“鋸楽師”の読み方と例文
読み方割合
のこがくし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
リゼットは鋸楽師のこがくしの左の腕にすがっておぼこらしく振舞ふるまうのであった。孤独こどくが骨までみ込んでいる老楽師はめずらしく若い娘にぴたと寄り添われたので半身熱苦しくあおられた。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
パパには鋸楽師のこがくしのおいぼれを連れて行くことを云い出した。おいぼれとただ呼ばれる老人はのこぎりを曲げながらいていろいろなメロディを出す一つの芸を渡世とせいとして場末ばすえのキャフェをまわっていた。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
パパの鋸楽師のこがくしと、ママンのマギイばあさんが珍らしそうに英語名前のくいものを食っている間にかわり立ち代りものはわなの座についた。しかし、英吉利イギリス人は疑い深くて完全に引っかからなかった。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)