“焼岳”の読み方と例文
読み方割合
やけだけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつかの昔の焼岳やけだけの噴火の産物がここまで流転して来たものと思われた。一時止んでいた小雨がまた思い出したようにこぼれて来て口にくわえた巻煙草を濡らした。
雨の上高地 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その南にとなって琉璃色るりいろのように光る田代池たしろいけ焼岳やけだけも霞岳もよく見える、もうここに来ると偃松は小くなって、処々にその力なき枝椏しあを横たえ、黄花駒の爪はひとり笑顔をもたげている
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
この峠へ上ると、日本アルプスの第一閃光が始めて旅客の眼に落ちる——と、北は焼岳やけだけの峠、つづいては深山生活ずまい荒男あらしおの、胸のほむらか、硫烟の絶え間ない硫黄岳が聳えている
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)