トップ
>
一向
>
いつかう
ふりがな文庫
“
一向
(
いつかう
)” の例文
竹田は詩書画三絶を称せられしも、和歌などは
巧
(
たくみ
)
ならず。画道にて
悟入
(
ごにふ
)
せし所も、
三十一文字
(
みそひともじ
)
の上には
一向
(
いつかう
)
利
(
き
)
き目がないやうなり。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あんたとあの人達の間に
一向
(
いつかう
)
心が通ひ合ふことがないのは、丁度、あの人達が生きた人間でなく、たゞの人影でゞもあるやうぢや。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それから
紫檀
(
したん
)
の
茶棚
(
ちやだな
)
が
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つ
飾
(
かざ
)
つてあつたが、
何
(
いづ
)
れも
狂
(
くるひ
)
の
出
(
で
)
さうな
生
(
なま
)
なもの
許
(
ばかり
)
であつた。
然
(
しか
)
し
御米
(
およね
)
にはそんな
區別
(
くべつ
)
は
一向
(
いつかう
)
映
(
うつ
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、
客
(
きやく
)
が
待
(
ま
)
たうが
待
(
ま
)
つまいが、
一向
(
いつかう
)
に
頓着
(
とんぢやく
)
なく、
此方
(
こつち
)
は
此方
(
こつち
)
、と
澄
(
すま
)
した
工合
(
ぐあひ
)
が、
徳川家時代
(
とくがはけじだい
)
から
味
(
あぢ
)
の
變
(
かは
)
らぬ
頼
(
たの
)
もしさであらう。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
九助より度々申立ると雖役人衆
一向
(
いつかう
)
取
上
(
あげ
)
も御座なく只
白状
(
はくじやう
)
致せ/\とのみ日々
拷問
(
がうもん
)
嚴敷
(
きびしく
)
何分
苦痛
(
くつう
)
に
堪
(
たへ
)
かね候に付餘儀なく身に覺もなき人
殺
(
ごろし
)
の趣きを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
平家の一門同じ枕に
討死
(
うちじに
)
ツてつた様な幕サ、考へて見りや何の為めに生れて来たんだか、
一向
(
いつかう
)
合点
(
がてん
)
が行かねエやうだ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
嬢様の聟君どころか、
最
(
も
)
う既に社会に落第して居るのだが、
忌
(
いや
)
がられやうが棄てられやうが
一向
(
いつかう
)
係
(
かま
)
はず平気の平左で
面
(
つら
)
の皮を厚くして居るのが恐ろしい。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
遠い
下町
(
したまち
)
に行つて芸者になつてしまふのが
少
(
すこ
)
しも悲しくないのかと
長吉
(
ちやうきち
)
は
云
(
い
)
ひたい事も胸一ぱいになつて口には出ない。お
糸
(
いと
)
は
河水
(
かはみづ
)
を
照
(
てら
)
す玉のやうな月の光にも
一向
(
いつかう
)
気のつかない
様子
(
やうす
)
で
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其
(
その
)
夜
(
よ
)
はまだ
各
(
おの/\
)
が一つ
加
(
くは
)
はつた
年齡
(
ねんれい
)
の
數
(
かず
)
程
(
ほど
)
の
熬豆
(
いりまめ
)
を
噛
(
かじ
)
つて
鬼
(
おに
)
をやらうた
夜
(
よ
)
から、
幾
(
いく
)
らも
隔
(
へだ
)
たらないので、
鹽鰮
(
しほいわし
)
の
頭
(
あたま
)
と
共
(
とも
)
に
戸口
(
とぐち
)
に
揷
(
さ
)
した
柊
(
ひゝらぎ
)
の
葉
(
は
)
も
一向
(
いつかう
)
に
乾
(
かわ
)
いた
容子
(
やうす
)
の
見
(
み
)
えない
程
(
ほど
)
のことであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
すると
金港堂
(
きんかうどう
)
一
件
(
けん
)
の話が有つて、
硯友社
(
けんいうしや
)
との関係を
絶
(
た
)
ちたいやうな
口吻
(
くちぶり
)
、
其
(
それ
)
は
宜
(
よろし
)
いけれど、
文庫
(
ぶんこ
)
に
連載
(
れんさい
)
してある小説の
続稿
(
ぞくかう
)
だけは送つてもらひたいと
頼
(
たの
)
んだ、
承諾
(
しようだく
)
した、
然
(
しか
)
るに
一向
(
いつかう
)
寄来
(
よこ
)
さん
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
四五日
(
しごにち
)
も
經
(
た
)
つと
此事
(
このこと
)
が
忽
(
たちま
)
ち
親父
(
おやぢ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
入
(
はひ
)
つた。
親父
(
おやぢ
)
は
眞赤
(
まつか
)
になつて
怒
(
おこ
)
つた、店にあるだけの
櫻
(
さくら
)
の木の皮を
剥
(
むか
)
せ(な脱カ)ければ
承知
(
しようち
)
しないと
力味
(
りきん
)
で
見
(
み
)
たが、さて
一向
(
いつかう
)
に
效果
(
きゝめ
)
がない。
少年
(
こども
)
は平氣で
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
宜
(
よ
)
いか
按摩
(
あんま
)
、と
呼
(
よ
)
ばゝつて、
備中守
(
びつちうのかみ
)
、
指
(
ゆび
)
のしなへでウーンと
打
(
う
)
つたが、
一向
(
いつかう
)
に
感
(
かん
)
じた
様子
(
やうす
)
がない。さすがに
紫色
(
むらさきいろ
)
に
成
(
な
)
つた
手首
(
てくび
)
を、
按摩
(
あんま
)
は
擦
(
さす
)
らうとせず
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
支那人は竹が風に吹かるるさまを、
竹笑
(
ちくせう
)
と名づける由、風の吹いた日も見てゐたが、
一向
(
いつかう
)
竹笑らしい心もち起らず。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
兄
(
あに
)
はたゞ
手前勝手
(
てまへがつて
)
な
男
(
をとこ
)
で、
暇
(
ひま
)
があればぶら/\して
細君
(
さいくん
)
と
遊
(
あそ
)
んで
許
(
ばかり
)
ゐて、
一向
(
いつかう
)
頼
(
たよ
)
りにも
力
(
ちから
)
にもなつて
呉
(
く
)
れない、
眞底
(
しんそこ
)
は
情合
(
じやうあひ
)
に
薄
(
うす
)
い
人
(
ひと
)
だ
位
(
ぐらゐ
)
に
考
(
かんが
)
へてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
書付て門前に
押
(
おし
)
立玄關には取次の役人繼上下にて控へ
何
(
いか
)
にも
嚴重
(
げんぢう
)
の有樣なり是等は夜中にせし事なれば紅屋大和屋も
一向
(
いつかう
)
に知ざる處ろ
翌朝
(
よくてう
)
に至り市中の者共は是を見付て只
膽
(
きも
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
硯友社
(
けんいうしや
)
の
沿革
(
えんかく
)
に
就
(
つ
)
いては、
他日
(
たじつ
)
頗
(
すこぶ
)
る
詳
(
くは
)
しく
説
(
と
)
く
心得
(
こゝろえ
)
で
茲
(
こゝ
)
には
纔
(
わづか
)
に
機関雑誌
(
きくわんざつし
)
の
変遷
(
へんせん
)
を
略叙
(
りやくじよ
)
したので、それも
一向
(
いつかう
)
要領
(
えうりやう
)
を
得
(
え
)
ませんが、お話を
為
(
す
)
る用意が無かつたのですから、
這麼
(
こんな
)
事
(
こと
)
で
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かふむ
)
ります
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし、それは私の場合には
一向
(
いつかう
)
に合はないことが分つてるからそれではいけませんよ。何故つて、私はその二つの有利なものを、
敢
(
あへ
)
て惡用したとは云はないが、
無頓着
(
むとんぢやく
)
な使ひ方をしましたからね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
雜
(
ざつ
)
と
私
(
わし
)
が
住居
(
すまひ
)
と
思
(
おも
)
へば
可
(
い
)
いの。ぢやが、
恁
(
か
)
う
門
(
もん
)
が
閉
(
しま
)
つて
居
(
を
)
つては、
一向
(
いつかう
)
出入
(
ではひ
)
りも
成
(
な
)
るまいが。
第一
(
だいいち
)
私
(
わし
)
が
許
(
ゆる
)
さいではお
主
(
ぬし
)
も
此處
(
こゝ
)
へは
通
(
とほ
)
れぬと
云
(
い
)
つた
理合
(
りあひ
)
ぢや。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
元來
(
ぐわんらい
)
今度
(
こんど
)
の
事
(
こと
)
も
元
(
もと
)
を
糺
(
たゞ
)
せば
兄
(
あに
)
が
責任者
(
せきにんしや
)
であるのに、あの
通
(
とほ
)
り
一向
(
いつかう
)
平氣
(
へいき
)
なもので、
他
(
ひと
)
が
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つても
取
(
と
)
り
合
(
あ
)
つて
呉
(
く
)
れない。だから、たゞ
頼
(
たよ
)
りにするのは
君丈
(
きみだけ
)
だ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(中略)時代時代に依つてどしどし変つて行つて、
一向
(
いつかう
)
差支
(
さしつか
)
へないのである
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
氣紛
(
きまぐ
)
れに
御厄介
(
ごやくかい
)
を
掛
(
か
)
けますのです。しかし、
觀光
(
くわんくわう
)
の
客
(
きやく
)
が
一向
(
いつかう
)
に
少
(
すくな
)
いやうでございますな、
此
(
これ
)
だけの
處
(
ところ
)
を。」
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(が、僕の字は何年たつても、
一向
(
いつかう
)
上達する
容子
(
ようす
)
はない。)
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……
渠
(
かれ
)
は
金釦
(
きんぼたん
)
の
制服
(
せいふく
)
だし、
此方
(
こつち
)
は
袴
(
はかま
)
なしの
鳥打
(
とりうち
)
だから、
女中
(
ぢよちう
)
も
一向
(
いつかう
)
に
構
(
かま
)
はなかつたが、いや、
何
(
なに
)
しても、
靴
(
くつ
)
は
羊皮
(
ひつじがは
)
の
上等品
(
じやうとうひん
)
でも
自分
(
じぶん
)
で
脱
(
ぬ
)
ぐ
方
(
はう
)
が
可
(
よ
)
ささうである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
背戸
(
せど
)
に
蓄
(
か
)
つて
御覽
(
ごらん
)
なさい、と
一向
(
いつかう
)
色氣
(
いろけ
)
のなささうな、
腕白
(
わんぱく
)
らしいことを
言
(
い
)
つて
歸
(
かへ
)
んなすつた。——
翌日
(
よくじつ
)
だつけ、
御免下
(
ごめんくだ
)
さアい、と
耄
(
ぼ
)
けた
聲
(
こゑ
)
をして
音訪
(
おとづ
)
れた
人
(
ひと
)
がある。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
辰巳
(
たつみ
)
の
方
(
かた
)
には、ばか
鍋
(
なべ
)
、
蛤鍋
(
はまなべ
)
などと
言
(
い
)
ふ
逸物
(
いちもつ
)
、
一類
(
いちるゐ
)
があると
聞
(
き
)
く。が、
一向
(
いつかう
)
に
場所
(
ばしよ
)
も
方角
(
はうがく
)
も
分
(
わか
)
らない。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一向
(
いつかう
)
、
此
(
こ
)
の
變則
(
へんそく
)
の
名所
(
めいしよ
)
に
就
(
つ
)
いて、
知識
(
ちしき
)
も
經驗
(
けいけん
)
も
無
(
な
)
かつた
彼
(
かれ
)
は、
次第
(
しだい
)
に
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
り、
愈々
(
いよ/\
)
深
(
ふか
)
くなり、もの
凄
(
すさま
)
じく
成
(
な
)
つて、
搖
(
ゆすぶ
)
れ/\
轟然
(
ぐわうぜん
)
たる
大音響
(
だいおんきやう
)
を
發
(
はつ
)
して、
汽車
(
きしや
)
は
天窓
(
あたま
)
から、
鈍
(
にぶ
)
き
錐
(
きり
)
と
變
(
へん
)
じて
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どこか
近郊
(
きんこう
)
へ
出
(
で
)
たら、と
近
(
ちか
)
まはりで
尋
(
たづ
)
ねても、
湯屋
(
ゆや
)
も
床屋
(
とこや
)
も、
釣
(
つり
)
の
話
(
はなし
)
で、
行々子
(
ぎやう/\し
)
などは
對手
(
あひて
)
にしない。ひばり、こま
鳥
(
どり
)
、うぐひすを
飼
(
か
)
ふ
町内
(
ちやうない
)
名代
(
なだい
)
の
小鳥
(
ことり
)
ずきも、
一向
(
いつかう
)
他人
(
たにん
)
あつかひで
對手
(
あひて
)
にせぬ。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さて
漁
(
れう
)
はあるか、と
問
(
と
)
へば、
漁
(
れう
)
は
有
(
あ
)
るが、
魚
(
さかな
)
は
一向
(
いつかう
)
に
獲
(
と
)
れぬと
言
(
い
)
ふ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又
(
また
)
てく/\と
沼
(
ぬま
)
へ
出向
(
でむ
)
く、と
一刷
(
ひとは
)
け
刷
(
は
)
いた
霞
(
かすみ
)
の
上
(
うへ
)
へ、
遠山
(
とほやま
)
の
峰
(
みね
)
より
高
(
たか
)
く
引揚
(
ひきあ
)
げた、
四手
(
よつで
)
を
解
(
と
)
いて
沈
(
しづ
)
めたが、
何
(
ど
)
の
道
(
みち
)
持
(
も
)
つては
帰
(
かへ
)
られぬ
獲物
(
えもの
)
なれば、
断念
(
あきら
)
めて、
鯉
(
こひ
)
が
黄金
(
きん
)
で
鮒
(
ふな
)
が
銀
(
ぎん
)
でも、
一向
(
いつかう
)
に
気
(
き
)
に
留
(
と
)
めず
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
はつと
思
(
おも
)
つたが、
一向
(
いつかう
)
平氣
(
へいき
)
で、
甲府
(
かふふ
)
か
飯田町
(
いひだまち
)
へ
乘越
(
のりこ
)
すらしい。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「うむ。」とばかりで、
一向
(
いつかう
)
おもしろくも
何
(
なん
)
ともない。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一向
(
いつかう
)
に
市
(
いち
)
が
栄
(
さか
)
えぬ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一向(一向俊聖)”の解説
一向 俊聖(いっこう しゅんしょう、暦仁2年1月1日(1239年2月6日)? - 弘安10年11月18日(1287年12月24日)?)は、鎌倉時代の僧侶。伝記に謎が多く、実在が疑問視されていたが、考古遺物により、存在が証明された。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“一向”で始まる語句
一向宗
一向一揆
一向堂
一向寺
一向衆
一向専修