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とう
ふりがな文庫
“
投
(
とう
)” の例文
上流社会の貴夫人達の主催にかゝる、その日の演奏会の純益は、東京にいる
亡命
(
ぼうめい
)
の露人達の窮状を救うために、
投
(
とう
)
ぜられる筈だった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
からお
品
(
しな
)
のいふなりに
成
(
な
)
るのであつた。
二人
(
ふたり
)
は
遠
(
とほ
)
くは
行
(
ゆ
)
けないので、
隣村
(
となりむら
)
の
知合
(
しりあひ
)
へ
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じた。
兩方
(
りやうはう
)
の
姻戚
(
みより
)
が
騷
(
さわ
)
ぎ
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
これへ、秋月寂心の兵数千も味方に
参
(
さん
)
じ、
日和見
(
ひよりみ
)
だった深堀、龍造寺、
相良
(
さがら
)
、杉、
富光
(
とみみつ
)
などの小武族も、ぞくぞく陣へ
投
(
とう
)
じて来る。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一行
始
(
はじ
)
めて
団結
(
だんけつ
)
し
猛然
(
もうぜん
)
奮進に
决
(
けつ
)
す又足を水中に
投
(
とう
)
ずれば水勢
益
(
ます/\
)
急
(
きう
)
となり、両岸の岩壁
愈
(
いよ/\
)
嶮
(
けん
)
となり、之に従つて河幅は
頗
(
すこぶ
)
る
縮
(
ちぢま
)
り
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
自
(
みづか
)
ら
資
(
し
)
を
投
(
とう
)
じ、
自
(
みづか
)
ら
鍬
(
くわ
)
を
取
(
と
)
り、
自
(
みづか
)
ら
其破片
(
そのはへん
)
をツギ
合
(
あは
)
せて、
然
(
しか
)
る
上
(
うへ
)
に
研究
(
けんきう
)
を
自
(
みづか
)
らもし、
他
(
た
)
が
來
(
きた
)
つて
研究
(
けんきう
)
する
材料
(
ざいれう
)
にも
供
(
きやう
)
するにあらざれば——
駄目
(
だめ
)
だ。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
正吉
(
しょうきち
)
は、
選挙
(
せんきょ
)
に一
票
(
ぴょう
)
を
投
(
とう
)
じてから、
社会人
(
しゃかいじん
)
になれたという、
強
(
つよ
)
い
自覚
(
じかく
)
をもつと
同時
(
どうじ
)
に、
自然
(
しぜん
)
の
観察
(
かんさつ
)
から、また
仕事
(
しごと
)
のうえにも
大
(
だい
)
なる
自信
(
じしん
)
を
得
(
え
)
ました。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
某は心中
深
(
ふか
)
く
立腹
(
りつぷく
)
して、
他
(
ほか
)
の事にかこつけて雲飛を
中傷
(
ちゆうしやう
)
し
遂
(
つひ
)
に
捕
(
とら
)
へて
獄
(
ごく
)
に
投
(
とう
)
じたそして人を以て
竊
(
ひそか
)
に
雲飛
(
うんぴ
)
の
妻
(
つま
)
に、
實
(
じつ
)
は石が
慾
(
ほし
)
いばかりといふ
内意
(
ないゝ
)
を
傳
(
つた
)
へさした。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
女房
(
にようばう
)
は、
駭
(
おどろ
)
きかなしみ、
哀歎
(
あいたん
)
のあまり、
嬰兒
(
あかご
)
と
其
(
そ
)
の
腕
(
うで
)
ひとつ
抱
(
だ
)
きしめたまゝ、
水
(
みづ
)
に
投
(
とう
)
じたと
言
(
い
)
ふ。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
このスエーデンの
博物館
(
はくぶつかん
)
を
造
(
つく
)
つた
人
(
ひと
)
は、
最初
(
さいしよ
)
から
多
(
おほ
)
くの
金錢
(
きんせん
)
を
投
(
とう
)
じて
着手
(
ちやくしゆ
)
したのではなく、
少
(
すこ
)
しづゝ
集
(
あつ
)
めて
長
(
なが
)
い
年月
(
としつき
)
の
間
(
あひだ
)
に
一人
(
ひとり
)
の
力
(
ちから
)
でもつて
完成
(
かんせい
)
させたことを
思
(
おも
)
ふときは
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
此處
(
こゝ
)
から
最
(
もつと
)
も
便宜
(
べんぎ
)
なる、また
最
(
もつと
)
も
近
(
ちか
)
き
貿易港
(
ぼうえきかう
)
は
矢張
(
やはり
)
印度國
(
インドこく
)
コロンボの
港
(
みなと
)
で、
海上
(
かいじやう
)
大約
(
おほよそ
)
千二百
哩
(
マイル
)
、それより
橄欖島
(
かんらんたう
)
までは千五百
哩
(
マイル
)
弱
(
じやく
)
、されば、
本艦
(
ほんかん
)
は
明後晩
(
めうごばん
)
コロンボに
錨
(
いかり
)
を
投
(
とう
)
じ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
で僧侶のごときも、そういう着実なる考えを持って居る人の手下に付く者が大変に多く、そしてシャーターというような
投
(
とう
)
人気の仕事をする人に対しては非常に悪感情を懐いて居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
身
(
み
)
を
殺
(
ころ
)
して
霊魂
(
たましい
)
をころし
得
(
え
)
ぬ
者
(
もの
)
どもを
懼
(
おそ
)
るな、
身
(
み
)
と
霊魂
(
たましい
)
とをゲヘナにて
滅
(
ほろぼ
)
し
得
(
う
)
る
者
(
もの
)
をおそれよ。われ
地
(
ち
)
に
平和
(
へいわ
)
を
投
(
とう
)
ぜんために
来
(
きた
)
れりと
思
(
おも
)
うな、
平和
(
へいわ
)
にあらず、
反
(
かえ
)
って
剣
(
つるぎ
)
を
投
(
とう
)
ぜん
為
(
ため
)
に
来
(
きた
)
れり。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そこで吾輩も殆んど筆を
投
(
とう
)
ぜざるを得なくなった。刀折れ、矢
竭
(
つ
)
きた形だね。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……だがその
夜
(
よ
)
始
(
はじ
)
めて、
彼女
(
かのぢよ
)
は
戀人
(
こひびと
)
の
激
(
はげ
)
しい
熱情
(
ねつじやう
)
に
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じたのだつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
月照船頭に立ち、和歌を朗吟して南洲に示す、南洲
首肯
(
しゆかう
)
する所あるものゝ如し、遂に相
擁
(
よう
)
して海に
投
(
とう
)
ず。次郎等水聲起るを聞いて、
倉皇
(
さうくわう
)
として之を救ふ。月照既に死して、南洲は
蘇
(
よみがへ
)
ることを得たり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
自然
(
しぜん
)
の
法則
(
はふそく
)
は
依然
(
いぜん
)
として
元
(
もと
)
の
儘
(
まゝ
)
です、
人々
(
ひと/″\
)
は
猶且
(
やはり
)
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
く
病
(
や
)
み、
老
(
お
)
い、
死
(
し
)
するのでせう、
甚麼立派
(
どんなりつぱ
)
な
生活
(
せいくわつ
)
の
曉
(
あかつき
)
が
顯
(
あら
)
はれたとしても、
畢竟
(
つまり
)
人間
(
にんげん
)
は
棺桶
(
くわんをけ
)
に
打込
(
うちこ
)
まれて、
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
とう
)
じられて
了
(
しま
)
ふのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
果たして、それからまもなく、赤松円心の一勢は、朝廷へも届け出ず、ただ一書を六波羅の高氏へ
投
(
とう
)
じたのみで、憤然、京をひきはらって国元へ帰ってしまった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
迅速
(
じんそく
)
で
且
(
かつ
)
壯快
(
さうくわい
)
な
變化
(
へんくわ
)
を
目前
(
もくぜん
)
に
見
(
み
)
せる
火
(
ひ
)
が
彼等
(
かれら
)
の
惡戲好
(
いたづらずき
)
な
心
(
こゝろ
)
をどれ
程
(
ほど
)
誘導
(
そゝ
)
つたか
知
(
し
)
れない。
彼
(
かれ
)
は
落葉
(
おちば
)
を
攫
(
つか
)
んでは
竈
(
かまど
)
の
口
(
くち
)
に
投
(
とう
)
じてぼうぼうと
燃
(
も
)
えあがる
焔
(
ほのほ
)
に
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
渠等
(
かれら
)
の
無頼
(
ぶらい
)
なる
幾度
(
いくたび
)
も
此
(
この
)
擧動
(
きよどう
)
を
繰返
(
くりかへ
)
すに
憚
(
はゞか
)
る
者
(
もの
)
ならねど、
衆
(
ひと
)
は
其
(
その
)
乞
(
こ
)
ふが
隨意
(
まゝ
)
に
若干
(
じやくかん
)
の
物品
(
もの
)
を
投
(
とう
)
じて、
其
(
その
)
惡戲
(
あくぎ
)
を
演
(
えん
)
ぜざらむことを
謝
(
しや
)
するを
以
(
も
)
て、
蛇食
(
へびくひ
)
の
藝
(
げい
)
は
暫時
(
ざんじ
)
休憩
(
きうけい
)
を
呟
(
つぶや
)
きぬ。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
嘆息
(
たんそく
)
と
共
(
とも
)
に
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
ると、
更
(
さら
)
に
奇怪
(
きくわい
)
なるは、
其
(
その
)
端艇
(
たんてい
)
に
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じたる
一群
(
いちぐん
)
の
人
(
ひと
)
、それは
一等船客
(
いつとうせんきやく
)
でもなく、
二等船客
(
にとうせんきやく
)
でもなく、
實
(
じつ
)
に
此
(
この
)
船
(
ふね
)
の
最後
(
さいご
)
まで
踏止
(
ふみとゞま
)
る
可
(
べ
)
き
筈
(
はづ
)
の
水夫
(
すいふ
)
、
火夫
(
くわふ
)
、
舵手
(
かぢとり
)
、
機關手
(
きくわんしゆ
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夜半
(
やはん
)
眼覚め、
防寒
(
ばうかん
)
の為炉中に
薪
(
たきぎ
)
を
投
(
とう
)
ぜんとすれば、月光清輝幽谷中に
冴
(
さ
)
へ
渡
(
わた
)
り、両岸の
森中
(
しんちう
)
には高調凄音群猿の
叫
(
さけ
)
ぶを
聞
(
き
)
く、
俯
(
ふ
)
して水源未知の利根を
見
(
み
)
れば、
水流
(
すゐりう
)
混々
(
こん/\
)
、河幅猶ほ
広
(
ひろ
)
く水量甚
多
(
おほ
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
とう
)
じられてしまうのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
新田義貞が鎌倉攻めのさいに稲村ヶ崎で剣を龍神へむかって
投
(
とう
)
じたという、いわゆる“龍神伝説”は、その地形条件などからも、つとに否定されているが、これによると
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は
内職
(
ないしよく
)
に
飼
(
か
)
つた
豚
(
ぶた
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
んだので
他人
(
たにん
)
が
覘
(
ねらひ
)
はせぬかと
懸念
(
けねん
)
しつゝあつたのである。おつぎは
何處
(
どこ
)
でも
構
(
かま
)
はぬと
土手
(
どて
)
の
篠
(
しの
)
を
分
(
わ
)
けて
一
(
ひと
)
つ/\に
蜀黍
(
もろこし
)
の
穗
(
ほ
)
を
力
(
ちから
)
の
限
(
かぎ
)
り
水
(
みづ
)
に
投
(
とう
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
一聲
(
ひとこゑ
)
、
高
(
たか
)
らかに
題目
(
だいもく
)
を
唱
(
とな
)
へも
敢
(
あ
)
へず、
法華僧
(
ほつけそう
)
は
身
(
み
)
を
躍
(
をど
)
らして
海
(
うみ
)
に
投
(
とう
)
ぜり。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
即ち鍋上に
穴
(
あな
)
を
穿
(
うが
)
てる
布片
(
きれ
)
を
覆
(
お
)
ひ、内に
餌
(
え
)
を
入
(
い
)
れて之を沼中に
投
(
とう
)
じたるなり、「どろくき」と
称
(
しやう
)
する魚十余尾を
得
(
え
)
たり、形
鰌
(
どぜう
)
に非ず「くき」にも非ず、一種の
奇魚
(
きぎよ
)
なり、衆争うて之を
炙
(
あぶ
)
り
食
(
しよく
)
すれど
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
それは、東軍の一将、奥州白河の
結城光広
(
ゆうきみつひろ
)
の子、親光の一軍で、さきごろから
狐河
(
きつねがわ
)
の辺で敵の赤松勢と対峙していたが、俄に旗を巻いて、宮方へ
投
(
とう
)
じてしまったものである。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
味方は敵の中に
在
(
あ
)
る。かねがね教書を以て、心をかよわせていた九州諸族も、我に百難の中も行く意気あるを目で見ねば、なかなか
来
(
きた
)
り
投
(
とう
)
じまい。一
定
(
じょう
)
、ここは九州のわけめ、いや天下のわかれ目だ。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“投”の意味
《名詞》
(トウ) 野球で、投手力。
《動詞》
なげる。
(課題などを)提起する。
投入する。
投獄する。
光などを投げかける。
放棄する。
資力・労力などをつぎ込む。
薬などを投与する。
身を入れる。身を置く。
乗る。
投宿する。
投降する。
一致する。合う。
(出典:Wiktionary)
投
常用漢字
小3
部首:⼿
7画
“投”を含む語句
投込
投出
打投
巴投
背負投
投網
投遣
投函
身投
投錨
投機
投身
投懸
間投詞
投棄
投付
投入
投擲
投捨
投下
...