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隔
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へだ
ふりがな文庫
“
隔
(
へだ
)” の例文
風呂場の隣は廊下を
隔
(
へだ
)
てた二疊の部屋で、内儀の妹のお君といふのが、姉が風呂場から出て來るのを、此處で待つて居たことでせう。
銭形平次捕物控:264 八五郎の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
看護
(
かんご
)
の
人
(
ひと
)
も
勞
(
つか
)
れぬ、
雪子
(
ゆきこ
)
の
身
(
み
)
も
弱
(
よわ
)
りぬ、きのふも
植村
(
うゑむら
)
に
遇
(
あ
)
ひしと
言
(
い
)
ひ、
今日
(
けふ
)
も
植村
(
うゑむら
)
に
遇
(
あ
)
ひたりと
言
(
い
)
ふ、
川
(
かは
)
一
(
ひと
)
つ
隔
(
へだ
)
てゝ
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るばかり
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
入口の
襖
(
ふすま
)
をあけて
椽
(
えん
)
へ出ると、
欄干
(
らんかん
)
が四角に曲って、方角から云えば海の見ゆべきはずの所に、中庭を
隔
(
へだ
)
てて、表二階の
一間
(
ひとま
)
がある。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たとえ、
父
(
ちち
)
と
子
(
こ
)
は、たがいに
思
(
おも
)
っても、
幾
(
いく
)
千マイルとなく
隔
(
へだ
)
たっていました。そして、まだ、なんの
陸
(
りく
)
らしいものも
目
(
め
)
にはいりません。
お父さんの見た人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
婦人
(
ふじん
)
の
驚駭
(
きやうがい
)
は
蓋
(
けだ
)
し
察
(
さつ
)
するに
餘
(
あま
)
りある。
卓
(
たく
)
を
隔
(
へだ
)
てて
差向
(
さしむか
)
ひにでも
逢
(
あ
)
ふ
事
(
こと
)
か、
椅子
(
いす
)
を
並
(
なら
)
べて、
肩
(
かた
)
を
合
(
あ
)
はせて
居
(
ゐ
)
るのであるから、
股栗不能聲
(
こりつしてこゑするあたはず
)
。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
間
(
あはひ
)
を
隔
(
へだ
)
てゝ、一の
火輪
(
ひのわ
)
かの點のまはりをめぐり、その早きこと、いと速に世界を卷く運行にさへまさると思はるゝ程なりき 二五—二七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
が一
緒
(
しよ
)
に
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
は
互
(
たがひ
)
に
隔
(
へだ
)
てが
有相
(
ありさう
)
で
居
(
ゐ
)
て、
自分
(
じぶん
)
が
離
(
はな
)
れると
俄
(
にはか
)
に
陸
(
むつ
)
まじ
相
(
さう
)
に
笑語
(
さゝや
)
くものゝ
樣
(
やう
)
に
彼
(
かれ
)
は
久
(
ひさ
)
しい
前
(
まえ
)
から
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
隔
(
へだ
)
て聞えよがしに
詢言
(
つぶやき
)
ければ半四郎は聞つけて大いに
立腹
(
りつぷく
)
の體にてもてなし
靜
(
しづ
)
かにしろとは不屆千萬某が
錢
(
ぜに
)
にて某酒を呑にいらざる口を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なに
)
、
馬
(
うま
)
はゐなかつたか? あそこは一
體
(
たい
)
馬
(
うま
)
なぞには、はひれない
所
(
ところ
)
でございます。
何
(
なに
)
しろ
馬
(
うま
)
の
通
(
かよ
)
ふ
路
(
みち
)
とは、
藪
(
やぶ
)
一
(
ひと
)
つ
隔
(
へだ
)
たつて
居
(
を
)
りますから。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし何分にも厳重に閉じられた建物の外から観察するのであるから、靴を
隔
(
へだ
)
てて
痒
(
かゆ
)
い足を掻くような焦燥を感じずにはいられなかった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
米友は、お絹とお松とがいる次の部屋へ陣取り、お絹お松の部屋と中庭を
隔
(
へだ
)
てたところがすなわち駒井能登守の部屋であります。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
日頃は名もなき
輩
(
ともがら
)
といわれていたのが、血を以てする奉公の一日には、
禄
(
ろく
)
の
隔
(
へだ
)
てにも官位の高さにも劣らぬことを無言で示した。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長万部
(
おしゃまんべ
)
近くなると、湾を
隔
(
へだ
)
てゝ白銅色の雲の様なものをむら/\と立てゝ居る山がある。
有珠山
(
うずさん
)
です、と同室の紳士は教えた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
傍
(
そば
)
の
窓
(
まど
)
をあけて
上氣
(
じやうき
)
した
顏
(
かほ
)
を
冷
(
ひや
)
しながら
暗
(
くら
)
いそとを
見
(
み
)
てゐると、一
間
(
けん
)
ばかりの
路次
(
ろじ
)
を
隔
(
へだ
)
ててすぐ
隣
(
となり
)
の
家
(
うち
)
の
同
(
おな
)
じ二
階
(
かい
)
の
窓
(
まど
)
から
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
成経
重盛
(
しげもり
)
が
懇願
(
こんがん
)
したからです。しかし結果は
残酷
(
ざんこく
)
ないたずらと同じになりました。ちょうど中を
隔
(
へだ
)
てた一つの
檻
(
おり
)
に親子の
獣
(
けもの
)
をつなぐように。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
というと戸締りは厳重にしてあり、近いといっても門から家までは余程
隔
(
へだ
)
って居りますが、雪の
夜
(
よ
)
で
粛然
(
しん
)
としているから、
遥
(
はるか
)
に聞える女の声。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
土手
(
どて
)
へ
上
(
あが
)
つた時には
葉桜
(
はざくら
)
のかげは
早
(
は
)
や
小暗
(
をぐら
)
く水を
隔
(
へだ
)
てた
人家
(
じんか
)
には
灯
(
ひ
)
が見えた。吹きはらふ
河風
(
かはかぜ
)
に
桜
(
さくら
)
の
病葉
(
わくらば
)
がはら/\散る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
が、
此
(
こ
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
後生大事
(
ごしやうだいじ
)
と
収
(
しま
)
つておく
処
(
ところ
)
から
見
(
み
)
ると、
其後
(
そのご
)
何
(
なに
)
かの
事情
(
じゞやう
)
で、
互
(
たがひ
)
に
隔
(
へだ
)
たつてはゐても、
心
(
こゝろ
)
は
今
(
いま
)
に
隔
(
へだ
)
てぬ
中
(
なか
)
だと
云
(
い
)
ふことは
明
(
あきら
)
かである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
私は地獄めぐりを済ませると、
夕暮
(
ゆうぐれ
)
間近の景色を観賞するため、ここから十数町を
隔
(
へだ
)
つるゴルフ・リンクスへ出かけた。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
斯く入り口又は
窓
(
まど
)
を
隔
(
へだ
)
てて品物の
遣
(
や
)
り
取
(
と
)
りを
爲
(
な
)
せしは
同類
(
どうるい
)
の間ならざるが
故
(
ゆえ
)
ならん。コロボックル
同志
(
どうし
)
ならば
親
(
した
)
しく相對して
事
(
こと
)
を
辨
(
べん
)
ぜしなるべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
声は吹雪に
隔
(
へだ
)
てられて聞えないので、重太郎の小さい姿は十
間
(
けん
)
ばかりの先に見えつ隠れつしながらも、お葉は容易に追い止めることが
能
(
でき
)
なかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いえ、それ以上に、そんな
耳障
(
みゝざは
)
りなことを云ふことで、私共お互ひの本當の幸福にとつて最もためになる二人の間の
隔
(
へだ
)
てといふものを保つのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
合
(
あい
)
の
隔
(
へだ
)
ての襖が一斉に、どちらからともなく
蹴開
(
けひら
)
かれて、敷居越しに
白刃
(
しらは
)
が入り乱れ、遂には二つの大広間をブッ通した大殺陣が展開されて行った。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「散って!」とホーキン氏が叫んだので密集していた部下の者は二間の
隔
(
へだ
)
てを置きながら左右へ翼のように拡がった。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いかに
訊
(
たず
)
ねても
訊
(
たず
)
ねても、
竜神
(
りゅうじん
)
の
生活
(
せいかつ
)
は
何
(
なに
)
やら
薄
(
うす
)
い
幕
(
まく
)
を
隔
(
へだ
)
てたようで、シックリとは
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちない
個所
(
ところ
)
がございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
自分
(
じぶん
)
と
少年
(
せうねん
)
とは四五十
間
(
けん
)
隔
(
へだ
)
たつて
居
(
ゐ
)
たが
自分
(
じぶん
)
は一
見
(
けん
)
して
志村
(
しむら
)
であることを
知
(
し
)
つた。
彼
(
かれ
)
は一
心
(
しん
)
になつて
居
(
ゐ
)
るので
自分
(
じぶん
)
の
近
(
ちかづ
)
いたのに
氣
(
き
)
もつかぬらしかつた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
極端な
人厭
(
ひとぎら
)
いの彼が、盛り場を歩き廻ることを好んだというのは、
甚
(
はなは
)
だ奇妙だけれど、彼は多くの夜、河一つ
隔
(
へだ
)
てた浅草公園に足を向けたものである。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
綺麗な主婦はすこしの
隔
(
へだ
)
ても置かずに道度の相手になった。柔かな婦人の言葉は若い男の耳に心好い響を伝えた。
黄金の枕
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
喜太郎は、
益々
(
ますます
)
勢を得ながらそれでも飛び込んで行くほどの勇気もないと見えて、間を
隔
(
へだ
)
てながら、叫んでいた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
百歩を
隔
(
へだ
)
てて
柳葉
(
りゅうよう
)
を射るに百発百中するという達人だそうである。紀昌は
遥々
(
はるばる
)
飛衛をたずねてその門に入った。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
不思議なのは、それが
昨夜
(
ゆうべ
)
私が立っていたところと、ものの
半町
(
はんちょう
)
と
隔
(
へだ
)
っていない所なので、これを見た時には、私は実に一種物凄い
感
(
かんじ
)
を
催
(
もよお
)
したのであった。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
雲山煙水
(
うんざんえんすい
)
相
(
あい
)
隔
(
へだ
)
つれども一片の至情ここに相許せば、わかれることはなんでもない、私を思うなら、しずかにしずかに私をこの地から去らしめてくれたまえ
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
それが、あんな、海から三十里もある山脈を
隔
(
へだ
)
てた野原などに生えるのは、おかしいとみんな
云
(
い
)
うのです。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
讀者
(
どくしや
)
もし
世界地圖
(
せかいちず
)
を
開
(
ひら
)
かれたなら、アフリカの
西沿岸
(
にしえんがん
)
の
大
(
おほ
)
きな
凹
(
くぼ
)
みが、
大西洋
(
たいせいよう
)
を
隔
(
へだ
)
てた
對岸
(
たいがん
)
の
南
(
みなみ
)
アメリカ
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
一日
(
あるひ
)
左門同じ里の
何某
(
なにがし
)
が
許
(
もと
)
に
訪
(
とぶら
)
ひて、いにしへ今の物がたりして興ある時に、
壁
(
かべ
)
を
隔
(
へだ
)
てて人の
痛楚
(
くるし
)
む声いともあはれに聞えければ、
主
(
あるじ
)
に尋ぬるに、あるじ答ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
昔はハンプデン、クロンウエル相率いて、チャールス王の圧制を逃れ、米国に
奔
(
はし
)
らんとし、既に船に乗じてテームス河に在り。事に
隔
(
へだ
)
てられてその志を達せず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
幼時の思い出にはさすがに
絶
(
た
)
ちがたいものがあり、ことに二人とももう八十に近い
高齢
(
こうれい
)
なので、遠く
隔
(
へだ
)
たったらいつまた会えるかわからないという
懸念
(
けねん
)
もあった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
国内諸方関険相
隔
(
へだ
)
ち、交通の便否もとより今日と日を同じくして語るべからず、したがって天下の人心はおのおのその地方に固着し、国内いまだ統一するに至らず
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
五万の群集は
熱狂
(
ねっきょう
)
的な
声援
(
せいえん
)
を送ったが、時
既
(
すで
)
に
遅
(
おそ
)
く、一艇身半を
隔
(
へだ
)
てて伊太利は決勝線に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
んだ。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
あの千古人跡の到らないところ、もし夕雲の
隔
(
へだ
)
てさへ無くば、定めし
最早
(
もう
)
皚々
(
がい/\
)
とした白雪が夕日を帯びて、天地の壮観は心を驚かすばかりであらうと想像せられる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ここの町よりただ荒川
一条
(
ひとすじ
)
を
隔
(
へだ
)
てたる鉢形村といえるは、むかしの鉢形の城のありたるところにて、城は
天正
(
てんしょう
)
の頃、
北条氏政
(
ほうじょううじまさ
)
の弟
安房守
(
あわのかみ
)
氏邦の守りたるところなれば
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
余
(
よ
)
は
其間
(
そのうち
)
に、
最
(
も
)
一
度
(
ど
)
『お
穴樣
(
あなさま
)
』を
探檢
(
たんけん
)
する
必用
(
ひつよう
)
を
感
(
かん
)
じて、
東面
(
とうめん
)
の
彼
(
か
)
の
參詣者
(
さんけいしや
)
の
前
(
まへ
)
から
横穴
(
よこあな
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
り、
調査
(
てうさ
)
を
終
(
をは
)
つて
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
ると、
鐵條網
(
てつでうもう
)
に
隔
(
へだ
)
てられた
參詣人
(
さんけいにん
)
の
中
(
なか
)
から。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
互いに
暗涙
(
あんるい
)
に
咽
(
むせ
)
びけるに、さはなくて彼女は妾らの室を
隔
(
へだ
)
つる、
二間
(
けん
)
ばかりの室に移されしなりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
さすがにおぬいさんは少し顔を赤らめたが、少しも隠し
隔
(
へだ
)
てなく、渡瀬を信頼しきっているように
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
自分は、水を
隔
(
へだ
)
てて斜に向き合って芝生に踞む。手を延ばすなら、藤さんの膝にかろうじて届くのである。水は薄黒く濁っていれど、藤さんの
翳
(
かざ
)
す
袂
(
たもと
)
の色を宿している。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
朝飯を済ますと同時に、挨拶もそこそこに寮を出て、伝二郎は田圃を
隔
(
へだ
)
てたほど近い長屋に、寮の所有者河内屋の隠居を叩き起した。思ったより話がはかどらなかった。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
学校は村の中程にあって、藁葺の屋根をもった
平家
(
ひらや
)
だった。教室の一方、
腰高障子
(
こしだかしょうじ
)
をあけると二、三枚の畑を
隔
(
へだ
)
てて市場の人だかりや、
驢馬
(
ろば
)
や、牛や、豚などが見えた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
けれども翻って利害の関係よりいえば、日本が一番その大なるものである。即ち距離からいえば、他のいずれも
甚
(
はなは
)
だ遠いのに反して、日本は
一衣帯水
(
いちいたいすい
)
を
隔
(
へだ
)
つる隣国である。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
肉用鶏ですとモット低くして一尺から二尺の間に致します。止まり木の上へ二尺ばかり
隔
(
へだ
)
てて屋根を作りますから屋根の高さも止まり木の高さに順じなければなりません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
かくのごときは人工の美にして
天然
(
てんねん
)
の美にあらず、谷深き山路に春を訪ね花を探りて歩く時流れを
隔
(
へだ
)
つる
霞
(
かすみ
)
の
奥
(
おく
)
に思いも寄らず啼き出でたる藪鶯の声の
風雅
(
ふうが
)
なるに
如
(
し
)
かずと
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
隔
常用漢字
中学
部首:⾩
13画
“隔”を含む語句
間隔
懸隔
隔意
遠隔
隔離
隔絶
分隔
隔日
隔心
隔子
相隔
隔膜
疎隔
隔世
隔靴掻痒
横隔膜
離隔
阻隔
隔在的
隔月
...