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小鳥ことりつたこともないという、ごうつくばりの因業いんごうおやじが、なぜ金魚きんぎょになつたか、そのてんにも問題もんだいがないことはない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
このガチョウはい鳥ではありましたが、アッカという、百さいにもなるガンの隊長のことは、いままでにもうわさに聞いていました。
「奈良の公園に鹿がぱなしにしてあるのは気持が良い。吾々はお蔭で、動物の生活にしたしんで彼等を愛する事が出来るやうになる。」
野鳥やちょうのように、すばしこくなく、人間にんげんになれているらしくえるのは、たぶんわれていたのが、かごをしたのかもしれません。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ヘルンはまたねこが特別に好きであった。松江に居た時も焼津に居た時も、道に捨猫さえ見れば拾って帰り、幾疋いくひきでもって育てた。
あみつたたか竹竿たけざをには鳥籠とりかごかゝつてました。そのなかにはをとりつてありまして、小鳥ことりむれそらとほたびこゑびました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
名案めいあんですな。ハルステッド刑務所けいむしょ看守かんしゅたちが知ってる男に、警察犬けいさつけんっておる男がいるそうですから、さっそく手配てはいしましょう」
「いやいや、この鷲はわたしのい鳥でもない、持主もちぬしといえば、武田家たけだけにご由緒ゆいしょのふかい鳥ゆえ、まず伊那丸君の物とでももうそうか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巨男おおおとこ不憫ふびんに思って、こっそりと白鳥をってやることにしました。昼間は野原へ放ってやって、夜は自分のベッドの中でねさせました。
巨男の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
なんでエ、なんだってもっと近えところをもやさねえんだ。あの番太なんざアなんのために町内で金出してっとくんだかわかりゃしねえ
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おやないだが、成長せいてうしたらアノとほりの獰惡振だうあくぶりを相續さうぞくするにちがひない、環境かんけうつみだいつそうちつてやらうかとおもつて、また躊躇ちうちよした。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
彼等が皆この草山へ、牛馬をいに来るものたちだと云う事は、彼等のまわりに草をんでいる家畜を見ても明らかであった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その中でも牛馬をって代起しろおこしや整地をするところでは、女性が稲を栽培するということは、ほとんと断念すべき荒仕事あらしごとであった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それまではどこでもねこつなをつけて、うちの中にれて、かつぶしのごはんをべさせて、だいじにしてっておいたのです。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
蜜蜂は二度って二度逃げられ、今は空箱だけ残って居る。天井てんじょうの鼠、物置の青大将あおだいしょう、其他無断同居のものも多いが、此等これら眷族けんぞくの外である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ちょうどひつじが子どもにちちを飲ませる時節じせつで、ひつじいのうちには、ひつじの乳をかってにしぼって飲むことをゆるしてくれる者もあった。
もっとも、まだ部屋の中にわれて、ストーブの下にころんでいたときから、そんなふうにしゃがれ声だったのです。
奴里能美ぬりのみのうちにめずらしい虫をっておりますので、ただそれをごらんになるためにおでかけになりましたのでございます。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
もう三十に手の屆く立派な男ですが、立派過ぎて世間に通用せず、姉の厄介になつて、良い若い者のくせに、この寮の用心棒代りにはれてをります。
このお話の中で、もうひとり大事な役をしているのは、ニールスの家にわれていた白いガチョウのモルテンです。
すると、そのときふいに、どこからやってきたのか、うちのい犬のヴォルチョークが、わたしにとびつきました。
前足まへあしめたり、かほあらつたりしてゐるの——つてれば可愛かあいいものよ——鼠捕ねずみとりの名人めいじんだわ——オヤ、御免ごめんよ!
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
此故にかのあはれなる溪に住む者、いちじるしくそのさがを變へ、あたかもチルチェにはるゝに似たり 四〇—四二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
十月早稲田わせだに移る。伽藍がらんのような書斎にただ一人、片づけた顔を頬杖ほおづえで支えていると、三重吉みえきちが来て、鳥を御いなさいと云う。飼ってもいいと答えた。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ポーセがせっかくえて、水をかけた小さなももの木になめくじをたけておいたり、ポーセのくつ甲虫かぶとむしって、二月ふたつきもそれをかくしておいたりしました。
手紙 四 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
幼君えうくん思召おぼしめしかなひけん、「しからばこゝろみにふべきなり。萬事ばんじなんぢまかすあひだきにはからさせよ」とのたまひぬ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
馬をうに十種の薬の効能こうのうがあるから、それで十薬という、といわれているのはよい加減かげんにこしらえた名で、ジュウヤクとは実は蕺薬じゅうやくから来た名である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
わが父はつれづれのおきなうづらひひめもす飽かず、鶉籠とさし寄せ、行き通へよくつがへとぞ、いすわると、膝に肘張り、眼を凝らし、ただにおはせり。
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ところが、その笛をヒツジいがはじめてふいてみますと、どうでしょう。おどろいたことに、小さな骨がひとりでに歌をうたいだしたではありませんか。
下枝の方にはもう摘む葉がなかつた。この間來て貰つていつたのだといふ。私は上の方へ手をのばしながら、小學生たちに、いくつつてゐるのかときいた。
桑摘み (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
けれども先生せんせい其家そのいへかこ幾畝いくせかの空地くうちみづからたがやして菜園さいゑんとし種々しゆ/″\野菜やさいゑてます。また五六羽ごろつぱにはとりふて、一もちゆるだけのたまごつてます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その地方は牧畜ぼくちくがさかんで、住民は多く牛をい、したがって女たちは搾乳さくにゅう従事じゅうじしていたのであります。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
彼女の家にやってくる男という男は、みんな彼女にのぼせあがっていたし、彼女の方では、それをみんなくさりにつないで、自分の足もとにっていたわけなのだ。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
はりいたをふみたてる牛の足音がバタバタ混合こんごうして聞こえる。主人も牛舎ぎゅうしゃへでた。乳牛にゅうぎゅうはそれぞれ馬塞ませにはいって、ひとりは掃除そうじにかかる、ひとりはにかかる。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
畑も片っぱしから耕して種をまいた。鶏舎けいしゃも三十ぐらいはえるようなのを自分で工夫くふうして建てた。こうしたことには、郷里でのかれの経験が非常に役にたった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ある時なんかは、しろの中にってあるぞう背中せなかって、裏門うらもんから町へでて行こうとまでしました。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ふきそうじはもちろん、先生せんせいがふろにはいられると、せなかをながしてあげたり、きもののすきなおくさんのっているいぬやねこのせわもしなければなりません。
ただ一つここで御披露ごひろうしてきたいとおもいますことは、神馬しんめけんで……。つまり不図ふとした動機どうきから小桜神社こざくらじんじゃ神馬しんめが一とうあらたにわれることになったのでございます。
こう先生がいう、七日のあいだに先生が大切にっていた三羽のにわとりがみんななくなった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
きょうは郵便配達ゆうびんはいたつが、くまに出会ってあぶないところだったとか、どこどこへくまがふいにでて、い馬をただ一うちになぐりころしたとか、そういった話をたびたびききました。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
研究室の外の小屋には、ウサギがたくさんってありました。化学実験に使うためです。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
持っているさればどこのだれ氏の家にはしかじかの名鳥がいると云うことになれば鶯をっている者は我が鶯のために遥々はるばるとその名鳥のもとを訪ね啼き方を教えてもらうこの稽古を声を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かれ内職ないしよくつたぶた近頃ちかごろんだので他人たにんねらひはせぬかと懸念けねんしつゝあつたのである。おつぎは何處どこでもかまはぬと土手どてしのけてひとつ/\に蜀黍もろこしちからかぎみづとうじた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大家おおやっておいたくさひばりが夕暮れになるといつもいい声を立てて鳴いた。床柱とこばしら薔薇ばらの一輪揷りんざし、それよりも簀戸すどをすかして見える朝顔の花が友禅染ゆうぜんぞめのように美しかった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「さうなつたら、なにか小鳥もはうぢやないか? カナリヤ、目白、いんこ……」
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
マア元気でやってくれるように、小鳥がってあるとか、花でも植えてあるならその後成長はどんな風かとでも聞けるが、そこには君自身の外に、何も無いンだからね。——元気でたの
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
一つは牛の種類が良いからですし、一つは中国筋で牛をう者が労役させると直段ねだんが廉くなりますから極くいたわって牛を使います。関東では牛のたおれるまで追使おいつかってそれからつぶします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「いや、あれほど心を入れてえば、駄馬だばでも名馬にならずにはいまい」
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
「わからないかね。それは人間どもにわれているにわとりというけものだ。」
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
このとき大地だいち開閉かいへいによつて土民どみん勿論もちろん彼等かれらつてゐた畜類ちくるい牛馬ぎゆうば駱駝らくだとういたるまでこと/″\くそれにまれ、八千はつせん乃至ないし一萬いちまん人口じんこうゆうしてをつたこの部落ぶらくそのために跡方あとかたもなくうしなはれたといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)