翌朝よくてう)” の例文
翌朝よくてうセルゲイ、セルゲヰチはこゝて、熱心ねつしんに十字架じかむかつて祈祷きたうさゝげ、自分等じぶんらさき院長ゐんちやうたりしひとはしたのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かくし夜半頃新町橋にいたり待受まちうけたり彌七は斯る事とはゆめにも知ず其夜は大いにざんざめき翌朝よくてう夜明方よあけがたに新町の茶屋を立出橋へ掛る處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その翌朝よくてう日出雄少年ひでをせうねんわたくしとが目醒めざめたのは八すぎ櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさは、武村兵曹たけむらへいそうをはじめ一隊いつたい水兵すいへい引卒ひきつれて、何處いづこへか出去いでさつたあとであつた。
○さて堂内人さんじて後、かの山長やまをとこ堂内に苧幹をがらをちらしおく㕝れいなり。翌朝よくてうおとこ神酒みき供物くもつそなふ、うしろさまにすゝみさゝぐ、正面にすゝむを神のいみ給ふと也。
翌朝よくてう一風呂ひとふろキヤ/\とび、手拭てぬぐひしぼつたまゝ、からりとれた天氣てんきさに、かはきし坦々たん/\とさかのぼつて、來日くるひヶ峰みねかたむかつて、晴々はれ/″\しく漫歩ぶらつした。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
翌朝よくてう知縣ちけんおくられてた。けふもきのふにかはらぬ天氣てんきである。一たい天台てんだいまん八千ぢやうとは、いつたれ測量そくりやうしたにしても、所詮しよせん高過たかすぎるやうだが、かくとらのゐるやまである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
早速さつそくくすり調合てうがふし、土地とち醫者いしや方劑はうざいさづけたが、玄竹げんちくは、塔頭たつちううめばうといふのへ案内あんないされて、精進料理しやうじんれうり饗應きやうおうけ、下男げだんとともに一ぱくして、翌朝よくてうかへることになつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
そらあをかつた。それはきつ風雪ふうせつれた翌朝よくてうがいつもさうであるやうに、なにぬぐはれてきよあをかつた。混沌こんとんとしてくるつたゆきのあとのはれ空位そらぐらひまたなくうるはしいものはない。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
そこでペンペのはなしをいたラランは、ふか自分じぶんわるかつたことをいて、ペンペをほほむつてくれた旅行者りよかうしやたちにすべてを懺悔ざんげした。翌朝よくてう旅行者りよかうしやたちは天幕テントをたゝんできたほうつた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
へい/\かしこまりました。これから湯に這入はいる、御膳ごぜんが出る、おしる向附むかうづけみな茗荷尽目めうがづくめ。客「ハアめううちだ。と思ひながら御飯ごぜんましてねどこく。翌朝よくてうになると早々さう/\客人きやくじんは立つてしまつた。 ...
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いかばかりのうれしさにさふらひけん。翌朝よくてうはわが室づき男女なんによの顔に血の多く見えしは思ひなしにや。運動会、競技の会、この日より続続ぞくぞく行はれ、私もやうやく船内を散歩しまはるやうになり申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
翌朝よくてう花漬賣の少女をとめより一箱二箱を買ひ、活溌に旅亭を出づ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
翌朝よくてうになつて
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
借て手傳てつだはせしにふけまゝ其夜そのよは下女事私し方へ泊り翌朝よくてうきやく給仕きふじなどを仕舞て立歸り候處右の騷動さうどうゆゑ大いに驚き候由を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
翌朝よくてうかれはげしき頭痛づつうおぼえて、兩耳りやうみゝり、全身ぜんしんにはたゞならぬなやみかんじた。さうして昨日きのふけた出來事できごとおもしても、はづかしくもなんともかんぜぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
○さて堂内人さんじて後、かの山長やまをとこ堂内に苧幹をがらをちらしおく㕝れいなり。翌朝よくてうおとこ神酒みき供物くもつそなふ、うしろさまにすゝみさゝぐ、正面にすゝむを神のいみ給ふと也。
翌朝よくてうまだ薄暗うすぐらかつたが、七時しちじつたくるまが、はずむ酒手さかてもなかつたのに、午後ごご九時くじふのに、金澤かなざは町外まちはづれの茶店ちやみせいた。屈竟くつきやうわかをとこふでもなく年配ねんぱい車夫くるまやである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
翌朝よくてうになつてると、海潮かいてうほとん平常へいじやうふくしたが、見渡みわたかぎり、海岸かいがんは、濁浪だくらう怒濤どたうためあらされて、昨日きのふうるはしく飾立かざりたてゝあつた砂上しやじやう清正きよまさ人形にんぎようも、二見ふたみうら模形もけいも、椰子林やしばやし陣屋ぢんや
玄竹げんちく翌朝よくてういて齒痒はがゆおもつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
云聞せ明朝みやうてうは其家に至り尋ぬべしと云れたり翌朝よくてう夫婦共に彼是と世話せわくだん茗荷屋みやうがや源兵衞の町所をくはし書認かきしたゝめて渡されしにぞ寶澤はわざうれしげに書付を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其夜そのよ慙恨ざんこんじやうられて、一すゐだもず、翌朝よくてうつひけつして、局長きよくちやうところへとわび出掛でかける。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
高野聖かうやひじりのことについて、あへべつちうしてをしへあたへはしなかつたが、翌朝よくてうたもとわかつて、雪中せつちう山越やまごしにかゝるのを、名残なごりしく見送みおくると、ちら/\とゆきるなかを次第しだいたか坂道さかみちのぼひじり姿すがた
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これをきゝてをのをもつて打砕うちくだきしを竹やぶの中へすてたり、其夜竹林一面に光る事数万の螢火の如し。翌朝よくてう近里の人きゝつたへてあつまり来り、竹林をたづねみるに少しのくづまでも一石も有る事なし。
これからは又々また/\斷食だんじきこのむなしくれてつたが、かんがへると此後このゝち吾等われら如何いかになることやら、絶望ぜつぼう躍氣やつきとに終夜しゆうやねむらず、翌朝よくてうになつて、あかつきかぜはそよ/\といて、ひがしそらしらんでたが
これをきゝてをのをもつて打砕うちくだきしを竹やぶの中へすてたり、其夜竹林一面に光る事数万の螢火の如し。翌朝よくてう近里の人きゝつたへてあつまり来り、竹林をたづねみるに少しのくづまでも一石も有る事なし。
所謂いはゆる貧僧ひんそうのかさねどきで、ついでに翌朝よくてうぶんしるしてく。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)