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青葉
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あをば
ふりがな文庫
“
青葉
(
あをば
)” の例文
君が
御名
(
みな
)
得
(
え
)
し
祐
(
さち
)
の井の、
井
(
ゐど
)
のほとりの
常磐木
(
ときはぎ
)
や、
落葉木
(
らくえふぼく
)
の
若葉
(
わかば
)
して、
青葉
(
あをば
)
となりて、
落葉
(
おちば
)
して、
年
(
とし
)
また年と
空宮
(
くうきう
)
に年は
遷
(
うつ
)
りぬ
四十五
(
しじふいつ
)
。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
悉
(
こと/″\
)
く
畑
(
はた
)
へ
走
(
はし
)
つた
村落
(
むら
)
の
内
(
うち
)
には
稀
(
まれ
)
にさういふ
青葉
(
あをば
)
の
間
(
あひだ
)
に
鯉幟
(
こひのぼり
)
がばさ/\と
飜
(
ひるがへ
)
つてはぐたりと
成
(
な
)
つて、それが
朝
(
あさ
)
から
永
(
なが
)
い
日
(
ひ
)
を一
日
(
にち
)
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
庭
(
には
)
の
所為
(
せゐ
)
だ。
青葉
(
あをば
)
が
映
(
うつ
)
るんだ」と
庭
(
には
)
の
植込
(
うゑごみ
)
の方を見たが、「だから
貴方
(
あなた
)
だつて、
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
り
蒼
(
あを
)
いですよ」と
続
(
つゞ
)
けた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
禮吉
(
れいきち
)
は
悚然
(
ぞつ
)
としながら、
其
(
それ
)
でも
青山
(
あをやま
)
の
墓地
(
ぼち
)
の
中
(
なか
)
を、
青葉
(
あをば
)
がくれに、
花
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
む、
手
(
て
)
の
白
(
しろ
)
さを
思
(
おも
)
つた。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
観人
(
みるひと
)
群
(
ぐん
)
をなして大入なれば、
猿
(
さる
)
の如き
童
(
わらべ
)
ども
樹
(
き
)
にのぼりてみるもあり。
小娘
(
ちひさきむすめ
)
が
笊
(
ざる
)
を
提
(
さげ
)
て
冰々
(
こほり/\
)
とよびて
土間
(
どま
)
の中を
売
(
う
)
る。
笊
(
ざる
)
のなかへ木の
青葉
(
あをば
)
をしき雪の
冰
(
こほり
)
の
塊
(
かたまり
)
をうる也。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
愛
(
あい
)
ちやんは
軟
(
やはら
)
かい
梢
(
こずゑ
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて、
其首
(
そのくび
)
を
突
(
つ
)
ッ
込
(
こ
)
み、
半圓
(
はんゑん
)
を
描
(
えが
)
きながら
巧
(
たく
)
みに
青葉
(
あをば
)
の
中
(
なか
)
に
濳
(
もぐ
)
らうとしました、
愛
(
あい
)
ちやんは
此時
(
このとき
)
まで、
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
は
只
(
たゞ
)
樹
(
き
)
の
頂上
(
てうじやう
)
にのみあるものだと
思
(
おも
)
つてゐました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此處
(
こゝ
)
三十
里
(
り
)
の
隔
(
へだ
)
てなれども
心
(
こゝろ
)
かよはずは八
重
(
へ
)
がすみ
外山
(
とやま
)
の
峰
(
みね
)
をかくすに
似
(
に
)
たり、
花
(
はな
)
ちりて
青葉
(
あをば
)
の
頃
(
ころ
)
までにお
縫
(
ぬひ
)
が
手
(
て
)
もとに
文
(
ふみ
)
三
通
(
つう
)
、こと
細
(
こま
)
か
成
(
なり
)
けるよし、
五月雨
(
さみだれ
)
軒
(
のき
)
ばに
晴
(
は
)
れまなく
人戀
(
ひとこひ
)
しき
折
(
をり
)
ふし
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
花の盛りは僅に三日にして、跡の
青葉
(
あをば
)
は
何
(
いづ
)
れも色同じ、あでやかなる女子の色も十年はよも續かぬものぞ、老いての後に顧れば、色めづる若き時の心の我ながら
解
(
わか
)
らぬほど
癡
(
たは
)
けたるものなるぞ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
木々
(
きゞ
)
が
若葉
(
わかば
)
青葉
(
あをば
)
に
飾
(
かざ
)
られた
頃
(
ころ
)
はすが/\しい
景色
(
けしき
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
花
(
はな
)
はしをれぬ、
蘗
(
ひこば
)
えし
青葉
(
あをば
)
は
落
(
お
)
ちぬ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
けふは
照日
(
てるひ
)
の
映々
(
はえばえ
)
と
青葉
(
あをば
)
高麥
(
たかむぎ
)
生ひ茂る
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
石
(
いし
)
も
青葉
(
あをば
)
や
萌
(
も
)
え
出
(
い
)
でん
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
麦秋
(
むぎあき
)
である。「富士一つ
埋
(
うづ
)
み残して
青葉
(
あをば
)
かな」其青葉の
青闇
(
あおぐら
)
い間々を、
熟
(
う
)
れた麦が一面日の
出
(
で
)
の様に明るくする。陽暦六月は「
農攻
(
のうこう
)
五月
(
ごげつ
)
急於弦
(
げんよりもきゅうなり
)
」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何處
(
どこ
)
の
村落
(
むら
)
にもふつさりとした
青葉
(
あをば
)
の
梢
(
こずゑ
)
から
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
が
比較的
(
ひかくてき
)
に
多
(
おほ
)
いことを
示
(
しめ
)
して
其
(
そ
)
の
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
が
目
(
め
)
についた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しかし
其
(
それ
)
は
唯
(
たゞ
)
青葉
(
あをば
)
ばかりで
菖蒲
(
あやめ
)
の
短
(
みじか
)
いのがむらがつてゝ、
水
(
みづ
)
の
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
い
時分
(
じぶん
)
、
此処
(
こゝ
)
へも
二日
(
ふつか
)
、
三日
(
みつか
)
続
(
つゞ
)
けて
行
(
ゆ
)
きましたつけ、
小鳥
(
ことり
)
は
見
(
み
)
つからなかつた。
烏
(
からす
)
が
沢山
(
たんと
)
居
(
ゐ
)
た。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
観人
(
みるひと
)
群
(
ぐん
)
をなして大入なれば、
猿
(
さる
)
の如き
童
(
わらべ
)
ども
樹
(
き
)
にのぼりてみるもあり。
小娘
(
ちひさきむすめ
)
が
笊
(
ざる
)
を
提
(
さげ
)
て
冰々
(
こほり/\
)
とよびて
土間
(
どま
)
の中を
売
(
う
)
る。
笊
(
ざる
)
のなかへ木の
青葉
(
あをば
)
をしき雪の
冰
(
こほり
)
の
塊
(
かたまり
)
をうる也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
龍華寺
(
りうげじ
)
の
信如
(
しんによ
)
、
大黒屋
(
だいこくや
)
の
美登利
(
みどり
)
、
二人
(
ふたり
)
ながら
學校
(
がくこう
)
は
育英舍
(
いくえいしや
)
なり、
去
(
さ
)
りし四
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
つかた、
櫻
(
さくら
)
は
散
(
ち
)
りて
青葉
(
あをば
)
のかげに
藤
(
ふぢ
)
の
花見
(
はなみ
)
といふ
頃
(
ころ
)
、
春季
(
しゆんき
)
の
大運動會
(
だいうんどうくわい
)
とて
水
(
みづ
)
の
谷
(
や
)
の
原
(
はら
)
にせし
事
(
こと
)
ありしが、つな
引
(
ひき
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さういふ
青葉
(
あをば
)
の
村落
(
むら
)
から
村落
(
むら
)
を
女
(
をんな
)
の
飴屋
(
あめや
)
が
太皷
(
たいこ
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
歩
(
ある
)
いた。
明屋
(
あきや
)
ばかりの
村落
(
むら
)
を
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
らねば
女
(
をんな
)
は
端
(
はし
)
から
端
(
はし
)
と
唄
(
うた
)
うて
歩
(
ある
)
く。
勘次
(
かんじ
)
が
唄
(
うた
)
うたのは
其
(
そ
)
の
女
(
をんな
)
の
唄
(
うた
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さて、
若葉
(
わかば
)
、
青葉
(
あをば
)
、
雲
(
くも
)
いろ/\の
山々
(
やま/\
)
、
雪
(
ゆき
)
を
被
(
かつ
)
いだ
吾妻嶽
(
あづまだけ
)
を
見渡
(
みわた
)
して、
一路
(
いちろ
)
長
(
なが
)
く、
然
(
しか
)
も
凸凹
(
でこぼこ
)
、ぐら/\とする
温泉
(
ゆ
)
の
路
(
みち
)
を、
此
(
こ
)
の
親仁
(
おやぢ
)
が
挽
(
ひ
)
くのだから、
途中
(
みち
)
すがら
面白
(
おもしろ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夢
(
ゆめ
)
か、
青葉
(
あをば
)
の
衣
(
きぬ
)
、つゝじの
帶
(
おび
)
の
若
(
わか
)
き
姿
(
すがた
)
。
雲
(
くも
)
暗
(
くら
)
き
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
より
月
(
つき
)
かすかに
近
(
ちか
)
づくを、
獲
(
え
)
ものよ、
虐
(
しひた
)
げんとすれば、
其
(
そ
)
の
首
(
くび
)
の
長
(
なが
)
きよ、
口
(
くち
)
は
耳
(
みゝ
)
まで
裂
(
さ
)
けて、
白
(
しろ
)
き
蛇
(
へび
)
の
紅
(
べに
)
さしたる
面
(
おもて
)
ぞ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眞夏
(
まなつ
)
、
日盛
(
ひざか
)
りの
炎天
(
えんてん
)
を、
門天心太
(
もんてんこゝろぷと
)
と
賣
(
う
)
る
聲
(
こゑ
)
きはめてよし。
靜
(
しづか
)
にして、あはれに、
可懷
(
なつか
)
し。
荷
(
に
)
も
涼
(
すゞ
)
しく、
松
(
まつ
)
の
青葉
(
あをば
)
を
天秤
(
てんびん
)
にかけて
荷
(
にな
)
ふ。いゝ
聲
(
こゑ
)
にて、
長
(
なが
)
く
引
(
ひ
)
いて
靜
(
しづか
)
に
呼
(
よ
)
び
來
(
きた
)
る。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
こ
)
の
景勝
(
けいしよう
)
愉樂
(
ゆらく
)
の
郷
(
きやう
)
にして、
内湯
(
うちゆ
)
のないのを
遺憾
(
ゐかん
)
とす、と
云
(
い
)
ふ、
贅澤
(
ぜいたく
)
なのもあるけれども、
何
(
なに
)
、
青天井
(
あをてんじやう
)
、いや、
滴
(
したゝ
)
る
青葉
(
あをば
)
の
雫
(
しづく
)
の
中
(
なか
)
なる
廊下
(
らうか
)
續
(
つゞ
)
きだと
思
(
おも
)
へば、
渡
(
わた
)
つて
通
(
とほ
)
る
橋
(
はし
)
にも、
川
(
かは
)
にも
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
櫻山
(
さくらやま
)
に
夏鶯
(
なつうぐひす
)
音
(
ね
)
を
入
(
い
)
れつゝ、
岩殿寺
(
いはとのでら
)
の
青葉
(
あをば
)
に
目白
(
めじろ
)
鳴
(
な
)
く。なつかしや
御堂
(
みだう
)
の
松翠
(
しようすゐ
)
愈々
(
いよ/\
)
深
(
ふか
)
く、
鳴鶴
(
なきつる
)
ヶ
崎
(
さき
)
の
浪
(
なみ
)
蒼
(
あを
)
くして、
新宿
(
しんじゆく
)
の
濱
(
はま
)
、
羅
(
うすもの
)
の
雪
(
ゆき
)
を
敷
(
し
)
く。そよ/\と
風
(
かぜ
)
の
渡
(
わた
)
る
處
(
ところ
)
、
日盛
(
ひざか
)
りも
蛙
(
かはづ
)
の
聲
(
こゑ
)
高
(
たか
)
らかなり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
こ
)
の
景色
(
けしき
)
の
中
(
なか
)
を、しばらくして、
門
(
もん
)
の
柳
(
やなぎ
)
を
潛
(
くゞ
)
り、
帳場
(
ちやうば
)
の
入
(
い
)
らつしやい——を
横
(
よこ
)
に
聞
(
き
)
いて、
深
(
ふか
)
い
中庭
(
なかには
)
の
青葉
(
あをば
)
を
潛
(
くゞ
)
つて、
別
(
べつ
)
にはなれに
構
(
かま
)
へた
奧玄關
(
おくげんくわん
)
に
俥
(
くるま
)
が
着
(
つ
)
いた。
旅館
(
りよくわん
)
の
名
(
な
)
の
合羽屋
(
かつぱや
)
もおもしろい。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
對岸
(
たいがん
)
(——
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つて
俥
(
くるま
)
は
湯
(
ゆ
)
の
原
(
はら
)
の
宿
(
しゆく
)
の
裏
(
うら
)
を
眞正面
(
ましやうめん
)
の
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
る——)に
五層
(
ごそう
)
七層
(
しちそう
)
を
連
(
つら
)
ねた
中
(
なか
)
に、
一所
(
ひとところ
)
、
棟
(
むね
)
と
棟
(
むね
)
との
高
(
たか
)
い
切目
(
きれめ
)
に、
樅
(
もみ
)
か
欅
(
けやき
)
か、
偉
(
おほい
)
なる
古木
(
こぼく
)
の
青葉
(
あをば
)
を
卷
(
ま
)
いて、
其
(
そ
)
の
梢
(
こずゑ
)
から
兩方
(
りやうはう
)
の
棟
(
むね
)
にかゝり
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
青葉
(
あをば
)
の
茂
(
しげ
)
みを
照
(
てら
)
すのをさへ
視
(
み
)
たのである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“青葉”で始まる語句
青葉山
青葉嶽
青葉棚
青葉万六