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幸
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さいわ
ふりがな文庫
“
幸
(
さいわ
)” の例文
幸
(
さいわ
)
い、
私
(
わたし
)
たちは、みんなよく
顔
(
かお
)
が
人間
(
にんげん
)
に
似
(
に
)
ているばかりでなく、
胴
(
どう
)
から
上
(
うえ
)
は
人間
(
にんげん
)
そのままなのであるから——
魚
(
さかな
)
や
獣物
(
けもの
)
の
世界
(
せかい
)
でさえ
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こいつは
高飛車
(
たかびしゃ
)
に出て、一遍で夫人を追い払うのがいいと思った。
幸
(
さいわ
)
い、今夜の海龍倶楽部の会議迄には一時間ほどの余裕があった。
人造人間殺害事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それがまた
幸
(
さいわ
)
いと、即座に話がまとまって、表向きの
仲人
(
なこうど
)
を
拵
(
こしら
)
えるが早いか、その秋の中に婚礼も
滞
(
とどこお
)
りなくすんでしまったのです。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夜
(
よる
)
はちょうど月のいいのを
幸
(
さいわ
)
いに、またどこまでもこいで行きますと、
明
(
あ
)
け
方
(
がた
)
になって、やっと
島
(
しま
)
らしいものの
形
(
かたち
)
が
見
(
み
)
えました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
銅山
(
やま
)
を出れば、世間が相手にしてくれない返報に、たまたま普通の人間が銅山の中へ迷い込んで来たのを、これ
幸
(
さいわ
)
いと
嘲弄
(
ちょうろう
)
するのである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「さきにも申しあげましたように、彼には時運が
幸
(
さいわ
)
いしており、その人の和、地の利、天運のよさは、恐れずにおられませぬ」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八日は
幸
(
さいわ
)
い御精日なれば、その日一同にいただき申し候〔赤子の心を見るが如し、松陰の天真爛漫たる処、ここに
在
(
あ
)
り〕。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
幸
(
さいわ
)
いにも
私
(
わたくし
)
の
念力
(
ねんりき
)
が
届
(
とど
)
き、
男
(
おとこ
)
はやがて
実家
(
さと
)
から
脱
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
して、ちょいちょい
三崎
(
みさき
)
の
女
(
おんな
)
の
許
(
もと
)
へ
近
(
ちか
)
づくようになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
大きな、お金もちの
農家
(
のうか
)
は、ニワトリたちからも『
幸
(
さいわ
)
い
畑
(
ばたけ
)
』とか、『
卵山
(
たまごやま
)
』とか、『
宝荘
(
たからそう
)
』といったように、すばらしい名まえをつけてもらっています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ちょうど
幸
(
さいわ
)
い小山さん御夫婦が
悴
(
せがれ
)
の事を御心配下さるから小山さん御夫婦にお願い申したらよかろうとこういう
発議
(
ほつぎ
)
で外の人もそれまで打破る事が出来ず
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
幸
(
さいわ
)
いにも多肉質の皮が存しているために、これが
賞味
(
しょうみ
)
すべき好果実として登場しているのであるが、しかしこの
委曲
(
いきょく
)
を
知悉
(
ちしつ
)
していた人は
世間
(
せけん
)
に少ないと思う。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
江州の返事が来ない内、千歳村の石山氏は
無闇
(
むやみ
)
と
乗地
(
のりじ
)
になって、
幸
(
さいわ
)
い三つばかり売地があると知らしてよこした。あまり進みもしなかったが、兎に角往って見た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
幸
(
さいわ
)
いにも、
生命
(
いのち
)
には、
別状
(
べつじょう
)
もなかったが、
落
(
お
)
ちた
拍子
(
ひょうし
)
に、
茨
(
ばら
)
へ
引掛
(
ひっか
)
かって、
眼
(
め
)
を
潰
(
つぶ
)
してしまいました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
カラガケ
鰮
(
いわし
)
を塩に漬けてから上げて汁を切り、さらに塩をまぶして圧搾したもの。正月の
幸
(
さいわ
)
い木の飾りには欠くべからざるものとなっている(続壱岐島方言集)。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それでS、H
氏
(
し
)
とこゝで
逢
(
あ
)
つたのを
幸
(
さいわ
)
ひに
私
(
わたし
)
は
手軽
(
てがる
)
にその
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
したのであつた。するとS、H
氏
(
し
)
は「
危険
(
きけん
)
だな——」といふやうな
口吻
(
こうふん
)
を
卒然
(
そつぜん
)
洩
(
も
)
らしたものであつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
その
後
(
のち
)
幸
(
さいわ
)
い
一
(
ひ
)
と
月
(
つき
)
ばかりは何の変事も
起
(
おこ
)
らなかった、がさすがにその当座は夜分便所に行く事だけは出来なかった、そのうち
時日
(
じじつ
)
も
経
(
た
)
ったし職務上
種々
(
しゅじゅ
)
な事があったので
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
春信
(
はるのぶ
)
の
画
(
え
)
で一
層
(
そう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
を
取
(
と
)
った
笠森
(
かさもり
)
おせんを
仕組
(
しく
)
んで、一
番
(
ばん
)
当
(
あ
)
てさせようと、
松江
(
しょうこう
)
が
春信
(
はるのぶ
)
と
懇意
(
こんい
)
なのを
幸
(
さいわ
)
い、
善
(
ぜん
)
は
急
(
いそ
)
げと、
早速
(
さっそく
)
きのうここへ
訪
(
たず
)
ねさせての、きょうであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
年の暮れを
一室
(
ひとま
)
に
籠
(
こも
)
って寝て送った。母親は心配して、いろいろ慰めてくれた。
幸
(
さいわ
)
いにして熱は
除
(
と
)
れた。
大晦日
(
おおみそか
)
にはちょうど昨日帰ったという加藤の家を
音信
(
おとず
)
るることができた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
それを
幸
(
さいわ
)
ひ、こちらもまだ遊び盛りの歳だものだから、家を外に、
俳諧
(
はいかい
)
、
戯作
(
げさく
)
者仲間のつきあひにうつつを抜した。たまにうちへかへつてみると、お玉の
野暮
(
やぼ
)
さ加減が気に触つた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
好
(
い
)
い
幸
(
さいわ
)
いだから金ずくで貴方の男が立つなら金を千両出しましょう、えー出しやす
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれども
幸
(
さいわ
)
いに
子家鴨
(
こあひる
)
はうまく
逃
(
に
)
げおおせました。
開
(
ひら
)
いていた
戸
(
と
)
の
間
(
あいだ
)
から
出
(
で
)
て、やっと
叢
(
くさむら
)
の
中
(
なか
)
まで
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
いたのです。そして
新
(
あら
)
たに
降
(
ふ
)
り
積
(
つも
)
った
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うえ
)
に
全
(
まった
)
く
疲
(
つか
)
れた
身
(
み
)
を
横
(
よこ
)
たえたのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
翌一八六七年、フィンランド
飢饉
(
ききん
)
救済の慈善音楽会に、初めて自作の「下女の舞踏」を指揮し、全く
狼狽
(
ろうばい
)
して失態を演じたが、楽団が曲をよく知っていたので、
幸
(
さいわ
)
いにも大過なきを得た。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
「や! しばらくだったな丹下。ウム、ここで坤竜に出会ったのか。相手はひとり、助太刀もいるまいが
傍観
(
ぼうかん
)
はできぬ。
幸
(
さいわ
)
い手がそろっているから、逃さぬように遠まきにいたしてくれる。存分にやれッ!」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「南坊北巷望如隣。我往君来数武塵。何幸門庭成接近。恰宜詩酒闘精神。柳橋命妓少年興。駒野参禅前世因。廿歳旧游游未了。又為台麓酔吟人。」〔南坊北巷望ムコト隣リノ如シ/我往キ君来ル数武ノ塵/何ゾ
幸
(
さいわ
)
ヒナルヤ門庭接近ヲ成シ/恰モ宜シ詩酒精神ヲ
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
船体のペンキは、もう見るかげもないほどきたなくはげているのであるが、
幸
(
さいわ
)
いに夜のこととて、やみの中にうまく目だたなかった。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
幸
(
さいわ
)
いに
根
(
ね
)
のかみついていた
岩角
(
いわかど
)
が
砕
(
くだ
)
けなかったから、よかったものの、もし
壊
(
こわ
)
れたら、おそらくそれが
最後
(
さいご
)
だったでありましょう。
しんぱくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
みると、それは
幸
(
さいわ
)
いにして狼ではなかったが、
針金頭巾
(
はりがねずきん
)
や
小具足
(
こぐそく
)
で、
甲虫
(
かぶとむし
)
みたいに身をかためたふたりの兵。手には
短槍
(
たんそう
)
を引っさげている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし
幸
(
さいわ
)
い一本道だったから、どぎまぎしながらも、細い穴を這い出すと、ようやく初さんがいた。しかも、例のように無敵な文句は並べずに
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、
後
(
あと
)
では毛利先生が、明るすぎて寒い電燈の光の下で、客がいないのを
幸
(
さいわ
)
いに、
不相変
(
あいかわらず
)
金切声
(
かなきりごえ
)
をふり立て、熱心な給仕たちにまだ英語を教えている。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幸
(
さいわ
)
いこちらの
世界
(
せかい
)
へ
参
(
まい
)
ってから、その
点
(
てん
)
の
気苦労
(
きぐろう
)
がすっかりなくなったのは
嬉
(
うれ
)
しうございますが、しかしこちらの
旅
(
たび
)
はあまり、あっけなくて、
現世
(
げんせ
)
でしたように
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
もし万一ミカンの実の中に毛が
生
(
は
)
えなかったならば、ミカンは
食
(
く
)
えぬ果実としてだれもそれを
一顧
(
いっこ
)
もしなかったであろうが、
幸
(
さいわ
)
いにも
果中
(
かちゅう
)
に毛が
生
(
は
)
えたばっかりに
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それ
故
(
ゆえ
)
こんどお
上
(
かみ
)
からおふれが出て、
放
(
はな
)
し
飼
(
が
)
いになったのを
幸
(
さいわ
)
い、さしあたりねずみどもを
手
(
て
)
はじめに、
人間
(
にんげん
)
にあだをする
獣
(
けもの
)
を
片
(
かた
)
っぱしから
退治
(
たいじ
)
するつもりでいるのです。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その
堺屋
(
さかいや
)
が
秋
(
あき
)
の
木挽町
(
こびきちょう
)
で、お
前
(
まえ
)
のことを
重助
(
じゅうすけ
)
さんに
書
(
か
)
きおろさせて、
舞台
(
いた
)
に
上
(
の
)
せようというのだから、まず
願
(
ねが
)
ってもないもっけの
幸
(
さいわ
)
い。いやの
応
(
おう
)
のということはなかろうじゃないか
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
作間、弥二、徳民などのこと甚だ懸念なり。この三人は決して変ぜぬに相違はなくと存じ候。岡部これまた
棄
(
す
)
つべからず。この四人、兄
幸
(
さいわ
)
いにこれを愛せよ。福原は長進と察し候。如何にや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
其の心が虫よりも小せえから
己
(
おら
)
ア
愍然
(
かわいそう
)
でなんねえから意見を云うだ、えゝか、そんなに急いで獄門になりたがらねえで、旦那様が二十両下されば
幸
(
さいわ
)
えだアから、頭でも
剃落
(
すっこ
)
かして出家になるか
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
停めることなんか、わけはないのだ。
幸
(
さいわ
)
いに、その器械をつんだ自動車が、あそこにああして、こわれずに、ちゃんとしているんだ
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だから、なにが、
幸
(
さいわ
)
いとなるかわかるものでない。
中身
(
なかみ
)
を
取
(
と
)
られて、
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
捨
(
す
)
てられたので、もう一
度
(
ど
)
私
(
わたし
)
は、
気
(
き
)
がついて、
目
(
め
)
がさめたのだ。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
飯はどうなる事かと、またのそのそ台所へ
上
(
あが
)
った。ところへ
幸
(
さいわ
)
い婆さんが表から帰って来て
膳立
(
ぜんだ
)
てをしてくれた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしとうぶん、
人穴城
(
ひとあなじょう
)
は
日和見
(
ひよりみ
)
でいるがいい、
幸
(
さいわ
)
いに、
可児才蔵
(
かにさいぞう
)
どのも、これにあることだから、伊那丸がたがみじんになるまで、一
献
(
こん
)
酌
(
く
)
むといたそう
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天子様
(
てんしさま
)
のおそばに
仕
(
つか
)
えて、
天文
(
てんもん
)
や
占
(
うらな
)
いでは
日本
(
にっぽん
)
一の
名人
(
めいじん
)
という
評判
(
ひょうばん
)
だったのを
幸
(
さいわ
)
い、ある
時
(
とき
)
悪右衛門
(
あくうえもん
)
は
道満
(
どうまん
)
に
頼
(
たの
)
んで、
来
(
き
)
て
見
(
み
)
てもらいますと、
奥方
(
おくがた
)
の
病気
(
びょうき
)
はただの
薬
(
くすり
)
では
治
(
なお
)
らない
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それと
知
(
し
)
って、おせんを
途中
(
とちゅう
)
に
押
(
お
)
ッ
取
(
と
)
りかこんだ
多勢
(
おおぜい
)
は、
飴屋
(
あめや
)
の
土平
(
どへい
)
があっ
気
(
け
)
に
取
(
と
)
られていることなんぞ、
疾
(
と
)
うの
昔
(
むかし
)
に
忘
(
わす
)
れたように、
我
(
わ
)
れ
先
(
さき
)
にと、
夕
(
ゆう
)
ぐれ
時
(
どき
)
のあたりの
暗
(
くら
)
さを
幸
(
さいわ
)
いにして
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「が、まだその摩利信乃法師とやらは、
幸
(
さいわ
)
い、姫君の姿さえ
垣間見
(
かいまみ
)
た事もないであろう。まず、それまでは魔道の恋が、成就する気づかいはよもあるまい。さればもうそのように、怖がられずとも大丈夫じゃ。」
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二人の甘い秘密は、
幸
(
さいわ
)
い今日まで親分にも知れず、数々の
歓楽
(
かんらく
)
を忍ばせて来たが、ここにもやっぱり悪魔は笑っていたのだ。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは、やはり、
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
をしたものでなければ、この
役目
(
やくめ
)
は、
果
(
は
)
たされないだろう。
幸
(
さいわ
)
い、あの
乞食
(
こじき
)
の
子
(
こ
)
を、にぎやかな
街
(
まち
)
へやることにしよう。
あらしの前の木と鳥の会話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「しばらくお待ちくださいまし。わたくしは、けっしてあやしい者ではありませぬ。
穴山梅雪
(
あなやまばいせつ
)
さまのご通行を
幸
(
さいわ
)
いに、お
訴
(
うった
)
えもうしたいことがあるのです」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幸
(
さいわ
)
いにして先生の予言は実現されずに済んだ。経験のない当時の
私
(
わたくし
)
は、この予言の
中
(
うち
)
に含まれている明白な意義さえ了解し得なかった。私は依然として先生に会いに行った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
時
(
とき
)
、
六部
(
ろくぶ
)
は、「どうも
神
(
かみ
)
さまといっているが、これはきっと
何
(
なに
)
かの
悪
(
わる
)
い
化
(
ば
)
け
物
(
もの
)
に
違
(
ちが
)
いない、ちょうど
幸
(
さいわ
)
い
今夜
(
こんや
)
はここに
一晩
(
ひとばん
)
泊
(
と
)
まって、
悪神
(
わるがみ
)
の
正体
(
しょうたい
)
を
見届
(
みとど
)
けてやろう。」という
決心
(
けっしん
)
をしました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「だって、何でもないではありませんか。
幸
(
さいわ
)
い氷はどこまでも張っているから、氷の上の歩いてゆけば、きっと空魔艦の根拠地へつきますよ」
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「やさしい
子
(
こ
)
でもあるし、
両親
(
りょうしん
)
がないというのだから、
幸
(
さいわ
)
い、
家
(
うち
)
の
子
(
こ
)
にしてはどうだな?」と、
顔
(
かお
)
をおばあさんの
方
(
ほう
)
に
向
(
む
)
けて、
小
(
ちい
)
さな
声
(
こえ
)
でいいました。
海からきた使い
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「それですよ、太師のお目ざめが遅いわけは。昨夜、その美人を
幸
(
さいわ
)
いして、春宵の短きを嘆じていらっしゃることでしょう。……何しても、きょうはよい
日和
(
ひより
)
ですな」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“幸”の意味
《名詞》
さいわいであること。
しあわせ。
産物。特に、天恵による産物。
(出典:Wiktionary)
幸
常用漢字
小3
部首:⼲
8画
“幸”を含む語句
幸福
不幸
幸福者
幸運
行幸
幸子
御幸
幸若
還幸
梅幸
大原御幸
幸先
幸手
幸甚
幸田露伴
欣幸
幸若舞
幸徳
天幸
幸堂得知
...