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三度
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さんど
ふりがな文庫
“
三度
(
さんど
)” の例文
もし運命が許したら、私は
今日
(
こんにち
)
までもやはり口を
噤
(
つぐ
)
んで居りましたろう。が、
執拗
(
しつおう
)
な第二の私は、
三度
(
さんど
)
私の前にその姿を現しました。
二つの手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
出
(
で
)
たら
好
(
よ
)
ささうなものだつて、——先生、自分ぢや何にも
遣
(
や
)
らない人だからね。第一僕が居なけりや
三度
(
さんど
)
の
飯
(
めし
)
さへ
食
(
く
)
へない人なんだ」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
第二
毎日
(
まいにち
)
の
食餌
(
しよくじ
)
は
三度
(
さんど
)
を
限
(
かぎ
)
り、
分量
(
ぶんりやう
)
を
定
(
さだ
)
む
可
(
べ
)
し。
夜中
(
やちゆう
)
に
飮食
(
いんしよく
)
せざるを
最
(
もつと
)
もよしとす。
但
(
たゞし
)
食後
(
しよくご
)
は
少時間
(
しばらく
)
休息
(
きうそく
)
し
運動
(
うんどう
)
を
始
(
はじ
)
むべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
繰返
(
くりかへ
)
して
三度
(
さんど
)
、また
跫音
(
あしおと
)
がしたが、
其時
(
そのとき
)
は
枕
(
まくら
)
が
上
(
あが
)
らなかつた。
室内
(
しつない
)
の
空氣
(
くうき
)
は
唯
(
たゞ
)
彌
(
いや
)
が
上
(
うへ
)
に
蔽重
(
おほひかさな
)
つて、おのづと
重量
(
ぢうりやう
)
が
出來
(
でき
)
て
壓
(
おさ
)
へつけるやうな!
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
借
(
か
)
りしも
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
車夫
(
しやふ
)
亦
(
また
)
道
(
みち
)
に
委
(
くは
)
しからずやあらん
未
(
いま
)
だ
此職
(
このしよく
)
に
馴
(
な
)
れざるにやあらん
同
(
おな
)
じ
道
(
みち
)
行返
(
ゆきかへ
)
りて
困
(
かう
)
じ
果
(
は
)
てもしたらんに
強
(
つよ
)
くいひても
辭
(
じ
)
しもせず
示
(
しめ
)
すが
儘
(
まゝ
)
の
道
(
みち
)
を
取
(
と
)
りぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
ピストルで決闘すること
三度
(
さんど
)
、女を棄てること十二人、そして九人の女に棄てられたんですぞ! さよう! ひと頃はこれでも、
阿呆
(
あほ
)
な真似をしたり、べたべた言い寄ったり
熊:笑劇 一幕
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
瞻
(
なが
)
むれば一
隻
(
せき
)
の
海賊船
(
かいぞくせん
)
は
轟然
(
ごうぜん
)
たる
響
(
ひゞき
)
諸共
(
もろとも
)
に、
船底
(
せんてい
)
微塵
(
みぢん
)
に
碎
(
くだ
)
け、
潮煙
(
てうゑん
)
飛
(
と
)
んで
千尋
(
ちひろ
)
の
波底
(
はてい
)
に
沈
(
しづ
)
み
去
(
さ
)
つた、つゞいて
起
(
おこ
)
る
大紛擾
(
だいふんじやう
)
、
一艘
(
いつそう
)
は
船尾
(
せんび
)
逆立
(
さかだ
)
ち
船頭
(
せんとう
)
沈
(
しづ
)
んで、
惡魔印
(
あくまじるし
)
の
海賊旗
(
かいぞくき
)
は、
二度
(
にど
)
、
三度
(
さんど
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
逢
(
あ
)
ひたさに
用
(
よう
)
なき
門
(
かど
)
を
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
、と
言
(
い
)
ふ
心意氣
(
こゝろいき
)
にて、ソツと
白壁
(
しろかべ
)
、
黒塀
(
くろべい
)
について
通
(
とほ
)
るものを、「あいつ
板附
(
いたつき
)
はべん」と
言
(
い
)
ふ
洒落
(
しやれ
)
あり、
古
(
ふる
)
い
洒落
(
しやれ
)
なるべし。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その時ひっそりした場内に、
三度
(
さんど
)
将軍の声が響いた。が、今度は
叱声
(
しっせい
)
の代りに、深い感激の嘆声だった。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
好事魔
(
こうじま
)
多
(
おほ
)
しとはよく
人
(
ひと
)
の
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
で、
私
(
わたくし
)
も
其
(
その
)
理屈
(
りくつ
)
を
知
(
し
)
らぬではないが、
人間
(
にんげん
)
の
一生
(
いつせう
)
に
此樣
(
こん
)
な
旅行
(
りよかう
)
は、
二度
(
にど
)
も
三度
(
さんど
)
もある
事
(
こと
)
でない、
其上
(
そのうへ
)
大佐
(
たいさ
)
と
約束
(
やくそく
)
の
五日目
(
いつかめ
)
までは、
未
(
ま
)
た
三日
(
みつか
)
の
間
(
ひま
)
がある、そこで
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
三度
(
さんど
)
とも
宜道
(
ぎだう
)
の
好意
(
かうい
)
で
白米
(
はくまい
)
の
炊
(
かし
)
いだのを
食
(
た
)
べたには
食
(
た
)
べたが、
副食物
(
ふくしよくぶつ
)
と
云
(
い
)
つては、
菜
(
な
)
の
煑
(
に
)
たのか、
大根
(
だいこん
)
の
煑
(
に
)
たの
位
(
ぐらゐ
)
なものであつた。
彼
(
かれ
)
の
顏
(
かほ
)
は
自
(
おのづ
)
から
蒼
(
あを
)
かつた。
出
(
で
)
る
前
(
まへ
)
よりも
多少
(
たせう
)
面窶
(
おもやつ
)
れてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたし
)
もお
跡
(
あと
)
から
參
(
まゐ
)
りまするとて
日
(
ひ
)
のうちには
看護
(
まもり
)
の
隙
(
ひま
)
をうかゞひて
驅
(
か
)
け
出
(
いだ
)
すこと
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
もあり、
井戸
(
ゐど
)
には
蓋
(
ふた
)
を
置
(
お
)
き、きれ
物
(
もの
)
とては
鋏
(
はさみ
)
一挺
(
いつちやう
)
目
(
め
)
にかゝらぬやうとの
心配
(
こゝろくば
)
りも、
危
(
あやふ
)
きは
病
(
やま
)
ひのさする
業
(
わざ
)
かも
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二十
(
はたち
)
前後の支那人は大机の前を離れると、すうっとどこかへ出て行ってしまった。半三郎は
三度
(
さんど
)
びっくりした。
何
(
なん
)
でも今の話によると、馬の脚をつけられるらしい。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……
知
(
し
)
つてゐるのは、
秋
(
あき
)
また
冬
(
ふゆ
)
のはじめだが、
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
、
私
(
わたし
)
の
通
(
とほ
)
つた
數
(
かず
)
よりも、さつとむら
雨
(
さめ
)
の
數多
(
かずおほ
)
く、
雲
(
くも
)
は
人
(
ひと
)
よりも
繁
(
しげ
)
く
往來
(
ゆきき
)
した。
尾花
(
をばな
)
は
斜
(
なゝめ
)
に
戰
(
そよ
)
ぎ、
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
はかさなつて
落
(
お
)
ちた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
回想
(
くわいさう
)
すれば
今
(
いま
)
から四
年
(
ねん
)
前
(
まへ
)
、
私
(
わたくし
)
が
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
を
抱
(
いだ
)
いて、
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
沈沒
(
ちんぼつ
)
と
共
(
とも
)
に、
海中
(
かいちう
)
に
飛込
(
とびこ
)
んだ
時
(
とき
)
、
二度
(
にど
)
、
三度
(
さんど
)
、
貴女
(
あなた
)
のお
名
(
な
)
をお
呼
(
よ
)
び
申
(
もう
)
したが、
聽
(
きこ
)
ゆるものは、
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
と、
浪
(
なみ
)
の
響
(
ひゞき
)
ばかり、イヤ、
只
(
たゞ
)
一度
(
いちど
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
先
(
さき
)
へ
行
(
ゆ
)
きても
有
(
あ
)
るか
無
(
な
)
きか
知
(
し
)
れませねば
何
(
なに
)
にてもよし
此
(
こ
)
の
車
(
くるま
)
お
頼
(
たの
)
みなされてよと
俄
(
にはか
)
に
足元
(
あしもと
)
重
(
おも
)
げになりぬあの
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
にお
乘
(
め
)
しなさるとかあの
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
にと
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
お
高
(
たか
)
輕
(
かろ
)
く
點頭
(
うなづ
)
きて
詞
(
ことば
)
なし
我
(
わ
)
れも
雪中
(
せつちゆう
)
の
隨行
(
ずゐかう
)
難儀
(
なんぎ
)
の
折
(
をり
)
とて
求
(
もと
)
むるまゝに
言附
(
いひつ
)
くる
那
(
くだん
)
の
車
(
くるま
)
さりとては
不似合
(
ふにあひ
)
なり
錦
(
にしき
)
の
上着
(
うはぎ
)
につゞれの
袴
(
はかま
)
つぎ
合
(
あは
)
したやうなと
心
(
こゝろ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「自分はまだ生涯に
三度
(
さんど
)
しか万歳を唱へたことはない。最初は、……二度目は、……三度目は、……」制服を着た大学生は膝の
辺
(
あた
)
りの寒い為に、始終ぶるぶる震へてゐた。
漱石山房の冬
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ヒガネと
讀
(
よ
)
む、
西風
(
にしかぜ
)
の
寒
(
さむ
)
きが
當
(
たう
)
熱海
(
あたみ
)
の
名物
(
めいぶつ
)
なりとか。
三島街道
(
みしまかいだう
)
に
十國峠
(
じつこくたうげ
)
あり、
今日
(
こんにち
)
は
風
(
かぜ
)
凪
(
な
)
ぎ
氣候
(
きこう
)
温暖
(
をんだん
)
。
日
(
ひ
)
に
三度
(
さんど
)
雲
(
くも
)
の
如
(
ごと
)
き
湯氣
(
ゆげ
)
を
卷
(
ま
)
いて
湧
(
わ
)
き
出
(
い
)
づる
湯
(
ゆ
)
は
實
(
じつ
)
に
壯觀
(
さうくわん
)
に
御座候
(
ござさふらふ
)
。
後便
(
こうびん
)
萬縷
(
ばんる
)
敬具
(
けいぐ
)
熱海の春
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
項羽は、今日
戦
(
いくさ
)
の始まる前に、二十八人の部下の前で『項羽を亡すものは天だ。人力の不足ではない。その証拠には、これだけの軍勢で、必ず漢の軍を
三度
(
さんど
)
破って見せる』
英雄の器
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
富士河
(
ふじがは
)
の
船
(
ふね
)
も
寄
(
よ
)
せ
難
(
がた
)
し。はぐくみ
參
(
まゐ
)
らす
三度
(
さんど
)
のものも、
殿
(
との
)
の
御扶持
(
ごふち
)
を
賜
(
たま
)
はりて、
鶴
(
つる
)
が
虚空
(
こくう
)
を
運
(
はこ
)
びしかば、
今
(
いま
)
は
憂慮
(
きづか
)
ふ
事
(
こと
)
なし? とて、
年月
(
としつき
)
を
經
(
ふ
)
る
夜毎々々
(
よごと/\
)
、
殿
(
との
)
は
美
(
うつく
)
しき
夢
(
ゆめ
)
見
(
み
)
ておはしぬ。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
三度
(
さんど
)
笑う)云わば甚内を助けると同時に、甚内の名前を殺してしまう、一家の恩を返すと同時に、わたしの
恨
(
うら
)
みも返してしまう、——このくらい愉快な
返報
(
へんぽう
)
はありません。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
頃日
(
このごろ
)
聞
(
き
)
く——
當時
(
たうじ
)
、
唯一
(
ゆいつ
)
の
交通機關
(
かうつうきくわん
)
、
江戸
(
えど
)
三度
(
さんど
)
と
稱
(
とな
)
へた
加賀藩
(
かがはん
)
の
飛脚
(
ひきやく
)
の
規定
(
さだめ
)
は、
高岡
(
たかをか
)
、
富山
(
とやま
)
、
泊
(
とまり
)
、
親不知
(
おやしらず
)
、
五智
(
ごち
)
、
高田
(
たかだ
)
、
長野
(
ながの
)
、
碓氷峠
(
うすひたうげ
)
を
越
(
こ
)
えて、
松井田
(
まつゐだ
)
、
高崎
(
たかさき
)
、
江戸
(
えど
)
の
板橋
(
いたばし
)
まで
下街道
(
しもかいだう
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……しかし、
其
(
そ
)
の
後
(
のち
)
とも
三度
(
さんど
)
の
食事
(
しよくじ
)
、
火
(
ひ
)
なり、
水
(
みづ
)
なり、
祠
(
ほこら
)
へ
来
(
き
)
て
用
(
よう
)
を
達
(
た
)
してくれたのは
其
(
そ
)
の
男
(
をとこ
)
で。
時
(
とき
)
とすると、
二時三時
(
ふたときみとき
)
も
傍
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
て
熟
(
じつ
)
と
私
(
わたし
)
の
仕事
(
しごと
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る。
口
(
くち
)
も
出
(
だ
)
さず
邪魔
(
じやま
)
には
成
(
な
)
らん。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
三度
(
さんど
)
頭の上の雲を震わせた
初雷
(
はつらい
)
の響を耳にしながら。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“三度”の意味
《名詞》
三 度(さんど)
(さんど、みたび)三回。
温度、角度を表す単位「度」三つ分の大きさ。
(音楽)楽譜上、隣の高さに書かれる2つの音の音程。3個の音を隣同士の高さに順に並べたときの、両端の音の間の音程。
(出典:Wiktionary)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“三度”で始まる語句
三度目
三度笠
三度々々