)” の例文
新字:
その靈魂れいこんきてゐる人間にんげんるいことをしないために、足部そくぶをまげてしばるといふことがあつたものとかんがへられるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
つまみして障子せうじめた、殘暑ざんしよといふものはわるあつい、空氣くうきかよはないかららである、くもつてゐるから頭痛づつうがする、たまらぬ。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
くちるきおひとこれをきて、さてもひねくれしおんなかな、いまもし學士がくしにありて札幌さつぽろにもゆかず以前いぜんとほなまやさしく出入でいりをなさば
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ただくわつと逆上のぼせて云ふべき臺辭せりふも忘れ、きまるさに俯向うつむいて了つた——その前を六騎のきたない子供らが鼻汁はなを垂らし、黒坊くろんぼのやうなあかつちやけた裸で
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「そんぢやお内儀かみさんそれけえしてまたほかにもなんとかしたら冥利みやうりりいやうなこともりあんすめえな」かれなさけなげな内儀かみさんをちらりとていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と、アンドレイ、エヒミチはるかつたとふやうな顏付かほつきふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
頼んで來た夫故それゆゑ此樣こんなおそくなり其上空腹ひだるくもありモウ/\わきの下から冷汗ひやあせが出るはやく飯をくはせくれよと云ながら内へ這入はひり長兵衞を見てるさうにコレハと云しのみにて辭宜じぎをなせば長兵衞は苦笑にがわらひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
げんさんがきいたらうだらう氣違きちがひになるかもれないとて冷評ひやかすもあり、あゝ馬車ばしやにのつてとき都合つがふるいから道普請みちぶしんからしてもらいたいね
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
をんなはそれりいがな、そんだつて盲目めくらだもの目鼻立めはなだちべえぢやなし、心底しんてえせえよけりやえゝとおもつてな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何も表向き實家のるいを風聽なされて、召使ひの婢女をんなどもに顏の見られるやうな事なさらずとも宜かりさうなもの
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「えゝ、今分いまぶんぢや、さうだにりいつちこともねえが」と卯平うへいはいつもらぬいひかたをして、れをかれることを有繋さすがこゝろうちよろこんでくぼんだしかめるやうにした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なに表向おもてむ實家ぢつかるいを風聽ふうちやうなされて、召使めしつかひの婢女をんなどもにかほられるやうなことなさらずともかりさうなもの
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れも矢張やは其中間そのなかまの一枚板まいヽたにて使つかみち不向ふむきなれども流石さすがとしこうといふものかすこしはおまへさまよりひとるし
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それではおまへ加减かげんでもるいか、まあうしたとわけ此處こゝまでいてやにつたではむまいがねとこゑちかられて車夫しやふしかれば、御免ごめんなさいまし
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
るくするととりかへしのかぬことになるとまをしまして、れで其時そのときまをしました、わたし郷里きやうりおさ友達ともだちれ/\つて、かんもちの、はつきりとして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今朝けさから美登利みどり機嫌きげんわるくてみんなあぐねてこまつてます、あそんでやつてくだされとふに、正太しようた大人おとならしうかしこまりて加减かげんるいのですかと眞面目まじめふを、いゝゑ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さいは海軍かいぐん鳥居とりゐ知人ちじん素性すぜうるからで利發りはつうまれつきたるをとこあるよし、其方そなた異存いぞんなければれをもらふて丹精たんせいしたらばとおもはるゝ、悉皆しつかい引受ひきうけは鳥居とりゐがして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もんをしめてうちれずにかしてやらん、とふをめて、其樣そのやう意地いぢわるはおつしやるな、母樣かあさまがおきヽにならばるし、れでも姉樣ねえさまたちは自分じぶんばかり演藝會えんげいくわい花見はなみきて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふみふところにして令孃ひめ部屋へやときは、すゑ姉君あねぎみ此處こヽにありて、お細工物さいくもの最中もなかなるに、いませてはるかるべしと、情實わけもとよりはずなけれど、吾助ごすけともはであそけるが
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
長吉ちようきちづれが草履ざうりどろひたいにぬられてはまれたもおなじだからとて、そむけるかほのいとをしく、本當ほんと堪忍かんにんしておくれ、みんなれがるい、だからあやまる、機嫌きげんなほしてれないか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
亥之助ゐのすけなにきまりをるがつて其樣そのやうものはおよしなされとふし、十五にあげなんだから片月見かたつきみつてもるし、べさせたいとおもひながらおもふばかりであげこと出來できなんだに
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はゝさんとふはるいひとだから心配しんぱいをさせないやうにはやしまつてくれゝばいが、わたしはこれでもひと半纒はんてんをば洗濯せんたくして、股引もゝひきのほころびでもつてたいとおもつてるに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まへ命令いひつけかなかつたはるからうけれど、いまおこられてはかたなしだ、おまへといふうしろだてがるのでらあ大舟おほぶねつたやうだに、すてられちまつてはこまるだらうじやいか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぼつちやんがとしもことしは十歳とをか十一にはならう、都合つがうるいは此處こゝうちには一人ひとり子寳こだからうて、彼方あちら立派りつぱをとこといふものだから、行々ゆく/\かんがへるとおどくなは此處こゝおくさま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
るくおあそばせばれまで、さりとは方圖はうづのなきおわがまヽとおもつてしかりつけしがれもしゆおもひの一なり、もとよりおそののあるではなくたゞおさなひとぎらひして
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なげことかはよろづれにまかせよかしるきやうにはなすまじければ今日けふより此處こゝ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぼくらにつてはるいことかとはれるに、いゑ貴君あなたにはきいいたゞきたいのでござんす、ふとまをしますからおどろいてはいけませぬと嫣然につこりとして、大湯呑おほゆのみとりよせて二三ばいいきをもつかざりき。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まだゑんづかぬいもとどもが不憫ふびんあね良人おつとかほにもかゝる、此山村このやまむら代〻だい/\堅氣かたぎぱう正直しようじき律義りちぎ眞向まつかうにして、風説うわさてられたことはづを、天魔てんまうまれがはりか貴樣きさまといふ惡者わる出來でき
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)