい
)
を申し立てながら、多く人を
聚
(
あつ
)
め、酒
振舞
(
ふるま
)
いなどいたし、武家屋敷にあるまじき
囃子
(
はやし
)
など時折り
洩
(
も
)
れ聞え候事
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
手巾
(
ハンケチ
)
が落ちました、)と知らせたそうでありますが、
件
(
くだん
)
の
土器殿
(
かわらけどの
)
も、
餌
(
えさ
)
は
振舞
(
ふるま
)
う気で、
粋
(
いき
)
な後姿を見送っていたものと見えますよ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とにかくジナイーダは、わたしの思い切った
勇敢
(
ゆうかん
)
な
振舞
(
ふるま
)
いを正当に認めずにはいられないのだ——と、そう思うと
愉快
(
ゆかい
)
だった。……
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
社長令嬢の美奈子は、
一
(
ひ
)
と夏中を片瀬の別荘に暮し、毎日海水浴場にやって来ては、伝説の海の妖精シレーヌのように
振舞
(
ふるま
)
っていたのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:11 運命の釦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
数馬
(
かずま
)
の
意趣
(
いしゅ
)
を含んだのはもっともの次第でございまする。わたくしは
行司
(
ぎょうじ
)
を勤めた時に、
依怙
(
えこ
)
の
振舞
(
ふるま
)
いを致しました。」
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
格之助も寺で
宵
(
よひ
)
と
暁
(
あかつき
)
とに
温
(
あたゝか
)
い
粥
(
かゆ
)
を
振舞
(
ふるま
)
はれてからは、
霊薬
(
れいやく
)
を服したやうに元気を恢復して、もう遅れるやうな事はない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
編輯長
(
へんしゅうちょう
)
へは内々で
割戻
(
わりもど
)
しの礼金も渡してしまい、部下の記者は待合に連れて来て
酒肴
(
しゅこう
)
を
振舞
(
ふるま
)
い芸者をあてがう腹である。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
用のない奥さんには、手製のアイスクリームを客に
振舞
(
ふるま
)
うだけの余裕があると見えた。私はそれを二杯
更
(
か
)
えてもらった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんな
眞似
(
まね
)
をして、もう
我儘
(
わたまゝ
)
一
(
いつ
)
ぱいに
振舞
(
ふるま
)
つて
居
(
を
)
りますうちに、だん/″\
私
(
わたし
)
は
獨
(
ひと
)
りぼつちに
成
(
な
)
つてしまひました。
誰
(
たれ
)
も
私
(
わたし
)
とは
交際
(
つきあ
)
はなくなりました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
言えば何かと話がもつれて面倒だとさすがに利口な柳吉は、位牌さえ蝶子の前では拝まなかった。蝶子は毎朝花をかえたりして、一分の隙もなく
振舞
(
ふるま
)
った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「こうしてみると、なかなか
住心地
(
すみごこち
)
がいい」と父親は長火鉢の前で茶を飲みながら言った。車力は庭の縁側に並んで、
振舞
(
ふるま
)
われた蕎麦をズルズルすすった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
お豊も返事をして、いつもの通り、豆を買って鳩に
蒔
(
ま
)
いてやります。鳩が豆皿を持ったお豊の手首や肩先に飛び上って、友達気取りに
振舞
(
ふるま
)
うのも可愛らしい。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
警察部長や検事に対しても、ノズドゥリョフはやはり『君、君』で、極めてざっくばらんに
振舞
(
ふるま
)
っていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
には
該
(
その
)
強國
(
きやうこく
)
の
商船旗
(
しようせんき
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、
傍若無人
(
ぼうじやくむじん
)
に
振舞
(
ふるま
)
つて
居
(
を
)
る
由
(
よし
)
、
實
(
じつ
)
に
怪
(
け
)
しからぬ
話
(
はなし
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もし春琴が今少し
如才
(
じょさい
)
なく人に
謙
(
へりくだ
)
ることを知っていたなら大いにその名が
顕
(
あら
)
われたであろうに
富貴
(
ふうき
)
に育って生計の苦難を解せず
気随気儘
(
きずいきまま
)
に
振舞
(
ふるま
)
ったために世間から敬遠され
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
リゼットは
鋸楽師
(
のこがくし
)
の左の腕に
縋
(
すが
)
っておぼこらしく
振舞
(
ふるま
)
うのであった。
孤独
(
こどく
)
が骨まで
浸
(
し
)
み込んでいる老楽師はめずらしく若い娘にぴたと寄り添われたので半身熱苦しく
煽
(
あお
)
られた。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
九四 この菊蔵、柏崎なる姉の家に用ありて行き、
振舞
(
ふるま
)
われたる残りの
餅
(
もち
)
を
懐
(
ふところ
)
に入れて、愛宕山の
麓
(
ふもと
)
の林を過ぎしに、
象坪
(
ぞうつぼ
)
の藤七という
大酒呑
(
おおざけのみ
)
にて彼と
仲善
(
なかよし
)
の友に行き逢えり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『ささがにの
振舞
(
ふるま
)
ひしるき夕暮れにひるま過ぐせと言ふがあやなき。何の口実なんだか』
源氏物語:02 帚木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
それから大事なことは、けっして女探偵だと
悟
(
さと
)
られないように
振舞
(
ふるま
)
ってください。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのため、プルチネッラはいつもの二倍もおかしく
振舞
(
ふるま
)
わなければならなかったのです。プルチネッラは心に絶望を感じながらも、
踊
(
おど
)
ったり
跳
(
は
)
ねたりしました。そして
拍手喝采
(
はくしゅかっさい
)
を受けました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
今迄はちやんと
振舞
(
ふるま
)
つて來たのだから。私は今まで心の中で、しようと誓つた通りに振舞つて來た。しかしこれ以上は、私の堪へ切れないことになるかも知れない。お立ちなさい。エアさん。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
無礼な挙動を
振舞
(
ふるま
)
って得意がるが、これは表は善で、裏は悪なりという前提に
捉
(
とら
)
われたるより起こる誤解であって、
幽明
(
ゆうめい
)
の区別を論ずる者が、
幽
(
ゆう
)
とか
暗
(
あん
)
とか称すれば、それだけで悪感をいだき
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
神谷はもう、彼女のフィアンセのごとく
振舞
(
ふるま
)
って、楽屋も訪問すれば、自宅への送り迎えもする間柄になっていた。こっそりと、郊外の料亭などで、夜をふかしたことも、一度や二度ではなかった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あの
愛
(
あい
)
らしき
眼
(
め
)
に
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
何
(
なん
)
と
見
(
み
)
てか、
人
(
ひと
)
じらしの
振舞
(
ふるま
)
ひ
理由
(
わけ
)
は
有
(
あ
)
るべし、
我
(
わ
)
れ
夢
(
ゆめ
)
さら
戀
(
こひ
)
なども
厭
(
い
)
やらしき
心
(
こヽろ
)
みぢんも
無
(
な
)
けれど、
此理由
(
このわけ
)
こそ
知
(
し
)
りたけれ、
若
(
わか
)
き
女
(
をんな
)
の
定
(
さだ
)
まらぬ
心
(
こヽろ
)
に
何物
(
なにもの
)
か
觸
(
ふ
)
るヽ
事
(
こと
)
ありて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「わッハッハ、
振舞
(
ふるま
)
い酒となると、こやつ、眼の色を変えやがる」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「酒を
振舞
(
ふるま
)
はなきや、
此方
(
こつち
)
から
拳固
(
げんこ
)
を振舞つてやら。」
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
わが妻の
振舞
(
ふるま
)
ふ日なり。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
誰一人
(
だれひとり
)
わたしの自由を
束縛
(
そくばく
)
するものはなかった。わたしはしたい放題に
振舞
(
ふるま
)
っていたが、とりわけ最後の家庭教師と別れてからはなおさらだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
いや、
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
を
忘
(
わす
)
れまい。
沼
(
ぬま
)
の
中
(
なか
)
へ
当
(
あて
)
の
無
(
な
)
い
経
(
きやう
)
読
(
よ
)
ませて、
斎非時
(
ときひじ
)
にとて
及
(
およ
)
ばぬが、
渋茶
(
しぶちや
)
一
(
ひと
)
つ
振舞
(
ふるま
)
はず、
既
(
すん
)
での
事
(
こと
)
に
私
(
わし
)
は
生涯
(
しやうがい
)
坊主
(
ばうず
)
の
水車
(
みづぐるま
)
に
成
(
な
)
らうとした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
福岡
(
ふくをか
)
へ
移
(
うつ
)
つてから
間
(
ま
)
もなく、
御米
(
およね
)
は
又
(
また
)
酸
(
す
)
いものを
嗜
(
たし
)
む
人
(
ひと
)
となつた。
一度
(
いちど
)
流産
(
りうざん
)
すると
癖
(
くせ
)
になると
聞
(
き
)
いたので、
御米
(
およね
)
は
萬
(
よろづ
)
に
注意
(
ちゆうい
)
して、つゝましやかに
振舞
(
ふるま
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いやにツンツンするじゃ無えか、
贅
(
ぜい
)
は言わない、あの小僧に
振舞
(
ふるま
)
った半分も笑顔を拝ましてくんねエ」
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
また恐怖に
挫
(
ひし
)
がれないためには、出来るだけ陽気に
振舞
(
ふるま
)
うほか、仕様のない事も事実だった。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
矢
(
ヤア
)
さんというのは
赤阪
(
あかさか
)
溜池
(
ためいけ
)
の自動車輸入商会の支配人だという
触込
(
ふれこ
)
みで、
一時
(
ひとしきり
)
は毎日のように女給のひまな昼過ぎを目掛けて遊びに来たばかりか、折々店員四、五人をつれて
晩餐
(
ばんさん
)
を
振舞
(
ふるま
)
う。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二名
(
にめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
は
仲間
(
なかま
)
の
一群
(
ひとむれ
)
に
追廻
(
おひま
)
はされて、
憘々
(
きゝ
)
と
叫
(
さけ
)
びながら
逃廻
(
にげまわ
)
つた。それは「
命拾
(
いのちひろ
)
ひのお
祝
(
いわひ
)
」に、
拳骨
(
げんこつ
)
が
一
(
ひと
)
つ
宛
(
づゝ
)
振舞
(
ふるま
)
はれるので『
之
(
これ
)
は
堪
(
たま
)
らぬ』と
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
す
次第
(
しだい
)
だ。
勿論
(
もちろん
)
戯謔
(
じやうだん
)
だが
隨分
(
ずいぶん
)
迷惑
(
めいわく
)
な
事
(
こと
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
家康は本多を顧みて、「もうよい、
振舞
(
ふるま
)
いの事を
頼
(
たの
)
むぞ」と言った。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
受けているなら文句の出どころはなかったけれども表面はどこまでも手曳きであり奉公人であり按摩から
三介
(
さんすけ
)
の役まで勤めて春琴の身の周りの事は一切取りしきり忠実一方の人間らしく
振舞
(
ふるま
)
っているのを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
昨日
(
きのふ
)
は
何方
(
いづかた
)
に
宿
(
やど
)
りつる
心
(
こゝろ
)
とてかはかなく
動
(
うご
)
き
初
(
そ
)
めては
中々
(
なか/\
)
にえも
止
(
と
)
まらずあやしや
迷
(
まよ
)
ふぬば
玉
(
たま
)
の
闇
(
やみ
)
色
(
いろ
)
なき
声
(
こゑ
)
さへ
身
(
み
)
にしみて
思
(
おも
)
ひ
出
(
い
)
づるに
身
(
み
)
もふるはれぬ
其人
(
そのひと
)
恋
(
こひ
)
しくなると
共
(
とも
)
に
恥
(
はづ
)
かしくつゝましく
恐
(
おそ
)
ろしくかく
云
(
い
)
はゞ
笑
(
わら
)
はれんかく
振舞
(
ふるま
)
はゞ
厭
(
いと
)
はれんと
仮初
(
かりそめ
)
の
返答
(
いらへ
)
さへはか/″\しくは
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
要するにまあ、
甘
(
あま
)
やかされ放題の
純血種
(
ピュール・サン
)
らしく
振舞
(
ふるま
)
ったわけである。父はなかなか
戻
(
もど
)
って来なかった。川からは、いやに
湿
(
しめ
)
っぽい風が
吹
(
ふ
)
いてきた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
不便
(
ふびん
)
や、定めし驚いたらう。……
労力
(
ほねおり
)
やすめに、京見物をさせて、大仏前の
餅
(
もち
)
なりと
振舞
(
ふるま
)
はうと思うて、足ついでに飛んで来た。が、いや、先刻の、それよ。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
少くとも国家を代表するかの如き顔をして
万事
(
ばんじ
)
を
振舞
(
ふるま
)
うに足る位の権力家である。今政府の新設せんとする文芸院は、この点においてまさしく国家的機関である。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ドビュッシーの音楽には伝統的形式や、支配的な
均衡
(
シンメトリー
)
は一つもない。彼はあらゆる音楽上の
遺産
(
いさん
)
を
取除
(
とりの
)
けて、全く自由に
振舞
(
ふるま
)
わなければ承知しなかったのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
彼を
強
(
し
)
いた五六人の友達は、久しぶりだからという口実のもとに、彼を酔わせる事を
御馳走
(
ごちそう
)
のように
振舞
(
ふるま
)
った。三沢も宿命に従う柔順な人として、いくらでも
盃
(
さかずき
)
を重ねた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
地体
(
じたい
)
並
(
なみ
)
のものならば、嬢様の手が
触
(
さわ
)
ってあの水を
振舞
(
ふるま
)
われて、今まで人間でいようはずがない。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
地体
(
ぢたい
)
並
(
なみ
)
のものならば、
嬢様
(
ぢやうさま
)
の
手
(
て
)
が
触
(
さは
)
つて
那
(
あ
)
の
水
(
みづ
)
を
振舞
(
ふるま
)
はれて、
今
(
いま
)
まで
人間
(
にんげん
)
で
居
(
ゐ
)
やう
筈
(
はず
)
はない。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
場合
(
ばあひ
)
には、
心
(
こゝろ
)
のうちに、
當時
(
たうじ
)
の
自分
(
じぶん
)
が
一圖
(
いちづ
)
に
振舞
(
ふるま
)
つた
苦
(
にが
)
い
記憶
(
きおく
)
を、
出來
(
でき
)
る
丈
(
だけ
)
屡
(
しば/\
)
呼
(
よ
)
び
起
(
おこ
)
させるために、とくに
天
(
てん
)
が
小六
(
ころく
)
を
自分
(
じぶん
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
据
(
す
)
ゑ
付
(
つ
)
けるのではなからうかと
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
分別
(
ふんべつ
)
をするから、
礫
(
つぶて
)
を
打
(
う
)
つたり、
煙管
(
きせる
)
の
雁首
(
がんくび
)
で
引拂
(
ひつぱら
)
ふなど、
今
(
いま
)
然
(
さ
)
やうな
陣笠
(
ぢんがさ
)
の
勢子
(
せこ
)
の
業
(
わざ
)
は
振舞
(
ふるま
)
はぬ、
大將
(
たいしやう
)
は
專
(
もつぱ
)
ら
寛仁大度
(
くわんにんたいど
)
の
事
(
こと
)
と、
即
(
すなは
)
ち
黒猫
(
くろねこ
)
を、ト
御新造
(
ごしんぞ
)
の
聲
(
こゑ
)
を
内證
(
ないしよう
)
で
眞似
(
まね
)
て
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
即ち
今日
(
けふ
)
高木と佐川の娘を呼んで午餐を
振舞
(
ふるま
)
ふ筈だから、代助にも列席しろと云ふ
父
(
ちゝ
)
の命令であつた。
兄
(
あに
)
の
語
(
かた
)
る所によると、
昨夕
(
ゆふべ
)
誠太郎の返事を聞いて、
父
(
ちゝ
)
は大いに機嫌を悪くした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
筋
(
すじ
)
が
弛
(
ゆる
)
んで、
早
(
は
)
や
歩行
(
ある
)
くのに
飽
(
あ
)
きが来て、喜ばねばならぬ人家が近づいたのも、たかがよくされて口の
臭
(
くさ
)
い
婆
(
ばあ
)
さんに渋茶を
振舞
(
ふるま
)
われるのが関の山と、里へ入るのも
厭
(
いや
)
になったから
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「なるほどそう遠慮なしに
振舞
(
ふるま
)
ったら、好い心持に相違ない。君は豪傑だよ」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
障子も
襖
(
ふすま
)
も
開
(
あ
)
け
放
(
はな
)
つ。宿の人は多くもあらぬ上に、家は割合に広い。余が住む部屋は、多くもあらぬ人の、人らしく
振舞
(
ふるま
)
う
境
(
きょう
)
を、
幾曲
(
いくまがり
)
の廊下に隔てたれば、物の音さえ思索の
煩
(
わずらい
)
にはならぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
舞
常用漢字
中学
部首:⾇
15画
“振舞”で始まる語句
振舞酒
振舞膳