區別くべつ)” の例文
新字:区別
ある學者がくしやのごときは、土器どきらない人間生活にんげんせいかつ野蠻的生活やばんてきせいかつ土器どきをもつ人間にんげん生活せいかつ半開生活はんかいせいかつしようして區別くべつするくらゐであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それから紫檀したん茶棚ちやだなひとふたかざつてあつたが、いづれもくるひさうななまなものばかりであつた。しか御米およねにはそんな區別くべつ一向いつかううつらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
このふたつの種類しゆるいはみなさまのおうちのにはでも、公園こうえんや、やまや、どこへつてもられます。ぎには樹木じゆもくかたちによつても區別くべつされます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
またさういふ種類しゆるい地震ぢしん爆發ばくはつともな地震ぢしんとの區別くべつも、地震計ぢしんけい記録きろくによつてあきらかにされるから、地震計ぢしんけい噴火ふんか診斷器しんだんきとなるわけである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
春葉しゆんえふはこれよりさき、ぐぢ、と甘鯛あまだひ區別くべつつて、葉門中ゑふもんちう食通しよくつうだから、よわつたかほをしながら、しろ差味さしみにわさびをかして苦笑くせうをしてた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仕舞しまひには、そのどつちがほんとの自分じぶん區別くべつ出來できなくなつた。そして、時時ときどき我知わたしらずぐらぐらとひよろけ自分じぶんからだをどうすることも出來できなかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
山麓さんろくには、紅白こうはくだんだらのまくり、天幕テントり、高等官休憩所かうとうくわんきうけいじよ新聞記者席しんぶんきしやせき參觀人席さんくわんにんせきなど區別くべつしてある。べつ喫茶所きつさじよまうけてある。宛然まるで園遊會場えんいうくわいぢやうだ。
かれ其眼中そのがんちゆう社會しやくわい人々ひと/″\たゞしゆ區別くべつしてゐる、義者ぎしやと、不義者ふぎしやと、さうして婦人ふじんこと戀愛れんあいこといては、いつみづかふかかんつてくのであるが
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
甘味あまみつよ菓子くわしんだくちに、さうして醤油しやうゆあぢ區別くべつするまで發達はつたつしたしたたない與吉よきち卯平うへいとほもたらしたとかせられたほどにはかんじなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたくしはこの小娘こむすめ下品げひんかほだちをこのまなかつた。それから彼女かのぢよ服裝ふくさう不潔ふけつなのもやはり不快ふくわいだつた。最後さいごにその二とうと三とうとの區別くべつさへもわきまへない愚鈍ぐどんこころ腹立はらだたしかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
されば此度このたび一條いちでう日本國中につぽんこくちう知者ちしや馬鹿者ばかものとを區別くべつする吟味ぎんみ問題もんだいといふもなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
いまは、ふゆはるこゝろうへまよはずにゐられない時分じぶんである。こゝろではいつとも時候じこう區別くべつがつかないのに、るものは、すでにすくなくとも、ひとつだけははるらしいしるしをしめしてゐる。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
それでヨーロッパの諸國しよこく支那しなのように青銅器せいどうき時代じだいといふものを區別くべつするほどのあひだもなく、すぐに鐵器てつき時代じだいうつつてしまつたのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
其頃そのころ宗助そうすけいまちがつておほくの友達ともだちつてゐた。じつふと、輕快けいくわいかれえいずるすべてのひとは、ほとんど誰彼だれかれ區別くべつなく友達ともだちであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わがくに大地震おほぢしん激震區域げきしんくいきひろいとせまいとによつて、これを非局部性ひきよくぶせいのものと、局部性きよくぶせいのものとに區別くべつすること出來できる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ふた突起つまみついては、中央ちうわう一箇ひとつ突起つまみゆうするのと、二箇ふたつ突起つまみゆうするのと、二箇ふたつ突起つまみ上部じやうぶおいがつるのと、大概だいがいこのしゆ區別くべつすること出來できるとおもふ。
はあ、病人びやうにんしかなんにん狂人きやうじん自由じいう其處邊そこらへんあるいてゐるではないですか、れは貴方々あなたがた無學むがくなるにつて、狂人きやうじんと、健康けんかうなるものとの區別くべつ出來できんのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そつけないすぎまでが何處どこからえだであるやら明瞭はつきりとは區別くべつもつかぬやうしかけたかとおもほどあかつて葉先はさきにざらりとつぼみいてこつそりといてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
じひしんちょう(慈悲心鳥じひしんちよう)のこゑ山中さんちゆうでなければかれません。これは灰黒色かいこくしよくむねはら淡赤茶色うすあかちやいろで、おなじその部分ぶぶんしろいほとゝぎすやかっこうと區別くべつすることが出來できます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ひげやら前垂まへだれやら判然はんぜん區別くべつかぬ。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
われ/\はこのしゆ火山かざん死火山しかざんあるひ舊火山きゆうかざんづけて、有史以來ゆうしいらい噴火ふんかした歴史れきしつてゐる活火山かつかざん區別くべつしてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その都度つど御米およね眞丸まんまるふちけたぎんつきと、絹地きぬぢからほとんど區別くべつ出來できないやう穗芒ほすゝきいろながめて、んなものを珍重ちんちようするひとれないとやうえをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのほか貝殼かひがらばかりをならべた貝類博物館かひるいはくぶつかん電氣でんきかんするものをならべた電氣博物館でんきはくぶつかんといふように、陳列品ちんれつひん種類しゆるいおほわけにもわけにも隨意ずいい區別くべつすることが出來できます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
このたいあひだに、高山植物こうざんしよくぶつ草本帶そうほんたいまじつたり、ときには偃松はひまつ草本帶そうほんたいなかとほして、山頂近さんちようちかくまでびてゐることもあるので、各帶かくたいをはっきりと區別くべつすることは出來できにくいのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ころはらが一ばん危險きけんだといはれてごとくおしなはそれが原因もとたふれたのである。胎兒たいじは四つきぱいこもつたので兩性りやうせいあきらかに區別くべつされてた。ちひさいまたあひだには飯粒程めしつぶほど突起とつきがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この中岳なかたけ火口かこうまへしるしたとほり、南北なんぼく連續れんぞくした數箇すうこいけから成立なりたち、おもなものとして、北中南きたなかみなみみつつを區別くべつする。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
讀者どくしや小地震しようぢしん場合ばあひおいて、初期微動しよきびどう主要動しゆようどう明確めいかく區別くべつして感得かんとくせられたことがあるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
わが地球ちきゆうには水界すいかい陸界りくかいとの區別くべつがあり、陸界りくかい東大陸ひがしたいりく西大陸にしたいりく濠洲ごうしゆうとうわかれてゐる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)