トップ
>
遍
>
ぺん
ふりがな文庫
“
遍
(
ぺん
)” の例文
あなたが一
遍
(
ぺん
)
許
(
ゆる
)
すって
言
(
い
)
ったのなら、今日は私だけでひとつむぐらをいじめますから、あなたはだまって見ておいでなさい。いいでしょう
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
始めとして富澤町の
實父
(
じつぷ
)
にも兄にも
先立
(
さきだつ
)
不幸
(
ふかう
)
の罪お
許
(
ゆる
)
し
成
(
なさ
)
れて下されよ是皆前世の定業と
斷念
(
あきらめ
)
られて
逆樣
(
さかさま
)
ながら只一
遍
(
ぺん
)
の御回向を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
俺
(
お
)
らそれから五
百匁
(
ひやくめ
)
位
(
ぐれえ
)
な
軍鷄雜種
(
しやもおとし
)
一
羽
(
ぱ
)
引
(
ひ
)
つ
縊
(
くゝ
)
つて一
遍
(
ぺん
)
に
食
(
く
)
つちまつたな、さうしたら
熱
(
ねつ
)
出
(
で
)
た」
彼
(
かれ
)
は
俄
(
にはか
)
に
聲
(
こゑ
)
を
低
(
ひく
)
くしたが、
更
(
さら
)
に
以前
(
いぜん
)
に
還
(
かへ
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
鳥
(
とり
)
や、」とその
男
(
おとこ
)
が
言
(
い
)
った。「
何
(
なん
)
て
好
(
い
)
い
声
(
こえ
)
で
歌
(
うた
)
うんだ! おれにも、
初
(
はじめ
)
から
聞
(
き
)
かしてくれ。もう一
遍
(
ぺん
)
、
歌
(
うた
)
ってくれ。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「どうもこの頃、昭沙弥は、生飯をやると言っちゃ日に五六
遍
(
ぺん
)
も、そわそわ川へ行く。あんまり鯉に
馴染
(
なじみ
)
がつき過ぎて鯉に
魅
(
み
)
せられたのではないか」
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
何時間
(
なんじかん
)
かじっと
坐
(
すわ
)
って
様子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
ていましたが、それからあたりを
丁寧
(
ていねい
)
にもう一
遍
(
ぺん
)
見廻
(
みまわ
)
した
後
(
のち
)
やっと
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
って、
今度
(
こんど
)
は
非常
(
ひじょう
)
な
速
(
はや
)
さで
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
しました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「もう組分けは、すみましたかな? すんだら一
遍
(
ぺん
)
勢ぞろいをして、顔を見おぼえておかんことにはつごうが悪いテ」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其
(
そ
)
れにも
係
(
かゝは
)
らず、自分の母親のお
豊
(
とよ
)
はあまり
好
(
よ
)
くは思つてゐない
様子
(
やうす
)
で、
盆暮
(
ぼんくれ
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
もほんの義理一
遍
(
ぺん
)
らしい事を
構
(
かま
)
はず
素振
(
そぶり
)
に
現
(
あらは
)
してゐた事さへあつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
馬鹿だから、よくこんな真似をします。
此所
(
こゝ
)
へ
越
(
こ
)
してからまだ一
遍
(
ぺん
)
も
行
(
い
)
かないものだから、
今日
(
けふ
)
の日曜には
来
(
く
)
ると思つて待つてゞもゐたのでせう、それで
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんないい
景色
(
けしき
)
ァ、
毎朝
(
まいあさ
)
見
(
み
)
られる
図
(
ず
)
じゃァねえッて。——ごらんなせえやし。お
前
(
まえ
)
さんの
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えたら、つぼんでいた
花
(
はな
)
が、あの
通
(
とお
)
り一
遍
(
ぺん
)
に
咲
(
さ
)
きやしたぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
一日に十
遍
(
ぺん
)
も人に尋ね、愛していると聴いてニコニコし、冗談にもしろ愛していないと言われると
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
なあ
父樣
(
とゝさん
)
一
遍
(
ぺん
)
勇
(
いさむ
)
さんに
逢
(
あ
)
ふて十
分
(
ぶん
)
油
(
あぶら
)
を
取
(
と
)
つたら
宜
(
よ
)
う
御座
(
ござ
)
りましよと
母
(
はゝ
)
は
猛
(
たけ
)
つて
前後
(
ぜんご
)
もかへり
見
(
み
)
ず。
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
右
漢名
(
かんめい
)
(中国名のこと)の
淫羊藿
(
いんようかく
)
に
就
(
つ
)
き、中国の説では、羊がこの葉(
藿
(
かく
)
)を食えば、一日の間に百
遍
(
ぺん
)
も
雌雄
(
しゆう
)
相通
(
あいつう
)
ずることができる効力を持っていると信ぜられている。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
何十
遍
(
ぺん
)
でもくりかえしてやる。——登るのは
行心
(
ぎょうしん
)
、飛び降りるのは破心、闘いの生活だと思って、倒れるまでやってごらん。若い暗鬱なんてものは、汗の塩になってしまう
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いらざる取り越し苦労ばかりすると思うかもしれんが、あれほどの用意をしても世の中の事は水が漏れたがるものでな。そこはお前のような理屈一
遍
(
ぺん
)
ではとてもわかるまいが
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
聞くとあいかわらず朝湯に行っている、帰って筆を握っては見るのだが、どうもねという。もう八十日余りになりますと、八十
遍
(
ぺん
)
も空しい用意をしながら奥さんも平気なものだ。
九谷焼
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
グラッドストーンが二十
遍
(
ぺん
)
噛
(
か
)
んだという如く、また近頃はスレッチャレーションという事がはやッて、スレッチャーという人が何でも噛まなくてはいかぬといッてこれをやッたというが
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その文句をもう一
遍
(
ぺん
)
いってごらん、みんなが聴いとくと
為
(
ため
)
になるからさ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
しかしその水車の道はそのへんの別荘の人たちが割合に
往
(
ゆ
)
き来するので、彼女のまわりにはすぐ人だかりがして困るらしかったが、私は一
遍
(
ぺん
)
もその絵を描いている場所へ近づこうとはしないでいた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
この穂打ち藁打ちがいかに苦しい労働であったかは、庭の上を五六
遍
(
ぺん
)
棒で打ってみればすぐに想像がつく。持つ手に反動がくるばかりでなく、いつも中腰になって働き続けなければならぬから苦しい。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
エヘ/\、
何
(
なん
)
だか忘れさうだな、もう一
遍
(
ぺん
)
云
(
い
)
つて
呉
(
く
)
んねえな。
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「私、その積りでもう一
遍
(
ぺん
)
能く見て行きとうございますわ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「話せねえな、一
遍
(
ぺん
)
見たまえ、ぼくがおごるから」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
到底
(
たうてい
)
單純
(
たんじゆん
)
な
理屈
(
りくつ
)
一
遍
(
ぺん
)
で
律
(
りつ
)
することが
出來
(
でき
)
ない。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
亡者乙 一
遍
(
ぺん
)
死殿
復
(
また
)
生
院
(
ゐん
)
天下
狼狽居士
(
らうばいこじ
)
。
遂に「知らん」文六(三場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
一
遍
(
ぺん
)
に眼があいた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
チュンセ童子が
黙
(
だま
)
って傷口から六
遍
(
ぺん
)
ほど毒のある血を吸ってはき出しました。すると大烏がやっと気がついて、うすく目を開いて申しました。
双子の星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
貝原は夏中七八
遍
(
ぺん
)
も小初を踊りに連れ出したことがあるので、ちょっとした小初の好きな喰べものぐらい心得ていた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
したりしと
空頼
(
そらだの
)
みに心を
慰
(
なぐ
)
さめ終に娘お文が孝心を立る事に
兩親
(
ふたおや
)
とも得心なせばお文は
悦
(
よろこ
)
び一
先
(
まづ
)
安堵
(
あんど
)
はしたものゝ元より
堅氣
(
かたぎ
)
一
遍
(
ぺん
)
の十兵衞なれば子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
冬至
(
とうじ
)
といふと
俄商人
(
にはかあきうど
)
がぞく/\と
出來
(
でき
)
るので
急
(
いそ
)
いで一
遍
(
ぺん
)
歩
(
ある
)
かないと、
其
(
その
)
俄商人
(
にはかあきうど
)
に
先
(
せん
)
を
越
(
こ
)
されて
畢
(
しま
)
ふのでお
品
(
しな
)
はどうしても
凝然
(
ぢつ
)
としては
居
(
ゐ
)
られなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それをもう一
遍
(
ぺん
)
云い
換
(
か
)
えると、この三者を自由に
享
(
う
)
け楽しむためには、その三つのものの背後にあるべき人格の支配を受ける必要が起って来るというのです。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もう一
遍
(
ぺん
)
行
(
い
)
ってごらん。」とお
母
(
かあ
)
さんが
言
(
い
)
った。「そして
返事
(
へんじ
)
をしなかったら、
横面
(
よこッつら
)
を
張
(
は
)
っておやり。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
無骨
(
ぶこつ
)
一
遍
(
ぺん
)
律義
(
りつぎ
)
男
(
をとこ
)
の
身
(
み
)
を
忘
(
わす
)
れての
介抱
(
かいほう
)
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
にあやしく、しのびやかの
咡
(
さゝや
)
き
頓
(
やが
)
て
無沙汰
(
ぶさた
)
に
成
(
な
)
るぞかし、
隱
(
かく
)
れの
方
(
かた
)
の六
疊
(
でう
)
をば
人
(
ひと
)
奧樣
(
おくさま
)
の
癪
(
しやく
)
部屋
(
べや
)
と
名付
(
なづ
)
けて、
亂行
(
らんげう
)
あさましきやうに
取
(
とり
)
なせば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一
遍
(
ぺん
)
に重荷が下りた心地がして、彼は、初めてのびのびと腰を立てて、雨戸の
隙
(
すき
)
が四、五寸ほど障子になっている高窓の口を見上げたが、背が足らないので隙見をすることができない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「馬鹿を申せ。貴様こそ夢を見ているのじゃろう。喬之助はこっちにおる。ほらほら、彦十郎を相手に刃を合わせておる。みんなこっちへ来いッ! 一
遍
(
ぺん
)
に掛って遣っつけてしまおう」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「一
遍
(
ぺん
)
の弁当は一番安いので二十五銭だろうね」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「どうしてッて。それァわかるさ。お前、バアへ稼ぎに行くといっているのに、一
遍
(
ぺん
)
も酔って来たことがないし、着物にも酒の
匂
(
におい
)
が移っていない。それから
足袋
(
たび
)
がちっとも汚れていない。だからバアやカフェーじゃないと思ったんだ。」
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
勘次
(
かんじ
)
が
顧
(
ふりかへ
)
つた
時
(
とき
)
、
彼
(
かれ
)
を
打棄
(
うつちや
)
つた
船
(
ふね
)
は
沈
(
しづ
)
んだ
霧
(
きり
)
に
隔
(
へだ
)
てられて
見
(
み
)
えなかつた。
彼
(
かれ
)
は
蜀黍
(
もろこし
)
の
幹
(
から
)
に
添
(
そ
)
うて
足趾
(
あしあと
)
に
從
(
したが
)
つて
遙
(
はるか
)
に
土手
(
どて
)
の
往來
(
わうらい
)
へ
出
(
で
)
た。
霧
(
きり
)
が一
遍
(
ぺん
)
に
晴
(
は
)
れた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
賣代
(
うりしろ
)
なし其金を
持
(
もち
)
藤八樣へ相談申て何方なりと再び縁を
求
(
もと
)
めよや其後
自然
(
しぜん
)
我事を思ひ出せし日もあらば只一
遍
(
ぺん
)
の
回向
(
ゑかう
)
をと云ばお節は
恨
(
うら
)
めしげに九助の
面
(
かほ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何かの拍子で眠れなかった時、病人の
唸
(
うな
)
るような声を
微
(
かす
)
かに聞いたと思い誤った
私
(
わたくし
)
は、一
遍
(
ぺん
)
半夜
(
よなか
)
に床を抜け出して、念のため父の
枕元
(
まくらもと
)
まで行ってみた事があった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ホモイはごはんがすんでから、玉へ百
遍
(
ぺん
)
息
(
いき
)
をふきかけ、それから百
遍
(
ぺん
)
紅雀
(
べにすずめ
)
の毛でみがきました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「いいとも、」と
他
(
ほか
)
の
者
(
もの
)
が
言
(
い
)
った。「もう一
遍
(
ぺん
)
、
歌
(
うた
)
うなら、やってもいいよ。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
今の姿——と、いう日吉のことばに、乙若はもう一
遍
(
ぺん
)
、彼の
身装
(
みなり
)
を見直した。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
ですよ。
僕
(
ぼく
)
は
決
(
けっ
)
してなくしませんよ。そんなようなことは、ひばりも
言
(
い
)
っていました。
僕
(
ぼく
)
は毎日百
遍
(
ぺん
)
ずつ
息
(
いき
)
をふきかけて百
遍
(
ぺん
)
ずつ
紅雀
(
べにすずめ
)
の毛でみがいてやりましょう
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
余はもう一
遍
(
ぺん
)
丁寧に
撫
(
な
)
で廻わした
後
(
のち
)
、とうとうこれを
恭
(
うやうや
)
しく
禅師
(
ぜんじ
)
に返却した。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なんだ、そんなことなら、おいらが一日に百
遍
(
ぺん
)
もいってら」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
(
ど
)
うです一
遍
(
ぺん
)
逢
(
あ
)
つて
御覽
(
ごらん
)
になつちや、わざ/\
毛皮
(
けがは
)
の
着
(
つ
)
いただぶ/\したものなんか
着
(
き
)
て、
一寸
(
ちよつと
)
面白
(
おもしろ
)
いですよ。
何
(
なん
)
なら
御紹介
(
ごせうかい
)
しませう。
丁度
(
ちやうど
)
明後日
(
あさつて
)
の
晩
(
ばん
)
呼
(
よ
)
んで
飯
(
めし
)
を
食
(
く
)
はせる
事
(
こと
)
になつてゐるから。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は
苦
(
くる
)
しいので、
何返
(
なんべん
)
も
席
(
せき
)
を
立
(
た
)
つて、
後
(
うしろ
)
の廊下へ
出
(
で
)
て、
狭
(
せま
)
い
空
(
そら
)
を仰いだ。
兄
(
あに
)
が
来
(
き
)
たら、
嫂
(
あによめ
)
と縫子を引き
渡
(
わた
)
して
早
(
はや
)
く帰りたい位に思つた。一
遍
(
ぺん
)
は縫子を
連
(
つ
)
れて、
其所等
(
そこいら
)
をぐる/\運動して
歩
(
ある
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小六
(
ころく
)
に
其通
(
そのとほ
)
りを
通知
(
つうち
)
して、
御前
(
おまへ
)
さへそれで
差支
(
さしつかへ
)
なければ、
己
(
おれ
)
がもう一
遍
(
ぺん
)
佐伯
(
さへき
)
へ
行
(
い
)
つて
掛合
(
かけあ
)
つて
見
(
み
)
るがと、
手紙
(
てがみ
)
で
問
(
と
)
ひ
合
(
あは
)
せると、
小六
(
ころく
)
は
郵便
(
いうびん
)
の
着
(
つ
)
いた
晩
(
ばん
)
、すぐ
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
る
中
(
なか
)
を、
傘
(
からかさ
)
に
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てゝ
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
て
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
遍
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“遍”を含む語句
一遍
遍照
何遍
遍歴
遍路
遍在
遍参
遍照院
定遍
遍照寺
光明遍照
遍路人
万遍
百万遍
遍満
遍身
萬遍
普遍
一遍上人
南無大師遍照金剛
...