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八千
未だ
幾干ならざるに、
昌黎、
朝に
佛骨の
表を
奉るに
因り、
潮州に
流されぬ。
八千の
途、
道に
日暮れんとし
偶雪降る。
晦冥陰慘、
雲冷たく、
風寒く、
征衣纔に
黒くして
髮忽ち
白し。
この
時大地の
開閉によつて
土民は
勿論、
彼等の
飼つてゐた
畜類は
牛馬、
駱駝等に
至るまで
盡くそれに
吸ひ
込まれ、
八千乃至一萬の
人口を
有してをつたこの
部落は
其ために
跡方もなく
失はれたといふ。