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あをば
禮吉は
悚然としながら、
其でも
青山の
墓地の
中を、
青葉がくれに、
花を
摘む、
手の
白さを
思つた。……
観人群をなして大入なれば、
猿の如き
童ども
樹にのぼりてみるもあり。
小娘が
笊を
提て
冰々とよびて
土間の中を
売る。
笊のなかへ木の
青葉をしき雪の
冰の
塊をうる也。
愛ちやんは
軟かい
梢を
押し
分けて、
其首を
突ッ
込み、
半圓を
描きながら
巧みに
青葉の
中に
濳らうとしました、
愛ちやんは
此時まで、
木の
葉は
只樹の
頂上にのみあるものだと
思つてゐました