危險きけん)” の例文
新字:危険
それゆゑ二階にかいあるひ三階さんがい居合ゐあはせたひとが、階下かいかとほることの危險きけんおかしてまで屋外おくがいさうとする不見識ふけんしき行動こうどう排斥はいせきすべきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そこで、わたくし心配しんぱいするのは、義侠をとこぎ大佐閣下たいさかつかは、吾等われら大難だいなんたすけやうとして、御自身ごじしん危險きけんをおまねきになるやうことはあるまいか。
が、うすると、深山しんざん小驛せうえきですから、旅舍りよしやにも食料しよくれうにも、乘客じようかくたいする設備せつび不足ふそくで、危險きけんであるからとのことでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なにかゝつちや不可いけませんがね。だまつてむかふ喋舌しやべらして、いてゐるぶんには、すこしも危險きけんはありません。たゞ面白おもしろだけです
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ねむつては危險きけんだぞ。左手ひだりてかはけろ‥‥」と、しばらくすると突然とつぜんまへはう小隊長せうたいちやう大島少尉おほしませうゐ呶鳴どなこゑきこえた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
れがめに大邊たいへん危險きけんるとのことですが、わたくし田舍いなかりまする時分じぶんこれれについ實見じつけんしたことりますから、れをばまうようぞんじます、れは二さいばかりの子供こども
しかるには危險きけんであるから、窟内くつない散布さんぷして、うしてのちるがからう。
いま乞食坊主こじきばうずたのになつたのは、なんとなくえらさうにえる坊主ばうず態度たいどしんおこしたのと、みず一ぱいでするまじなひなら間違まちがつたところ危險きけんこともあるまいとおもつたのとのためである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ころはらが一ばん危險きけんだといはれてごとくおしなはそれが原因もとたふれたのである。胎兒たいじは四つきぱいこもつたので兩性りやうせいあきらかに區別くべつされてた。ちひさいまたあひだには飯粒程めしつぶほど突起とつきがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
考へると、自分がきはめて危險きけんな立場にゐるやうに思はれる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
地震ぢしん場合ばあひ崖下がいか危險きけんなことはいふまでもない。横須賀停車場よこすかていしやばまへつたものは、其處そこ崖下がけした石地藏いしじぞうてるをづくであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
何時いつ危險きけん遭遇さうぐうしてげてても、一見いつけんしてその所在しよざいわかるやうに、其處そこにはわたくししろシヤツをいて目標めじるして、いきほひめて少年せうねんとも發足ほつそくした。
かく滿洲まんしうだの、哈爾賓ハルピンだのつて物騷ぶつさうところですね。ぼくなんだか危險きけんやう心持こゝろもちがしてならない」とつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
警備隊けいびたいから、驚破すはかけつけた兵員達へいゐんたちは、外套ぐわいたうなかつたのがおほいさうである。危險きけんをかして、あの暴風雨ばうふううなかを、電柱でんちうぢて、しとめたのであるといた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うなると日頃ひごろ探檢氣たんけんきしやうじて、危險きけんおもはず、さらおくはうすゝむと、如何いかに、足下あしもと大々蜈蜙だい/″\むかでがのたくツてる——とおもつたのはつかで、龕燈がんどうらしてると
假令たとひ監視かんしからのがれてをんな接近せつきんしたとしても、んだをんなじやうこはければ蛸壺たこつぼたこだまされるやうにころりとおと工夫くふうのつくまではをとこ忍耐にんたいむし危險きけんとをあわせてしのがねばらぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一方いつぽう屋外おくがい避難ひなんせんとする場合ばあひおいては、まだきらないうち家屋かおく倒潰とうかいし、しか入口いりぐちおほきな横木よこぎ壓伏あつぷくせられる危險きけんともなふことがある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
麹町かうぢまち番町ばんちやう火事くわじは、わたしたち鄰家りんか二三軒にさんげんが、みな跣足はだし逃出にげだして、片側かたがは平家ひらや屋根やねからかはら土煙つちけむりげてくづるゝ向側むかうがは駈拔かけぬけて、いくらか危險きけんすくなさうな、四角よつかどまがつた
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ゆゑ貴下きかが、吾等われらすくはんとて、いて危險きけんおかすがごときは、吾等われらふかうれふるところなり。
此時このとき探檢服たんけんふく輕裝けいさうで、龕燈がんどうたつさへてた。なかるのは危險きけんであらうが、龕燈がんどうひかりけて、入口いりくちから内部ないぶらしるには差支さしつかへなからうとかんがへ、單身たんしん横穴よこあな入口いりくちまですゝんだ。
二人ふたり同時どうじに、川岸かしへドンとんだ。曲角まがりかどに(危險きけんにつき注意ちうい)とふだつてゐる。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一人女ひとりをんな」「一人坊主ひとりばうず」は、暴風あれか、火災くわさいか、難破なんぱか、いづれにもせよ危險きけんありて、ふねおそふのてうなりと言傳いひつたへて、船頭せんどういたこれめり。其日そのひ加能丸かのうまる偶然ぐうぜんにん旅僧たびそうせたり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
重湯おもゆか、薄粥うすがゆあるひ麺麭パン少量せうりやうはれたけれども、汽車きしやで、そんなものはられなかつた。乘通のりとほしは危險きけんだから。……で、米原まいばらとまつたが、羽織はおりない少年せうねんには、かゆてくれぬ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それがもとこと破滅はめつりさうで、危險きけん不可いけない。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)