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樹影
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こかげ
ふりがな文庫
“
樹影
(
こかげ
)” の例文
少しばかり強く風が渡ると、光りの薄い星が瞬きをして、黒いそこらの
樹影
(
こかげ
)
が、次ぎから次ぎへと素早く
囁
(
ささや
)
きを伝へて行く。
散歩
(新字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ほやり/\水蒸気立つ土には
樹影
(
こかげ
)
黒々と落ち、
処女
(
おとめ
)
の
袖
(
そで
)
の様に青々と晴れた空には、夏雲が白く光る。戸、障子、窓の限りを
開放
(
あけはな
)
して存分に日光と風とを
容
(
い
)
れる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
人家のまわりの庭、花の咲いた
桜樹
(
おうじゅ
)
、緑の芝地、美しい
樹影
(
こかげ
)
、擬古式の
廃墟
(
はいきょ
)
、大理石の円柱台の上、緑の間には、昔の女王らの白い胸像、そのやさしいかわいい顔つき。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
私達が学校の教室の窓から見える桜の樹は、幹にも枝にも紅い
艶
(
つや
)
を持って来た。家へ帰って庭を眺めると、
土塀
(
どべい
)
に映る
林檎
(
りんご
)
や柿の
樹影
(
こかげ
)
は何時まで見ていても飽きないほど面白味がある。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日を帯びた
樹影
(
こかげ
)
がちらちらと籐椅子の上に動く。樹の間から大きな夏の雲が蓬々として日に染められて動いて行くのが見える。そこにも生命の力は動いてゐるのである。この我があるのである。
孤独と法身
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
夕日傾く頃となれば、風はます/\涼しく、
樹影
(
こかげ
)
は黒く芝生に
跳
(
おど
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
“樹影”の意味
《名詞》
樹木の影や姿。
(出典:Wiktionary)
樹
常用漢字
小6
部首:⽊
16画
影
常用漢字
中学
部首:⼺
15画
“樹”で始まる語句
樹
樹立
樹蔭
樹木
樹々
樹脂
樹間
樹下
樹林
樹陰