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亥之助
読み方 | 割合 |
いのすけ | 50.0% |
ゐのすけ | 50.0% |
もう/\
退けて
居るには
及びません、
身分が
何であらうが
父もある
母もある、
年はゆかねど
亥之助といふ
弟もあればその
樣な
火の
中にじつとして
居るには
及ばぬこと
私はこれから
内職なり
何なりして
亥之助が
片腕にもなられるやう
心がけますほどに、
一生一人で
置いて
下さりませとわつと
聲たてるを
噛しめる
襦袢の
袖、
墨繪の
竹も
紫竹の
色にや
出ると
哀れなり。
今宵は
舊暦の十三
夜、
舊弊なれどお
月見の
眞似事に
團子をこしらへてお
月樣にお
備へ
申せし、これはお
前も
好物なれば
少々なりとも
亥之助に
持たせて
上やうと
思ふたれど
亥之助も
何か
極りを
惡るがつて
其樣な
物はお
止なされと
言ふし、十五
夜にあげなんだから
片月見に
成つても
惡るし、
喰べさせたいと
思ひながら
思ふばかりで
上る
事が
出來なんだに