トップ
>
立
>
たて
ふりがな文庫
“
立
(
たて
)” の例文
○急要ノ事件
指起
(
さしおこ
)
ルトキ、其土地ノ奉行ニテ法ヲ
立
(
たて
)
ントスルモ、英国王
之
(
これ
)
ヲ禁ジテ、王ノ免許ヲ得ルニ非ザレバ之ヲ施行セシメズ。
アメリカ独立宣言
(新字旧仮名)
/
トマス・ジェファーソン
(著)
枯つ葉一つがさつか無え桑畑の上に
屏風
(
びやうぶ
)
を
立
(
たて
)
てよ、その桑の枝を
掴
(
つか
)
んだ
鶸
(
ひは
)
も、寒さに
咽喉
(
のど
)
を痛めたのか、声も立て無えやうな
凍
(
い
)
て
方
(
かた
)
だ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
現在うけ合ひしは我れに覚えあれど何のそれを
厭
(
いと
)
ふ事かは、大方お前が聞ちがへと
立
(
たて
)
きりて、
烟草
(
たばこ
)
輪にふき私は知らぬと済しけり。
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一
(
ひ
)
と
口
(
くち
)
に
申
(
もう
)
したらその
時分
(
じぶん
)
の
私
(
わたくし
)
は、
消
(
き
)
えかかった
青松葉
(
あおまつば
)
の
火
(
ひ
)
が、プスプスと
白
(
しろ
)
い
煙
(
けむり
)
を
立
(
たて
)
て
燻
(
くすぶ
)
っているような
塩梅
(
あんばい
)
だったのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
小僧は
洗
(
あら
)
ひ
立
(
たて
)
の顔をしてパデレウスキイの前に帰つて来た。音楽家は「よし/\」と言つて銀貨を小僧の濡れた
掌面
(
てのひら
)
に載つけてやつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
お婆さんの御新姐の手から冷酒を三杯
立
(
たて
)
つづけて、袴に両手をついて、
熟
(
じっ
)
とうつむいた。が、
渋苦
(
しぶにが
)
い顔して、ほろほろと涙ぐんだ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年齢
(
としのころ
)
三十あまりと見ゆる女白く青ざめたる㒵に
黒髪
(
くろかみ
)
をみだしかけ、今水よりいでたりとおもふばかり
濡
(
ぬれ
)
たる袖をかきあはせて
立
(
たて
)
り。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それだから
幾度
(
いくたび
)
百姓
(
ひやくしやう
)
の
手
(
て
)
が
耕
(
たがや
)
さうとも
其
(
そ
)
の
土
(
つち
)
を
乾燥
(
かんさう
)
して
濡
(
ぬ
)
らさぬ
工夫
(
くふう
)
を
立
(
たて
)
ない
限
(
かぎ
)
りは、
思
(
おも
)
はぬ
處
(
ところ
)
にぽつり/\と
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
が
青
(
あを
)
く
出
(
で
)
て
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
このごろ世間に、皇学・漢学・洋学などいい、おのおの
自家
(
じか
)
の学流を
立
(
たて
)
て、たがいに相
誹謗
(
ひぼう
)
するよし。もってのほかの事なり。
中津留別の書
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
是でも未だ分りませんか(荻)フム仲々感心だ、当る当らんは扨置いて初心の貴公が斯う詳しく意見を
立
(
たて
)
るは兎に角感心する
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
而して、寒気は次第に加わって、雪は大きく綿を
断
(
ちぎ
)
ったように、ぽたり、ぽたりと沈黙の空気の
裡
(
うち
)
に、音を
立
(
たて
)
て降って来た。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「文句の多い
立
(
たて
)
おやまさね」次郎吉はちょっとウンザリしたが、「おおせられましょう、お姫様、とこう一つ行くとするか」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
孝「なに
宜
(
よろ
)
しゅうございます、お金が出たから
宜
(
い
)
いが、
若
(
も
)
しお手打にでもなるなら、殿様の前でお為になる事を並べ
立
(
たて
)
て死のうと思って……」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
矢田平の
立
(
たて
)
、長いのでは有名な方なるを、
訥子
(
とつし
)
の勤むることなれば、見ぬ方大だすかりなり。宋蘇卿の最期に
駈
(
か
)
け
附
(
つ
)
くる所も騒がしきだけなり。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
鳥居清信がいはゆる鳥居風なる
放肆
(
ほうし
)
の画風を
立
(
たて
)
しは思ふに団十郎の荒事を描かんとする自然の結果に
出
(
いで
)
たるものならん
歟
(
か
)
。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
貸給
(
かしたま
)
へと云けれども三郎兵衞更に承知せず外の話に
紛
(
まぎら
)
して取合ざれば四郎右衞門も大いに
腹
(
はら
)
を
立
(
たて
)
此
(
これ
)
ほど事を
譯
(
わけ
)
て頼むに恩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今迄
傍
(
そば
)
にゐたものが一町許
遠退
(
とおの
)
いた気がする。三四郎は
借
(
か
)
りて置けば
可
(
よ
)
かつたと思つた。けれども、もう仕方がない。蝋燭
立
(
たて
)
を見て
澄
(
すま
)
してゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
拾玉
(
しゅうぎょく
)
集』に「すごきかな、
加茂
(
かも
)
の
川原
(
かわら
)
の河風にみのげ乱れて
鷺
(
さぎ
)
立
(
たて
)
るめり」。
為家
(
ためいえ
)
の歌に「ゐる鷺のおのが蓑毛も片よりに、岸の柳を春風ぞふく」
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「食事でもなんでもお
上通
(
かみどお
)
りで、お鯉さんとひとつに
食
(
たべ
)
るのですよ。あの方が身を
立
(
たて
)
てあげればだが、お鯉さんもそれまでにはまた一苦労ですね」
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
却
(
かえ
)
って心配の
種子
(
たね
)
にて我をも
其等
(
それら
)
の
浮
(
うき
)
たる人々と同じ
様
(
よう
)
に
思
(
おぼ
)
し
出
(
いず
)
らんかと
案
(
あん
)
じ
候
(
そうろう
)
ては
実
(
げ
)
に/\頼み薄く
口惜
(
くちおし
)
ゅう覚えて、あわれ
歳月
(
としつき
)
の早く
立
(
たて
)
かし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
弁当の
握飯
(
にぎりめし
)
のことはいつも話に出るのですが、毎朝母がそれを作られるのを見ますと、
焚
(
た
)
き
立
(
たて
)
の御飯を手頃の器に取って、ざっと握って皿に置きます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
家斉わざれば何をもって自主の権を
立
(
たて
)
ん。身脩らざれば何によりて品行の高尚なるを望まん。心正しからざれば、なんぞよく国の法律を
遵守
(
じゅんしゅ
)
すべけんや。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
すると、路の角に居酒屋らしいものがあつて、其処には
洋燈
(
らんぷ
)
が明るく
点
(
つ
)
いて居るが、
中
(
うち
)
には七八人の村の若者が酒を飲んで、
頻
(
しき
)
りに大きい声を
立
(
たて
)
て居る。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
お菊ちゃんは、浜中屋の娘分で、芝居町の笛吹きの
立
(
たて
)
で、小杉長五郎という男を
聟
(
むこ
)
に入れたことがあるが、二年も添わないうちに死に別れて
後家
(
ごけ
)
になった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
蝮蛇
(
ふくだ
)
手を
螫
(
さ
)
せば壮士
疾
(
と
)
く
己
(
おの
)
が腕を断つ」それを声を
立
(
たて
)
て云い、彼はふと自分の腕を見まわした。目をつぶると腕を斬る
疼
(
いた
)
みが伝わって来るようであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
若い人には幾らか
立
(
たて
)
てもらうし、広く各地方からも出京する俳人連の訪問を受けるから、それだけ私も位地が出来、自分ながら勢力を持ったような感じが出来た。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
己
(
おれ
)
は無学で働きがないから、
己
(
おれ
)
の手では
到底
(
とて
)
も返せない。何とかしてお前の手で償却の道を
立
(
たて
)
て呉れ。之を償却せん時には、先祖の遺産を人手に渡さねばならぬ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
寺院などに見るような檜の丸柱を四方にがっちりと
樹
(
た
)
てて、古風な敷台、まいら戸、お客が入ってベルを押すと、美しい小間使が二人、
紫矢絣
(
むらさきやがすり
)
に
立
(
たて
)
やの字の
扮装
(
いでたち
)
で
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二三日
経
(
たっ
)
て夜食の時、このことを父母に話しました
処
(
ところ
)
、
何時
(
いつ
)
も
遊戯
(
あそび
)
のことは余り気にしない父が
眼
(
め
)
に
角
(
かど
)
を
立
(
たて
)
て
叱
(
しか
)
り、母すら驚いた眼を張って僕の顔を見つめました。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
扨はいよいよ怪物の
所為
(
しわざ
)
だと、
猶
(
なお
)
能
(
よ
)
くよく
四辺
(
あたり
)
を見ると、其の辺は一面の枯草に埋っていて、三間ばかり先は切ッ
立
(
たて
)
の崖になっているので、三人は思わず
悸然
(
ぎょっ
)
として
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
諸侯方
(
しよこうがた
)
まで
御出
(
おいで
)
になり、わづかのうちに
新梅屋敷
(
しんうめやしき
)
の名、
江都中
(
えどぢう
)
に知られ、
夫
(
それ
)
のみならず
先生々々
(
せんせい/\
)
の
立
(
たて
)
こがしに、
七草考
(
なゝくさかう
)
の
都鳥考
(
みやこどりかう
)
のと人に作らせて、
我名
(
わがな
)
にて出版せしゆゑ
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
此れを熟考する時は、予が如き愚なるも平生潔白正直を取るの応報として、
冥々裡
(
めいめいり
)
に於て予を恵みたるかを覚えたり。実に予が愚なるもかかる
断乎
(
だんこ
)
たる説を
立
(
たて
)
たるを感謝す。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
腹の黒い悪魔の吐く息は、雲か
霞
(
かすみ
)
のやうに空を
立
(
たて
)
こめて、まだ生れてから若い、お天道様の美しい光りも覆ひ隠し、地上はまだ世界がひらけない前のやうに
真暗
(
まつくら
)
になりました。
悪魔の尾
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
軍団長イワノウィッチは、
大刀
(
だいとう
)
を
立
(
たて
)
て
反身
(
そりみ
)
になって、この際の
威厳
(
いげん
)
を
保
(
たも
)
とうと努力した。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一葉女史
(
いちえふぢよし
)
はおのれと
同
(
おな
)
じ
園生
(
そのふ
)
にありて
萩
(
はぎ
)
の
舍
(
や
)
の
露
(
つゆ
)
におほし
立
(
たて
)
られし
下葉
(
したは
)
なり
萩
(
はぎ
)
の
舍
(
や
)
中島
(
なかじま
)
の
師
(
し
)
は
常
(
つね
)
にいにしへぶりのしなたかきを
教
(
をしへ
)
さとし
給
(
たま
)
へれど
性來
(
せいらい
)
のすき
心
(
こゝろ
)
によの
耳
(
みゝ
)
ちかく
俗
(
ぞく
)
に
今樣
(
いまやう
)
の
情態
(
じやうたい
)
を
うもれ木:01 序
(旧字旧仮名)
/
田辺竜子
(著)
湖面に美しい鳥肌を
立
(
たて
)
ている有様、それらの寂しく、すがすがしい風物が、
混濁
(
こんだく
)
し切った
脳髄
(
のうずい
)
を洗い清め、一時は、あの様に私を苦しめた神経衰弱も、すっかり忘れてしまう程でありました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
東大寺は
常在不滅
(
じやうざいふめつ
)
、
実報寂光
(
じつぱうじやくくわう
)
の生身の御仏と
思
(
おぼし
)
めし
準
(
なずら
)
へて、聖武皇帝、
手
(
てづか
)
ら
親
(
みづか
)
ら
琢
(
みが
)
き
立
(
たて
)
給ひし金銅十六丈の
廬舎那仏
(
るしやなぶつ
)
、
烏瑟
(
うしつ
)
高く
顕
(
あらは
)
れて、半天の雲にかくれ、
白毫
(
びやくがう
)
新に
拝
(
をがま
)
れ給ひし満月の尊容も
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
『うん、あの
話
(
はなし
)
か。あれは
幾度
(
いくど
)
聽
(
き
)
いても
面白
(
おもしろ
)
いな。』と、
言
(
い
)
ひかけた
但馬守
(
たじまのかみ
)
は、
不圖
(
ふと
)
玄竹
(
げんちく
)
の
剃
(
そ
)
り
立
(
たて
)
の
頭
(
あたま
)
に、
剃刀創
(
かみそりきず
)
が二ヶ
所
(
しよ
)
ばかりあるのを
發見
(
はつけん
)
して、『
玄竹
(
げんちく
)
、だいぶ
頭
(
あたま
)
をやられたな。どうした。』
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
程近き線路を、好摩四時半発の上り列車が凄じい音を
立
(
たて
)
て過ぎた頃、一行は小川家に着いた。
噪
(
はしや
)
いだ富江の笑声が屋外までも洩れた。岩手山は薄紫に
※
(
ぼ
)
けて、其肩近く静なる夏の日が傾いてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其
(
これ
)
に
就
(
つい
)
て
不便
(
ふべん
)
な事は、
其昔
(
そのむかし
)
朝夕
(
あさいふ
)
に
往来
(
わうらい
)
して文章を見せ合つた仲間の大半は、
始
(
はじめ
)
から文章を
以
(
もつ
)
て身を
立
(
たて
)
る
志
(
こゝろざし
)
の人でなかつたから、
今日
(
こんにち
)
では
実業家
(
じつげふか
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
を
)
るのも有れば
工学家
(
こうがくか
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
を
)
るのも有る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
立
(
たて
)
海へ野山に白旗たなびき天地震動せば万民天主を
尊
(
とうとぶ
)
時至るべきや
島原の乱雑記
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
子細は、其主人、自然の役に
立
(
たて
)
ぬべしために、其身相応の
知行
(
ちぎょう
)
をあたへ置れしに、此恩は外にないし、自分の事に、身を捨るは、天理にそむく大悪人、いか程の手柄すればとて、是を高名とはいひ難し
西鶴と科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
もらい
立
(
たて
)
は、儂が
結
(
ゆ
)
いつけ
負
(
おん
)
ぶで三軒茶屋まで二里てく/\
楽
(
らく
)
に歩いたものだが、此の頃では身長三尺五寸、
体量
(
たいりょう
)
四貫余。友達が無いが
淋
(
さび
)
しいとも云わず
育
(
そだ
)
って居る。子供は全く田舎で育てることだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
不断腹をお
立
(
たて
)
になるようなことをせずに
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
大不畏
(
だいふい
)
の天柱をそそり
立
(
たて
)
ている。
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
むし
立
(
たて
)
る
饅頭日和
(
まんじゅうびより
)
や山桜 理曲
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
牙
(
きば
)
噛
(
か
)
みならし、ぼっ
立
(
たて
)
ぼっ立
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
現在
(
げんざい
)
うけ
合
(
あ
)
ひしは
我
(
わ
)
れに
覺
(
おぼ
)
えあれど
何
(
なに
)
の
夫
(
そ
)
れを
厭
(
いと
)
ふ
事
(
こと
)
かは、
大方
(
おほかた
)
お
前
(
まへ
)
が
聞
(
きゝ
)
ちがへと
立
(
たて
)
きりて、
烟草
(
たばこ
)
輪
(
わ
)
にふき
私
(
わたし
)
は
知
(
し
)
らぬと
濟
(
すま
)
しけり。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
卯平
(
うへい
)
は
屹度
(
きつと
)
ガラス
戸
(
ど
)
を
立
(
たて
)
て
店臺
(
みせだい
)
から
自分
(
じぶん
)
で
菓子
(
くわし
)
をとつてやる。それでも
與吉
(
よきち
)
は
菓子
(
くわし
)
を
噛
(
か
)
ぢりながら
側
(
そば
)
へは
寄
(
よ
)
らうともしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
とづけ/\
嫌味
(
いやみ
)
を浴びせかけるので、気の弱い夫人達は、
蝸牛
(
まひ/\つぶり
)
のやうに
結
(
ゆ
)
ひ
立
(
たて
)
の丸髷を襟のなかに引つ込めてしまひたくなる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“立”を含む語句
佇立
出立
突立
腹立
引立
立会
追立
衝立
逆立
立留
直立
言立
立派
建立
焦立
立退
立停
屹立
立籠
立出
...