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其身
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そのみ
ふりがな文庫
“
其身
(
そのみ
)” の例文
將
(
しやう
)
、
命
(
めい
)
を
受
(
う
)
くるの
日
(
ひ
)
には
則
(
すなは
)
ち
其家
(
そのいへ
)
を
忘
(
わす
)
れ、
軍
(
ぐん
)
に
臨
(
のぞ
)
んで
約束
(
やくそく
)
すれば
則
(
すなは
)
ち
其親
(
そのしん
)
を
忘
(
わす
)
れ、
(一六)
枹鼓
(
ふこ
)
を
援
(
と
)
ること
急
(
きふ
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
其身
(
そのみ
)
を
忘
(
わす
)
る。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
其後
(
そののち
)
旗野は
此家
(
このや
)
に
住
(
すま
)
ひつ。先住の
室
(
しつ
)
が自ら
其身
(
そのみ
)
を封じたる一室は、不開室と
称
(
とな
)
へて、開くことを許さず、はた覗くことをも禁じたりけり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
譬
(
たと
)
へば、
吝嗇者
(
りんしょくもの
)
のやうに
貨
(
たから
)
は
夥
(
おびたゞ
)
しう
有
(
も
)
ってをっても、
正
(
たゞ
)
しう
用
(
もち
)
ふることを
知
(
し
)
らぬ、
姿
(
すがた
)
をも、
戀
(
こひ
)
をも、
分別
(
ふんべつ
)
をも、
其身
(
そのみ
)
の
盛飾
(
かざり
)
となるやうには。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
彼は左の手に蝋燭を持ち、右の手に岩を抱いて、辛くも
其身
(
そのみ
)
を支えているのであるから、
到底
(
とても
)
燐寸
(
まっち
)
を
擦
(
す
)
るべき余裕は無い。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
波浪を蹴つて進んで行く汽船の機関の
一呼吸
(
ひとこきふ
)
する
響毎
(
ひびきごと
)
に、自分の心は
其身
(
そのみ
)
と共に遠い未知の
境
(
さかひ
)
に運ばれて行く。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
其身
(
そのみ
)
が世の
名利
(
みやうり
)
に
拘
(
かゝ
)
はらねばなり、
此日
(
このひ
)
見
(
み
)
るもの
皆
(
みな
)
嬉
(
うれ
)
しく、人の
為
(
す
)
る
業
(
わざ
)
を
有難
(
ありがた
)
く
思
(
おも
)
ひしは、朝の心の
快濶
(
くわいくわつ
)
なりしうつりか、
其
(
その
)
飛々
(
とび/\
)
の
独
(
ひとり
)
笑
(
ゑ
)
み
隅田
(
すみだ
)
の
春光
(
しゆんくわう
)
今日
(
けふ
)
新
(
あたら
)
し。
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
失
(
うしな
)
ひしかば是非なく今は
麻布原町
(
あざぶはらまち
)
に
刻煙草
(
きざみたばこ
)
の小店を出し
其身
(
そのみ
)
は日々
糶賣
(
せりうり
)
をして女房に店は
任
(
まか
)
せ
漸々
(
やう/\
)
其日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
返事
(
へんじ
)
はなくて
吐息
(
といき
)
折々
(
おり/\
)
に
太
(
ふと
)
く
身動
(
みうご
)
きもせず
仰向
(
あほのき
)
ふしたる
心根
(
こゝろね
)
の
愁
(
つら
)
さ、
其身
(
そのみ
)
になつてもお
力
(
りき
)
が
事
(
こと
)
の
忘
(
わす
)
れられぬが、十
年
(
ねん
)
つれそふて
子供
(
こども
)
まで
儲
(
もう
)
けし
我
(
わ
)
れに
心
(
こゝろ
)
かぎりの
辛苦
(
くろう
)
をさせて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
今
(
いま
)
已
(
すで
)
に
其身
(
そのみ
)
の
死期
(
しき
)
に
迫
(
せま
)
つたのを
知
(
し
)
つて、イワン、デミトリチや、ミハイル、アウエリヤヌヰチや、
又
(
また
)
多數
(
おほく
)
の
人
(
ひと
)
の
靈魂不死
(
れいこんふし
)
を
信
(
しん
)
じてゐるのを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
し、
若
(
も
)
し
那樣事
(
そんなこと
)
が
有
(
あ
)
つたらばと
考
(
かんが
)
へたが
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
乱入
(
らんにふ
)
に
及
(
およ
)
びし
條
(
でう
)
、
其身
(
そのみ
)
の
懈怠
(
おこたり
)
に
因
(
よ
)
るものなり
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此度
其身
(
そのみ
)
の孝心を
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
説
(
と
)
く
所
(
ところ
)
、
實
(
じつ
)
は
厚利
(
こうり
)
を
爲
(
な
)
さんとして
顯
(
あらは
)
に
名高
(
めいかう
)
を
爲
(
な
)
す
者
(
もの
)
なるに、
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
くに
名高
(
めいかう
)
を
以
(
もつ
)
てせば、
則
(
すなは
)
ち
陽
(
あらは
)
に
其身
(
そのみ
)
を
收
(
をさ
)
めて
實
(
じつ
)
は
之
(
これ
)
を
疏
(
うと
)
んぜん。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
されば
外見
(
よそみ
)
には
大分限
(
だいぶげん
)
の
如
(
ごと
)
くなれど、
其實
(
そのじつ
)
清貧
(
せいひん
)
なることを
某
(
それがし
)
觀察仕
(
くわんさつつかまつ
)
りぬ。
此人
(
このひと
)
こそ
其身
(
そのみ
)
治
(
をさ
)
まりて
能
(
よく
)
家
(
いへ
)
の
治
(
をさ
)
まれるにこそ
候
(
さふら
)
はめ、
必
(
かなら
)
ず
治績
(
ちせき
)
を
擧
(
あ
)
げ
得
(
う
)
べくと
存
(
ぞん
)
じ
候
(
さふらふ
)
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
も廣げ
手代
(
てだい
)
丁稚
(
でつち
)
も
大勢
(
おほぜい
)
抱
(
かゝ
)
へ今は一
廉
(
かど
)
の身代となり向ふの加賀屋
衰
(
おとろ
)
へるに
引變
(
ひきかへ
)
彌々
(
いよ/\
)
繁昌なしけるが加賀屋四郎右衞門は茂兵衞方へ引
取
(
とら
)
れし
後
(
ご
)
其身
(
そのみ
)
病勝
(
やまひがち
)
の
上
(
うへ
)
老衰
(
らうすゐ
)
して漸々近所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
小利口
(
こりこう
)
なるは
狡
(
ず
)
るき
性根
(
せうね
)
をやしなうて
面
(
めん
)
かぶりの
大變
(
たいへん
)
ものに
成
(
なる
)
もあり、しやんとせし
氣性
(
きせう
)
ありて
人間
(
にんげん
)
の
質
(
たち
)
の
正直
(
せうぢき
)
なるは、すね
者
(
もの
)
の
部類
(
ぶるい
)
にまぎれて
其身
(
そのみ
)
に
取
(
と
)
れば
生涯
(
せうがい
)
の
損
(
そん
)
おもふべし
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
汝等
(
なんぢら
)
二
人
(
にん
)
の
由
(
よし
)
も
無
(
な
)
き
爭論
(
あらそひ
)
が
原
(
もと
)
となって、
同胞
(
どうばう
)
の
鬪諍
(
とうぢょう
)
既
(
すで
)
に
三度
(
みたび
)
に
及
(
およ
)
び、
市内
(
しない
)
の
騷擾
(
さうぜう
)
一方
(
ひとかた
)
ならぬによって、
當
(
たう
)
ヹローナの
故老共
(
こらうども
)
、
其身
(
そのみ
)
にふさはしき
老實
(
らうじつ
)
の
飾
(
かざり
)
を
脱棄
(
ぬぎす
)
て、
何
(
なん
)
十
年
(
ねん
)
と
用
(
もち
)
ひざりしため
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
一
人
(
にん
)
志
(
こゝろざ
)
しを
立
(
たて
)
て
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
に
其身
(
そのみ
)
をいたせば、
満都
(
まんと
)
の
人
(
ひと
)
皆
(
み
)
な動かされて梅の花さへ
余栄
(
よえい
)
を
得
(
え
)
たり、人は世に
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
るほどの
善事
(
よきこと
)
を
為
(
な
)
したきものなり、人は世に
効益
(
かうえき
)
を
与
(
あた
)
ふる
大人君子
(
たいじんくんし
)
に
向
(
むか
)
ひては
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
未
(
いま
)
だ
必
(
かなら
)
ずしも
(六四)
其身
(
そのみ
)
之
(
これ
)
を
泄
(
もら
)
さざるも、
而
(
しか
)
も((説者ノ))
語
(
ご
)
((適〻))
其
(
そ
)
の
匿
(
かく
)
す
所
(
ところ
)
の
事
(
こと
)
に
及
(
およ
)
ばんに、
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
者
(
もの
)
は
身
(
み
)
危
(
あやふ
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
女子
(
をなご
)
はあたりを
見廻
(
みまは
)
して
高
(
たか
)
く
笑
(
わら
)
ひぬ、
其身
(
そのみ
)
の
影
(
かげ
)
を
顧
(
かへり
)
みて
高
(
たか
)
く
笑
(
わら
)
ひぬ、
殿
(
との
)
、
我良人
(
わがをつと
)
、
我子
(
わがこ
)
、これや
何者
(
なにもの
)
とて
高
(
たか
)
く
笑
(
わら
)
ひぬ、
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
散亂
(
ちりみだ
)
れたる
文
(
ふみ
)
をあげて、やよ
殿
(
との
)
、
今
(
いま
)
ぞ
別
(
わか
)
れまゐらするなりとて
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
蒙りて
其身
(
そのみ
)
安泰
(
あんたい
)
なれ共何ぞ其罪の
報
(
むく
)
はざらんや
後々
(
のち/\
)
を見て恐るべし/\
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
若
(
も
)
し
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
くに
厚利
(
こうり
)
を
以
(
もつ
)
てせば、
則
(
すなは
)
ち
陰
(
ひそか
)
に
其言
(
そのげん
)
を
用
(
もち
)
ひて
顯
(
あらは
)
に
其身
(
そのみ
)
を
棄
(
す
)
てん。
此
(
これ
)
を
之
(
こ
)
れ
知
(
し
)
らざる
可
(
べ
)
からざるなり。
夫
(
そ
)
れ
事
(
こと
)
は
密
(
みつ
)
を
以
(
もつ
)
て
成
(
な
)
り、
語
(
ご
)
は
泄
(
も
)
るるを
以
(
もつ
)
て
敗
(
やぶ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
目鼻
(
めはな
)
だちの
何處
(
どこ
)
やらが
水子
(
みづこ
)
にて
亡
(
う
)
せたる
總領
(
そうりやう
)
によく
似
(
に
)
たりとて、
今
(
いま
)
はなき
人
(
ひと
)
なる
地主
(
ぢぬし
)
の
内儀
(
つま
)
に
可愛
(
かあい
)
がられ、はじめはお
大盡
(
だいじん
)
の
旦那
(
だんな
)
と
尊
(
たつと
)
びし
人
(
ひと
)
を、
父上
(
ちゝうへ
)
と
呼
(
よ
)
ぶやうに
成
(
な
)
りしは
其身
(
そのみ
)
の
幸福
(
しやわせ
)
なれども
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其身
(
そのみ
)
もほろりとし、
可愛
(
かあゆ
)
き
事
(
こと
)
いふて
泣
(
な
)
かし
給
(
たま
)
ふな、
鎌倉
(
かまくら
)
へ
行
(
ゆ
)
きて
歸
(
かへ
)
らぬとは
誰
(
た
)
れが
言
(
い
)
ひしか、
夫
(
それ
)
こそは
嘘
(
うそ
)
にて、
遂
(
つ
)
ひ
一寸
(
ちよつと
)
あそびに
行
(
ゆ
)
き、
其
(
その
)
うちに
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
まする
程
(
ほど
)
に、おとなしう
待
(
ま
)
ちて
給
(
たま
)
はれ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さは
言
(
い
)
へど
知
(
し
)
りがたきが
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
なれば
令孃
(
ひめ
)
にも
惡
(
わろ
)
き
虫
(
むし
)
などありて、
其身
(
そのみ
)
も
行
(
ゆ
)
きたく
親
(
おや
)
も
遣
(
や
)
りたけれど
嫁入
(
よめい
)
りの
席
(
せき
)
に
落花
(
らつくわ
)
の
狼藉
(
らうぜき
)
を
萬一
(
もし
)
と
氣
(
き
)
づかへば、
娘
(
むすめ
)
の
耻
(
はぢ
)
も
我
(
わ
)
が
耻
(
はぢ
)
も
流石
(
さすが
)
に
子爵
(
ししやく
)
どの
宜
(
よ
)
く
隱
(
か
)
くして
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これの
濟
(
す
)
までは
箸
(
はし
)
も
取
(
と
)
られず、一日
怠
(
おこた
)
る
事
(
こと
)
のあれば
終日
(
ひねもす
)
氣持
(
きもち
)
の
唯
(
たゞ
)
ならず、
物足
(
ものた
)
らぬやうに
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
るといふも、
聞
(
き
)
く
人
(
ひと
)
の
耳
(
みゝ
)
には
洒落者
(
しやれもの
)
の
蕩樂
(
だうらく
)
と
取
(
と
)
られぬべき
事
(
こと
)
、
其身
(
そのみ
)
に
成
(
な
)
りては
誠
(
まこと
)
に
詮
(
せん
)
なき
癖
(
くせ
)
をつけて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
住
(
す
)
みたしとならば
彼地
(
かしこ
)
に
住
(
す
)
ませ、
好
(
す
)
きな
琴
(
こと
)
でも
松風
(
まつかぜ
)
に
彈
(
ひ
)
き
合
(
あ
)
はし、
氣儘
(
きまヽ
)
に
暮
(
くら
)
させるが
切
(
せ
)
めてもと、
父君
(
ちヽぎみ
)
此處
(
こヽ
)
にお
許
(
ゆ
)
るしの
出
(
い
)
でければ、あまりとても
可愛想
(
かあいさう
)
のこと、よし
其身
(
そのみ
)
の
願
(
ねが
)
ひとて
彼
(
あ
)
の
樣
(
やう
)
な
遠
(
とほ
)
くに
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“其身”で始まる語句
其身外