すけ)” の例文
今は隱退いんたいしてゐる小菅けんすけろうだん關根せきね金次郎名人にむかつて、としをとるとらく手がありちになる。らく手があるやうでは名手とは言へぬ。
とにこにこしながら、いばってかえっていきました。そしてかえるとさっそく、おとなりのちゅうすけねずみをむすめのお婿むこさんにしました。
ねずみの嫁入り (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
などとうらんでよこし「まあ、それはともかく、今夜あたりまたすけにだけでもお目にかかりに参りましょう」と言ってきた。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
かけたりけるかくて七すけとおうめは家主へあづ粂之進くめのしん揚屋あがりやいり喜八伊兵衞いへゑらうもどされけりさて翌日よくじつ大岡殿登城とじやうありて月番の御老中ごらうぢう松平右近將監殿まつだひらうこんしやうげんどの御逢おあひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「私は近いうちに中老を拝命する筈だ」と主計は云った、「そのときそこもとにすけ役を頼みたいが、承知してくれるか」
古今集巻之五 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「大阪にうめすけと云ふ役者があるの、綺麗な顔ですよ。このあひだね、お小姓こしやうになつたの、桃色のお振袖ふりそでを着てましたよ。」
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
十か二十か悉皆みなとははずたゞまいにて伯父おぢよろこ伯母おば笑顏ゑがほ、三すけ雜煮ぞうにのはしもらさるゝとはれしをおもふにも、うでもしきはかね
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのことからおいらが思いつき、一人いい人をすけに出すから、おいらに小遣いを一両くれろ、然し一昼夜限りでその人は返してくれといったんだ。
沓掛時次郎 三幕十場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
つづいて、鷹匠の手からもすけの鷹が二羽三羽。……白黒の一点と遙かになり、また池のみぎわまで舞いおり、飛びかい、追いかけ、卍巴まんじともえのように入りみだれる。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
承知のすけだ。加と公の半身像なんぞ、目をつぶってもできる。これは面黒おもくろい。ぜひやってみましょう、だが。
号外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
なほ、当直には一名の助手がつき、これを「すけ」と呼んでゐる。当直者はその翌日一日休みになつてゐて、昼寝をしようが他の舎へ遊びに行かうが自由である。
続癩院記録 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
大宮司の許へ来て盗人の詮議をしていたすけきみ文室広之ぶんやのひろゆきは、武士十人ばかりをやって豊雄を捕えさした。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
津木つきピンすけ福地ふくちキシャゴがいるから、頼んでからかわしてやろう」吾輩は金田君の生国しょうごくは分らんが
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところが或日あるひのこと、自分の生んだ子の子良しりやうが来て、おつさんはぜいつもそんな不機嫌ふきげんな顔をしてゐるのですか、ときますから、実はわたしはお隣りのすけさんや
子良の昇天 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「ウッフフ。わッははは! 左様でござるか。すけでござるか。助でござるか。助の下は平でござるな」
お浪ははや寝しすけが枕の方につい坐って、呼吸いきさえせぬようこれもまた静まりかえり居るさびしさ。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なげえ間すけに行ってるが、喧嘩どころか大きい声をして呼んだ事もねえ……おれを可愛がって、近所の人が本当の兄弟きょうでえでもアは出来ねえと感心しているくれえだのに
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
年はみんな十七か八ぐれえの水の出花でばなってえ奴でしたが、最初っからの固いお布告ふれで、そんな女たちに指一本でも指したら最後のすけ、お給金が貰えねえばかりでなく
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かつて一人の板場いたばが病気になつたので、すけに来た若い男があつたが、お互ひに久保田万太郎の愛読者であることを発見して、二人して大いに彼の芸術を論じたことがある。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
だれでもよいから、ひとり、檀家だんかたいらすけ殿とののお邸へまいって、つぎのようにはなしなさい。
かれはいつもなみだぐんでぺこぺこ頭を下げるチビすけが、しかも昨夜かれの伯父がおれの父をなぐったことを知ってるチビ助が、復讐ふくしゅうのおそれも感ぜずにいつもより勇敢ゆうかんなのを見ると
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
金五郎の下で、すけボーシンをしている松川源十は、顔中、菊石あばたなので、「六ゾロの源」と、仲間から呼ばれている。六ゾロは骰子さいころの六の目が二つ列んだ形だ。源十も小博徒である。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
ある、お湯屋ゆやで、三すけが、あおかおぼっちゃんだが、どこかわるくはないんですか、子供こどものうちは、勉強べんきょうなどよりもからだがいちばん大事だいじですぜといった、言葉ことばにたいそう感心かんしんなさって
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それに、説明を買ってでたレスラアB氏の説明が出鱈目でたらめで、たとえば≪すけ≫と読むべきところを≪助人じょにん≫と読みあげるようなあやまりが、ぼくには奇妙な哀愁あいしゅうとなって、引きこまれるのでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
かねて根岸、石子両刑事からのたのみもあることですから、こゝに第二の聴取書中のすけと云う無形の土工を呼び起してさも真実らしく申立てたのです。なれども事中々には承知して下さらんのです。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
ここは、海部代官の支配区域、本来、お手前たちの腕だけで、こんな者は、とうにパキパキと召捕あげてみせなければならないのではないか。それを、徳島から釘抜きの眼八様がすけに来てやっているんだ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「渡しのコンすけといふものだが渡しの御用はないかな。」
狐の渡 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
両方からすけだちを乞うような眼を受けて
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
すけさん助さん
別後 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
かねて見置みおきしすゞり引出ひきだしより、たばのうちをたゞまい、つかみしのちゆめともうつゝともらず、三すけわたしてかへしたる始終しじうを、ひとなしとおもへるはおろかや。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わしは、いささか本草と物産に眼があいているから、そのほうのすけをやる。ご迷惑はかけないつもりだ
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すけきみ御祓おはらいももう間近かでお忙しいようですから、何か御用がおありになれば代りに私にお言いつけなすって下さい。これからは度々お伺いいたす積りです」
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
代助はり向きもせず、書斎へもどつた。敷居しきゐを跨いで、なかへ這入るや否や三千代のかほを見ると、三千代は先刻さつきすけいてつた洋盃コツプを膝のうへに両手で持つてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのすけへいがちと度が強すぎてな。何と申してよいやら、あのようなのも先ず古今無双じゃ。
粂之進くめのしんは見てハツと思へどもわざと何氣なくの者は拙者せつしや方にて取迯とりにげいたし候者と云乍いひながら七すけむかさては其方うめ密通みつつういた金子きんすうば迯亡かけおちさせつるかにつくやつ今茲に於て何事なにごとをかいふことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれども貴方生涯此家こゝにいる思召おぼしめしはありますまい、手前それを心得て居るが、拙者も止むを得ず此処こゝにいる、致し方がないから、半年はんねんすけろ、来年迄いろよ、有難うと御主命でね
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ところが、どうにか、浜尾組の顔が立ったもんじゃけ、今度は、わたしをすけボーシンに取りたててやる、というんじゃ。結構です、というて断ったら——お前の手柄に対して、褒美をやる。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「あほうの平三へいぞうは、いつから、あんなにすけになりおったか。」といって、むらひとたちは、かれが、ちらちらとゆきなかまちほう徳利とくりをさげてゆく、さびしそうな姿すがた見送みおくったのでした。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ピイヒャラ ドンすけ ひゃらりこドン!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うちのパパのすけ、じゃ、お話ししなかったのね……あなたに会いたいと言って、きれいなお嬢さまが、この一週間ほど、一日置きくらいに訪ねていらしたの」
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あれ三ちやんでつたか、さてもところでとともなはれてくに、さかやといもやの奧深おくふかく、溝板どぶいたがた/\とうすくらきうられば、三すけさきけて、とゝさん、かゝさん
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御米およねかんがへでは、うして自分じぶんはう部屋へや食物丈たべものだけ分擔ぶんたんして、あとのところ月々つき/″\幾何いくら佐伯さへきからすけもらつたら、小六ころくのぞどほ大學だいがく卒業そつげふまでつてかれやうとふのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
出さばせぬぞといからしけるを大岡殿おほをかどの粂之進くめのしんむかはれかれ拙者せつしやたづね仔細しさいあつて呼出せしなりけつしてかまふまじ如何いかに七すけ有樣に申せと云れければ七すけは夫見ろといふ面色にて粂之進くめのしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是がうもなんと二十六年祟ったからねえ、執念深しゅうねんぶけ阿魔あまも有るもので、此のめえすけと書いてあるが、是は何う云う訳か累の子だと云うが、子でねえてねえ、助と云うのは先代の與右衞門の子で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ピイヒャラ ドンすけ ひゃらりこドン!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふみ投出なげだして嘆息たんそくしけるが、じんすけむかひてはなほさらかなしげに、姉樣ねえさまはあくまで吾助ごすけくみて、あれほど御覽ごらんれしうたに一たびのお返歌へんかもなく、あまつさへ貴君あなたにまで
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御米の考えでは、こうして自分の方で部屋と食物だけを分担して、あとのところを月々いくらか佐伯からすけもらったら、小六の望み通り大学卒業までやって行かれようと云うのである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
竹童ちくどうドンすけ ひゃらりこドン!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十六日はかならずまちまするくだされとひしをもなにわすれて、いままでおもしもせざりし結城ゆふきともすけ不圖ふと出合であひて、あれとおどろきしかほつきのれい似合にあは狼狽あわてかたがをかしきとて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今宵こよひもいたくけぬ、下坐敷したざしきひとはいつかかへりておもて雨戸あまどをたてるとふに、ともすけおどろきてかへ支度したくするを、おりきうでもとまらするといふ、いつしか下駄げたをもかくさせたれば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)