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威勢
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ゐせい
ふりがな文庫
“
威勢
(
ゐせい
)” の例文
與吉
(
よきち
)
は
時々
(
とき/″\
)
鰌
(
どぜう
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
た。おつぎは
衣物
(
きもの
)
の
泥
(
どろ
)
になるのを
叱
(
しか
)
りながらそれでも
威勢
(
ゐせい
)
よく
田圃
(
たんぼ
)
へ
出
(
だ
)
してやつた。
其
(
そ
)
の
度
(
たび
)
に
他
(
ほか
)
の
子供等
(
こどもら
)
の
後
(
うしろ
)
から
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
これが
半纏
(
はんてん
)
向
(
むか
)
うはち
卷
(
まき
)
の
威勢
(
ゐせい
)
の
好
(
い
)
いのでなく、
古合羽
(
ふるがつぱ
)
に
足駄穿
(
あしだば
)
き
懷手
(
ふところで
)
して、のそり/\と
歩行
(
ある
)
きながら
呼
(
よ
)
ぶゆゑをかし。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
隨分
(
ずゐぶん
)
長
(
なが
)
く
待
(
ま
)
たされたと
思
(
おも
)
つたが
實際
(
じつさい
)
は十
分
(
ぷん
)
ぐらゐで
熱海
(
あたみ
)
からの
人車
(
じんしや
)
が
威勢
(
ゐせい
)
能く
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
きたてゝ
下
(
くだ
)
つて
來
(
き
)
たので
直
(
す
)
ぐ
入
(
い
)
れちがつて
我々
(
われ/\
)
は
出立
(
しゆつたつ
)
した。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
多田院
(
ただのゐん
)
は
日光
(
につくわう
)
に
次
(
つ
)
ぐ
徳川家
(
とくがはけ
)
の
靈廟
(
れいべう
)
で、
源氏
(
げんじ
)
の
祖先
(
そせん
)
が
祀
(
まつ
)
つてあるから、
僅
(
わづ
)
か五
百石
(
ひやくこく
)
の
御朱印地
(
ごしゆいんち
)
でも、
大名
(
だいみやう
)
に
勝
(
まさ
)
る
威勢
(
ゐせい
)
があるから
天滿與力
(
てんまよりき
)
も
幅
(
はゞ
)
が
利
(
き
)
かなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
とはいふものゝ、大事を取つて、今にこゝの前を避けて通る、愛と若さと死の皮肉な花が、
威勢
(
ゐせい
)
よく
反身
(
そりみ
)
になつてゐたり、しよんぼりと絶入つてゐる家の前を。
わるい花
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
▼ もっと見る
『
見事
(
みごと
)
!
見事
(
みごと
)
! イヤ
實
(
じつ
)
に
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
大發明
(
だいはつめい
)
だよ。』と
私
(
わたくし
)
は
膝
(
ひざ
)
の
進
(
すゝ
)
むを
覺
(
おぼ
)
えなかつた。
兵曹
(
へいそう
)
は
猶
(
なほ
)
も
威勢
(
ゐせい
)
よく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
みんなが
威勢
(
ゐせい
)
よく
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んだり
擔
(
かつ
)
いだりするのを
見
(
み
)
るのも
樂
(
たのし
)
く
思
(
おも
)
ひました。そればかりではありません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それに
此
(
この
)
三
日
(
か
)
の
間
(
あひだ
)
に、
多人數
(
たにんず
)
の
下役
(
したやく
)
が
來
(
き
)
て
謁見
(
えつけん
)
をする。
受持々々
(
うけもち/\
)
の
事務
(
じむ
)
を
形式的
(
けいしきてき
)
に
報告
(
はうこく
)
する。その
慌
(
あわ
)
ただしい
中
(
なか
)
に、
地方長官
(
ちはうちやうくわん
)
の
威勢
(
ゐせい
)
の
大
(
おほ
)
きいことを
味
(
あじは
)
つて、
意氣揚々
(
いきやう/\
)
としてゐるのである。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
去程に
御城代
(
ごじやうだい
)
より天一坊の旅館を斯く嚴重に
警固
(
けいご
)
有
(
あり
)
ければ天一坊伊賀亮大膳左京常樂院等の五人は一室に打寄事大方は
成就
(
じやうじゆ
)
せりと悦び
然
(
さら
)
ば此上は近々の
内
(
うち
)
當所
(
たうしよ
)
を引上出立し京都に赴き諸司代にも
威勢
(
ゐせい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
銀
(
ぎん
)
ちやん、
威勢
(
ゐせい
)
がいいことねえ。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
庭
(
には
)
から
偸
(
ぬす
)
むやうに
視
(
み
)
ては
卯平
(
うへい
)
がおつたへ
威勢
(
ゐせい
)
をつけて
居
(
ゐ
)
るやうに
思
(
おも
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
解
(
と
)
いて
打
(
う
)
つて
更
(
さら
)
に
藁
(
わら
)
で
括
(
くゝ
)
つた
蕎麥
(
そば
)
の
束
(
たば
)
をどさりと
遠
(
とほ
)
くへ
擲
(
はふ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
から、
其
(
そ
)
の
苺
(
いちご
)
だ、
苺
(
いちご
)
だ、と
威勢
(
ゐせい
)
よく
呼
(
よば
)
はりながら、
跣足
(
はだし
)
ですた/\と
下
(
お
)
りて
來
(
く
)
る、
一名
(
いちめい
)
の
童
(
わつぱ
)
がある。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
東
(
ひがし
)
の
門
(
もん
)
から
入
(
はひ
)
つて、
露店
(
ろてん
)
と
參詣人
(
さんけいにん
)
との
雜沓
(
ざつたふ
)
する
中
(
なか
)
を、
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
の
幕
(
まく
)
に
威勢
(
ゐせい
)
を
見
(
み
)
せた
八足門
(
はつそくもん
)
の
前
(
まへ
)
まで
行
(
ゆ
)
くと、
向
(
むか
)
うから
群衆
(
ぐんしう
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
武士
(
ぶし
)
がやつて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
威勢
(
ゐせい
)
よく
反身
(
そりみ
)
になつてゐる花もある、しよんぼりと絶え入つてゐる花もある、その花屋の前を通りすがると、妙に氣を
搖
(
そゝ
)
る意地の惡い香がした、胸苦しいほど不思議の香がした。
わるい花
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
いつも
滑※
(
こつけい
)
と
失策
(
しつさく
)
との
本家本元
(
ほんけほんもと
)
で——
今
(
いま
)
は
私
(
わたくし
)
の
傍
(
そば
)
に、
威勢
(
ゐせい
)
よく
話
(
はなし
)
の
相槌
(
あひづち
)
を
打
(
う
)
つて
居
(
を
)
る
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は、
幾度
(
いくたび
)
か
軍艦
(
ぐんかん
)
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
水兵等
(
すいへいら
)
に、
背中
(
せなか
)
叩
(
たゝ
)
かれ、
手
(
て
)
を
叩
(
たゝ
)
かれて、
艦中
(
かんちう
)
第一
(
だいいち
)
の
愛敬者
(
あいけふもの
)
とはなつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
『サアこれから
下
(
くだ
)
りだ。』と
齋藤巡査
(
さいとうじゆんさ
)
が
威勢
(
ゐせい
)
をつけた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
無念なりと
蹉跎
(
あしすり
)
なして
怒
(
いかり
)
給ひしが今更
詮方
(
せんかた
)
も無りしとぞ
假初
(
かりそめ
)
にも十五萬石にて播州姫路の城主たる
御身分
(
ごみぶん
)
が
素性
(
すじやう
)
もいまだ
慥
(
たしか
)
ならぬ天一坊に下座
有
(
あり
)
しは
殘念
(
ざんねん
)
と云も餘りあり天一坊は
流石
(
さすが
)
の
酒井家
(
さかゐけ
)
さへ下座されしと
態
(
わざ
)
と
言觸
(
いひふら
)
し其
威勢
(
ゐせい
)
濤
(
おほなみ
)
の如くなれば東海道筋にて誰一人爭ふ者はなく
揚々
(
やう/\
)
として下りけるは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
今夜
(
こんや
)
はひどく
心持
(
こゝろもち
)
えゝんだよ、えゝよ
本當
(
ほんたう
)
だよ
勘次
(
かんじ
)
さん、お
前
(
めえ
)
草臥
(
くたびれ
)
たんべえな」
更
(
さら
)
にお
品
(
しな
)
は
威勢
(
ゐせい
)
がついていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その
眞下
(
ました
)
に、
魚屋
(
さかなや
)
の
店
(
みせ
)
があつて、
親方
(
おやかた
)
が
威勢
(
ゐせい
)
のいゝ
向顱卷
(
むかうはちまき
)
で、
黄肌鮪
(
きはだ
)
にさしみ
庖丁
(
ばうちやう
)
を
閃
(
ひらめ
)
かして
居
(
ゐ
)
たのは
偉
(
えら
)
い。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言下
(
げんか
)
に
武村
(
たけむら
)
と
呼
(
よ
)
ばれたる
兵曹
(
へいそう
)
は、つと
進寄
(
すゝみよ
)
り
威勢
(
ゐせい
)
よく
少年
(
せうねん
)
を
抱上
(
いだきあ
)
げて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
インキの
壺
(
つぼ
)
を、ふらここの
如
(
ごと
)
くに
振
(
ふ
)
つて、
金釦
(
きんぼたん
)
にひしやげた
角帽
(
かくばう
)
、かまひつけぬ
風
(
ふう
)
で、
薄髯
(
うすひげ
)
も
剃
(
あた
)
らず
遣放
(
やりつぱな
)
しな、
威勢
(
ゐせい
)
の
可
(
い
)
い、
大學生
(
だいがくせい
)
がづか/\と
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
た。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
若
(
わか
)
いのが
威勢
(
ゐせい
)
がいゝから、
誰
(
だれ
)
も(
帳面
(
ちやうめん
)
)を
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
るとは
知
(
し
)
らない。いや、
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
たかも
知
(
し
)
れない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ありや、と
威勢
(
ゐせい
)
よく
頭突
(
づつき
)
に
屈
(
かゞ
)
んで、
鼻息
(
はないき
)
をふツと
吹
(
ふ
)
き、
一散
(
いつさん
)
に
黒
(
くろ
)
く
成
(
な
)
つてがら/\と
月夜
(
つきよ
)
を
駈出
(
かけだ
)
す。……
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
別嬪
(
べつぴん
)
でござんした。」たゞでもこの
役
(
やく
)
はつとまる
所
(
ところ
)
をしみ/″\
禮
(
れい
)
をいはれた
上
(
うへ
)
に、「たんまり
御祝儀
(
ごしうぎ
)
を。」とよごれくさつた
半纏
(
はんてん
)
だが、
威勢
(
ゐせい
)
よく
丼
(
どんぶり
)
をたゝいて
見
(
み
)
せて
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
(
て
)
には
小皿
(
こざら
)
を
持
(
も
)
ちたり。
四五軒
(
しごけん
)
行過
(
ゆきす
)
ぎたる
威勢
(
ゐせい
)
の
善
(
よ
)
き
煮豆屋
(
にまめや
)
、
振返
(
ふりかへ
)
りて、よう!と
言
(
い
)
ふ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
投
(
な
)
げた
時
(
とき
)
、
偶
(
ふ
)
と
渠
(
かれ
)
は、
鼓打
(
つゞみうち
)
である
其
(
そ
)
の
従弟
(
いとこ
)
が、
業体
(
げふたい
)
と
言
(
い
)
ひ、
温雅
(
をんが
)
で
上品
(
じやうひん
)
な
優
(
やさ
)
しい
男
(
をとこ
)
の、
酒
(
さけ
)
に
酔払
(
ゑひはら
)
ふと、
場所
(
ばしよ
)
を
選
(
えら
)
ばず、
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る
外套
(
ぐわいたう
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
威勢
(
ゐせい
)
よくぱつと
投出
(
なげだ
)
す、
帳場
(
ちやうば
)
の
車夫
(
しやふ
)
などは
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
例
(
れい
)
の
梶棒
(
かぢぼう
)
を
横
(
よこ
)
に
見
(
み
)
せて
並
(
なら
)
んだ
中
(
なか
)
から、
毛
(
け
)
むくじやらの
親仁
(
おやぢ
)
が、しよたれた
半纏
(
はんてん
)
に
似
(
に
)
ないで、
威勢
(
ゐせい
)
よくひよいと
出
(
で
)
て、
手繰
(
たぐ
)
るやうにバスケツトを
引取
(
ひきと
)
つてくれたは
可
(
い
)
いが、
續
(
つゞ
)
いて
乘掛
(
のりか
)
けると
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鯖
(
さば
)
を、
鯖
(
さば
)
や
三番叟
(
さんばそう
)
、とすてきに
威勢
(
ゐせい
)
よく
賣
(
う
)
る、おや/\、
初鰹
(
はつがつを
)
の
勢
(
いきほひ
)
だよ。
鰯
(
いわし
)
は
五月
(
ごぐわつ
)
を
季
(
しゆん
)
とす。さし
網鰯
(
あみいわし
)
とて、
砂
(
すな
)
のまゝ、
笊
(
ざる
)
、
盤臺
(
はんだい
)
にころがる。
嘘
(
うそ
)
にあらず、
鯖
(
さば
)
、
鰡
(
ぼら
)
ほどの
大
(
おほき
)
さなり。
値
(
あたひ
)
安
(
やす
)
し。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
野中
(
のなか
)
の
古廟
(
こべう
)
に
入
(
はひ
)
つて、
一休
(
ひとやす
)
みしながら、
苦笑
(
にがわらひ
)
をして、
寂
(
さび
)
しさうに
獨言
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
つたのは、
昔
(
むかし
)
、
四川酆都縣
(
しせんほうとけん
)
の
御城代家老
(
ごじやうだいがらう
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
持
(
も
)
つて、
遙々
(
はる/″\
)
燕州
(
えんしう
)
の
殿樣
(
とのさま
)
へ
使
(
つかひ
)
をする、
一刀
(
いつぽん
)
さした
威勢
(
ゐせい
)
の
可
(
い
)
いお
飛脚
(
ひきやく
)
で。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“威勢”の意味
《名詞》
威 勢(いせい)
人を威圧する勢い。
活気のある勢い。
(出典:Wiktionary)
威
常用漢字
中学
部首:⼥
9画
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“威”で始まる語句
威
威嚇
威張
威猛高
威丈高
威厳
威力
威儀
威圧
威嚴