完全くわんぜん)” の例文
といふのが、幻花子げんくわしが、小魔石斧せうませきふや、完全くわんぜんちか土器どきなどをしたので、余等よら發掘熱はつくつねつがそろ/\高度かうどたつしかけたからである。
まがつた社會しやくわい正當防衞せいたうばうゑいくさつたなか大清潔法だいせいけつはふ、それらを完全くわんぜんちか執行しつかうするには、死刑しけいおほ利用りようするよりほかにないとかんがへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
雖然けれども顏の寄麗きれいなのと、體格の完全くわんぜんしてゐるのと、おつとりした姿と、うつくしいはだとに心をチヤームせられて、賤しいといふ考をわすれて了ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
勿論もちろん今日こんにちおいても潜水器せんすいき發明はつめいいま充分じゆうぶん完全くわんぜんにはすゝんでらぬから、この手段しゆだんとて絶對的ぜつたいてき應用おうようすること出來できぬのはまでもない。
むかしのまゝ練壁ねりかべ處々ところ/″\くづちて、かはら完全くわんぜんなのは見當みあたらくらゐそれに葛蔓かづらのぼつてますから、一見いつけん廢寺ふるでらかべるやうです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
れば、なんでもみなむなしいことだ、ヴインナの完全くわんぜん大學病院だいがくびやうゐんでも、我々われ/\病院びやうゐんすこしも差別さべついのだ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かれ熱火ねつくわかれてひとりめたなたかますべての刄物はものはもうやくにはたなかつた。かれ完全くわんぜんたもたれたものはかれ自分じぶんたのんで唐鍬たうぐはのみである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
無論作品さくひんといふものに、表現形式へうげんけいしき完全くわんぜんといふ事は必要ひつえうな事ですが、表現の如何いかんを問はず、作者さくしやがかういふ意味いみ眞實しんじつを捉へて、それを適確てきかくに現はし得てゐるとすれば
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
えうするに、化物ばけもの形式けいしき西洋せいやうは一たい幼稚えうちである。希臘ぎりしや埃及えじぷとおほ人間にんげん動物どうぶつ繼合つぎあはせをやつてことまへべたが、それではかたちたくみ出來できても所謂いはゆる完全くわんぜん化物ばけものとはへない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
写真や望遠鏡は まだ完全くわんぜんではありませんな
さら猛進もうしんしたが、如何どうおもはしくなく、かへつて玄子げんしはう成功せいかうして、鍋形なべがた側面そくめんせうなる紐通ひもとほしのある大土器だいどきが、ほとん完全くわんぜんた。
其他そのた利己心りこしんおほ人々ひと/″\覬覦きゆから、完全くわんぜんその秘密ひみつたもたんがめに、みづか此樣こん孤島はなれじましのばせて、その製造せいぞうをもきわめて内密ないみつにして次第しだいだが——。
さら開墾かいこんだい一の要件えうけんである道具だうぐいま完全くわんぜんして自分じぶんげられてある。かれういふ辛苦しんくをしてまでも些少させう木片もくへんもとめて人々ひとびとまへほこりかんじた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それ/″\の作家さくかに就て度毎たびごとに議論をし合ひますが、三人の意見が、例へば前に擧げた四つの作では完全くわんぜんに一して居ながら「和解」に於ては全くちがつてゐて、今でもまだ議論ぎろんをし合ひます。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
しか伸一先生しんいちせんせい老先生らうせんせいうるはしき性情せいじやうけてさらにこれをあたらしくみがげた人物じんぶつとして此小學校このせうがくかう監督かんとく我々われ/\第二だいに權藏ごんざうとなつて教導けうだうされたのです。權藏ごんざうこゝろざしもつと完全くわんぜん成就じやうじゆされました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
苦痛くつううすらげるのはなんためか? 苦痛くつうひと完全くわんぜんむかはしむるものとふではいか、また人類じんるゐはたして丸藥ぐわんやくや、水藥すゐやくで、其苦痛そのくつううすらぐものなら、宗教しゆうけうや、哲學てつがく必要ひつえうくなつたとすつるにいたらう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おや/\とおもひながら、なほねんれてつちつてると、把手とつての一のみけて完全くわんぜんなる土瓶どびんであつた。(第三圖イ參照)
いさゝかにても國家こつか支配權しはいけん完全くわんぜんおよんでらぬとるときは最早もはや國際法こくさいほふ原則げんそくなにもあつたものでい、つてもらぬかほに、先占せんせんひとてたるはたをば押倒おしたをして、自國じこく國旗こくきひるがへ
おほいに疲勞ひらうしてたので、引揚ひきあげやうかとかんがへてうち幻花子げんくわしは、口部こうぶだけけて、完全くわんぜんなる土瓶どびんを一掘出ほりだした。
なにしろさむくていかぬとて、焚火たきびなんかはしめて、松薪まつまき完全くわんぜん、これはえがいから珍品ちんぴんだなんてつてるのである。
一寸ちよつとればぐに完全くわんぜんものくらゐかんがへて見物連けんぶつれんは、一かうなにないので、つりるよりもだつまらぬなど、そろ/\惡口わるくち掘出ほりだすのである。
しかるに、中途ちうとえて大瀧氏おほたきしあらはれて、懷中ふところから磨製石斧ませいせきふ完全くわんぜんちかきを取出とりいだし、坪井博士つぼゐはかせまへして。
しかしながら、いたづらに完全くわんぜんもののみをえらび、金錢きんせんちからもつ買入かひいれ、あるひりてあつめて、いたづらに其數そのすうおほきをほこものごときは、けつしてらぬのである。
それで發掘場はつくつばめぐりしてると、珍把手ちんとつて珍破片ちんはへんすくなからずなかに、大々土瓶だい/″\どびん口邊こうへんの、もつと複雜ふくざつなる破片はへんる。完全くわんぜんつたら懸價無かけねなしの天下てんかぴんだ。
ならんでつて望生ぼうせい膝頭ひざかしらどろうまつてるのを、狹衣子さごろもし完全くわんぜん土器どき間違まちがへて掘出ほりださうとすると、ピヨイと望生ぼうせい起上たちあがつたので、土器どき羽根はねえたかとおどろいたのも其頃そのごろ
土版どばん完全くわんぜんちか土器どきなど、ごろ/\ころがりし、磨製石斧ませいせきふなどは、いくらでもつた。
かく土方どかた菱沼ひしぬまたくたづねて、そのたといふ土器どきると、完全くわんぜんなる徳利形とくりがたの、立派りつぱなる彌生式やよひしきである。それにまたカワラケの燈明皿とうみやうざら燈心とうしんために一くろげたる)と、高抔たかつきの一とである。
あぢめて同月どうげつくと、完全くわんぜんなる大土器だいどきおよ大土器だいどき下部かぶれて上部じやうぶのみを廢物利用はいぶつりようしたかとおもふのと、土器製造用どきせいざうよう石具せきぐかとおもふのと、鋸目のこぎりめきざみたる獸牙じうがとをした。大當あたあたりである。
望蜀生ぼうしよくせい完全くわんぜんなる土器どきふた掘出ほりだしてたので、きふきたいり、三十六ねん十二ぐわつ十四に、幻花翁げんくわおう望蜀生ぼうしよくせい玄川子げんせんしとの四人連にんづれ品川しながはから汽車きしや鶴見つるみ、それから一里弱りじやく下末吉村しもすゑよしむらへとつた。