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道中
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だうちう
ふりがな文庫
“
道中
(
だうちう
)” の例文
『
今日
(
けふ
)
、
江戸表御老中
(
えどおもてごらうぢう
)
から、
御奉書
(
おほうしよ
)
が
到着
(
たうちやく
)
いたした。一
日
(
にち
)
の
支度
(
したく
)
、
三日
(
みつか
)
の
道中
(
だうちう
)
で、
出府
(
しゆつぷ
)
いたせとの
御沙汰
(
ごさた
)
ぢや。』と、
嚴
(
おごそ
)
かに
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
殊勝
(
しゆしよう
)
らしく
聞
(
きこ
)
えて
如何
(
いかゞ
)
ですけれども、
道中
(
だうちう
)
、
宮
(
みや
)
、
社
(
やしろ
)
、
祠
(
ほこら
)
のある
處
(
ところ
)
へは、
屹
(
きつ
)
と
持合
(
もちあは
)
せた
藥
(
くすり
)
の
中
(
なか
)
の、
何種
(
なにしゆ
)
のか、
一包
(
ひとつゝみ
)
づゝを
備
(
そな
)
へました。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
して
田舍者
(
ゐなかもの
)
と笑はれなと心の有たけかき
口説
(
くどき
)
また夫十兵衞に打向ひ
隨分
(
ずゐぶん
)
道中
(
だうちう
)
を用心して
濕氣
(
しつけ
)
に當り給はぬ樣娘の事は呉々も
能
(
よき
)
やうに
計
(
はか
)
らひ給へと
懇切
(
ねんごろ
)
に言
慰
(
なぐ
)
さめ互ひに
名殘
(
なごり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
島
(
しま
)
の
一周
(
いつしう
)
といつて、
此
(
この
)
島
(
しま
)
はどの
位
(
くら
)
い
廣
(
ひろ
)
いものやら、また
道中
(
だうちう
)
に
如何
(
いか
)
なる
危險
(
きけん
)
があるかも
分
(
わか
)
らぬが、
此處
(
こゝ
)
に
漠然
(
ぼんやり
)
として
居
(
を
)
つて、
島
(
しま
)
の
素性
(
すじやう
)
も
分
(
わか
)
らず
氣味惡
(
きみわる
)
く
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
すよりは
勝
(
まし
)
だと
考
(
かんが
)
へたので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そこで奥さんも絵本を渡したり、ハモニカをあてがつたり、いろいろ退屈させない心配をしたが、とうとうしまひに
懐鏡
(
ふところかがみ
)
を持たせて置くと、意外にも
道中
(
だうちう
)
おとなしく坐つてゐる事実を発見した。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
おのれやれ、
死
(
し
)
んで
鬼
(
おに
)
となり、
無事
(
ぶじ
)
に
道中
(
だうちう
)
はさせませう、
魂
(
たましひ
)
が
附添
(
つきそ
)
つて、と
血狂
(
ちくる
)
ふばかりに
急
(
あせ
)
るほど、
弱
(
よわ
)
るは
老
(
おい
)
の
身體
(
からだ
)
にこそ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
扨又馬喰町二丁目なる武藏屋長兵衞は兄清兵衞が
大病
(
たいびやう
)
との手紙故子分の長八を供に
連
(
つれ
)
道中
(
だうちう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
玄竹
(
げんちく
)
、‥‥
三日
(
みつか
)
の
道中
(
だうちう
)
で
江戸
(
えど
)
へ
歸
(
かへ
)
る
工夫
(
くふう
)
はないか。』
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そんな
辣腕
(
らつわん
)
と
質
(
たち
)
は
違
(
ちが
)
つても、
都合上
(
つがふじやう
)
、
勝手
(
かつて
)
よろしき
處
(
ところ
)
で
俥
(
くるま
)
を
替
(
か
)
へるのが
道中
(
だうちう
)
の
習慣
(
ならはし
)
で、
出發點
(
しゆつぱつてん
)
で、
通
(
とほ
)
し、と
極
(
き
)
めても、そんな
約束
(
やくそく
)
は
通
(
とほ
)
さない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
發足し
威光
(
ゐくわう
)
列風
(
れつぷう
)
の如く十三日の
道中
(
だうちう
)
にて東海道を滯りなく十月二日に江戸芝高輪
八山
(
やつやま
)
の旅館へ着せり玄關には
例
(
れい
)
の御紋附の幕を
張
(
はり
)
徳川天一坊殿旅館と墨黒に書し表札を
押立
(
おしたて
)
たれば之を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
道中
(
だうちう
)
つかひ
古
(
ふる
)
しの
蟹目
(
かにめ
)
のゆるんだ
扇子
(
あふぎ
)
では
峠下
(
たふげした
)
の
木戸
(
きど
)
へ
踞
(
しやが
)
んで、
秋田口
(
あきたぐち
)
の
観光客
(
くわんくわうきやく
)
を——
入
(
い
)
らはい、と
口上
(
こうじやう
)
を
言
(
い
)
ひさうで、
照覧
(
せうらん
)
あれは
事
(
こと
)
をかしい。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ゐねむりをしい/\、むかし
道中
(
だうちう
)
をしたといふ
東海道
(
とうかいだう
)
の
里程
(
りてい
)
を、
大津
(
おほつ
)
からはじめて、
幾里
(
いくり
)
何町
(
なんちやう
)
と
五十三次
(
ごじふさんつぎ
)
、
徒歩
(
てく
)
で
饒舌
(
しやべ
)
る。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
國境
(
くにざかひ
)
を
出
(
で
)
ましてからは、
私
(
わたし
)
には
東西
(
とうざい
)
も
分
(
わか
)
りません。
長
(
なが
)
い
道中
(
だうちう
)
を、あの
人買
(
ひとかひ
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
かれましたのでございます。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何事
(
なにごと
)
も、しかし、
其
(
そ
)
の
的
(
まと
)
に
打撞
(
ぶつか
)
るまでには、
弓
(
ゆみ
)
と
云
(
い
)
へども
道中
(
だうちう
)
がある。
醉
(
よ
)
つて
言
(
い
)
ふのではないけれども、ひよろ/\
矢
(
や
)
の
夜汽車
(
よぎしや
)
の
状
(
さま
)
から、
御一覽
(
ごいちらん
)
を
願
(
ねが
)
ふとしよう。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今
(
いま
)
別
(
わか
)
れ
際
(
ぎは
)
に
声
(
こゑ
)
を
懸
(
か
)
けられたので、
先方
(
むかう
)
は
道中
(
だうちう
)
の
商売人
(
しやうばいにん
)
と
見
(
み
)
たゞけに、まさかと
思
(
おも
)
つても
気迷
(
きまよひ
)
がするので、
今朝
(
けさ
)
も
立
(
た
)
ちぎはによく
見
(
み
)
て
来
(
き
)
た、
前
(
まへ
)
にも
申
(
まを
)
す、
其
(
そ
)
の
図面
(
づめん
)
をな
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大船
(
おほふな
)
に
停車
(
ていしや
)
の
時
(
とき
)
、
窓
(
まど
)
に
立
(
た
)
つて、
逗子
(
づし
)
の
方
(
かた
)
に
向
(
むか
)
ひ、うちつけながら
某
(
それがし
)
がお
馴染
(
なじみ
)
にておはします、
札所
(
ふだしよ
)
阪東第三番
(
ばんどうだいさんばん
)
、
岩殿寺
(
いはとのでら
)
觀世音
(
くわんぜおん
)
に
御無沙汰
(
ごぶさた
)
のお
詫
(
わび
)
を
申
(
まを
)
し、
道中
(
だうちう
)
無事
(
ぶじ
)
と、
念
(
ねん
)
じ
參
(
まゐ
)
らす。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかも
眞夜中
(
まよなか
)
の
道中
(
だうちう
)
である。
箱根
(
はこね
)
、
足柄
(
あしがら
)
を
越
(
こ
)
す
時
(
とき
)
は、
内證
(
ないしよう
)
で
道組神
(
だうそじん
)
を
拜
(
をが
)
んだのである。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
道中
(
だうちう
)
——
旅行
(
たび
)
の
憂慮
(
きづかひ
)
は、むかしから
水
(
みづ
)
がはりだと
言
(
い
)
ふ。……それを、
人
(
ひと
)
が
聞
(
き
)
くと
可笑
(
おかし
)
いほど
気
(
き
)
にするのであるから、
行先々
(
ゆくさき/″\
)
の
停車場
(
ステーシヨン
)
で
売
(
う
)
る、お
茶
(
ちや
)
は
沸
(
わ
)
いて
居
(
ゐ
)
る、と
言
(
い
)
つても
安心
(
あんしん
)
しない。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
與曾平
(
よそべい
)
は、
三十年餘
(
みそとせあま
)
りも
律儀
(
りちぎ
)
に
事
(
つか
)
へて、
飼殺
(
かひごろし
)
のやうにして
置
(
お
)
く
者
(
もの
)
の
氣質
(
きだて
)
は
知
(
し
)
れたり、
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
道中
(
だうちう
)
に、
雲助
(
くもすけ
)
、
白波
(
しらなみ
)
の
恐
(
おそ
)
れなんど、あるべくも
思
(
おも
)
はれねば、
力
(
ちから
)
はなくても
怪
(
け
)
しうはあらず
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
道中
(
だうちう
)
にも
旅店
(
はたご
)
にも、
我儘
(
わがまゝ
)
ばかり
申
(
まを
)
して、
今更
(
いまさら
)
お
恥
(
はづか
)
しう
存
(
ぞん
)
じます、しかし
俥
(
くるま
)
、
駕籠
(
かご
)
……また
夏座敷
(
なつざしき
)
だと
申
(
まを
)
すのに、
火鉢
(
ひばち
)
に
火
(
ひ
)
をかんかん……で、
鉄瓶
(
てつびん
)
の
湯
(
ゆ
)
を
噴立
(
ふきた
)
たせるなど、
私
(
わたし
)
としましては
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
淺草
(
あさくさ
)
でも、
銀座
(
ぎんざ
)
でも、
上野
(
うへの
)
でも——
人
(
ひと
)
の
往來
(
ゆきき
)
、
店
(
みせ
)
の
構
(
かま
)
へ、
千状萬態
(
せんじやうばんたい
)
、
一卷
(
ひとまき
)
に
道中
(
だうちう
)
の
繪
(
ゑ
)
に
織込
(
おりこ
)
んで——また
内證
(
ないしよう
)
だが——
大福
(
だいふく
)
か、
金鍔
(
きんつば
)
を、
豫
(
かね
)
て
袂
(
たもと
)
に
忍
(
しの
)
ばせたのを、ひよいと
食
(
や
)
る、
其
(
そ
)
の
早業
(
はやわざ
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
驛路
(
えきろ
)
の
馬
(
うま
)
の
鈴
(
すゞ
)
の
音
(
おと
)
、しやんと
來
(
く
)
る
道筋
(
みちすぢ
)
ながら、
時世
(
ときよ
)
といひ、
大晦日
(
おほみそか
)
、
道中
(
だうちう
)
寂
(
ひつそ
)
りとして、
兩側
(
りやうがは
)
に
廂
(
ひさし
)
を
並
(
なら
)
ぶる
商賈
(
しやうこ
)
の
家
(
いへ
)
、
薪
(
まき
)
を
揃
(
そろ
)
へて
根占
(
ねじめ
)
にしたる、
門松
(
かどまつ
)
を
早
(
は
)
や
建
(
た
)
て
連
(
つら
)
ねて、
歳
(
とし
)
の
神
(
かみ
)
を
送
(
おく
)
るといふ
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
い
所
(
ところ
)
ではありませぬ。
人通
(
ひとどほ
)
りのない、
故道松並木
(
ふるみちまつなみき
)
の
五位鷺
(
ごゐさぎ
)
は、
人
(
ひと
)
の
居處
(
ゐどころ
)
から五
本目
(
ほんめ
)
の
枝
(
えだ
)
に
留
(
とま
)
ります、
道中
(
だうちう
)
定
(
さだま
)
り。……
其
(
そ
)
の
灯
(
ひ
)
の
消殘
(
きえのこ
)
りましたのは、お
前樣
(
まへさま
)
から、
上
(
うへ
)
へ五
本目
(
ほんめ
)
と
存
(
ぞん
)
じます。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「これは、しやぼん、
鰹節
(
かつをぶし
)
以上
(
いじやう
)
ですな。——
道中
(
だうちう
)
損
(
そん
)
ずる
事
(
こと
)
承合
(
うけあひ
)
ですぜ。」
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
の
巧
(
たくみ
)
もないが、
松並木
(
まつなみき
)
、
間
(
あひ
)
の
宿々
(
しゆく/″\
)
、
山坂
(
やまさか
)
掛
(
か
)
け、
道中
(
だうちう
)
の
風情
(
ふぜい
)
見
(
み
)
る
如
(
ごと
)
し。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
孤驛
(
こえき
)
既
(
すで
)
に
夜
(
よる
)
にして、
里程
(
りてい
)
孰
(
いづ
)
れよりするも
峠
(
たうげ
)
を
隔
(
へだ
)
てて七
里
(
り
)
に
餘
(
あま
)
る。……
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
道中
(
だうちう
)
の
錦葉
(
もみぢ
)
を
思
(
おも
)
つた、
霧
(
きり
)
の
深
(
ふか
)
さを
思
(
おも
)
つた、
霜
(
しも
)
の
鋭
(
するど
)
さを
思
(
おも
)
つた、
寧
(
むし
)
ろ
其
(
それ
)
よりも
早
(
は
)
や
雪
(
ゆき
)
を
思
(
おも
)
つた、……
外套
(
ぐわいたう
)
黒
(
くろ
)
く
沈
(
しづ
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
何
(
なん
)
だか、
昔
(
むかし
)
の
道中
(
だうちう
)
に、
山犬
(
やまいぬ
)
が
出
(
で
)
たと
云
(
い
)
う
時
(
とき
)
のやうですが。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
道中
(
だうちう
)
の
魔除
(
まよけ
)
に
成
(
な
)
るのさ。」
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“道中”の意味
《名詞》
道中(どうちゅう)
旅で目的地までの途中。副詞的、接続助詞的にも用いられる。
(出典:Wiktionary)
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“道中”で始まる語句
道中差
道中双六
道中奉行
道中合羽
道中奉行所
道中話
道中姿
道中笠
道中稼
道中師