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新橋
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しんばし
ふりがな文庫
“
新橋
(
しんばし
)” の例文
以前
(
いぜん
)
、
何
(
なに
)
かに
私
(
わたし
)
が、「
田舍
(
ゐなか
)
から、はじめて
新橋
(
しんばし
)
へ
着
(
つ
)
いた
椋鳥
(
むくどり
)
が
一羽
(
いちは
)
。」とか
書
(
か
)
いたのを、
紅葉先生
(
こうえふせんせい
)
が
見
(
み
)
て
笑
(
わら
)
ひなすつた
事
(
こと
)
がある。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
忽
(
たちま
)
ち向うに見える雷門の
新橋
(
しんばし
)
と書いた
大提灯
(
おおぢょうちん
)
の下から、大勢の人がわいわいいって
駈出
(
かけだ
)
して来るのみか女の泣声までを聞付けた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夜汽車
(
よぎしや
)
で
新橋
(
しんばし
)
へ
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
は、
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りに
叔父
(
をぢ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
たが、
夫婦
(
ふうふ
)
とも
灯
(
ひ
)
の
所爲
(
せゐ
)
か
晴
(
は
)
れやかな
色
(
いろ
)
には
宗助
(
そうすけ
)
の
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
木挽町汐留
(
こびきちょうしおどめ
)
(いまの
新橋
(
しんばし
)
のふきん)にある
奥平
(
おくだいら
)
やしきにいきますと、
鉄砲洲
(
てっぽうず
)
(
築地
(
つきじ
)
)にある
中
(
なか
)
やしきの
長屋
(
ながや
)
をかしてくれるということでした。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「煙突に生えた足」にも劣らぬ奇怪事が、殆ど時を同じうして、やはり銀座通りの、
新橋
(
しんばし
)
に近いとある横町に起っていた。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
これは私があの
新橋
(
しんばし
)
停車場でわざわざ迎えに出た彼と
久闊
(
きゅうかつ
)
の手を握り合った時、すでに私には気がついていた事でした。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新橋
(
しんばし
)
を渡る時、発車を知らせる二番目の
鈴
(
ベル
)
が、霧とまではいえない九月の朝の、
煙
(
けむ
)
った空気に包まれて聞こえて来た。
葉子
(
ようこ
)
は平気でそれを聞いたが、車夫は宙を飛んだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そうして居られる閣下が、別の場所、例えば
新橋
(
しんばし
)
何々家で盃を嘗め乍ら芸者と歓を共にして居るもう一人の自分が居るなどと想像する事は、余り気味の好い話では有りますまい。
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
桂月様は
弟御
(
おとうとご
)
様おありなさらぬかも存ぜず候へど、弟御様はなくとも、
新橋
(
しんばし
)
渋谷などの汽車の出で候ところに、軍隊の立ち候日、一時間お立ちなされ候はば、見送の親兄弟や友達親類が
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
先
(
ま
)
ず一番先に
四谷
(
よツや
)
の
金物商
(
かなものや
)
へ参りましたが一年程居りまして
駈出
(
かけだ
)
しました、それから
新橋
(
しんばし
)
の
鍜冶屋
(
かじや
)
へ参り、三
月
(
つき
)
程過ぎて駈出し、又
仲通
(
なかどお
)
りの
絵草紙屋
(
えぞうしや
)
へ参りましたが、十
日
(
か
)
で駈出しました
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新橋
(
しんばし
)
駅(今の
汐留
(
しおどめ
)
)へ迎いに行ったら、汽車からおりた先生がお嬢さんのあごに手をやって仰向かせて、じっと見つめていたが、やがて手をはなして不思議な微笑をされたことを思い出す。
夏目漱石先生の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
かねて父の往診用の人力車はあったのですが、兄の帰朝のためにとまた一台新調して、出入の車夫には新しい
法被
(
はっぴ
)
を作って与えました。帰朝の日には
新橋
(
しんばし
)
まで迎いに出すという
心組
(
こころぐみ
)
でした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
お
高僧頭巾
(
こそづきん
)
に
肩掛
(
かたかけ
)
引
(
ひき
)
まとひ、
良人
(
つま
)
の
君
(
きみ
)
もろ
共
(
とも
)
川崎
(
かはさき
)
の
大師
(
だいし
)
に
參詣
(
さんけい
)
の
道
(
みち
)
すがら
停車塲
(
ていしやば
)
の
群集
(
くんじゆ
)
に、あれは
新橋
(
しんばし
)
か、
何處
(
どこ
)
ので
有
(
あ
)
らうと
咡
(
さゝや
)
かれて、
奧樣
(
おくさま
)
とも
言
(
い
)
はれぬる
身
(
み
)
ながら
是
(
こ
)
れを
淺
(
あさ
)
からず
嬉
(
うれ
)
しうて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
◎
木挽町
(
こびきちょう
)
五丁目辺の或る
待合
(
まちあい
)
へ、二三年以前
新橋
(
しんばし
)
の
芸妓
(
げいぎ
)
某が、
本町
(
ほんちょう
)
辺の客を
咥
(
くわ
)
え込んで、泊った事が有った、何でも明方だそうだが、客が眼を覚して枕を
擡
(
もたげ
)
ると、坐敷の
隅
(
すみ
)
に何か居るようだ
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
思ひ
止
(
と
)
まるべくもあらずとて、人々の
諫
(
いさ
)
むるを聞かず、叔母と乳母とに小児を托して引かるゝ
後髪
(
うしろがみ
)
を
切払
(
きりはら
)
ひ、書生と下女とに送られて
新橋
(
しんばし
)
に至り、発車を待つ間にも
児
(
じ
)
は
如何
(
いか
)
になし居るやらんと
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
新橋
(
しんばし
)
金春
(
こんぱる
)
屋敷に住んだ屋根
葺
(
ふき
)
で、屋根屋三右衛門が通称である。
本
(
もと
)
は
芝
(
しば
)
の料理店
鈴木
(
すずき
)
の
倅
(
せがれ
)
定次郎
(
さだじろう
)
で、屋根屋へは養子に来た。
少
(
わか
)
い時狂歌を作って
網破損針金
(
あみのはそんはりがね
)
といっていたのが、後
博渉
(
はくしょう
)
を以て聞えた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
新橋
(
しんばし
)
の手前までやってください。」
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
正面
(
まとも
)
なる
新橋
(
しんばし
)
の
天鵝絨
(
びろうど
)
の
空
(
そら
)
の深みに
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
其中
(
そのうち
)
漸
(
やうや
)
く
神戸
(
かうべ
)
行
(
ゆき
)
が
新橋
(
しんばし
)
から
來
(
き
)
た。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
隨分
(
ずゐぶん
)
故郷
(
こきよう
)
の
空
(
そら
)
の
懷
(
なつ
)
かしくなつた
事
(
こと
)
も
度々
(
たび/\
)
あつた——
昔
(
むかし
)
の
友人
(
ともだち
)
の
事
(
こと
)
や——
品川灣
(
しながはわん
)
の
朝景色
(
あさげしき
)
や——
上野淺草
(
うへのあさくさ
)
邊
(
へん
)
の
繁華
(
にぎやか
)
な
町
(
まち
)
の
事
(
こと
)
や——
新橋
(
しんばし
)
の
停車塲
(
ステーシヨン
)
の
事
(
こと
)
や——
回向院
(
ゑこうゐん
)
の
相撲
(
すまふ
)
の
事
(
こと
)
や——
神樂坂
(
かぐらざか
)
の
縁日
(
えんにち
)
の
事
(
こと
)
や——
萬
(
よろづ
)
朝報
(
てうほう
)
の
佛蘭西
(
フランス
)
小説
(
せうせつ
)
の
事
(
こと
)
や——
錦輝舘
(
きんきくわん
)
の
政談
(
せいだん
)
演説
(
えんぜつ
)
の
事
(
こと
)
や——
芝居
(
しばゐ
)
の
事
(
こと
)
や
浪花節
(
なにはぶし
)
の
事
(
こと
)
や
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
余所
(
よそ
)
の見る目もいと
殊勝
(
しゅしょう
)
に
立働
(
たちはたら
)
きてゐたりしが、
故
(
ゆえ
)
あつて再び身を
新橋
(
しんばし
)
の
教坊
(
きょうぼう
)
に置き
藤間某
(
ふじまなにがし
)
と名乗りて
児女
(
じじょ
)
に
歌舞
(
かぶ
)
を
教
(
おし
)
ゆ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
御米
(
およね
)
は
善良
(
ぜんりやう
)
な
夫
(
をつと
)
に
調戯
(
からか
)
つたのを、
多少
(
たせう
)
濟
(
す
)
まない
樣
(
やう
)
に
感
(
かん
)
じた。
宗助
(
そうすけ
)
は
其
(
その
)
翌日
(
あくるひ
)
すぐ
貰
(
もら
)
つて
置
(
お
)
いた
紹介状
(
せうかいじやう
)
を
懷
(
ふところ
)
にして、
新橋
(
しんばし
)
から
汽車
(
きしや
)
に
乘
(
の
)
つたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
こ
)
の
汽車
(
きしや
)
は
新橋
(
しんばし
)
を
昨夜
(
さくや
)
九時半
(
くじはん
)
に
発
(
た
)
つて、
今夕
(
こんせき
)
敦賀
(
つるが
)
に
入
(
はい
)
らうといふ、
名古屋
(
なごや
)
では
正午
(
ひる
)
だつたから、
飯
(
めし
)
に
一折
(
ひとをり
)
の
鮨
(
すし
)
を
買
(
かつ
)
た。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
きょうも、井上君のおとうさんにつれられて、いっしょに映画を見せてもらった帰りに、銀座でお茶をのんで、
新橋
(
しんばし
)
駅のほうへ歩いていたのでした。
妖人ゴング
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
父「
上野
(
うへの
)
と
新橋
(
しんばし
)
との
間
(
あひだ
)
さへ鉄道馬車があつただけなんだから。——鉄道馬車と云ふ度に思ひ出すのは……」
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
列車が
新橋
(
しんばし
)
に着くと葉子はしとやかに車を出たが、ちょうどそこに、
唐桟
(
とうざん
)
に
角帯
(
かくおび
)
を締めた、
箱丁
(
はこや
)
とでもいえばいえそうな、気のきいた若い者が電報を片手に持って、目ざとく葉子に近づいた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
どうしたつて
無
(
ね
)
えぢやア
無
(
ね
)
えか、
昨日
(
きのふ
)
は
年始𢌞
(
ねんしまは
)
りだ、
朝
(
あさ
)
家
(
うち
)
を出て
霊南坂
(
れいなんざか
)
を
上
(
あが
)
つて、
麻布
(
あざぶ
)
へ出たんだ、
麻布
(
あざぶ
)
から
高輪
(
たかなわ
)
へ出て、それから
芝
(
しば
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て、
新橋
(
しんばし
)
を渡り、
煉瓦通
(
れんがどほ
)
りを
𢌞
(
まは
)
つて
神田
(
かんだ
)
へ出て
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
百貨店の前身は
勧工場
(
かんこうば
)
である。
新橋
(
しんばし
)
や
上野
(
うえの
)
や
芝
(
しば
)
の勧工場より以前には
竜
(
たつ
)
の
口
(
くち
)
の勧工場というのがあって一度ぐらい両親につれられて行ったような
茫
(
ぼう
)
とした記憶があるが、夢であったかもしれない。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それから
銀座
(
ぎんざ
)
通りを
京橋
(
きょうばし
)
から
新橋
(
しんばし
)
まで、三度ほど、行ったり来たりした。そこを通っている人たちも、まるで言葉の通じない異国人のように見えた。
女妖:01 前篇
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大きな
行李
(
こうり
)
は
新橋
(
しんばし
)
まで預けてあるから心配はない。三四郎はてごろなズックの
鞄
(
かばん
)
と
傘
(
かさ
)
だけ持って改札場を出た。頭には高等学校の夏帽をかぶっている。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしこういう
業
(
ごう
)
つくばりの男の
事故
(
ことゆえ
)
、芸者が好きだといっても、当時
新橋
(
しんばし
)
第一流の名花と世に
持囃
(
もてはや
)
される
名古屋種
(
なごやだね
)
の美人なぞに目をくれるのではない。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
滝田
君
(
くん
)
に
最後
(
さいご
)
に
会
(
あ
)
ったのは今年の
初夏
(
しょか
)
、
丁度
(
ちょうど
)
ドラマ・リイグの
見物日
(
けんぶつび
)
に
新橋
(
しんばし
)
演舞場
(
えんぶじょう
)
へ行った時である。
小康
(
しょうこう
)
を
得
(
え
)
た滝田
君
(
くん
)
は三人のお
嬢
(
じょう
)
さんたちと
見物
(
けんぶつ
)
に来ていた。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女房
(
かみさん
)
の
料簡
(
れうけん
)
ぢやあ、
廓外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
て——それこそ
新橋
(
しんばし
)
なぞは、
近來
(
きんらい
)
吉原
(
よしはら
)
の
者
(
おの
)
も
大勢
(
おほぜい
)
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るから——
彼處等
(
あすこら
)
へ
行
(
い
)
つて
待合
(
まちあひ
)
でもすれば、
一番
(
いちばん
)
間違
(
まちがひ
)
は
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
つたのだが、
此議
(
これ
)
は
又
(
また
)
その
娘
(
むすめ
)
が
大反對
(
だいはんたい
)
で
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
えゝ
初
(
はじ
)
め
宅
(
たく
)
を出まして、それから
霊南坂
(
れいなんざか
)
を
上
(
あが
)
つて
麻布
(
あざぶ
)
へ出ました、
麻布
(
あざぶ
)
から
高輪
(
たかなわ
)
へ出まして、それから
芝
(
しば
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て、
新橋
(
しんばし
)
を渡り、
煉瓦通
(
れんがどほ
)
りを
𢌞
(
まは
)
りまして、
京橋
(
きやうばし
)
から
日本橋
(
にほんばし
)
から
神田
(
かんだ
)
へ出ましてな
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして
二人
(
ふたり
)
は楽しげに下宿から
新橋
(
しんばし
)
駅に車を走らした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
新橋
(
しんばし
)
詰めの勧工場がそのころもあったらしい。
銀座アルプス
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
封筒の消し印は
新橋
(
しんばし
)
になっているが、そんなものはあてにならない。つまり、どっかへ、とじこめられているんだね。
虎の牙
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
我
(
われ
)
この草のことをば八重より聞きて始めて知りしなり。八重その頃(明治四十三、四年)
新橋
(
しんばし
)
の
旗亭花月
(
きていかげつ
)
の裏手に
巴家
(
ともえや
)
といふ看板かかげて
左褄
(
ひだりづま
)
とりてゐたり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
三浦は
贅沢
(
ぜいたく
)
な暮しをしているといっても、同年輩の青年のように、
新橋
(
しんばし
)
とか
柳橋
(
やなぎばし
)
とか云う遊里に足を踏み入れる
気色
(
けしき
)
もなく、ただ、毎日この新築の書斎に閉じこもって
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御米
(
およね
)
は
何
(
ど
)
う
云
(
い
)
ふものか、
新橋
(
しんばし
)
へ
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
、
老人
(
らうじん
)
夫婦
(
ふうふ
)
に
紹介
(
せうかい
)
されたぎり、
曾
(
か
)
つて
叔父
(
をぢ
)
の
家
(
うち
)
の
敷居
(
しきゐ
)
を
跨
(
また
)
いだ
事
(
こと
)
がない。
向
(
むかふ
)
から
見
(
み
)
えれば
叔父
(
をぢ
)
さん
叔母
(
をば
)
さんと
丁寧
(
ていねい
)
に
接待
(
せつたい
)
するが、
歸
(
かへ
)
りがけに
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
洋行
(
やうかう
)
がへりの
新橋
(
しんばし
)
のちやき/\も、
同
(
おな
)
じく
糸崎
(
いとざき
)
を
知
(
し
)
らなかつた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
吾々は今日の
新橋
(
しんばし
)
に「
堀
(
ほり
)
の
小万
(
こまん
)
」や「
柳橋
(
やなぎばし
)
の
小悦
(
こえつ
)
」のやうな姿を見る事が出来ないとすれば、其れと同じやうに、二代目の
左団次
(
さだんじ
)
と六代目の
菊五郎
(
きくごらう
)
に向つて
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そして夜は、
新橋
(
しんばし
)
あたりのバーのスタンドに、三人が肩をならべて、洋酒に酔うこともあった。
月と手袋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一游亭
(
いちいうてい
)
と鎌倉より帰る。
久米
(
くめ
)
、
田中
(
たなか
)
、
菅
(
すが
)
、
成瀬
(
なるせ
)
、
武川
(
むかは
)
など停車場へ見送りに
来
(
きた
)
る。一時ごろ
新橋
(
しんばし
)
着。直ちに一游亭とタクシイを
駆
(
か
)
り、
聖路加
(
せいろか
)
病院に入院中の
遠藤古原草
(
ゑんどうこげんさう
)
を見舞ふ。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私はそのうち先生の留守に行って、奥さんと二人
差向
(
さしむか
)
いで話をする機会に出合った。先生はその日
横浜
(
よこはま
)
を
出帆
(
しゅっぱん
)
する汽船に乗って外国へ行くべき友人を
新橋
(
しんばし
)
へ送りに行って留守であった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はその翌日の朝
新橋
(
しんばし
)
に着き
人力車
(
じんりきしゃ
)
で市ヶ谷監獄署の裏手なる父の邸宅へ送り込まれました。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
すこし散歩しようというので、ふたりは銀座通りに出て
新橋
(
しんばし
)
駅のほうへ歩いていきました。
宇宙怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
人に
伴
(
つ
)
れられて彼を
新橋
(
しんばし
)
に迎えたこの娘は、久しぶりに父の顔を見て、もっと
好
(
い
)
い
御父
(
おとう
)
さまかと思ったと
傍
(
はた
)
のものに語った如く、彼女自身の容貌もしばらく見ないうちに悪い方に変化していた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さて
旧臘
(
きゅうろう
)
以来種々御意匠を
煩
(
わずら
)
はし候
赤坂豊狐祠畔
(
あかさかほうこしはん
)
の草庵やつと壁の
上塗
(
うわぬり
)
も乾き昨日
小半
(
こはん
)
新橋
(
しんばし
)
を
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
新橋
(
しんばし
)
の大通りにある、
玉宝堂
(
ぎょくほうどう
)
という宝石店にふしぎな事件がおこりました。
鉄人Q
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
新
常用漢字
小2
部首:⽄
13画
橋
常用漢字
小3
部首:⽊
16画
“新橋”で始まる語句
新橋停車場
新橋楼
新橋脇
新橋行
新橋辺
新橋邊
新橋駅
新橋驛
新橋夜話
新橋柳橋