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飛
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とん
ふりがな文庫
“
飛
(
とん
)” の例文
「はい、あの、私もそれを承りましたので、お帰りになりません
前
(
さき
)
と存じまして、お宿へ、
飛
(
とん
)
だお
邪魔
(
じゃま
)
をいたしましてございますの。」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
烟突の
破間
(
やれま
)
からは、北海の青空が見えた。空には真白な雲が
飛
(
とん
)
でいた。私は青田の中に突き立った黒い、太い二本の烟突を見守っていた。
暗い空
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうしたって来たから仕方なしという待遇としか思われない。来ねばよかったな、こりゃ
飛
(
とん
)
だ目に遭ったもんだ。予は思わず
歎息
(
たんそく
)
が出た。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
いわゆる一山
飛
(
とん
)
で一山来るとも云うべき景にて、眼
忙
(
いそが
)
しく心ひまなく、句も詩もなきも
口惜
(
くちお
)
しく、
淀
(
よど
)
の川下りの弥次よりは遥かに劣れるも
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
三輪田学士はまた「環女史の離婚は何か女史の方から進んで請求したように伝えられてあるが、果して
然
(
しか
)
りとすれば
飛
(
とん
)
でもない心得違である」
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
『
飛
(
とん
)
だ
事
(
こと
)
さ。』と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
聽入
(
きゝい
)
れぬ。『ワルシヤワこそ
君
(
きみ
)
に
見
(
み
)
せにやならん、
僕
(
ぼく
)
が五
年
(
ねん
)
の
幸福
(
かうふく
)
な
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
つた
所
(
ところ
)
だ。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
が、それは
固
(
もと
)
より酒の上の冗談に過ぎないのを、世間知らずの山育ちの
青年
(
わかもの
)
は
唯
(
ただ
)
一図
(
いちず
)
に
真実
(
ほんとう
)
と信じて、
此
(
ここ
)
に
飛
(
とん
)
でもない恋の種を
播
(
ま
)
いたのであろう。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
飛
(
とん
)
でかかれば黄金丸も、
稜威
(
ものもの
)
しやと振り
払
(
はらっ
)
て、また
噬
(
か
)
み付くを
丁
(
ちょう
)
と
蹴返
(
けかえ
)
し、その
咽喉
(
のどぶえ
)
を
噬
(
かま
)
んとすれば、
彼方
(
あなた
)
も去る者身を沈めて、黄金丸の
股
(
もも
)
を噬む。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
吐露
(
ぬかす
)
な
飛
(
とん
)
だ才六めだ錢を貸す
貸
(
かさ
)
ぬは
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も汝の口から馬鹿八とは何のことだ今
一言
(
ひとこと
)
云
(
ぬか
)
したら
腮骨
(
あごぼね
)
を
蹴放
(
けはな
)
すぞ誰だと思ふ
途方
(
とはう
)
もねへと云へば
切首
(
きりくび
)
は眼を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
アヽ
飛
(
とん
)
だ事をした、店の引ける前に帰ると云ったのに、斯んなに遅く今時分帰ったら、番頭が腹を立って、親父に此の事を告げれば勘当になるかも知れない
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
りましたのよりは、今朝ほど私の参りましたのが、一層お悪いので御座いませう。
飛
(
とん
)
だ
御娯
(
おたのしみ
)
のお邪魔を致しまして、間さん、誠に私相済みませんで御座いました
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
笑つたりしてはいけないおかあさん……かういふ話は一歩それると
飛
(
とん
)
でも無い不面目なものになる。
秋の夜がたり
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
「ハハアそうかネ、それは至極お立派な
事
(
こっ
)
た。ヤこれは
飛
(
とん
)
だ失敬を申し上げました、アハハハ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私はあのお手紙を拝見してどうしてそんな噂があなたのお耳に
這入
(
はい
)
つたのかと思ひましたわ、そりや噂ですもの、
飛
(
とん
)
でもない処にでも聞こえるのがあたりまへですけれどもね
私信:――野上彌生様へ
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
田圃
(
たんぼ
)
の
鴫
(
しぎ
)
が
何
(
なに
)
に
驚
(
おどろ
)
いたかきゝと
鳴
(
な
)
いて、
刈株
(
かりかぶ
)
を
掠
(
かす
)
めるやうにして
慌
(
あわ
)
てゝ
飛
(
とん
)
で
行
(
いつ
)
た。さうして
後
(
のち
)
は
白
(
しろ
)
く
閉
(
とざ
)
した
氷
(
こほり
)
が
時々
(
ときどき
)
ぴり/\と
鳴
(
なつ
)
てしやり/\と
壞
(
こは
)
れるのみで
只
(
たゞ
)
靜
(
しづ
)
かであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
上野ではどん/″\鉄砲を
打
(
うっ
)
て居る、けれども上野と新銭座とは二里も離れて居て、鉄砲玉の
飛
(
とん
)
で来る
気遣
(
きづかい
)
はないと云うので、丁度あの時私は英書で
経済
(
エコノミー
)
の講釈をして居ました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何事に限らずわが言ふ処
生
(
き
)
まじめの議論と思給はば
飛
(
とん
)
でもなき
買冠
(
かいかぶり
)
なるべし。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
このわたし、——
有王
(
ありおう
)
自身の事さえ、
飛
(
とん
)
でもない嘘が伝わっているのです。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
急
(
いそが
)
わしく格子の開く音に
飛
(
とん
)
で出たのは、彼の円顔の
婢
(
おんな
)
で、おや目賀田さんと云ってそこに有合せの下駄を突懸け、せっかくで御在ますが今日はお約束で、みんなお座敷が塞がって居ますのでと
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
そうですか、
宜
(
よろ
)
しゅう御座います。それじゃ御言葉に従がいまして親とも思いますまい、子とも思って下さいますな。子とお思いになると
飛
(
とん
)
だお恨みを受けるような事も起るだろうと思いますから。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「然し
飛
(
とん
)
だ親切ごかしが思はぬ結果になつて少々寂しいぞ。」
女に臆病な男
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
『
飛
(
とん
)
だことさ。』と、ミハイル、アウエリヤヌイチは
聴入
(
ききい
)
れぬ。『ワルシャワこそ
君
(
きみ
)
に
見
(
み
)
せにゃならん、
僕
(
ぼく
)
が五
年
(
ねん
)
の
幸福
(
こうふく
)
な
生涯
(
しょうがい
)
を
送
(
おく
)
った
所
(
ところ
)
だ。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「どうしたい。
飛
(
とん
)
だ騒動が
持上
(
もちあ
)
がったもんだね。」と、忠一は
其
(
その
)
枕元に坐り込んだ。室内には
既
(
も
)
う
洋燈
(
らんぷ
)
が
点
(
とぼ
)
っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
殊
(
こと
)
に
崖
(
がけ
)
を、
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ、
可
(
いゝ
)
塩梅
(
あんばい
)
に
畝
(
うね
)
つた
様子
(
やうす
)
が、
飛
(
とん
)
だものに
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
いなり、
凡
(
およ
)
そ
此
(
こ
)
の
位
(
くらゐ
)
な
胴中
(
どうなか
)
の
長虫
(
ながむし
)
がと
思
(
おも
)
ふと、
頭
(
かしら
)
と
尾
(
を
)
を
草
(
くさ
)
に
隠
(
かく
)
して
月
(
つき
)
あかりに
歴然
(
あり/\
)
とそれ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
窠宿の方へ走り
往
(
ゆけ
)
ば、狐はかくと
見
(
みる
)
よりも、
周章狼狽
(
あわてふためき
)
逃げ行くを、なほ
逃
(
のが
)
さじと
追駆
(
おっか
)
けて、表門を
出
(
いで
)
んとする時、一声
嗡
(
おう
)
と
哮
(
たけ
)
りつつ、
横間
(
よこあい
)
より
飛
(
とん
)
で掛るものあり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
仙「フーム……それは
何
(
なん
)
にしても
飛
(
とん
)
だ事だった……お前この頭巾に見覚えが有るか、誰のだか分るか」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたし
)
のお
友
(
とも
)
だちは、
町
(
まち
)
の
方
(
ほう
)
へ
飛
(
とん
)
んでゆきました。そして、いったぎりで
帰
(
かえ
)
ってこないものもあります。
ふるさとの林の歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこ/\に
聞
(
きゝ
)
なし我が
部屋
(
へや
)
に
到
(
いた
)
り
身拵
(
みごしら
)
へして新造禿を引連兵庫屋へ
行
(
ゆく
)
途
(
と
)
中桐屋へ
立寄
(
たちより
)
歌浦さんの御客は上方の衆かと
問
(
とへ
)
ば女房
飛
(
とん
)
で
出
(
いで
)
御前樣の
御言葉
(
おものごし
)
に
能
(
よく
)
似
(
に
)
て
御出
(
おいで
)
なさると云ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
よしや
脊
(
せ
)
に
暖
(
あたたか
)
ならずとも
旭日
(
あさひ
)
きら/\とさしのぼりて山々の峰の雪に移りたる景色、
眼
(
め
)
も
眩
(
くら
)
む
許
(
ばか
)
りの美しさ、
物腥
(
ものぐさ
)
き西洋の
塵
(
ちり
)
も
此処
(
ここ
)
までは
飛
(
とん
)
で来ず、
清浄
(
しょうじょう
)
潔白
実
(
げ
)
に
頼母敷
(
たのもしき
)
岐蘇路
(
きそじ
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
割
(
さ
)
きて見れば果せるかな、
核
(
さね
)
おのずから
飛
(
とん
)
で
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
飛
(
とん
)
でもないお言葉です。——何よりの品と申して、まだ拝見をいたしません。——頂戴をしますと、そのまた、玉手箱以上、あけて見たいのは山々でございました。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これははや何うも
飛
(
とん
)
でもない事を申しまして、本書をお読みなさる御婦人様方には決してそんな蓮ッ葉な、薄情きわまるお方はお一人でもある気遣いはございません。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若
(
もし
)
や夢ではなかったかと云う一種の
疑惑
(
うたがい
)
で、
迂濶
(
うかつ
)
に
詰
(
つま
)
らぬ事を云い出して、
飛
(
とん
)
だお笑い
種
(
ぐさ
)
になるのも残念だと、
其
(
そ
)
の日は何事も云わずに
了
(
しま
)
ったが、
何
(
ど
)
う考えても夢ではない
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
即
(
すなわ
)
ち裏の垣より忍び入りて
窠宿
(
とや
)
近く往かんとする時、
他
(
かれ
)
目慧
(
めざと
)
くも僕を
見付
(
みつけ
)
て、
驀地
(
まっしぐら
)
に
飛
(
とん
)
で
掛
(
かか
)
るに、不意の事なれば僕は
狼狽
(
うろた
)
へ、急ぎ元入りし垣の穴より、走り抜けんとする処を
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
立出小夜衣が
許
(
もと
)
へ
到
(
いた
)
りしに夫と見るより小夜衣は
飛
(
とん
)
で
出
(
いで
)
直樣
(
すぐさま
)
我が
部屋
(
へや
)
へ
伴
(
ともな
)
ひ何くれとなく
勤
(
つと
)
めを
離
(
はな
)
れし
待遇
(
もてなし
)
に互ひの心を打明つゝ
變
(
かは
)
るまいぞや變らじと
末
(
すゑ
)
の約束までなせしかば千太郎は
養家
(
やうか
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ともに
身體
(
からだ
)
を
休
(
やす
)
まして
些
(
ち
)
と
樂
(
らく
)
をさせようと
云
(
い
)
ふ、
其
(
それ
)
にも
舅
(
しうと
)
たちの
情
(
なさけ
)
はあつた。しかし
箔
(
はく
)
のついた
次男
(
じなん
)
どのには、
飛
(
とん
)
だ
蝶々
(
てふ/\
)
、
菜種
(
なたね
)
の
花
(
はな
)
を
見通
(
みとほ
)
しの
春心
(
はるごころ
)
、
納戸
(
なんど
)
で
爪
(
つめ
)
を
磨
(
と
)
がずに
居
(
ゐ
)
ようか。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
若「ハイ、何うしまして
飛
(
とん
)
でもない心得違いから、いろ/\伯父
様
(
さん
)
に御苦労をかけ、ほんとに申し訳がないんですわ、それに私の為を思って仰しゃることを
何
(
なん
)
でまア悪く思うなんッて」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
飛
(
とん
)
でもない話である。誰がこんな奴の嫁になるものかと、お葉は
寧
(
むし
)
ろ
可笑
(
おかし
)
くなった。が、
之
(
これ
)
に伴う不安が無いでもなかった。さりとて逃げる訳にも行かぬ。彼女は相変らず黙って立っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さあ、
亭主
(
ていしゆ
)
も
飛
(
とん
)
でも
無
(
な
)
い
顔
(
かほ
)
をする。
捜
(
さが
)
すのに、
湯殿
(
ゆどの
)
や
小用場
(
こようば
)
では
追着
(
おつつ
)
かなく
成
(
な
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
重「へい、
昨夜
(
ゆうべ
)
は出ましてまだ碌々御挨拶も致しませんが、此の
度
(
たび
)
はまた何ともお礼の申そうようはございませんが、親方のお言葉に甘えて
飛
(
とん
)
だ御厄介に相成り、誠に有難う存じます」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
扨は例の怪物だナと悟ったから、この畜生めッと直ぐに鉄砲を向けると、其の人は慌てて私の手を捉え、アアモシ
飛
(
とん
)
だ事を為さる、アノ坊さんに怪我でも
為
(
さ
)
せては大変ですと、無理に
抑留
(
ひきと
)
める。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
江戸児
(
えどつこ
)
は……
食
(
くひ
)
ものには
乱暴
(
らんばう
)
です。九
死
(
し
)
一
生
(
しやう
)
の
時
(
とき
)
でも、
鮨
(
すし
)
だ、
天麩羅
(
てんぷら
)
だつて
言
(
い
)
ふんですから。
蝦
(
えび
)
が
欲
(
ほし
)
い……しんじよとでも
言
(
い
)
ふかと
思
(
おも
)
ふと、
飛
(
とん
)
でもない。……
鬼殻焼
(
おにがらやき
)
が
可
(
い
)
いと
言
(
い
)
ふんです。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
前
(
めえ
)
までが一緒になって
惚
(
のろ
)
けるてえことがあるもんか、コウ伊之さんよく聞きねえ、
私
(
わっち
)
アお前さん方の為を思って
飛
(
とん
)
で来たんだ、今日雨降りで丁度仕事がねえから先生のとこへ来てるとよ
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寿美蔵は
飛
(
とん
)
だ加役を引受けて気の毒です。(五月五日)
修禅寺物語:――明治座五月興行――
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
が、
彼
(
あ
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
から
飛
(
とん
)
だ
日
(
ひ
)
には、
二人
(
ふたり
)
とも
五躰
(
ごたい
)
は
微塵
(
みじん
)
だ。
五躰
(
ごたい
)
が
微塵
(
みぢん
)
ぢや、
顔
(
かほ
)
も
視
(
み
)
られん、
何
(
なん
)
にも
成
(
な
)
らない。
然
(
さ
)
うすりや、
何
(
なに
)
を
救
(
すく
)
ふんだか、
救
(
すく
)
はれるんだか、……
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふんだか、はゝはゝ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
それ
)
を
下
(
お
)
り
切
(
き
)
ると
流
(
ながれ
)
が
聞
(
きこ
)
えて、
飛
(
とん
)
だ
処
(
ところ
)
に
長
(
なが
)
さ一
間
(
けん
)
ばかりの
土橋
(
どばし
)
がかゝつて
居
(
ゐ
)
る。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「どうしてこんな晩に、
遊女
(
おいらん
)
がお帰しなすったんですねえ、
酷
(
ひど
)
いッたらないじゃアありませんか、ねえお若さん。あら、どうも
飛
(
とん
)
でもない、火をお吹きなすっちゃあ
不可
(
いけ
)
ません、飛でもない。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ええ電車、電車
飛
(
とん
)
でもない、いまのふかし立ての饅頭の一件ですもの。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
貴僧
(
あなた
)
、お
傍
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
て
汗臭
(
あせくさ
)
うはござんせぬかい
飛
(
とん
)
だ
暑
(
あつ
)
がりなんでございますから、
恁
(
か
)
うやつて
居
(
を
)
りましても
恁麼
(
こんな
)
でございますよ。)といふ
胸
(
むね
)
にある
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つたのを、
慌
(
あは
)
てゝ
放
(
はな
)
して
棒
(
ぼう
)
のやうに
立
(
た
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あとが
哄
(
どっ
)
と笑いになって、陽気に片附けば、まだしもでござりますに、
喚
(
わめ
)
いたものより、転んだもの、転んだものより、落ちたもの、落ちたものよりゃ、また
飛
(
とん
)
だもの、手まわり持参で駈出したわ
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
“飛”を含む語句
飛沫
飛行
飛鳥
飛退
一飛
飛出
飛込
一足飛
突飛
蹴飛
飛翔
飛々
早飛脚
飛魚
飛散
飛交
飛車
飛脚
飛行機
張飛
...