指輪ゆびわ)” の例文
「どうもはらのなかがおもくるしくてしかたがない。おきさきさまのまどの下にあった指輪ゆびわを、あわてて、いっしょにのみこんじまったんだ。」
えん、二千えんというふだのついた、ダイヤモンドの指輪ゆびわが、装飾品そうしょくひんにならべてありました。それをただけでもびっくりしたのです。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
乳母 もしえ、この指輪ゆびわひいさまから、わしに貴下こなたげませいとうて。さ、はやう、いそがしゃれ、いかけたによって。
「そうよ、あたしアラビアンナイトで見たわ」あねほそぎんいろの指輪ゆびわをいじりながらおもしろそうにはなししていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その指には、一ぽんのこらず、ダイヤモンドの指輪ゆびわがきらきら光っていました。しかも、それはみんなほんものです。
まほう使はこう言いながら、おまもりだといって、まほうの指輪ゆびわをアラジンの指にはめてくれました。そして、すぐに出かけるようにと命令めいれいしました。
りやうさん今朝けさ指輪ゆびわはめてくださいましたかとこゑほそさよこたへはむねにせまりてくちにのぼらず無言むごんにさしひだりせてじつとばかりながめしが。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人造金の指輪ゆびわ売りや、暗記術速習の本を売る書生風の男や、それから薄暗い横町の電柱の陰ではつばれた帽子で目隠しをしたヴァヰオリンひきの唄売りなど
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
時々、あひまに、彼女は、彼女の指輪ゆびわはさみを探し、またはひよつとすると私に夕飯として、なにか——甘ぱんだとかチーズのパイだとか——を持つてやつて來た。
廊下伝ひに坐敷へ案内された三千代みちよは今代助の前にこしを掛けた。さうして奇麗な手をひざうへかさねた。したにした手にも指輪ゆびわ穿めてゐる。うへにした手にも指輪ゆびわ穿めてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
といつて肩書かたがきところゆびさした、おそろしくみぢかいゆびで、黄金きん指輪ゆびわふといのをはめてる。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
中に雪つもる夜の明星かとばかり紫匂ふダイヤモンド、此指輪ゆびわは彼人の手に日頃光しそれよ白ばらは二人が紀念きねんの、さゝやきし其時の息やこもるなつかしやとばかりつく息も苦氣くるしげなり。
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
細君が指輪ゆびわをなくしたので、此頃勝手元の手伝てつだいに来る隣字となりあざのおすずに頼み、きちさんに見てもらったら、母家おもやいぬい方角ほうがく高い処にのって居る、三日みっか稲荷様いなりさまを信心すると出て来る、と云うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
料理番がカモのくびをちょんぎって、はらわたをだしてみますと、はたして、ぶくろのなかにおきさきさまの指輪ゆびわがはいっていました。
むすめは、いい指輪ゆびわれたので、たいそうよろこんで、これもおかあさんのおかげだとおもって、はやくおとうと治療ちりょうをするためにりました。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、土手どてにひざまずいて、死ぬ前のおいのりをしようとして、両手をしっかりとにぎりあわせました。その時、知らずにまほうの指輪ゆびわをこすったのでした。
ヂュリ おゝ、はやうて! そしてこの指輪ゆびわわし勳爵士ナイトどのに手渡てわたして、訣別いとまごひにござるやうつたへてたも。
明日あすからはくるまのおともまるまじ、おもへば何故なぜひとのあのやうやなりしかとながたもとうちかへしうちかへし途端とたん紅絹もみの八ツくちころ/\とれて燈下とうか耀かヾやく黄金わうごん指輪ゆびわ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
午後三時頃、スミス先生が、二ヤァドばかしのモスリンの端切はしきれを、針や指輪ゆびわと一緒に私に渡して、教室の靜かな隅つこの方へ引つぱつて行つて、このふちをとるようにと指圖さしづしてくれた時は嬉しかつた。
そうして、くるあさいてみますと、不思議ふしぎにも、一人ひとりむすめのまくらもとには、みごとなくしと、ひかった高価こうか指輪ゆびわがありました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
若者わかものは、さっそく海べにつれていかれました。そして、若者の目のまえできん指輪ゆびわが海のなかにほうりこまれました。
そして、このまほうのランプと、ふしぎな指輪ゆびわの使い方がわかったから、これからは、この二つをうまく使って、くらしむきのたすけにしようと思う、と言いました。
わしたまやりるは、ひめかほようがためでもあるが、それよりもひめけたたふと指輪ゆびわある大切たいせつよう使つかはうため取外とりはづしてるのがおも目的もくてきぢゃによって、はやね。
身分みぶんたかからずともまことある良人おつと情心なさけごゝろうれしく、六でう、四でういへを、金殿きんでんとも玉樓ぎよくろうとも心得こゝろえて、いつぞや四てう藥師樣やくしさまにてふてもらひし洋銀ようぎん指輪ゆびわ大事だいじらしう白魚しらをのやうな、ゆびにはめ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
指輪ゆびわについている宝石ほうせきからは、あおひかりや、金色きんいろひかりが、おんなたちのからだをうごかし、をふるたびにひらめいたのでした。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、いちばんおしまいのさかずきのなかに、うちからもってきた、かわいい指輪ゆびわをおとしておきました。
蒲田屋かばたや旦那だんなのやうに角袖外套かくそでぐわいとうなにてね、祖母おばあさんが仕舞しまつて金時計きんどけいもらつて、そして指輪ゆびわもこしらへて、卷煙草まきたばこつて、ものなにからうな、おいらは下駄げたより雪駄せつたきだから
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「おじょうちゃん、なにをひろいました。ちょっとおせなさい、きん指輪ゆびわでないこと。」と、そばへってきて、ゆりちゃんのなかをのぞきました。
金色のボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、七ばんめのカラスがさかずきをのみほしたとき、かわいい指輪ゆびわがころがりでました。よく見ますと、それはたしかに、見おぼえのある、おとうさんとおかあさんの指輪です。
指輪ゆびわのかゝやくしろ指先ゆびさきを、籐編とあみの火鉢ひばちふちにぞけたる。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのみせには、ガラス内側うちがわに、宝石ほうせきはいった指輪ゆびわや、金時計きんどけいや、ぎん細工さいくをしたえりかざりや、寒暖計かんだんけいや、いろいろなものがならべてありましたが、なかにも
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうさんとおかあさんのおもに小さな指輪ゆびわをひとつ、それから、おなかがへったときのためにパンをひとかたまり、のどがかわいたときのために小さいつぼに水を一ぱい、それに
びたりとかやまいもとはお前様まへさまはるゝも道理どうりなりらざりしわれうらめしくもらさぬきみうらめしく今朝けさ見舞みまひしときせてゆるびし指輪ゆびわぬきりてこれ形見かたみとも見給みたまはゞうれしとて心細こゝろぼそげにみたる其心そのこゝろ今少いますこはやらばくまでにはおとろへさせじを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
といって、ちいさな紙包かみづつみのなかから、あかうおのように、うつくしくひかいしのはいった指輪ゆびわしてみせました。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなが、いちばんいい着物きものをきて、っているだけの指輪ゆびわをはめてきたからです。そして、おとこも、おんなも、調子ちょうしをとって、おもしろそうにおどったのでした。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「その指輪ゆびわは、だれからもらったのか。」と、その青年せいねんは、うたのであります。いつか、約束やくそくにもらった指輪ゆびわは、いまはかえって、邪魔じゃまとなったのでした。
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
またほかの二人ふたりむすめらは、一人ひとりは、うつくしいくしをあたまし、きれいな指輪ゆびわをはめています。一人ひとりは、いい音色ねいろのするオルガンをらしてうたをうたっています。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
指輪ゆびわって、おとうと病気びょうきくしようというやさしいじょう感心かんしんせずにはいられなかったのでした。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうおんなにいわれて、よろこばぬおとこはなかったでありましょう。若者わかものは、おおいにはしゃいで、このあいだもらって、秘蔵ひぞうしていた指輪ゆびわを、そのむすめあたえ、ゆびにはめてやりました。
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、ちぢれ少女おとめは、ともだちにあってみますと、一人ひとりは、うつくしいくしと指輪ゆびわっているし、一人ひとりは、いい音色ねいろのするオルガンをっていますので、なんとなく
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、永久えいきゅうになくしてしまったとおもっていた、おかあさんの形見かたみ指輪ゆびわでありました。
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぜいたくなおんなゆびにはめた、指輪ゆびわについていたのだ。まあ、あすこをごらん、あんなにぴかぴかひかっているものがある。あれは、強欲ごうよくなじいさんが大事だいじにしまっておいた黄金こがねかたまりだ。
塩を載せた船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
したにはまどがあって、一つのガラスまどなかには、それはうつくしいものばかりがならべてありました。金銀きんぎん時計とけいや、指輪ゆびわや、あかあおむらさき、いろいろのいろ宝石ほうせきほしのようにかがやいていました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
西洋流せいようりゅうですと、婚約こんやく指輪ゆびわをおくる風習ふうしゅうがありますが、東洋とうよう日本にっぽんでも、むかしから、おんなこころをうつすといって、かがみをたいせつにしましたが、婚約こんやくにももちいられはしなかったでしょうか?」
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある行商人ぎょうしょうにんが、むらへはいってきました。くろいふろしきに、はこつつんだのをせおっていました。はこなかには、おんなのほしそうな、指輪ゆびわや、かんざしや、いろいろのものがはいっていました。
お母さんのかんざし (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてもう一けんねんのために、かすかに燈火ともしびのもれるおおきないえまどさきに近寄ちかよって、のすきまからのぞいてみますと、へやのうちでは、うつくしいあねいもうとが、真珠しんじゅや、ルビーのはいった指輪ゆびわや、腕輪うでわ
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
人間にんげん指輪ゆびわについている宝石ほうせきひかりるいではなかったのでした。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
指輪ゆびわでしょう。」と、春子はるこさんは、こたえました。
玉虫のおばさん (新字新仮名) / 小川未明(著)