トップ
>
長屋
>
ながや
ふりがな文庫
“
長屋
(
ながや
)” の例文
わたしは、おふくろがなくなった
後
(
のち
)
、どうすることもできず、おなじ
長屋
(
ながや
)
にすんでいた、あんまさんのところで、せわになりました。
はたらく二少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
詰侍
(
つめざむらい
)
の
部屋
(
へや
)
や
長屋
(
ながや
)
にいる
常備
(
じょうび
)
の
武士
(
ぶし
)
を、
番士
(
ばんし
)
は声をからして起しまわる。たちまち、
物
(
もの
)
の
具
(
ぐ
)
とって
馳
(
か
)
けあつまる
敵
(
てき
)
はかずを
増
(
ま
)
すばかり。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木挽町汐留
(
こびきちょうしおどめ
)
(いまの
新橋
(
しんばし
)
のふきん)にある
奥平
(
おくだいら
)
やしきにいきますと、
鉄砲洲
(
てっぽうず
)
(
築地
(
つきじ
)
)にある
中
(
なか
)
やしきの
長屋
(
ながや
)
をかしてくれるということでした。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
其
(
その
)
時分
(
じぶん
)
は
父
(
ちゝ
)
も
生
(
い
)
きてゐたし、
家
(
うち
)
の
都合
(
つがふ
)
も
惡
(
わる
)
くはなかつたので、
抱車夫
(
かゝへしやふ
)
を
邸内
(
ていない
)
の
長屋
(
ながや
)
に
住
(
す
)
まはして、
樂
(
らく
)
に
暮
(
くら
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
語りしかば文右衞門は是を
篤
(
とく
)
と聞しが夫は
不埓
(
ふらち
)
千萬の申懸なりと大いに
立腹
(
りつぷく
)
し是より又久兵衞と文右衞門の
言爭
(
いひあらそ
)
ひになりければ
長屋
(
ながや
)
中の者
追々
(
おひ/\
)
此
騷動
(
さうどう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
師匠の家にも三毛猫が一匹いるが、
裏口
(
うらぐち
)
合せの
長屋
(
ながや
)
の猫が
質
(
たち
)
が悪く、毎度こちらの台所を荒らすところから、疑いはその猫に掛かっている様子であります。
幕末維新懐古談:17 猫と鼠のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
其頃
(
そのころ
)
武内
(
たけのうち
)
は
富士見町
(
ふじみちやう
)
の
薄闇
(
うすぐら
)
い
長屋
(
ながや
)
の
鼠
(
ねづみ
)
の
巣
(
す
)
見たやうな
中
(
うち
)
に
燻
(
くすぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
ながら
太平楽
(
たいへいらく
)
を
抒
(
なら
)
べる元気が
凡
(
ぼん
)
でなかつた
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
喜多
(
きた
)
は
食堂
(
しよくだう
)
へ
飮酒
(
のみ
)
に
行
(
ゆ
)
く。……あの
鐵
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
につかまつて、ぶるツとしながら
繋目
(
つなぎめ
)
の
板
(
いた
)
を
踏越
(
ふみこ
)
すのは、
長屋
(
ながや
)
の
露地
(
ろぢ
)
の
溝板
(
どぶいた
)
に
地震
(
ぢしん
)
と
云
(
い
)
ふ
趣
(
おもむき
)
あり。
雨
(
あめ
)
は
小留
(
をや
)
みに
成
(
な
)
る。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕は
早速
(
さっそく
)
彼と一しょに
亀井戸
(
かめいど
)
に近い
場末
(
ばすえ
)
の町へ行った。彼の妹の縁づいた先は
存外
(
ぞんがい
)
見つけるのに
暇
(
ひま
)
どらなかった。それは
床屋
(
とこや
)
の裏になった
棟割
(
むねわ
)
り
長屋
(
ながや
)
の一軒だった。
彼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
尾籠
(
びろう
)
な話をするようですが、ラサ府のお厠というのは大抵一軒の家に一つか二つある。または一つ
長屋
(
ながや
)
の内に一つとかいうような
具合
(
ぐあい
)
になかなか大きく建てられてある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
春泥は小説を書き始めた頃は郊外の
池袋
(
いけぶくろ
)
の小さな
借家
(
しゃっか
)
に住んでいたが、それから文名が上り、収入が増すに従って、少しずつ手広な家へ(と云っても大抵は
長屋
(
ながや
)
だったが)
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
左樣
(
さやう
)
ならとて
頭
(
かしら
)
を
下
(
さげ
)
げるに、あれ
美
(
み
)
いちやんの
現金
(
げんきん
)
な、
最
(
も
)
うお
送
(
おく
)
りは
入
(
い
)
りませぬとかえ、そんなら
私
(
わたし
)
は
京町
(
きやうまち
)
で
買物
(
かいもの
)
しましよ、とちよこ/\
走
(
ばし
)
りに
長屋
(
ながや
)
の
細道
(
ほそみち
)
へ
驅
(
か
)
け
込
(
こ
)
むに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
住居
(
すまゐ
)
はつひ
構内
(
こうない
)
の
長屋
(
ながや
)
の一つであるけれど、『せい/″\
氣
(
き
)
を
利
(
き
)
かしてお
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つてみせます』と
言
(
い
)
つてるやうな
娘
(
むすめ
)
の
心
(
こゝろ
)
をいぢらしく
思
(
おも
)
ひながら、
彼女
(
かのぢよ
)
はぱちりと
雨傘
(
あまがさ
)
をひらく。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
路地
(
ろじ
)
のおくの、またそのおくの、あぶなっかしい三げん
長屋
(
ながや
)
の一けんが
光吉
(
こうきち
)
の家だった。
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
軒端
(
のきば
)
に
立
(
た
)
つ
蚊柱
(
かばしら
)
のように、どこからともなく
集
(
あつ
)
まって
来
(
き
)
た
子供
(
こども
)
の
群
(
むれ
)
は、
土平
(
どへい
)
の
前後左右
(
ぜんごさゆう
)
をおッ
取
(
と
)
り
巻
(
ま
)
いて、
買
(
か
)
うも
買
(
か
)
わぬも一
様
(
よう
)
にわッわッと
囃
(
はや
)
したてる
賑
(
にぎ
)
やかさ、
長屋
(
ながや
)
の
井戸端
(
いどばた
)
で
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
やっぱり拙者は、お聞きのとおり、ただの、このトンガリ
長屋
(
ながや
)
の作爺じゃ。そのほうが無事らしい。せっかくのお申し
出
(
い
)
でながら、この儀は、かたくおことわりするほかはござるまい。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
松女
(
まつじょ
)
はおじいの
膝
(
ひざ
)
にのって
柿
(
かき
)
を
食
(
く
)
ってる。
源四郎
(
げんしろう
)
もようやく
掃除
(
そうじ
)
をやめたらしい。くまでやほうきやくわなどを
長屋
(
ながや
)
のすみへかたづけている。そとは雨の
降
(
ふ
)
るのも見えぬほど
暮
(
く
)
れてきた。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ただその片隅の
長屋
(
ながや
)
か何かの中で、生前悪事をした者の裁判などをしている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
長屋
(
ながや
)
の
子供
(
こども
)
は
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
もうもうと白い湯けむりをあげている板囲いの浴槽は、
上
(
かみ
)
ノ湯、
中
(
なか
)
ノ湯と二棟に別れて
長屋
(
ながや
)
なりにつづいている。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思ひ出すには
閑靜
(
しづか
)
なる所がよきものなり因て
見張
(
みはり
)
を
附
(
つけ
)
るにより
明
(
あき
)
長屋
(
ながや
)
へ
到
(
いた
)
り
篤
(
とく
)
と考へ見よとて同心に
遠見
(
とほみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
戸口
(
とぐち
)
に
遊
(
あそ
)
んでいた、
長屋
(
ながや
)
の
子供
(
こども
)
たちは、
屋根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
で、
眼鏡
(
めがね
)
をかけて、
仕事
(
しごと
)
をしているおじいさんを
見
(
み
)
て
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
固
(
もと
)
より
以前
(
いぜん
)
から、
友造
(
ともざう
)
の
家
(
いへ
)
は、
土地
(
とち
)
でも、
場末
(
ばすゑ
)
の、
町
(
まち
)
はづれの、
舊
(
もと
)
の
足輕町
(
あしがるまち
)
の
破
(
やぶ
)
れ
長屋
(
ながや
)
に、
家族
(
かぞく
)
が
大勢
(
おほぜい
)
で、かびた、
濕
(
しめ
)
つた、じと/\した
貧
(
まづ
)
しい
暮
(
くら
)
しで
居
(
ゐ
)
たのであるから
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
長屋
(
ながや
)
は、そのときから八十八
年
(
ねん
)
まえの
明和
(
めいわ
)
八(一七七一)
年
(
ねん
)
に、
前野良沢
(
まえのりょうたく
)
や
杉田玄白
(
すぎたげんぱく
)
たちが、オランダのかいぼう
学
(
がく
)
(
生物
(
せいぶつ
)
のからだをきりひらいて
研究
(
けんきゅう
)
する
学問
(
がくもん
)
)の
本
(
ほん
)
を
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
去歳
(
こぞ
)
にくらべて
長屋
(
ながや
)
もふゑたり、
所得
(
しよとく
)
は
倍
(
ばい
)
にと
世間
(
せけん
)
の
口
(
くち
)
より
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
の
樣子
(
やうす
)
を
知
(
し
)
りて、をかしやをかしや、
其
(
その
)
やうに
延
(
の
)
ばして
誰
(
た
)
が
物
(
もの
)
にする
氣
(
き
)
ぞ、
火事
(
くわじ
)
は
燈明皿
(
とうめうざら
)
よりも
出
(
で
)
る
物
(
もの
)
ぞかし
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
七
軒
(
けん
)
長屋
(
ながや
)
のまん
中
(
なか
)
は
縁起
(
えんぎ
)
がよくないという、
人
(
ひと
)
のいやがるそんまん
中
(
なか
)
へ、
所帯道具
(
しょたいどうぐ
)
といえば、
土竈
(
どがま
)
と七
輪
(
りん
)
と、
箸
(
はし
)
と
茶碗
(
ちゃわん
)
に
鍋
(
なべ
)
が一つ、
膳
(
ぜん
)
は
師匠
(
ししょう
)
の
春信
(
はるのぶ
)
から、
縁
(
ふち
)
の
欠
(
か
)
けた
根
(
ね
)
ごろの
猫脚
(
ねこあし
)
をもらったのが
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
尤
(
もつと
)
も
段々
(
だん/″\
)
話合
(
はなしあ
)
つて見ると、五六
才
(
さい
)
の
時分
(
じぶん
)
には
同
(
おな
)
じ
長屋
(
ながや
)
の
一軒
(
いつけん
)
置
(
お
)
いた
隣同士
(
となりどうし
)
で、
何
(
なん
)
でも
一緒
(
いつしよ
)
に遊んだ事も有つたらしいので、
那様
(
そんな
)
事から
一層
(
いつそう
)
親密
(
しんみつ
)
に
成
(
な
)
つて、
帰路
(
かへりみち
)
も同じでありましたから
連立
(
つれだ
)
つても帰る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
渡り
越
(
こえ
)
水戸
(
みと
)
樣前を左りになし
壹岐殿坂
(
いきどのざか
)
を打上り本郷通りを横に見て
行
(
ゆけ
)
ども先の
目的
(
めあて
)
なき
目盲
(
めくら
)
長屋
(
ながや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それはちょうど、
館
(
たち
)
の
北側
(
きたがわ
)
につづく
馬廻
(
うままわ
)
り役の
長屋
(
ながや
)
の近くである。そこに
建
(
た
)
っている
屋根
(
やね
)
の高い
馬糧小屋
(
まぐさごや
)
から
蒸
(
む
)
れたせいろうのように白いけむりがスーとめぐっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここは、
町
(
まち
)
に
近
(
ちか
)
い
郊外
(
こうがい
)
でした。ある
長屋
(
ながや
)
の一
軒
(
けん
)
では、
父
(
ちち
)
の
帰
(
かえ
)
りを
待
(
ま
)
っている
少年
(
しょうねん
)
がありました。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
源
(
げん
)
七が
家
(
いゑ
)
へは
遣
(
や
)
らぬが
能
(
よ
)
い、
返禮
(
へんれい
)
が
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なとて、
心切
(
しんせつ
)
かは
知
(
し
)
らねど十
軒
(
けん
)
長屋
(
ながや
)
の一
軒
(
けん
)
は
除
(
の
)
け
物
(
もの
)
、
男
(
おとこ
)
は
外出
(
そとで
)
がちなればいさゝか
心
(
こゝろ
)
に
懸
(
かゝ
)
るまじけれど
女心
(
をんなごゝろ
)
には
遣
(
や
)
る
瀬
(
せ
)
のなきほど
切
(
せつ
)
なく
悲
(
かな
)
しく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
岩
(
いは
)
さんが
仕事場
(
しごとば
)
から——
行願寺内
(
ぎやうぐわんじない
)
にあつた、——
路地
(
ろぢ
)
うらの
長屋
(
ながや
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
ると、
何
(
なに
)
かものにそゝられたやうに、
頻
(
しきり
)
に
氣
(
き
)
の
急
(
せ
)
く
樣子
(
やうす
)
で、いつもの
錢湯
(
せんたう
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、さく/\と
茶漬
(
ちやづけ
)
で
濟
(
す
)
まして
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬
(
ま
)
ぐさ
小屋
(
ごや
)
の中の高いびきは、
定
(
さだ
)
めし
心地
(
ここち
)
よい
熟睡
(
うまい
)
におちているだろう。お
長屋
(
ながや
)
の
灯
(
ひ
)
もみんな
消
(
き
)
えて、
卜斎
(
ぼくさい
)
の家のなかも、
主
(
あるじ
)
のこえなく、
客
(
きゃく
)
の
笑
(
わら
)
いもたえて、シンとしてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長屋
(
ながや
)
じゅうのものが、
総出
(
そうで
)
となって、この
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
老職人
(
ろうしょくにん
)
の
周囲
(
しゅうい
)
に
集
(
あつ
)
まりました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さりとは
陽氣
(
ようき
)
の
町
(
まち
)
と
住
(
す
)
みたる
人
(
ひと
)
の
申
(
まをし
)
き、
三島神社
(
みしまじんじや
)
の
角
(
かど
)
をまがりてより
是
(
こ
)
れぞと
見
(
み
)
ゆる
大厦
(
いゑ
)
もなく、かたぶく
軒端
(
のきば
)
の十
軒
(
けん
)
長屋
(
ながや
)
二十
軒
(
けん
)
長屋
(
ながや
)
、
商
(
あきな
)
ひはかつふつ
利
(
き
)
かぬ
處
(
ところ
)
とて
半
(
なかば
)
さしたる
雨戸
(
あまど
)
の
外
(
そと
)
に
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
長屋
(
ながや
)
ものがいひ
出
(
だ
)
すと、すぐ
應
(
おう
)
じて
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「旦那、お
長屋
(
ながや
)
の方じゃありますまいね」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“長屋”の解説
長屋(ながや)とは集合住宅の一形態である。もっぱら1階建て(近年は2階以上もある)で、この呼称では日本のものを指す事が多い。
(出典:Wikipedia)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“長屋”で始まる語句
長屋門
長屋建
長屋並
長屋中
長屋原
長屋王
長屋立
長屋住居
長屋兵庫
長屋小路