“こかげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コカゲ
語句割合
木蔭39.4%
樹蔭31.4%
木陰9.6%
樹陰6.4%
小蔭5.9%
木影3.7%
樹影2.7%
小陰1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう言っているうちに与八と馬とは丸山台の難所を三分の一ほど通り過ぎて、行手の木蔭(こかげ)に焚火(たきび)でもあろうか火の光を認めました。
帽も上衣(うはき)も裳(ジユツプ)も黒つぽい所へ、何処(どこ)か緋や純白や草色(くさいろ)を一寸(ちよつと)取合せて強い調色(てうしよく)を見せた冬服の巴里(パリイ)婦人が樹蔭(こかげ)を行(ゆ)き交(か)ふのも面白い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
庭(には)の木陰(こかげ)に身(み)を避(さ)けてしんみりと互(たがひ)の胸(むね)を反覆(くりかへ)す時(とき)繁茂(はんも)した柹(かき)や栗(くり)の木(き)は彼等(かれら)が唯(ゆゐ)一の味方(みかた)で月夜(つきよ)でさへ深(ふか)い陰翳(かげ)が安全(あんぜん)に彼等(かれら)を包(つゝ)む。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
日は来たりぬ、われ再びこの暗く繁(しげ)れる無花果(いちじく)の樹陰(こかげ)に座して、かの田園を望み、かの果樹園を望むの日は再び来たりぬ。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
余りの不思議さに自分は様子を見てやる気になって、兎(と)ある小蔭(こかげ)に枯草を敷て這(は)いつくばい、書(ほん)を見ながら、折々頭を挙げて彼(か)の男を覗(うかが)って居(い)た。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
月の光がさしていて、池の面(おもて)が水銀のように輝き、白い花が気味悪いほど真っ白に浮き出して見えます。彼は木影(こかげ)に坐ったまま、夢心地でぼんやりしていました。
魔法探し (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ほやり/\水蒸気立つ土には樹影(こかげ)黒々と落ち、処女(おとめ)の袖(そで)の様に青々と晴れた空には、夏雲が白く光る。戸、障子、窓の限りを開放(あけはな)して存分に日光と風とを容(い)れる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
少しは路の嶮岨(けわし)けれど、幸ひ今宵は月冴えたれば、辿(たど)るに迷ふことはあらじ。その間道は……あれ臠(みそな)はせ、彼処(かしこ)に見ゆる一叢(ひとむら)の、杉の森の小陰(こかげ)より、小川を渡りて東へ行くなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)