トップ
>
木蔭
>
こかげ
ふりがな文庫
“
木蔭
(
こかげ
)” の例文
そう言えば、
鵲
(
かささぎ
)
は、
弾機
(
ばね
)
仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は生垣のなかに隠れ、
初々
(
ういうい
)
しい
仔馬
(
こうま
)
は
槲
(
かしわ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に身を寄せる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
こう言っているうちに与八と馬とは丸山台の難所を三分の一ほど通り過ぎて、行手の
木蔭
(
こかげ
)
に
焚火
(
たきび
)
でもあろうか火の光を認めました。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何をつまらねエ
奴
(
やつ
)
に、いつまで引ッかかっているんだ——といわないばかりの鼻先を
凍
(
こお
)
らせて、
木蔭
(
こかげ
)
に、
弥蔵
(
やぞう
)
をきめて
屈
(
かが
)
んでいる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
などと
考
(
かんが
)
えていました。そして、ガタ、ガタと
車
(
くるま
)
をひいてきかかりますと、あちらの
松
(
まつ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
見慣
(
みな
)
れないおじいさんが
休
(
やす
)
んでいました。
村の兄弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
前後の考へもなく
木蔭
(
こかげ
)
の土塀に手が掛かると、平次の身體は輕々と塀を越えて、闇の御藥園の中へポンと飛込んでしまひました。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
路
(
みち
)
の角に車夫が五六人、
木蔭
(
こかげ
)
を選んで
客待
(
きやくまち
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
其傍
(
そのかたはら
)
に小さな宮があつて、
其
(
その
)
広場で、子供が
集
(
あつま
)
つて
独楽
(
こま
)
を廻して
居
(
ゐ
)
た。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
ひとりいてふに
限
(
かぎ
)
らず、しひのきやかしのき
等
(
など
)
、
家
(
いへ
)
のまはりや
公園
(
こうえん
)
の
垣根沿
(
かきねぞ
)
ひに
植
(
う
)
ゑてある
木
(
き
)
は、
平常
(
へいじよう
)
は
木蔭
(
こかげ
)
や
風
(
かぜ
)
よけになるばかりでなく
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
ほんの額だけにみずらを結い、短い曲をほのかに舞って紅葉の
木蔭
(
こかげ
)
へはいって行く、こんなことが夜の
闇
(
やみ
)
に消されてしまうかと惜しまれた。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
M君は、風をくらうと、
暫
(
しば
)
らくは激しく
咳
(
せ
)
きこんだ。その
癖
(
くせ
)
、どっか家ン中か、
木蔭
(
こかげ
)
に入ろうと云っても
諾
(
き
)
かなかった。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
暗い
木蔭
(
こかげ
)
のベンチなどを一つ一つ覗き廻って見たり、浮浪人が泊り相な本所あたりの
木賃宿
(
きちんやど
)
へ、態々泊り込んで、そこの宿泊人達と
懇意
(
こんい
)
を結んで
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼等
(
かれら
)
が、勝手放題に、
淫
(
みだ
)
らな踊り方をしたり、または
木蔭
(
こかげ
)
で
抱擁
(
ほうよう
)
し合っているのをみると、急に
淋
(
さび
)
しく、あなたが
欲
(
ほ
)
しくてたまらなくなるのでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
時候はよし、四方の
景色
(
けいしょく
)
はよし、
木蔭
(
こかげ
)
の
石灯籠
(
いしどうろう
)
の傍などに、今の玩具を置いて
其所
(
そこ
)
に腰打ち掛けて一服やっている。
幕末維新懐古談:41 蘆の葉のおもちゃのはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
やう/\午すぐる頃山の半にいたり、
僅
(
わづか
)
の平地を
得
(
え
)
て用意したる
臥座
(
ぐわざ
)
を
木蔭
(
こかげ
)
にしきて食をなし、
暫
(
しばら
)
く
憇
(
やすらひ
)
てまたのぼり/\て
神楽岡
(
かぐらがをか
)
といふ所にいたれり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その頃その
木蔭
(
こかげ
)
なる土手下の
路傍
(
みちばた
)
に井戸があって夏冬ともに
甘酒
(
あまざけ
)
大福餅
(
だいふくもち
)
稲荷鮓
(
いなりずし
)
飴湯
(
あめゆ
)
なんぞ売るものがめいめい荷を
卸
(
おろ
)
して
往来
(
ゆきき
)
の人の休むのを待っていた。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
砂地の
灼
(
や
)
けつくような
陽
(
ひ
)
の直射や、
木蔭
(
こかげ
)
の
微風
(
びふう
)
のそよぎや、
氾濫
(
はんらん
)
のあとの
泥
(
どろ
)
のにおいや、
繁華
(
はんか
)
な
大通
(
おおどおり
)
を行交う白衣の人々の姿や、
沐浴
(
もくよく
)
のあとの
香油
(
こうゆ
)
の
匂
(
におい
)
や
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
木蔭
(
こかげ
)
の少ない町中は瓦屋根にキラキラと残暑が光って
亀裂
(
きれつ
)
の出来た往来は通り魔のした後のように時々一人として行人の影を止めないで森閑としてしまう。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
或
(
ある
)
曇り日の午後、ふと出ていらしたお兄様は、
杖
(
つえ
)
を手に庭の飛石を横ぎるとて、私の
木蔭
(
こかげ
)
にいるのを見て、「おい、行かないか」と声をおかけになりました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
漸
(
ようや
)
く順番が来て加療が済むと、私達はこれから
憩
(
いこ
)
う場所を作らねばならなかった。境内到る処に重傷者はごろごろしているが、テントも
木蔭
(
こかげ
)
も見あたらない。
夏の花
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「いや、折角ながら杯はもう御免くだされ。先刻からいこう酔いくずれて、みだりがましい姿を人びとに見せまいと、この
木蔭
(
こかげ
)
まで逃げてまいったほどじゃ」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私
(
わたくし
)
がそうした
無邪気
(
むじゃき
)
な
乙女心
(
おとめごころ
)
に
戻
(
もど
)
っている
最中
(
さいちゅう
)
でした、
不図
(
ふと
)
附近
(
あたり
)
に
人
(
ひと
)
の
気配
(
けはい
)
がするのに
気
(
き
)
がついて、
愕
(
おどろ
)
いて
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
って
見
(
み
)
ますと、一
本
(
ほん
)
の
満開
(
まんかい
)
の
山椿
(
やまつばき
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
尋ねけるに是は四年
跡
(
あと
)
に江戸表へ
引越
(
ひつこし
)
たりと言にぞ吾助は
頼
(
たの
)
む
木蔭
(
こかげ
)
に
雨
(
あめ
)
漏
(
もる
)
心地
(
こゝち
)
して尚も種々と聞合するに當時は江戸本郷邊に
呉服物
(
ごふくもの
)
の見世を出し當所より
織物類
(
おりものるゐ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
するとやわらかな音楽の調べが庭からしのびこんできた。彼女はいそいでベッドから起きあがり、軽やかに窓のほうへ歩みよった。背の高い人影が
木蔭
(
こかげ
)
に立っていた。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
と遠慮がちに訴うるは、美人の膝枕せし
老夫
(
おやじ
)
なり。馬は群がる
蠅
(
はえ
)
と
虻
(
あぶ
)
との中に優々と水飲み、奴は
木蔭
(
こかげ
)
の
床几
(
しょうぎ
)
に大の字なりに
僵
(
たお
)
れて、むしゃむしゃと菓子を
吃
(
く
)
らえり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道夫の目が捕えたのは、今しも庭園の
木蔭
(
こかげ
)
をくぐって足早に立去ろうとする老浮浪者の姿であった。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
兄弟は芝生の
外
(
はづ
)
れの
木蔭
(
こかげ
)
迄
来
(
き
)
て
留
(
とま
)
つた。近所には
誰
(
だれ
)
もゐない。向ふの方で余興か
何
(
なに
)
か始まつてゐる。それを、誠吾は、
宅
(
うち
)
にゐると同じ様な顔をして、遠くから眺めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
柿の
木蔭
(
こかげ
)
は涼しい風が吹いて居る。
青苔
(
あおごけ
)
蒸
(
む
)
した柿の幹から花をつけた雪の下が長くぶら下って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その
木蔭
(
こかげ
)
になって見えずにいるものを、私のすぐ近くに、不意に、思いがけぬもののように
見出
(
みいだ
)
したかったのだ。……とうとう私は
我慢
(
がまん
)
し切れずに私の目を開けてみた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
と云う折しも、
木蔭
(
こかげ
)
に怪しき声ありて、「達者で居れ」という。文治は暫く
四辺
(
あたり
)
を見廻しまして
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
珊瑚樹
(
さんごじゆ
)
の
繁茂
(
はんも
)
した
木蔭
(
こかげ
)
から
竹
(
たけ
)
の
垣根
(
かきね
)
を
往來
(
わうらい
)
へ
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
彼
(
かれ
)
は
身
(
み
)
も
心
(
こゝろ
)
も
俄
(
にはか
)
に
輕
(
かる
)
くなつたことを
感
(
かん
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
二人は暗い松の
木蔭
(
こかげ
)
へ来ていましたが、そう云いながらナオミはそっと立ち止まりました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その涼しい
木蔭
(
こかげ
)
には金色をしたつがいの
逞
(
たくま
)
しい鶏が自分たちの領分みたいにいつもならんでるが、人がゆくと雄のほうが喉をならして羽根のはえた足をのさのさと
大股
(
おおまた
)
にはこぶ。
妹の死
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
宮は
些少
(
わづか
)
なりともおのれの姿の多く彼の目に触れざらんやうにと
冀
(
ねが
)
へる如く、
木蔭
(
こかげ
)
に身を
側
(
そば
)
めて、
打過
(
うちはず
)
む
呼吸
(
いき
)
を人に聞かれじとハンカチイフに口元を
掩
(
おほ
)
ひて、見るは
苦
(
くるし
)
けれども
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
木蔭
(
こかげ
)
で、
麦藁
(
むぎわら
)
帽をかぶった、年をとった女のひとが油絵を描いている。仲々うまいものだ。しばらく見とれている。芳烈な油の匂いがする。このひとは満足に食べられるのかしら。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
頭を
擡
(
もた
)
げて、跳り上ッて、あたりを視まわして、手を
拍
(
うっ
)
た、跡を追ッて駈けだそうとしたが、足が利かない——バッタリ膝をついた……モウ見るに見かねた、自分は
木蔭
(
こかげ
)
を躍りでて
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
私
(
わたし
)
たちが近寄ると、ブランカはきっと立ちあがってものすごい長ぼえをした。すると、はるかに
木蔭
(
こかげ
)
から、同じ調子の一
層
(
そう
)
高いほえ声がひびいてきた。それはロボの声にちがいない。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
マーキュ はて、
戀
(
こひ
)
が
盲
(
めくら
)
なら
的
(
まと
)
を
射中
(
いあ
)
てることは
出來
(
でき
)
まい。
今頃
(
いまごろ
)
はロミオめ、
枇杷
(
びわ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
蹲踞
(
しゃが
)
んで、あゝ、
予
(
わし
)
の
戀人
(
おてき
)
が、あの
娘共
(
むすめども
)
が
内密
(
ないしょ
)
で
笑
(
わら
)
ふ
此
(
この
)
枇杷
(
びは
)
のやうならば、
何
(
なん
)
のかのと
念
(
ねん
)
じて
居
(
ゐ
)
よう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
私は駅を出て、家々の
軒下
(
のきした
)
や
木蔭
(
こかげ
)
をつたって母の家の
側
(
そば
)
まで行った。けれど私は、母には子がないということにしてあるときかされていたので大ッぴらに母を訪ねて行くわけにはゆかなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
秘密造船所
(
ひみつざうせんじよ
)
を
出
(
いで
)
た
私
(
わたくし
)
は、
鐵門
(
てつもん
)
のほとりで
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
に
別
(
わか
)
れ、
猛犬
(
まうけん
)
の
稻妻
(
いなづま
)
を
從
(
したが
)
へて
一散走
(
いつさんばし
)
り、
頓
(
やが
)
て
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
へ
皈
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
ると、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
只
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で、
淋
(
さび
)
し
相
(
さう
)
に
門口
(
かどぐち
)
の
椰子
(
やし
)
の
樹
(
き
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
を
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
大儀ぞの一聲を此上なき譽と人も思ひ我れも誇りし日もありしに、如何に末の世とは言ひながら、露忍ぶ
木蔭
(
こかげ
)
もなく
彷徨
(
さまよ
)
ひ給へる今の痛はしきに、
快
(
こゝろよ
)
き一夜の宿も得せず、
面
(
ま
)
のあたり主を
恥
(
はぢ
)
しめて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
鬼ごっこや
繩飛
(
なわと
)
び、遊動木に
鞦韆
(
ぶらんこ
)
など他愛なく遊んでいるうちに、銀子がさっきから仲間をはずれ、
木蔭
(
こかげ
)
のロハ台に、
真蒼
(
まっさお
)
な顔をして坐っているのに気がつき、春次も福太郎もあわてて寄って来た。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
公園のとある
木蔭
(
こかげ
)
の
捨椅子
(
すていす
)
に
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
百姓の
木蔭
(
こかげ
)
に休む残暑かな
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
やすむでゐると
木蔭
(
こかげ
)
より
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
それでも
木蔭
(
こかげ
)
の
下枝
(
しづえ
)
には
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
木蔭
(
こかげ
)
のとまり
木
(
ぎ
)
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
制
(
せい
)
し
凱歌
(
かちどき
)
の
聲
(
こゑ
)
いさましく
引揚
(
ひきあ
)
げしにそれとかはりて
松澤
(
まつざは
)
が
周章狼狽
(
しうしやうらうばい
)
まこと
寐耳
(
ねみゝ
)
に
出水
(
でみづ
)
の
騷動
(
さうどう
)
おどろくといふ
暇
(
ひま
)
もなく
巧
(
たく
)
みに
巧
(
たく
)
みし
計略
(
けいりやく
)
に
爭
(
あらそ
)
ふかひなく
敗訴
(
はいそ
)
となり
家藏
(
いへくら
)
のみか
數代
(
すだい
)
續
(
つゞ
)
きし
暖簾
(
のれん
)
までも
皆
(
みな
)
かれが
手
(
て
)
に
歸
(
き
)
したれば
木
(
き
)
より
落
(
おち
)
たる
山猿同樣
(
やまざるどうやう
)
たのむ
木蔭
(
こかげ
)
の
雨森新七
(
あめもりしんしち
)
といふ
番頭
(
ばんとう
)
の
白鼠
(
しろねづみ
)
去年
(
きよねん
)
生國
(
しやうこく
)
へ
歸
(
かへ
)
りし
後
(
のち
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船乗
(
ふなの
)
り
人
(
びと
)
には、
魔
(
ま
)
の
島
(
しま
)
として
知
(
し
)
られています。
島
(
しま
)
には
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
たちがいて、
月
(
つき
)
のいい
晩
(
ばん
)
には、
緑
(
みどり
)
の
木蔭
(
こかげ
)
で
踊
(
おど
)
るということでした。
船の破片に残る話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といっても、そこには
木蔭
(
こかげ
)
があるわけではなく、身をかくす家があるのでもないから、もとよりどう手をくだす
法
(
ほう
)
もないらしい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やう/\午すぐる頃山の半にいたり、
僅
(
わづか
)
の平地を
得
(
え
)
て用意したる
臥座
(
ぐわざ
)
を
木蔭
(
こかげ
)
にしきて食をなし、
暫
(
しばら
)
く
憇
(
やすらひ
)
てまたのぼり/\て
神楽岡
(
かぐらがをか
)
といふ所にいたれり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
春
(
はる
)
、
美
(
うつく
)
しい
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
くのが
見
(
み
)
たく、
夏
(
なつ
)
の
暑
(
あつ
)
いときに
涼
(
すゞ
)
しい
木蔭
(
こかげ
)
が
欲
(
ほ
)
しい
以上
(
いじよう
)
は、
庭
(
には
)
の
木
(
き
)
でも、
町
(
まち
)
のなみ
木
(
き
)
でも、
同
(
おな
)
じように
可愛
(
かわい
)
がつてやらねばなりません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
蔭
漢検準1級
部首:⾋
14画
“木蔭”で始まる語句
木蔭地