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隣
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とな
ふりがな文庫
“
隣
(
とな
)” の例文
大
(
おお
)
きな
国
(
くに
)
と、それよりはすこし
小
(
ちい
)
さな
国
(
くに
)
とが
隣
(
とな
)
り
合
(
あ
)
っていました。
当座
(
とうざ
)
、その二つの
国
(
くに
)
の
間
(
あいだ
)
には、なにごとも
起
(
お
)
こらず
平和
(
へいわ
)
でありました。
野ばら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
うと/\として
眼
(
め
)
が
覚
(
さ
)
めると女は
何時
(
いつ
)
の間にか、
隣
(
とな
)
りの爺さんと
話
(
はなし
)
を始めてゐる。此
爺
(
ぢい
)
さんは
慥
(
たし
)
かに前の前の駅から乗つた
田舎者
(
いなかもの
)
である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その建物は八畳ばかりの広さの部屋と、それに
隣
(
とな
)
つた同じ広さの土間との二つの部分から成立つてゐた。出入口は土間の方についてゐた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
次が小さな物置(これには廊下を掃除する箒木などがつめこんである)その次が便所でその奥に化粧室があつてそれに
隣
(
とな
)
つて浴場がある。
殺人鬼
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
私達の近所、
隣
(
とな
)
りの長屋は、凱旋祝いのため賑わった。私の
家
(
うち
)
は三日あまり、水太鼓や、古い三味線で、ガンガン鳴り騒がれた。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
▼ もっと見る
私はその
隣
(
とな
)
りのまだ空いている別荘の庭へ這入りこんで、しばらくそれに耳を
傾
(
かたむ
)
けていた。バッハのト短調の
遁走曲
(
フウグ
)
らしかった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
丁度
(
ちやうど
)
、お
隣
(
とな
)
りで
美濃
(
みの
)
の
國
(
くに
)
の
方
(
はう
)
から
木曽路
(
きそぢ
)
へ
入
(
はひ
)
らうとする
旅人
(
たびびと
)
のためには、
一番
(
いちばん
)
最初
(
さいしよ
)
の
入口
(
いりぐち
)
のステエシヨンにあたつて
居
(
ゐ
)
たのが
馬籠驛
(
まごめえき
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
(
第二十八圖
(
だいにじゆうはちず
)
)その
隣
(
とな
)
りにある
繪
(
え
)
は、
現在
(
げんざい
)
南洋
(
なんよう
)
において
實行
(
じつこう
)
してゐる
水上住居
(
すいじようじゆうきよ
)
でありますが、いかにもよく
似
(
に
)
てゐることがわかりませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
町の小学校でも
石
(
いし
)
の
巻
(
まき
)
の近くの海岸に十五日も
生徒
(
せいと
)
を
連
(
つ
)
れて行きましたし、
隣
(
とな
)
りの女学校でも
臨海
(
りんかい
)
学校をはじめていました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そこは土蔵に
隣
(
とな
)
った
室
(
へや
)
で、次に四畳半位の仏壇を置いた室があって、そのさきが
縁側
(
えんがわ
)
になり、それが土蔵の口に続いていた。
藍微塵の衣服
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
獰惡
(
だうあく
)
な
野良猫
(
のらねこ
)
、お
隣
(
とな
)
りの
鷄
(
とり
)
を
全滅
(
ぜんめつ
)
させた
惡
(
わる
)
いヤツ、
家
(
うち
)
の
鯛
(
たひ
)
をさらつた
盜癖
(
とうへき
)
のある
畜生
(
ちくせう
)
、それが
産
(
う
)
んだ
兒
(
こ
)
は、このやさしい
美
(
うつく
)
しいニヤン
公
(
こう
)
である。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
越後国南は上州に
隣
(
とな
)
る
魚沼郡
(
うをぬまごほり
)
なり。東は奥州羽州へ
隣
(
とな
)
る
蒲原郡
(
かんばらごほり
)
岩船
(
いはふね
)
郡なり。
国堺
(
くにさかひ
)
はいづれも
連山波濤
(
れんざんはたう
)
をなすゆゑ雪多し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と、門から突当りの玄関が
開
(
あ
)
いて、女教師の
日向
(
ひなた
)
智恵子はパツと明るい中へ出て来た。其拍子に、玄関に
隣
(
とな
)
つた職員室の窓から賑やかな笑声が洩れた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そこへ、
隣
(
とな
)
りの井田邸から若い女中さんがやってきた。いま病院から電話があって今夜あたりらしいから来てくれという知らせがあったというのである。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
佐藤の畑はとにかく
秋耕
(
あきおこし
)
をすましていたのに、それに
隣
(
とな
)
った仁右衛門の畑は見渡す限りかまどがえしとみずひきとあかざととびつかとで
茫々
(
ぼうぼう
)
としていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
眞白
(
まつしろ
)
な
雪溪
(
せつけい
)
に
隣
(
とな
)
り
合
(
あは
)
せて、このお
花畠
(
はなばたけ
)
を
見
(
み
)
るときの
感
(
かん
)
じは、なんとも
言
(
い
)
へず、
貴
(
たつと
)
く、かわゆく、
美
(
うつく
)
しいものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
何度も同じことをくりかえしているうち、もうたずねる人もなくなったころには、
隣
(
とな
)
りの村にさしかかっていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
空處に
隣
(
とな
)
れるその
縁
(
へり
)
と、たえず聳ゆる高き岸の
下
(
もと
)
との間は、人の
身長
(
みのたけ
)
三
度
(
たび
)
はかるに等しかるべし 二二—二四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
じつは、もうずいぶん前のことですが、ある会合で小関君と
偶然
(
ぐうぜん
)
隣
(
とな
)
りあわせにすわったことがあったんです。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
地震
(
ぢしん
)
の
起
(
おこ
)
つたのは
當日
(
とうじつ
)
午前十一時十分頃
(
ごぜんじゆういちじじつぷんごろ
)
であり、
郵便局
(
ゆうびんきよく
)
の
隣
(
とな
)
りの
潰家
(
かいか
)
から
發火
(
はつか
)
したのは
正午
(
しようご
)
を
過
(
す
)
ぐる
三十分位
(
さんじつぷんぐらゐ
)
だつたといふから、
地震後
(
ぢしんご
)
凡
(
およ
)
そ
一時間半
(
いちじかんはん
)
を
經過
(
けいか
)
してゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そんなことを次郎君がこつこつ書いているすぐ
隣
(
とな
)
りの
机
(
つくえ
)
では
森川君
(
もりかわくん
)
がこんなことを書いています。
決闘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
此處
(
こヽ
)
は
隣
(
とな
)
りざかひの
藪際
(
やぶぎは
)
にて、
用心
(
ようじん
)
の
爲
(
ため
)
にと
茅葺
(
かやぶき
)
の
設
(
まう
)
けに
住
(
す
)
まはする
庭男
(
にはをとこ
)
、
扨
(
さて
)
も
扨
(
さて
)
も
此曲物
(
このくせもの
)
とは。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
国技館の
隣
(
とな
)
りに
回向院
(
ゑかうゐん
)
のあることは
大抵
(
たいてい
)
誰でも知つてゐるであらう。
所謂
(
いはゆる
)
本場所の
相撲
(
すまふ
)
も
亦
(
また
)
国技館の出来ない前には
回向院
(
ゑかうゐん
)
の
境内
(
けいだい
)
に
蓆張
(
むしろば
)
りの小屋をかけてゐたものである。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僅
(
わず
)
か
半里
(
はんり
)
か一
里
(
り
)
の
隣
(
とな
)
りの
村
(
むら
)
に
行
(
ゆ
)
くのにさえ、やれ
従者
(
とも
)
だ、
輿物
(
のりもの
)
だ、
御召換
(
おめしがえ
)
だ……、
半日
(
はんにち
)
もかかって
大騒
(
おおさわ
)
ぎをせねばならぬような、あんな
面倒臭
(
めんどうくさ
)
い
現世
(
げんせ
)
の
生活
(
せいかつ
)
を
送
(
おく
)
りながら
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
孔子はまた、子路の中で相当
敏腕
(
びんわん
)
な実際家と
隣
(
とな
)
り合って住んでいる大きな子供が、いつまでたっても一向老成しそうもないのを見て、
可笑
(
おか
)
しくもあり、困りもするのである。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
内の小庭を東に
隣
(
とな
)
って、次第に家の数が増して、商家はないが向い向い、
小児
(
こども
)
の泣くのも聞ゆれば、牛乳屋で牛がモウモウ。——いや、そこどころでない、喧嘩だ。喧嘩だ!
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その南に
隣
(
とな
)
って
琉璃色
(
るりいろ
)
のように光る
田代池
(
たしろいけ
)
、
焼岳
(
やけだけ
)
も霞岳もよく見える、もうここに来ると偃松は小くなって、処々にその力なき
枝椏
(
しあ
)
を横たえ、黄花駒の爪は
独
(
ひとり
)
笑顔を
擡
(
もた
)
げている
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
「今帰ったお北の家はどこだ。富士見町の方か。」と、清岡は何の
訳
(
わけ
)
もないような風できいて見た。実は
先刻
(
さっき
)
その女のはなしをした
隣
(
とな
)
りの待合の事が気になっていたからである。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
旅行用の枕を大負けに負けて売つてるものの
隣
(
とな
)
りに、不思議に
中
(
あた
)
る
人相見
(
にんさうみ
)
の洋服の男がゐて、その周囲を取巻いて、人が黒山のやうにたかつて
居
(
ゐ
)
る。をり/\
摩違
(
すれちが
)
ふ娘の顔は白かつた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
其大仏餅屋
(
そのだいぶつもちや
)
の
一軒
(
いつけん
)
おいて
隣家
(
となり
)
が、
表
(
おもて
)
が
細
(
こまか
)
い
栂
(
つが
)
の
面取
(
めんど
)
りの
出格子
(
でがうし
)
になつて
居
(
を
)
りまして
六尺
(
いつけん
)
、
隣
(
とな
)
りの
方
(
はう
)
が
粗
(
あら
)
い
格子
(
かうし
)
で
其又側
(
そのまたわき
)
が
九尺
(
くしやく
)
ばかりチヨイと
板塀
(
いたべい
)
になつて
居
(
を
)
る、
無職業家
(
しもたや
)
でございまする。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
濠に
隣
(
とな
)
った牧牛舎の柵の中には親牛と小牛が四、五頭、愉快そうにからだを横にゆすってはねている。自分もなんだか嬉しくなって口笛をピュッ/\と鳴らしながら飛ぶようにして帰った。
森の絵
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
勸
(
すゝ
)
むるに
稍
(
やゝ
)
三四升ほども飮しかば半四郎は機嫌
斜
(
なゝ
)
めならず
謠
(
うたひ
)
を謠ひ
手拍子
(
てびやうし
)
を
拍
(
うつ
)
て騷ぎ立るに
隣
(
とな
)
り座敷の
泊
(
とま
)
り客は兎角に騷がしくして
眠
(
ねむ
)
る事もならず甚だ
迷惑
(
めいわく
)
なし
能加減
(
いゝかげん
)
に
靜
(
しづ
)
まれよと
襖
(
ふすま
)
一重
(
ひとへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そのうちに大蔵流京笛御指南という看板をかけたので、ははあ、女の笛師かと知ったようなわけで、
隣
(
とな
)
り
交際
(
づきあい
)
もいたしませんから、間に、女主人のお雪様と、口を
交
(
か
)
わしたこともございません。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そのお
隣
(
とな
)
りに、すこしちがった原子がありますよ。これがそうです」
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
其
(
そ
)
の
中
(
うち
)
の
一
(
ひと
)
つが「
愚物
(
ばか
)
」と
何
(
ど
)
う
書
(
か
)
いて
可
(
い
)
いか
分
(
わか
)
らないので、その
隣
(
とな
)
りのに
聞
(
き
)
いてたことまでも
知
(
し
)
りました、『きれいに
汚
(
よご
)
れて
了
(
しま
)
ふだらう、
石盤
(
せきばん
)
が、
審問
(
しんもん
)
の
濟
(
す
)
むまでには!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
隣
(
とな
)
れる
健胃固腸丸
(
けんゐこちやうぐわん
)
の広告に
苦
(
にが
)
き光を残しつつ沈みゆく。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
隣
(
とな
)
り
間
(
ま
)
に
男
(
をとこ
)
女
(
をみな
)
の語らふをあな
嫉
(
ねた
)
ましと言ひてはならず
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「恐れ入った。
梅
(
うめ
)
が
香
(
か
)
や
隣
(
とな
)
りは
堅山
(
かたやま
)
……
堅之進
(
かたのしん
)
か」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
マッチは食堂に
隣
(
とな
)
った喫煙室で手に入れた。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「フフン、お上品でいらっしゃるから、どうも似たり寄ったりだよ。ペンキ屋と看板出しておいたらいいだろう。——だが、こんな
肩
(
かた
)
のはらない家と云うものは、そう探したってあるもンじゃないよ。庭は広いし
隣
(
とな
)
りは遠いしねえ……」
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
近所
(
きんじよ
)
の
子供
(
こども
)
の
中
(
なか
)
で、
遊
(
あそ
)
んで
氣
(
き
)
の
置
(
お
)
けないのは、
問屋
(
とんや
)
の三
郎
(
らう
)
さんに、お
隣
(
とな
)
りのお
勇
(
ゆう
)
さんでした。この
人達
(
ひとたち
)
は
父
(
とう
)
さんと
同
(
おな
)
い
年
(
どし
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
丁度お前達の方のご
維新
(
いしん
)
前ね、
日詰
(
ひづめ
)
の近くに源五沼という沼があったんだ。そのすぐ
隣
(
とな
)
りの草はらで、僕等は五人でサイクルホールをやった。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ある日の晩
大町
(
おおまち
)
と云う所を散歩していたら郵便局の
隣
(
とな
)
りに
蕎麦
(
そば
)
とかいて、下に東京と注を加えた看板があった。おれは蕎麦が大好きである。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ふたりの
気
(
き
)
むずかしい、おじいさんが、
隣
(
とな
)
り
合
(
あ
)
わせに
住
(
す
)
んでいました。
一人
(
ひとり
)
のおじいさんは、うさぎを
飼
(
か
)
っていました。
うさぎと二人のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
越後国南は上州に
隣
(
とな
)
る
魚沼郡
(
うをぬまごほり
)
なり。東は奥州羽州へ
隣
(
とな
)
る
蒲原郡
(
かんばらごほり
)
岩船
(
いはふね
)
郡なり。
国堺
(
くにさかひ
)
はいづれも
連山波濤
(
れんざんはたう
)
をなすゆゑ雪多し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さてお
隣
(
とな
)
りの
支那
(
しな
)
では、
漢
(
かん
)
の
時代頃
(
じだいころ
)
から
後
(
のち
)
、
墓
(
はか
)
の
中
(
なか
)
に
土
(
つち
)
で
作
(
つく
)
つた
人形
(
にんぎよう
)
や
動物
(
どうぶつ
)
の
像
(
ぞう
)
、その
他
(
ほか
)
いろ/\の
品物
(
しなもの
)
の
形
(
かたち
)
を
入
(
い
)
れ
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
聞えないどころか、利平の全神経は、たった一枚の塀をへだてて、
隣
(
とな
)
りの争議団本部で起る一切の物音に対して、測候所の風見の矢のように動いているのだ。
眼
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
空林庵
(
くうりんあん
)
に行って、朝倉先生夫妻とゆっくり話しこむかするはずだったが、今日は、事務室の
隣
(
とな
)
りの自分の部屋で、机によりかかったまま、ながいことひとりで考えこんでいた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
更に
隣
(
とな
)
つて、Kingston Pearce 等の犯罪実話が並べられてあつた。
殺人鬼
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
雨戸の
中
(
うち
)
は、相州西鎌倉
乱橋
(
みだればし
)
の
妙長寺
(
みょうちょうじ
)
という、
法華
(
ほっけ
)
宗の寺の、本堂に
隣
(
とな
)
った八畳の、横に長い
置床
(
おきどこ
)
の附いた座敷で、向って
左手
(
ゆんで
)
に、
葛籠
(
つづら
)
、
革鞄
(
かばん
)
などを置いた
際
(
きわ
)
に、
山科
(
やましな
)
という医学生が
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
隣
常用漢字
中学
部首:⾩
16画
“隣”を含む語句
近隣
隣家
隣人
隣合
両隣
四隣
隣室
隣国
隣町
東隣
壁隣
隣里
隣村
隣席
隣座敷
隣近所
比隣
隣邦
隣座
此隣
...