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體
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てい
ふりがな文庫
“
體
(
てい
)” の例文
新字:
体
漸く日光へ、其れから電車を利用して馬返へ來ると、其の邊の紅葉が眞盛なので、山奧へ行つて林間酒を暖める
體
(
てい
)
の風流はあきらめる。
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
鼻筋
(
はなすぢ
)
の
象牙彫
(
ざうげぼり
)
のやうにつんとしたのが
難
(
なん
)
を
言
(
い
)
へば
強過
(
つよす
)
ぎる……かはりには
目
(
め
)
を
恍惚
(
うつとり
)
と、
何
(
なに
)
か
物思
(
ものおも
)
ふ
體
(
てい
)
に
仰向
(
あをむ
)
いた、
細面
(
ほそおも
)
が
引緊
(
ひきしま
)
つて
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
通
(
つう
)
じけるに名主も
駈來
(
かけきた
)
り
四邊
(
あたり
)
近所
(
きんじよ
)
の者も
追々
(
おひ/\
)
に
集
(
あつま
)
り改め見れば
何樣
(
いかさま
)
酒に
醉倒
(
ゑひたふ
)
れ
轉込
(
まろびこみ
)
死したるに
相違
(
さうゐ
)
なき
體
(
てい
)
なりと評議一決し
翌日
(
よくじつ
)
此趣
(
このおもむ
)
きを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
平常
(
つね
)
の
美登利
(
みどり
)
ならば
信如
(
しんによ
)
が
難義
(
なんぎ
)
の
體
(
てい
)
を
指
(
ゆび
)
さして、あれ/\
彼
(
あ
)
の
意久地
(
いくぢ
)
なしと
笑
(
わら
)
ふて
笑
(
わら
)
ふて
笑
(
わら
)
ひ
拔
(
ぬ
)
いて、
言
(
い
)
ひたいまゝの
惡
(
にく
)
まれ
口
(
ぐち
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
禮儀から云へば前者の方だが、返事を書くことを億劫に思ふ人もあるし、それよりも
體
(
てい
)
よく面會を謝絶する餘地を與へるといふおそれがあつた。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
▼ もっと見る
森本春雄からので、義雄はそれを顫ひつくほど熱心な態度で讀んで見たが、それを卷き納める時は、失望の
體
(
てい
)
に見えた。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
けふは長屋の井戸がへにて、相長屋の願人坊主、雲哲、願哲の二人も手傳ひに出てゐる
體
(
てい
)
にて、いづれも權三の家の縁に腰をかけて汗をふいてゐる。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三人のうちで、一番
丈
(
たけ
)
の高いお山と云ふ女が
偶
(
ひよい
)
と
振顧
(
ふりむ
)
くと、『
可厭
(
いや
)
だよ。誰かと思つたらお大なんだよ。』と
苦笑
(
にがわらひ
)
しながら
罰
(
ばつ
)
が惡いと言ふ
體
(
てい
)
で顏を見る。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして何時ものやうに
上眼遣
(
うはめづかひ
)
でヂロリ/\學生の顏を
睨𢌞
(
ねめまは
)
して突ツ立ツてゐるのであるから、學生等は、畏縮といふよりは
些
(
いさゝ
)
か辟易の
體
(
てい
)
で
逡巡
(
うぢうぢ
)
してゐる。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
彼
(
かれ
)
は
兄
(
あに
)
の
家
(
いへ
)
に
厄介
(
やくかい
)
になりながら、もう
少
(
すこ
)
し
立
(
た
)
てば
都合
(
つがふ
)
が
付
(
つ
)
くだらうと
慰
(
なぐさ
)
めた
安之助
(
やすのすけ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
じて、
學校
(
がくかう
)
は
表向
(
おもてむき
)
休學
(
きうがく
)
の
體
(
てい
)
にして
一時
(
いちじ
)
の
始末
(
しまつ
)
をつけたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
サンプソンとエブラハムと
劍
(
けん
)
を
拔
(
ぬ
)
いて
戰
(
たゝか
)
ふ。ベンヺーリオー
此
(
この
)
體
(
てい
)
を
見
(
み
)
て
駈
(
か
)
け
來
(
きた
)
り、
劍
(
けん
)
を
拔
(
ぬ
)
き、
割
(
わ
)
って
入
(
はひ
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何を訊いても噛み付きさうで、手掛りを引出すどころの沙汰ではなく、散々の
體
(
てい
)
で引揚げてしまひました。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大島仁藏翁
(
おほしまじんざうをう
)
の
死後
(
しご
)
、
權藏
(
ごんざう
)
は
一時
(
いちじ
)
、
守本尊
(
まもりほんぞん
)
を
失
(
うしな
)
つた
體
(
てい
)
で、
頗
(
すこぶ
)
る
鬱々
(
ふさい
)
で
居
(
ゐ
)
ましたが、それも
少時
(
しばし
)
で、
忽
(
たちま
)
ち
元
(
もと
)
の
元氣
(
げんき
)
を
恢復
(
くわいふく
)
し、のみならず、
以前
(
いぜん
)
に
増
(
まし
)
て
働
(
はたら
)
き
出
(
だ
)
しました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
相手は何處迄も御人好の御坊ちやまの、泣き出し相に、なさけない顏でおろおろして居るまだるつこさ、芳公の啖呵も折角、響が來ないので、聊か之も張合なさの
悄氣
(
しよげ
)
た
體
(
てい
)
。
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
夫人は食堂の長椅子に、はたと身を
倚
(
よ
)
せ掛け、いたく
倦
(
うん
)
じたる
體
(
てい
)
にて、圓く肥えたる手もて頬を支へ、目を
食單
(
もくろく
)
に注げり。「ブロデツトオ、チポレツタ、フアジヲロ」とか。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その樣子ときたらとても御想像も及びませんよ! まあジュピターよろしくの
體
(
てい
)
でふんぞり返ってるんですからねえ! 僕は自然、あの人の態度が氣にくわなくなったという氣持を
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
僕はあなたがちつとも他人の言葉を容れない
體
(
てい
)
をよそほうてゐるから男は控へてゐるんだと、僕は言つてやつたのだ。多少、女はやはり氣難しいところを折々外して見せる必要がある。
末野女
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
先の
快
(
こゝろよ
)
げなる
氣色
(
けしき
)
に引きかへて、
首
(
かうべ
)
を垂れて
物思
(
ものおも
)
ひの
體
(
てい
)
なりしが、やゝありて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
通
(
とほ
)
りかゝつた
見知越
(
みしりごし
)
の、みうらと
言
(
い
)
ふ
書店
(
しよてん
)
の
厚意
(
こうい
)
で、
茣蓙
(
ござ
)
を
二枚
(
にまい
)
と、
番傘
(
ばんがさ
)
を
借
(
か
)
りて、
砂
(
すな
)
の
吹
(
ふ
)
きまはす
中
(
なか
)
を
這々
(
はふ/\
)
の
體
(
てい
)
で
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其方儀天一坊身分
聢
(
しか
)
と相糺さず
萬事
(
ばんじ
)
華麗
(
くわれい
)
の
體
(
てい
)
たらく有しを
如何
(
いかゞ
)
相心得居申候や
訴
(
うつた
)
へもせず
役儀
(
やくぎ
)
をも
勤
(
つとめ
)
ながら心付ざる段不屆に付退役申付る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然し乍ら、愈々
涸澤
(
からさは
)
の窪から傾斜の増した林の中へ移つて、暗中摸索の
體
(
てい
)
で頂上を目懸けた。其の最後の上りが高距凡そ百米もあつたであらうか。
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
「俺の方は散々の
體
(
てい
)
さ。園山の坊ちやんが、來て泊つて居ることは判つたが、あとはなんにも判らねえ」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其處で
燥
(
いらだ
)
つ心を押付けて、
沈思默想
(
しんしもくそう
)
の
體
(
てい
)
となる。と謂ツても彼は、何時まで此の問題にのみ取つ付いて、
屈詫
(
くつたく
)
の
多
(
おほ
)
い頭腦を苦しめてゐる程の
正直者
(
しやうぢきもの
)
では無かツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
私
(
わたし
)
は
憎
(
に
)
くかろうと
此子
(
このこ
)
に
免
(
めん
)
じて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
され、
謝
(
あやま
)
りますとて
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
いて
泣
(
な
)
けども、イヤ
何
(
ど
)
うしても
置
(
お
)
かれぬとて
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
言
(
い
)
はず
壁
(
かべ
)
に
向
(
むか
)
ひてお
初
(
はつ
)
が
言葉
(
ことば
)
は
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
らぬ
體
(
てい
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「今のところ、丸で失敗の
體
(
てい
)
、さ。」かう云つて義雄は直ぐありのままをぶちまけてしまつた。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
半分
(
はんぶん
)
見
(
み
)
える
土間
(
どま
)
では二十四五の
女
(
をんな
)
が
手拭
(
てぬぐひ
)
を
姉樣
(
ねえさま
)
かぶりにして
上
(
あが
)
りがまちに
大盥
(
おほだらひ
)
程
(
ほど
)
の
桶
(
をけ
)
を
控
(
ひか
)
へ
何物
(
なにもの
)
かを
篩
(
ふるひ
)
にかけて
專念
(
せんねん
)
一
意
(
い
)
の
體
(
てい
)
、
其桶
(
そのをけ
)
を
前
(
まへ
)
に七ツ八ツの
小女
(
こむすめ
)
が
坐
(
すわ
)
りこんで
見物
(
けんぶつ
)
して
居
(
ゐ
)
るが
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
重景、
今更
(
いまさら
)
御邊
(
ごへん
)
と
面合
(
おもてあは
)
する面目もなけれども、我身にして我身にあらぬ今の我れ、
逃
(
のが
)
れんに道もなく、厚かましくも先程よりの
體
(
てい
)
たらく、
御邊
(
ごへん
)
の目には嘸や厚顏とも鐵面とも見えつらん。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
第
(
だい
)
三
場
(
ぢゃう
)
同處
(
どうしょ
)
。
墓場
(
はかば
)
。(
此裡
(
このうち
)
にカピューレット
家
(
け
)
代々
(
だい/″\
)
の
廟所
(
べうしょ
)
ある
體
(
てい
)
)。
深夜
(
しんや
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
怯氣
(
おぢけ
)
た
體
(
てい
)
、折折無氣味
相
(
さう
)
に、眼を轉じて前後を竊視する。
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
(とは云ひながら、五郎は猶不安の
體
(
てい
)
にてたゝずむ。)
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
などと、
猫撫聲
(
ねこなでごゑ
)
で、
仰向
(
あふむ
)
けにした
小兒
(
こども
)
の
括頤
(
くゝりあご
)
へ、
動
(
いぶ
)
りをくれて
搖上
(
ゆりあ
)
げながら、
湯船
(
ゆぶね
)
の
前
(
まへ
)
へ、ト
腰
(
こし
)
を
拔
(
ぬ
)
いた
體
(
てい
)
に、べつたりと
踞
(
しやが
)
んだものなり。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
殺
(
ころ
)
し其血にて自分は
盜賊
(
たうぞく
)
に
切殺
(
きりころ
)
されし
體
(
てい
)
に
取拵
(
とりこしら
)
へ夫より九州へ下り
肥後
(
ひご
)
の
熊本
(
くまもと
)
にて
加納
(
かなふ
)
屋利兵衞といふ大家に奉公し七百兩餘の金子を
掠
(
かす
)
め夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
中年女の覺悟の
體
(
てい
)
ではなく、窓の方二間も先へ放り出した短刀と共に、一つ/\が疑問の種です。
銭形平次捕物控:282 密室
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
又
(
また
)
あの
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すかと
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
もやくやして、
何
(
なに
)
とも
言
(
い
)
はれぬ
厭
(
い
)
やな
氣持
(
きもち
)
なり、さりながら
事
(
こと
)
ごとに
怒
(
おこ
)
りつける
譯
(
わけ
)
にもゆかねば、
成
(
な
)
るだけは
知
(
し
)
らぬ
體
(
てい
)
をして、
平氣
(
へいき
)
をつくりて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かう云ふ話があつた時は、義雄とお鳥とが大工の家を
體
(
てい
)
よく斷られて、假りにその隣りの辯護士のおやぢとその妾とがその間に出來た一人の子と共にゐる家の二階へ移つてゐた。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
オックスホード
出身
(
しゆつしん
)
の
紳士
(
しんし
)
は
年長者
(
ねんちやうじや
)
だけに
分
(
わけ
)
ても
兒玉
(
こだま
)
の
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
に
感
(
かん
)
じた
體
(
てい
)
で。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
息
(
いき
)
せはしく、『むゝ』とばかりに
暫時
(
しばし
)
は空を睨んで無言の
體
(
てい
)
。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
背負ひて出で、この
體
(
てい
)
をみて割つて入る。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此
(
こ
)
の
體
(
てい
)
でござります。へい、
御見忘
(
おみわす
)
れは
御道理
(
ごもつとも
)
で。いや、
最
(
も
)
うからつきし、
意氣地
(
いくぢ
)
もだらしもござりません。
貴下
(
あなた
)
は
御成人遊
(
ごせいじんあそ
)
ばしましたな。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一方では伊賀井の殿樣の奧方——彌生の方は、御主人の氣違ひ沙汰に
取逆上
(
とりのぼせ
)
て、これは本當に氣が變になり、一と間に押し込められて、
體
(
てい
)
のいゝ座敷牢暮しをするやうになつた。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その校長がわが國では有名な女優であつて、年中どんな忙しい生活をしてゐるのかも知らないお鳥は、不在で分らないと云ふ返事を聞いただけで、それが
體
(
てい
)
のいい斷りではないかとあやぶんだ。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
笑
(
わら
)
ふ
時
(
とき
)
は
笑
(
わら
)
ひますから、
心任
(
こゝろま
)
かせにして
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
されと、
言
(
い
)
ひて
流石
(
さすが
)
打
(
うち
)
つけには
恨
(
うら
)
みも
言
(
い
)
ひ
敢
(
あ
)
へず、
心
(
こゝろ
)
に
籠
(
こ
)
めて
愁
(
うれ
)
はしけの
體
(
てい
)
にてあるを、
良人
(
おつと
)
は
淺
(
あさ
)
からず
氣
(
き
)
にかけて、
何故
(
なぜ
)
その
樣
(
やう
)
な
捨
(
す
)
てばるは
言
(
い
)
ふぞ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
然
(
しか
)
らば
出
(
い
)
でよ。
敢
(
あへ
)
て
汝
(
なんぢ
)
を
苦
(
くるし
)
めて
慰
(
なぐさ
)
みにせむ
所存
(
しよぞん
)
はあらず」と
許
(
ゆる
)
し
給
(
たま
)
ふに、
且
(
か
)
つ
喜
(
よろこ
)
び、
且
(
か
)
つ
恐
(
おそ
)
れ、
籠
(
かご
)
よりはふはふの
體
(
てい
)
にてにじり
出
(
い
)
でたり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
増田屋の
掛
(
かゝ
)
り
人
(
うど
)
で、近頃來たばかりの浪人者——用人棒といふにしては人柄の良い、
椿三千麿
(
つばきみちまろ
)
といふ若い武家が、外から歸つて來て、庭木戸の外から此
體
(
てい
)
を見た、月が良いから
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
氷峰は後ろ鉢卷きでおほ悶えの
體
(
てい
)
だ。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「おほせまでも
候
(
さふら
)
はず、
江戸表
(
えどおもて
)
にて
將軍
(
しやうぐん
)
御手飼
(
おてがひ
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
たりとも
此上
(
このうへ
)
に
何
(
なん
)
とか
仕
(
つかまつ
)
らむ、
日本一
(
につぽんいち
)
にて
候
(
さふらふ
)
。」と
餘念
(
よねん
)
も
無
(
な
)
き
體
(
てい
)
なり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
平次は障子を押しあけて、その
體
(
てい
)
たらくを灯にすかし乍ら、ひどく不機嫌さうです。
銭形平次捕物控:250 母娘巡礼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
屋根
(
やね
)
を
葺
(
ふ
)
いても、
板
(
いた
)
を
打
(
う
)
つても、
一雨
(
ひとあめ
)
強
(
つよ
)
くかゝつて、
水嵩
(
みづかさ
)
が
増
(
ま
)
すと、
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
押流
(
おしなが
)
すさうで、いつも
然
(
さ
)
うしたあからさまな
體
(
てい
)
だと
云
(
い
)
ふ。——
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八五郎はまことに散々の
體
(
てい
)
です。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
縞
(
しま
)
の
羽織
(
はおり
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
を
細
(
ほそ
)
く
着
(
き
)
た、
脇
(
わき
)
あけの
口
(
くち
)
へ、
腕
(
かひな
)
を
曲
(
ま
)
げて、
些
(
ちつ
)
と
寒
(
さむ
)
いと
云
(
い
)
つた
體
(
てい
)
に、
兩手
(
りやうて
)
を
突込
(
つツこ
)
み、ふりの
明
(
あ
)
いた
處
(
ところ
)
から、
赤
(
あか
)
い
前垂
(
まへだれ
)
の
紐
(
ひも
)
が
見
(
み
)
える。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“體”の意味
《名詞》
体参照
(出典:Wiktionary)
“體(
体
)”の解説
体(體、躰、躯、身体、からだ)、身体(しんたい)は、生物学的かつ文化的に規定された、有機体としての人間や動物の構造を指す。人間は身体を通じて世界を経験し、世界を構成する。
(出典:Wikipedia)
體
部首:⾻
23画
“體”を含む語句
容體
屍體
身體
全體
體裁
勿體
裸體
正體
肉體
大體
體格
形體
身體中
體躯
仁體
實體
體質
本體
風體
小體
...