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遮
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さへぎ
ふりがな文庫
“
遮
(
さへぎ
)” の例文
櫻
(
さくら
)
の
樹
(
き
)
の
梢
(
うら
)
を、ぱつと
照
(
て
)
らして、
薄明
(
うすあか
)
るく
掛
(
かゝ
)
るか、と
思
(
おも
)
へば、
颯
(
さつ
)
と
墨
(
すみ
)
のやうに
曇
(
くも
)
つて、
月
(
つき
)
の
面
(
おもて
)
を
遮
(
さへぎ
)
るや
否
(
いな
)
や、むら/\と
亂
(
みだ
)
れて
走
(
はし
)
る……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
傍
(
かたはら
)
なるバルザツク忽ちその語を
遮
(
さへぎ
)
つて云ひけるは、「君の我等に伍せんとするこそ
烏滸
(
をこ
)
がましけれ。我等は近代文芸の
将帥
(
しやうすゐ
)
なるを」
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日は林に
遮
(
さへぎ
)
られる様になつた。四人で生前の追想談などして居ると、平七を始め四五人連立つて骨拾ひに来た。其中に骨が上つた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「
詫
(
あや
)
まるなんて」と三千代は声を
顫
(
ふる
)
はしながら
遮
(
さへぎ
)
つた。「
私
(
わたくし
)
が
源因
(
もと
)
で
左様
(
さう
)
なつたのに、
貴方
(
あなた
)
に
詫
(
あや
)
まらしちや
済
(
す
)
まないぢやありませんか」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのうちには色々の事に
遮
(
さへぎ
)
られて何日となく中絶してゐた英語の獨修を續ける事や、最も好きな歴史を繰返して讀む事や、色々あつたが
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
何といふ不思議であらう! その人影は、明るい月夜のなかで、目を
遮
(
さへぎ
)
るものもない野原のなかで、忽然と形が見えなくなつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
今しも三人の若者が眼を
瞋
(
いか
)
らし、
拳
(
こぶし
)
を固めて、
勢
(
いきほひ
)
猛
(
まう
)
に打つて
蒐
(
かゝ
)
らうとして居るのを、傍の老人が
頻
(
しき
)
りにこれを
遮
(
さへぎ
)
つて居るところであつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
貴婦人は差し向けたる手を
緊
(
しか
)
と据ゑて、目を
拭
(
ぬぐ
)
ふ間も
忙
(
せはし
)
く、なほ心を留めて望みけるに、
枝葉
(
えだは
)
の
遮
(
さへぎ
)
りてとかくに思ふままならず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
されど我胸には
縦
(
たと
)
ひいかなる境に遊びても、あだなる美観に心をば動さじの誓ありて、つねに我を襲ふ外物を
遮
(
さへぎ
)
り留めたりき。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
いづれの家にても雪は家よりも
高
(
たかき
)
ゆゑ、春を
迎
(
むかふ
)
る時にいたればこゝろよく
日光
(
ひのひかり
)
を引んために、
明
(
あかし
)
をとる処の
窗
(
まど
)
に
遮
(
さへぎ
)
る雪を他処へ
取除
(
とりのく
)
るなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其壁
(
そのかべ
)
を
越
(
こ
)
して、
桑樹
(
くはのき
)
の
老木
(
らうぼく
)
が
繁
(
しげ
)
り、
壁
(
かべ
)
の
折
(
を
)
り
曲
(
まが
)
つた
角
(
かど
)
には
幾百年
(
いくひやくねん
)
經
(
た
)
つか、
鬱
(
うつ
)
として
日影
(
ひかげ
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
樫樹
(
かしのき
)
が
盤居
(
わだかま
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「まあ、あんた……そないに一々やつて下さんすな……これ……。」と老母はそれと見て取つて
仰山
(
ぎやうさん
)
に
遮
(
さへぎ
)
つても駄目だつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
いつも両側の
汚
(
よご
)
れた
瓦屋根
(
かはらやね
)
に
四方
(
あたり
)
の
眺望
(
てうばう
)
を
遮
(
さへぎ
)
られた地面の低い
場末
(
ばすゑ
)
の
横町
(
よこちやう
)
から、
今
(
いま
)
突然
(
とつぜん
)
、橋の上に出て見た四月の
隅田川
(
すみだがは
)
は
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其
(
そ
)
れが
月光
(
げつくわう
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
樅
(
もみ
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
著
(
いちじ
)
るしく
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つて、
身
(
み
)
を
動
(
うご
)
かす
度
(
たび
)
に一
齊
(
せい
)
にがさがさと
鳴
(
な
)
りながら
波
(
なみ
)
の
如
(
ごと
)
く
動
(
うご
)
いて
彼等
(
かれら
)
の
風姿
(
ふうし
)
を
添
(
そ
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「あの頃のことをこの上もう云はないで下さい。」と私は
遮
(
さへぎ
)
つた。眼からはひそかな涙がはら/\とこぼれた。彼の言葉は私には苦痛であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
お杉はあわてて清吉を
遮
(
さへぎ
)
りましたが、自分の身にふりかゝる恐ろしい疑ひに壓倒されて、ろくに口もきけない樣子です。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「本当によして頂戴」常子はそれを見て鶴子の手を
遮
(
さへぎ
)
つた。「女中にお
委
(
まか
)
せなさいよ。みんな手がすいてるぢやないの」
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
老女は手もて之ぞ
遮
(
さへぎ
)
り「なんの先生、
貴郎
(
あなた
)
に奥さんのお出来なさる迄は婦人会の方で及ばずながら御世話しようツて、皆さんの
御気込
(
おきご
)
ですから——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「それは分つてゐます。」と、武井が
遮
(
さへぎ
)
つた。「長明の思想は佛教の
輪𢌞説
(
りんねせつ
)
の影響を受けた厭世思想だと思ひます。 ...
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『
品物
(
しなもの
)
ばかり
列
(
なら
)
べ
立
(
た
)
てたつて
何
(
なん
)
の
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つか?』と
海龜
(
うみがめ
)
は
遮
(
さへぎ
)
つて、『
幾
(
いく
)
ら
云
(
い
)
つても
説明
(
せつめい
)
しないから。こんなに
錯雜紛糾
(
ごたくさ
)
したことを
聞
(
き
)
いたことがない!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さうして
胚種
(
はいしゆ
)
の通りすがりに、おまへは之を髮に受けとめる、おまへは風と花とを
遮
(
さへぎ
)
らうとして張りつめた
網
(
あみ
)
だ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
それで
葉
(
は
)
の
内部
(
ないぶ
)
に
色
(
いろ
)
のある
液
(
えき
)
を
含
(
ふく
)
んで、その
強
(
つよ
)
い
光
(
ひかり
)
を
遮
(
さへぎ
)
るわけで、つまり
若葉
(
わかば
)
が
自分自身
(
じぶんじしん
)
の
保護
(
ほご
)
をするのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
『だから土屋君は困るよ。』と丑松は
対手
(
あひて
)
の言葉を
遮
(
さへぎ
)
つた。『
何時
(
いつ
)
でも君は早呑込だ。自分で斯うだと決めて了ふと、もう他の事は耳に入らないんだから。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
向
(
むか
)
ひ側が
直
(
すぐ
)
行
(
い
)
き附けのカフエエに成つて居る。
之
(
これ
)
が為に幾台かの自動車が
少時
(
しばらく
)
交通を
遮
(
さへぎ
)
られる騒ぎであつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
請ふ我等に告げよ、汝未だ死の
網
(
あみ
)
の中に入らざるごとく、身を壁として日を
遮
(
さへぎ
)
るはいかにぞや。 二二—二四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
『たゞ
無用
(
むよう
)
なる
吾等
(
われら
)
が、
徒
(
いたづ
)
らに
貴下等
(
きから
)
を
煩
(
わずら
)
はすのを
憂
(
うれ
)
ふるのみです。』と
語
(
かた
)
ると、
大佐
(
たいさ
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
其
(
その
)
言
(
げん
)
を
遮
(
さへぎ
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
以て久八
助命
(
じよめい
)
仰せ付られ下し置れ候樣
偏
(
ひと
)
へに願ひ上奉つり候と頻りに繰返し/\願ひ立ける程に有合一同の者共昨日迄何とも言ざりし吉兵衞が
俄
(
には
)
かに
遮
(
さへぎ
)
つて助命を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
村ざかひに鹿の
跳
(
は
)
ねてゐたといふのも森林が筑波山に續いてゐた
事實
(
じじつ
)
を語るものである。私達の七つ八つの頃は立ち覆ふ大木に
遮
(
さへぎ
)
られて小貝川の堤が見えなかつた。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
一同
(
みんな
)
は驚いて箸を止めたが、それは竹丸が一番先きに食事を濟まして、母の眼界から
遁
(
のが
)
れ去らうとする時、自分の身體で母の眼と一同の食膳との間を
遮
(
さへぎ
)
つたのであつた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ロミオ あの
石垣
(
いしがき
)
は、
戀
(
こひ
)
の
輕
(
かる
)
い
翼
(
つばさ
)
で
踰
(
こ
)
えた。
如何
(
いか
)
な
鐵壁
(
てっぺき
)
も
戀
(
こひ
)
を
遮
(
さへぎ
)
ることは
出來
(
でき
)
ぬ。
戀
(
こひ
)
は
欲
(
ほっ
)
すれば
如何樣
(
どのやう
)
な
事
(
こと
)
をも
敢
(
あへ
)
てするもの。
卿
(
そもじ
)
の
家
(
うち
)
の
人達
(
ひとたち
)
とても
予
(
わし
)
を
止
(
とゞ
)
むる
力
(
ちから
)
は
有
(
も
)
たぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
海と
市街
(
まち
)
との間に屏風のやうな山がぬつと
衝立
(
つゝた
)
つてゐるので、凉しい海の風はそれに
遮
(
さへぎ
)
られて吹いて来ず、夏になると、
市街
(
まち
)
の人はフライ鍋で
熬
(
い
)
りつけられる肉のやうに
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(譯者云。カインは
亞當
(
アダム
)
が第一の子にして、弟を殺して神に供へき。)この間幾時をか經たる、知らず。わが足を
駐
(
とゞ
)
めしは、黄なるテヱエルの流の前を
遮
(
さへぎ
)
るを見し時なりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
精霊の思想は以て幽霊の新題目を文学に加ふるところありしと雖、一方に於ては輪転あり、無常あり、寂滅あり、以て人間の思慕を
截断
(
せつだん
)
し、幽奥なる観念を
遮
(
さへぎ
)
るに足りしなり。
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
沼猶
見
(
み
)
えず、又次の高山に
登
(
のぼ
)
る
猶
(
なほ
)
見
(
み
)
えず、
斯
(
か
)
くして
遂
(
つゐ
)
に
最高
(
さいこう
)
の山に
上
(
のぼ
)
る、欝樹猶眼界を
遮
(
さへぎ
)
る、衆大に
困
(
くるし
)
み
魑魅
(
りみ
)
の
惑
(
まどは
)
す所となりしかを疑ふ、喜作
直
(
ただ
)
ちに高樹の
頂
(
いただき
)
に
攀
(
よ
)
ぢ
上
(
のぼ
)
り驚て曰く
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
叩きつける雨の勢ひは、
遮
(
さへぎ
)
るものにあたつて
彈
(
はじ
)
きかへされ、白い霧になつてゐる。
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「もう沢山だ。」私は幾らか本気で、かう
遮
(
さへぎ
)
らざるを得なかつた。が、内心では彼等にかう
揶揄
(
からかは
)
れる事に
依
(
よ
)
つて、私も一人前の遊蕩児になつたやうな気がして、少しは得意にもなつてゐた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
「私は貴方にお詫びします。私は生意氣でした。金策の宛もないのに、無暗に意張つて、貴方の折角の決心を
遮
(
さへぎ
)
つた。もう貴方の自由に任せませう。どうならうとも私は異議がありません。」
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
伊留満喜三郎 (菊枝を
遮
(
さへぎ
)
り)見やれ、こりや神罰ぢや。南蛮寺の罰ぢや。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
厚い黒雲が空を蔽うて日光を
遮
(
さへぎ
)
つた。太陽コンパスはもう役に立たない。頼るのはたゞ地磁気のコンパスだけである。夕方になると、頭上には密雲が厚く重なり、足下には濃霧が渦巻いてゐる。
北極のアムンセン
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
猶之が為に殺さると、
彼
(
か
)
の宗教の名を以て、世に行はるゝ虚礼、空文は
奚
(
いづくん
)
ぞ基督教の獅身虫に
非
(
あらざら
)
んや、それ藩籬は以て侵叛を防げども之が為に其室内の
玲瓏
(
れいろう
)
を
遮
(
さへぎ
)
るべし、世の所謂神学なるもの
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
と、
院長
(
ゐんちやう
)
は
突然
(
だしぬけ
)
にミハイル、アウエリヤヌヰチの
言
(
ことば
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
言
(
い
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
コノ時暴風進路ヲ
遮
(
さへぎ
)
リテ船危ク、
乃
(
すなは
)
チかつど岬ニ還リテソノ付近ノぷろゐんすたんニ難ヲ避ケヌ——今ヤ殖民地ノ位置ヲ選択スルコト何ヨリモ急ニ、探険隊ノ相分レテソノ捜索ニ従事スルコト五週間
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、直人は、静かに
遮
(
さへぎ
)
つて、ごくりと唾をのみ込んだ。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
遮
(
さへぎ
)
りそれでは
未
(
ま
)
だ
御存
(
ごぞん
)
じの
無
(
な
)
きならん
父御
(
てゝご
)
さまと
兄
(
あに
)
との
中
(
なか
)
にお
話
(
はな
)
し
成立
(
なりた
)
つてお
前
(
まへ
)
さまさへ
御承知
(
ごしようち
)
ならば
明日
(
あす
)
にも
眞實
(
しんじつ
)
の
姉樣
(
あねさま
)
お
厭
(
いや
)
か/\お
厭
(
いや
)
ならばお
厭
(
いや
)
でよしと
薄氣味
(
うすきみ
)
わろき
優
(
やさ
)
しげの
聲
(
こゑ
)
嘘
(
うそ
)
か
實
(
まこと
)
か
餘
(
あま
)
りといへば
餘
(
あま
)
りのこと
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、
蛙
(
かへる
)
がそれを
遮
(
さへぎ
)
つて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
空わたる日を
遮
(
さへぎ
)
りぬ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
八
方
(
ぱう
)
草
(
くさ
)
ばかりで、
遮
(
さへぎ
)
るものはないから、
自動車
(
じどうしや
)
は
波
(
なみ
)
を
立
(
た
)
てゝ
砂
(
すな
)
に
馳
(
は
)
しり、
小砂利
(
こじやり
)
は
面
(
おもて
)
を
打
(
う
)
つ
凄
(
すさま
)
じさで、
帽子
(
ぼうし
)
などは
被
(
かぶ
)
つて
居
(
を
)
られぬ。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いづれの家にても雪は家よりも
高
(
たかき
)
ゆゑ、春を
迎
(
むかふ
)
る時にいたればこゝろよく
日光
(
ひのひかり
)
を引んために、
明
(
あかし
)
をとる処の
窗
(
まど
)
に
遮
(
さへぎ
)
る雪を他処へ
取除
(
とりのく
)
るなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
北は京橋通の
河岸
(
かし
)
で、書院の庭から見れば、対岸天満組の人家が一目に見える。
只
(
たゞ
)
庭の
外囲
(
ぐわいゐ
)
に梅の
立木
(
たちき
)
があつて、少し展望を
遮
(
さへぎ
)
るだけである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
かくて彼が世界の大帝王に希求する所は、たゞ其暖かき日光を
遮
(
さへぎ
)
るなからむ事のみなりき。彼は運命を戦へり、戦つて
而
(
しか
)
して運命を超越せり。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
遮
常用漢字
中学
部首:⾡
14画
“遮”を含む語句
遮莫
遮断
盧遮那仏
遮二無二
遮切
盧遮那
廬遮那
遮蔽
遮那王
遮斷
廬遮那仏
大毘盧遮那加持経
無遮
遮光
遮而
阿毘遮魯迦
電路遮断器
遮欄
遮水管
遮絶
...