“遍満”の読み方と例文
読み方割合
へんまん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瘴気しょうきのような薄い霧が仄暗く立ち迷い、驚くほど高い地殻の罅隙(たぶん噴火口であろうと思われる)からくる黄昏のようなおぼろ気な光がぼんやりと遍満へんまんしている。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
仏日ぶつじつ光輝こうきは至らぬくまなく宇宙に遍満へんまんして居りますから、いずれの世界に行っても修行の出来ぬ道場はない、日本も我が修行の道場であると観ずれば別段苦しむにも及ばないとあきら
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
十方じっぽう遍満へんまんした俊寛どもが、皆ただ一人流されたように、泣きつわめきつしていると思えば、涙のうちにも笑わずにはいられぬ。有王。三界一心さんがいいっしんと知った上は、何よりもまず笑う事を学べ。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)