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引出
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ひきだ
ふりがな文庫
“
引出
(
ひきだ
)” の例文
手足被杻械
(
しゅそくぴちゅうかい
)
、
念彼観音力
(
ねんぴかんのんりき
)
、
釈然得解脱
(
しゃくねんとくげだつ
)
、と牢の
中
(
なか
)
でも
観音経
(
かんのんぎょう
)
を
誦
(
よ
)
んで居たが今ヒョロ/\と縄に掛って仮牢から
引出
(
ひきだ
)
されるを見ますると
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其
(
それ
)
に、あゝ、
何
(
なん
)
とかの
端本
(
はほん
)
か、と
部屋頭
(
へやがしら
)
が
本
(
ほん
)
の
名
(
な
)
を
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りますから、
中
(
なか
)
の
歌
(
うた
)
も
此
(
これ
)
から
引出
(
ひきだ
)
しましたのでは
先刻
(
せんこく
)
承知
(
しようち
)
とやらでござりませう。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「へえ——まだ万有還金などという事が
流行
(
はや
)
っているんですかね、僕ァまた伯父さんから資金を
引出
(
ひきだ
)
す口実だと思った」
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
かねて
見置
(
みお
)
きし
硯
(
すゞり
)
の
引出
(
ひきだ
)
しより、
束
(
たば
)
のうちを
唯
(
たゞ
)
二
枚
(
まい
)
、つかみし
後
(
のち
)
は
夢
(
ゆめ
)
とも
現
(
うつゝ
)
とも
知
(
し
)
らず、三
之
(
の
)
助
(
すけ
)
に
渡
(
わた
)
して
歸
(
かへ
)
したる
始終
(
しじう
)
を、
見
(
み
)
し
人
(
ひと
)
なしと
思
(
おも
)
へるは
愚
(
おろ
)
かや。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
小さな二本の
釘
(
くぎ
)
といっしょに
状袋
(
じょうぶくろ
)
に入れてあるのを手のひらにあけて、しばらくながめていた母は、そのまま状袋にもどして、
火鉢
(
ひばち
)
の
引出
(
ひきだ
)
しにしまった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
▼ もっと見る
『
用意
(
ようゐ
)
!。』と
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
が
叫
(
さけ
)
ぶと、
二名
(
にめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
は
車中
(
しやちう
)
の
大旅櫃
(
だいトランク
)
の
中
(
なか
)
から、
一個
(
いつこ
)
の
黒色
(
こくしよく
)
の
函
(
はこ
)
を
引出
(
ひきだ
)
して
來
(
き
)
た。
此
(
この
)
函
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
には、
數
(
すう
)
十
個
(
こ
)
の
爆裂彈
(
ばくれつだん
)
が
入
(
はい
)
つて
居
(
を
)
るのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
(おつやは太吉の手を取って、旅人の前へ
引出
(
ひきだ
)
そうとすれば、太吉は
顫
(
ふる
)
えておつやに
縋
(
すが
)
りつく。)
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私
(
わたし
)
は
畢生
(
ひつせい
)
の
幸福
(
かうふく
)
の
影
(
かげ
)
が
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
つたかのやうに
心
(
むね
)
を
騒
(
さは
)
がせ、
急
(
いそ
)
いで
引出
(
ひきだ
)
して
見
(
み
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
少し焼くとバターが溶けてブリキ
皿
(
ざら
)
へ
溢
(
あふ
)
れ出ますからそれを
引出
(
ひきだ
)
しては
匙
(
さじ
)
で
掬
(
すく
)
って上からかけてちょうど肉類のロースを焼くように
幾度
(
いくど
)
もそうして三十分間も焼きますと出来上ります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
すなわち
平包
(
ひらづつ
)
みの布の
二隅
(
ふたすみ
)
を
引出
(
ひきだ
)
して、これを
紐
(
ひも
)
のかわりにして背に負うもので、これは両腕の上部に力の半分を持たせるから、今までの
荷負
(
にお
)
いのように手を自由に使うことができない。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
氣
(
き
)
が
違
(
ちが
)
はいでをられうか?
先祖
(
せんぞ
)
の
衆
(
しゅう
)
の
手
(
て
)
や
足
(
あし
)
やを
偶
(
ふ
)
と
玩具
(
もてあそび
)
にはしはすまいか?
手傷
(
てきず
)
だらけのチッバルトを
血
(
ち
)
みどろの
墓衣
(
はかぎ
)
から
引出
(
ひきだ
)
しゃせぬか?
狂氣
(
きゃうき
)
の
餘
(
あま
)
り、
世
(
よ
)
に
聞
(
きこ
)
えた
或
(
さる
)
親族
(
うから
)
の
骨
(
ほね
)
を
取上
(
とりあ
)
げ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
婆やの口からも、犯人の匂いも
引出
(
ひきだ
)
せません。
奇談クラブ〔戦後版〕:03 鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
皆
(
みな
)
道路
(
だうろ
)
に
引出
(
ひきだ
)
したらしい。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
(もう
可
(
い
)
い
時分
(
じぶん
)
ぢや、
又
(
また
)
私
(
わし
)
も
余
(
あんま
)
り
遅
(
おそ
)
うなつては
道
(
みち
)
が
困
(
こま
)
るで、そろ/\
青
(
あを
)
を
引出
(
ひきだ
)
して
支度
(
したく
)
して
置
(
お
)
かうと
思
(
おも
)
ふてよ。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
信如
(
しんによ
)
は
机
(
つくえ
)
の
引出
(
ひきだ
)
しから
京都
(
きやうと
)
みやげに
貰
(
もら
)
ひたる、
小鍛冶
(
こかぢ
)
の
小刀
(
こがたな
)
を
取出
(
とりだ
)
して
見
(
み
)
すれば、よく
利
(
き
)
れそうだねへと
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
む
長吉
(
ちようきち
)
が
顏
(
かほ
)
、あぶなし
此物
(
これ
)
を
振廻
(
ふりまわ
)
してなる
事
(
こと
)
か。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
洒落
(
しやれ
)
た
御主人
(
ごしゆじん
)
で、
夫
(
それ
)
から
牡丹餅
(
ぼたもち
)
を
引出
(
ひきだ
)
して
終
(
しま
)
つて、生きた
蛙
(
かへる
)
を一
疋
(
ぴき
)
投
(
はふ
)
り
込
(
こ
)
んで
置
(
お
)
きました。
日本の小僧
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
驚
(
おどろ
)
いたことには、
虎
(
とら
)
の
子
(
こ
)
のやうに
大切
(
たいせつ
)
にしてゐるウェルスの
手紙
(
てがみ
)
など
入
(
い
)
れた
折鞄
(
をりかばん
)
のなかから、
黒髪
(
くろかみ
)
の
一
(
ひ
)
と
束
(
たば
)
と
短刀
(
たんたう
)
とが、
紙
(
かみ
)
にくるんで、
紐
(
ひも
)
で
結
(
いは
)
へられたまゝ、
竹村
(
たけむら
)
の
前
(
まへ
)
に
引出
(
ひきだ
)
されたことであつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そしてある日、名誉の門標はいつのまにか
火鉢
(
ひばち
)
の
引出
(
ひきだ
)
しから、門の
鴨居
(
かもい
)
の正面に移っていた。母の
留子
(
るす
)
に大吉がそこへ打ちつけたのである。小さな「名誉の門標」は、しかるべき位置に光っていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
最早
(
もはや
)
問答
(
もんだう
)
も
無益
(
むえき
)
と
思
(
おも
)
つたから、
私
(
わたくし
)
は
突然
(
ゐきなり
)
船長
(
せんちやう
)
を
船室
(
ケビン
)
の
外
(
そと
)
へ
引出
(
ひきだ
)
した
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
……
嫌疑
(
けんぎ
)
の
徒輩
(
ともがら
)
を
引出
(
ひきだ
)
せ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
つね/″\
寳
(
たから
)
のやうに
大事
(
だいじ
)
がりて、
身
(
み
)
につく
物
(
もの
)
の
隨
(
ずい
)
一
好
(
す
)
き
成
(
な
)
りし
手綱染
(
たづなぞめ
)
の
帶
(
おび
)
あげも
其
(
その
)
まゝに
有
(
あり
)
けり、いつも
小遣
(
こづが
)
ひの
入
(
い
)
れ
塲處
(
ばしよ
)
なる
鏡臺
(
きようだい
)
の
引出
(
ひきだ
)
しを
明
(
あ
)
けて
見
(
み
)
るに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ヒイヽン!
叱
(
しつ
)
、どうどうどうと
背戸
(
せど
)
を
廻
(
まわ
)
る
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
が
椽
(
えん
)
へ
響
(
ひゞ
)
いて
親仁
(
おやぢ
)
は一
頭
(
とう
)
の
馬
(
うま
)
を
門前
(
もんぜん
)
へ
引出
(
ひきだ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
思
(
おも
)
へども、
晴
(
は
)
れぬ
不審
(
ふしん
)
は
疑
(
うたが
)
ひの
雲
(
くも
)
に
成
(
な
)
りて、
唯
(
たゞ
)
一ト
棹
(
さほ
)
の
箪笥
(
たんす
)
の
引出
(
ひきだ
)
しより、
柳行李
(
やなぎこり
)
の
低
(
そこ
)
はかと
無
(
な
)
く
調
(
しら
)
べて、もし
其跡
(
そのあと
)
の
見
(
み
)
ゆるかと
探
(
さ
)
ぐるに、
塵
(
ちり
)
一はしの
置塲
(
おきば
)
も
變
(
かわ
)
らず
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
それ
)
に、あゝ、
何
(
なん
)
とかの
端本
(
はほん
)
か、と
部屋頭
(
へやがしら
)
が
本
(
ほん
)
の
名
(
な
)
を
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りますから、
中
(
なか
)
の
歌
(
うた
)
も、
此
(
これ
)
から
引出
(
ひきだ
)
しましたのでは、
先刻
(
せんこく
)
承知
(
しようち
)
とやらでござりませう。
其
(
それ
)
では
種
(
たね
)
あかしの
手品
(
てじな
)
同樣
(
どうやう
)
、
慰
(
なぐさ
)
みになりません。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
峯
(
みね
)
が
引出
(
ひきだ
)
したるは
唯
(
たゞ
)
二
枚
(
まい
)
、
殘
(
のこ
)
りは十八あるべき
筈
(
はづ
)
を、いかにしけん
束
(
たば
)
のまゝ
見
(
み
)
えずとて
底
(
そこ
)
をかへして
振
(
ふる
)
へども
甲斐
(
かひ
)
なし、
怪
(
あや
)
しきは
落散
(
おちちり
)
し
紙切
(
かみき
)
れにいつ
認
(
したゝ
)
めしか
受
(
うけ
)
取
(
とり
)
一
通
(
つう
)
。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
(さあ、
其
(
それ
)
では
御案内
(
ごあんない
)
申
(
まを
)
しませう、どれ、
丁度
(
ちやうど
)
私
(
わたし
)
も
米
(
こめ
)
を
磨
(
と
)
ぎに
参
(
まゐ
)
ります。)と
件
(
くだん
)
の
桶
(
をけ
)
を
小脇
(
こわき
)
に
抱
(
かゝ
)
へて、
椽側
(
えんがは
)
から、
藁草履
(
わらぞうり
)
を
穿
(
は
)
いて
出
(
で
)
たが、
屈
(
かゞ
)
んで
板椽
(
いたえん
)
の
下
(
した
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、
引出
(
ひきだ
)
したのは一
足
(
そく
)
の
古下駄
(
ふるげた
)
で
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ゑゝ
大金
(
たいきん
)
でもある
事
(
こと
)
か、
金
(
かね
)
なら二
圓
(
ゑん
)
、しかも
口
(
くち
)
づから
承知
(
しようち
)
して
置
(
お
)
きながら十日とたゝぬに
耄
(
もう
)
ろくはなさるまじ、あれ
彼
(
あ
)
の
懸
(
か
)
け
硯
(
すゞり
)
の
引出
(
ひきだ
)
しにも、これは
手
(
て
)
つかずの
分
(
ぶん
)
と一ト
束
(
たば
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
母
(
かゝ
)
さん
切
(
き
)
れを
遣
(
や
)
つても
宜
(
よ
)
う
御座
(
ござ
)
んすかと
尋
(
たづ
)
ねて、
針箱
(
はりばこ
)
の
引出
(
ひきだ
)
しから
反仙
(
ゆふぜん
)
ちりめんの
切
(
き
)
れ
端
(
はし
)
をつかみ
出
(
だ
)
し、
庭下駄
(
にはげた
)
はくも
鈍
(
もど
)
かしきやうに、
馳
(
は
)
せ
出
(
い
)
でゝ
縁先
(
えんさき
)
の
洋傘
(
かうもり
)
さすより
早
(
はや
)
く
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
前
(
まへ
)
はどうする
金
(
かね
)
は
欲
(
ほ
)
しくないかと
問
(
と
)
はれて、
私
(
わたし
)
は
別
(
べつ
)
にほしい
物
(
もの
)
がござんした、
此品
(
これ
)
さへ
頂
(
いたゞ
)
けば
何
(
なに
)
よりと
帶
(
おび
)
の
間
(
あひだ
)
から
客
(
きやく
)
の
名刺
(
めいし
)
をとり
出
(
だ
)
して
頂
(
いたゞ
)
くまねをすれば、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
引出
(
ひきだ
)
した
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何處
(
どこ
)
やらの
人
(
ひと
)
が
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
うつした
寫眞
(
しやしん
)
だといふあどけないのを
貰
(
もら
)
つて、それを
明
(
あ
)
けくれに
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
て、
面
(
めん
)
と
向
(
むか
)
つては
言
(
い
)
はれぬ
事
(
こと
)
を
並
(
なら
)
べて
見
(
み
)
たり、
机
(
つくゑ
)
の
引出
(
ひきだ
)
しへ
叮嚀
(
ていねい
)
に
仕舞
(
しま
)
つて
見
(
み
)
たり
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誰
(
だれ
)
だと
思
(
おも
)
ふ
長吉
(
ちようきち
)
だ
生
(
なま
)
ふざけた
眞似
(
まね
)
をして
後悔
(
こうくわい
)
するなと
頬骨
(
ほうぼね
)
一
撃
(
うち
)
、あつと
魂消
(
たまげ
)
て
逃入
(
にげい
)
る
襟
(
ゑり
)
がみを、つかんで
引出
(
ひきだ
)
す
横町
(
よこてう
)
の一むれ、それ三五
郎
(
らう
)
をたゝき
殺
(
ころ
)
せ、
正太
(
しようた
)
を
引出
(
ひきだ
)
してやつて
仕舞
(
しま
)
へ、
弱虫
(
よはむし
)
にげるな
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“引出”で始まる語句
引出物
引出茶屋