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線香
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せんかう
ふりがな文庫
“
線香
(
せんかう
)” の例文
お
品
(
しな
)
の
塔婆
(
たふば
)
の
前
(
まへ
)
にそれから
其處
(
そこ
)
ら一
杯
(
ぱい
)
の
卵塔
(
らんたふ
)
の
前
(
まへ
)
に
線香
(
せんかう
)
を
少
(
すこ
)
しづゝ
手向
(
たむ
)
けて、
火
(
ひ
)
を
點
(
つ
)
けてほつかりと
赤
(
あか
)
く
成
(
な
)
つた
提灯
(
ちやうちん
)
を
提
(
さ
)
げて
戻
(
もど
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夫
(
それ
)
から
最初
(
さいしよ
)
のうちは、
詰
(
つ
)
めて
坐
(
す
)
はるのは
難儀
(
なんぎ
)
だから
線香
(
せんかう
)
を
立
(
た
)
てゝ、それで
時間
(
じかん
)
を
計
(
はか
)
つて、
少
(
すこ
)
し
宛
(
づゝ
)
休
(
やす
)
んだら
好
(
よ
)
からうと
云
(
い
)
ふ
樣
(
やう
)
な
注意
(
ちゆうい
)
もして
呉
(
く
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
昼寐
(
ひるね
)
の
夜具
(
やぐ
)
を
敷
(
し
)
きながら
墓地
(
ぼち
)
の
方
(
はう
)
を
見下
(
みおろ
)
すと、いつも
落葉
(
おちば
)
に
埋
(
うづも
)
れたまゝ
打棄
(
うちす
)
てゝある
古
(
ふる
)
びた
墓
(
はか
)
も
今日
(
けふ
)
は
奇麗
(
きれい
)
に
掃除
(
さうぢ
)
されて、
花
(
はな
)
や
線香
(
せんかう
)
が
供
(
そな
)
へられてゐる。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
宴會客
(
えんくわいきやく
)
から
第一
(
だいいち
)
に
故障
(
こしやう
)
が
出
(
で
)
た、
藝者
(
げいしや
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
かないさきに
線香
(
せんかう
)
が
切
(
き
)
れたのである。
女中
(
ぢよちう
)
なかまが
異議
(
いぎ
)
をだして、
番頭
(
ばんとう
)
が
腕
(
うで
)
をこまぬき、かみさんが
分別
(
ふんべつ
)
した。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それからあなたの
俗名
(
ぞくみやう
)
月
(
つき
)
の
戸
(
と
)
華魁
(
おいらん
)
と書いて毎日
線香
(
せんかう
)
を
上
(
あ
)
げて
居
(
を
)
りますが夢の
様
(
やう
)
でございます。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
前
(
まへ
)
には
此横穴
(
このよこあな
)
の
前
(
まへ
)
まで、
參詣人
(
さんけいにん
)
を
寄
(
よ
)
せたのであるが、それでは
線香
(
せんかう
)
で
燻
(
くす
)
べたり、
賽錢
(
さいせん
)
を
投付
(
なげつ
)
けたりするので、
横穴
(
よこあな
)
の
原形
(
げんけい
)
の
毀損
(
きそん
)
する
虞
(
おそ
)
れが
有
(
あ
)
る
爲
(
ため
)
に、
博士
(
はかせ
)
は
取調上
(
とりしらべじやう
)
の
必用
(
ひつよう
)
から、
先日
(
せんじつ
)
警察
(
けいさつ
)
に
交渉
(
かうしよう
)
し
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
まして
他人
(
たにん
)
の
誰
(
た
)
れにか
慨
(
かこ
)
つべき、
月
(
つき
)
の十日に
母
(
はゝ
)
さまが
御墓
(
おんはか
)
まゐりを
谷中
(
やなか
)
の
寺
(
てら
)
に
樂
(
たの
)
しみて、しきみ
線香
(
せんかう
)
夫〻
(
それ/\
)
の
供
(
そな
)
へ
物
(
もの
)
もまだ
終
(
おは
)
らぬに、
母
(
はゝ
)
さま
母
(
はゝ
)
さま
私
(
わたし
)
を
引取
(
ひきと
)
つて
下
(
くだ
)
されと
石塔
(
せきたう
)
に
抱
(
いだ
)
きつきて
遠慮
(
ゑんりよ
)
なき
熱涙
(
ねつるい
)
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お氣の毒でならないが、あの騷ぎの中で俵屋へお
線香
(
せんかう
)
を
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今朝
(
けさ
)
は
平素
(
ふだん
)
よりも
激
(
はげ
)
しく
匂
(
にほ
)
ひわたる
線香
(
せんかう
)
の
烟
(
けむり
)
が
風
(
かぜ
)
になびいて
部屋
(
へや
)
の
中
(
なか
)
まで
流
(
なが
)
れ
込
(
こ
)
んでくるやうにも
思
(
おも
)
はれた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
位牌
(
ゐはい
)
の
主
(
ぬし
)
は
戒名
(
かいみやう
)
を
持
(
も
)
つてゐた。けれども
俗名
(
ぞくみやう
)
は
兩親
(
ふたおや
)
といへども
知
(
し
)
らなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
最初
(
さいしよ
)
それを
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
の
箪笥
(
たんす
)
の
上
(
うへ
)
へ
載
(
の
)
せて、
役所
(
やくしよ
)
から
歸
(
かへ
)
ると
絶
(
た
)
えず
線香
(
せんかう
)
を
焚
(
た
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
... がらん/\と
驅
(
か
)
けて
行
(
ゆ
)
くのは、
號外
(
がうぐわい
)
ではなささうだが、
何
(
なん
)
だい。」
婆
(
ばあ
)
さんが「あれは、ナアモ、
藝妓衆
(
げいこしゆ
)
の
線香
(
せんかう
)
の
知
(
し
)
らせでナアモ。」そろ/\
風俗
(
ふうぞく
)
を
視察
(
しさつ
)
におよんで
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
煤
(
すゝ
)
け
切
(
き
)
つた
佛壇
(
ぶつだん
)
の
菜種油
(
なたねあぶら
)
の
明
(
あか
)
りは
遠
(
とほ
)
い
國
(
くに
)
からでも
光
(
ひか
)
つて
來
(
く
)
るやうにぽつちりと
微
(
かす
)
かに
見
(
み
)
えた。お
袋
(
ふくろ
)
のよりも
先
(
ま
)
づ
白木
(
しらき
)
の
儘
(
まゝ
)
のお
品
(
しな
)
の
位牌
(
ゐはい
)
に
心
(
こゝろ
)
からの
線香
(
せんかう
)
の
煙
(
けぶり
)
が
靡
(
なび
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
皆
(
みな
)
さんはお
通夜
(
つや
)
のお
方
(
かた
)
か、おや/\
物騒
(
ぶつさう
)
だな、
通夜
(
つや
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
酒
(
さけ
)
に
酔倒
(
ゑひたふ
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
炮砥
(
はうろく
)
に
線香
(
せんかう
)
をどつさり
差
(
さ
)
して、一
本花
(
ぽんばな
)
に
枕団子
(
まくらだんご
)
旧弊
(
きうへい
)
だね、
是
(
これ
)
から思ふと
地獄
(
ぢごく
)
の
方
(
はう
)
が
余程
(
よつぽど
)
開
(
ひら
)
けた。と
云
(
い
)
ふお話で。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
消化
(
こな
)
れない
堅
(
かた
)
い
團子
(
だんご
)
が
胃
(
ゐ
)
に
滯
(
とゞこ
)
うつてゐる
樣
(
やう
)
な
不安
(
ふあん
)
な
胸
(
むね
)
を
抱
(
いだ
)
いて、わが
室
(
へや
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。さうして
又
(
また
)
線香
(
せんかう
)
を
焚
(
た
)
いて
坐
(
す
)
はり
出
(
だ
)
した。
其癖
(
そのくせ
)
夕方
(
ゆふがた
)
迄
(
まで
)
は
坐
(
すわ
)
り
續
(
つゞ
)
けられなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
廊下
(
らうか
)
を
二曲
(
ふたまが
)
り、
又
(
また
)
半
(
なか
)
ばにして、
椽続
(
えんつゞ
)
きの
広間
(
ひろま
)
に、
線香
(
せんかう
)
の
煙
(
けむり
)
の
中
(
なか
)
に、
白
(
しろ
)
い
壇
(
だん
)
が
高
(
たか
)
く
築
(
きづ
)
かれて
居
(
ゐ
)
た。
袖
(
そで
)
と
袖
(
そで
)
と
重
(
かさ
)
ねたのは、
二側
(
ふたかは
)
に
居余
(
ゐあま
)
る、いづれも
声
(
こゑ
)
なき
紳士
(
しんし
)
淑女
(
しゆくぢよ
)
であつた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
恁
(
か
)
うして
居
(
ゐ
)
る
間
(
あひだ
)
に
春
(
はる
)
の
彼岸
(
ひがん
)
が
來
(
き
)
て
日南
(
ひなた
)
の
垣根
(
かきね
)
には
耳菜草
(
みゝなぐさ
)
や
其
(
その
)
他
(
た
)
の
雜草
(
ざつさう
)
が
勢
(
いきほひ
)
よく
出
(
で
)
だして
桑畑
(
くはばたけ
)
の
畦間
(
うねま
)
には
冬
(
ふゆ
)
を
越
(
こ
)
した
薺
(
なづな
)
が
線香
(
せんかう
)
の
樣
(
やう
)
な
薹
(
たう
)
を
擡
(
もた
)
げて、
其
(
そ
)
の
先
(
さき
)
に
粉米
(
こごめ
)
に
似
(
に
)
た
花
(
はな
)
を
聚
(
あつ
)
めた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
石
(
いし
)
もまだ
新
(
あたら
)
しい
墓
(
はか
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて、
線香
(
せんかう
)
の
束
(
たば
)
を
供
(
そな
)
へてゐる。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
その
尾花
(
をばな
)
、
嫁菜
(
よめな
)
、
水引草
(
みづひきさう
)
、
雁來紅
(
ばげいとう
)
をそのまゝ、
一結
(
ひとむす
)
びして、
處々
(
ところ/″\
)
にその
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
屋根
(
やね
)
に
葺
(
ふ
)
いた
店小屋
(
みせごや
)
に、
翁
(
おきな
)
も、
媼
(
うば
)
も、ふと
見
(
み
)
れば
若
(
わか
)
い
娘
(
むすめ
)
も、あちこちに
線香
(
せんかう
)
を
賣
(
う
)
つてゐた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
袖
(
そで
)
でかくすやうにした
時
(
とき
)
、
鍋
(
なべ
)
の
饂飩
(
うどん
)
は、しかし、
線香
(
せんかう
)
の
落
(
お
)
ちてたまつた、
灰
(
はひ
)
のやうであつた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
塚
(
つか
)
の
森
(
もり
)
の
榎
(
えのき
)
の
根
(
ね
)
に、
線香
(
せんかう
)
の
煙
(
けむり
)
淡
(
あは
)
く
立
(
た
)
ち、
苔
(
こけ
)
の
石
(
いし
)
の
祠
(
やしろ
)
には
燈心
(
とうしん
)
が
暗
(
くら
)
く
灯
(
とも
)
れ、
鉦
(
かね
)
は
更
(
さら
)
に
谺
(
こだま
)
して、
老
(
おい
)
たるは
踞
(
うづくま
)
り、
幼
(
をさな
)
きたちは
立
(
た
)
ち
集
(
つど
)
ふ、
山
(
やま
)
の
峽
(
かひ
)
なる
境
(
さかひ
)
の
地藏
(
ぢざう
)
のわきには、
女
(
をんな
)
を
前
(
まへ
)
に
抱
(
だ
)
いて
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
と
)
見
(
み
)
れば
池
(
いけ
)
のふちなる
濡
(
ぬ
)
れ
土
(
つち
)
を、五六
寸
(
すん
)
離
(
はな
)
れて
立
(
た
)
つ
霧
(
きり
)
の
中
(
なか
)
に、
唱名
(
しやうみやう
)
の
聲
(
こゑ
)
、
鈴
(
りん
)
の
音
(
おと
)
、
深川木場
(
ふかがはきば
)
のお
柳
(
りう
)
が
※
(
あね
)
の
門
(
かど
)
に
紛
(
まぎ
)
れはない。
然
(
しか
)
も
面
(
おもて
)
を
打
(
う
)
つ
一脈
(
いちみやく
)
の
線香
(
せんかう
)
の
香
(
にほひ
)
に、
學士
(
がくし
)
はハツと
我
(
われ
)
に
返
(
かへ
)
つた。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
順
(
じゆん
)
を
譲
(
ゆづ
)
つて、
子爵夫人
(
ししやくふじん
)
をさきに、
次々
(
つき/″\
)
に、——
園
(
その
)
は
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
でいつちあとに
線香
(
せんかう
)
を
手向
(
たむ
)
けたが、
手向
(
たむ
)
けながら
殆
(
ほとん
)
ど
雪
(
ゆき
)
の
室
(
むろ
)
かと
思
(
おも
)
ふ、
然
(
しか
)
も
香
(
かをり
)
の
高
(
たか
)
き、
花輪
(
はなわ
)
の、
白薔薇
(
しろばら
)
、
白百合
(
しろゆり
)
の
大輪
(
おほりん
)
の
花弁
(
はなびら
)
の
透間
(
すきま
)
に
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“線香”の意味
《名詞》
線香(せんこう)
香料の粉を糊料で線の様に細長く固めたもの。
「蚊取り線香」の略。
「線香代」の略。
(出典:Wiktionary)
“線香”の解説
線香(せんこう) は、好まれる香りを出す材料を細かくして練り合わせ細い棒状や渦巻き状に成型して乾燥させた香(こう)である。直接火をつけ燻蒸と呼ばれる燃焼方法で芳香のある煙を出す。
(出典:Wikipedia)
線
常用漢字
小2
部首:⽷
15画
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“線香”で始まる語句
線香立
線香花火
線香煙花