トップ
>
空気
>
くうき
ふりがな文庫
“
空気
(
くうき
)” の例文
旧字:
空氣
近所
(
きんじょ
)
の
家
(
いえ
)
の二
階
(
かい
)
の
窓
(
まど
)
から、
光子
(
みつこ
)
さんの
声
(
こえ
)
が
聞
(
き
)
こえていた。そのませた、
小娘
(
こむすめ
)
らしい
声
(
こえ
)
は、
春先
(
はるさき
)
の
町
(
まち
)
の
空気
(
くうき
)
に
高
(
たか
)
く
響
(
ひび
)
けて
聞
(
き
)
こえていた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こうした
周囲
(
しゅうい
)
の
空気
(
くうき
)
は、
僕
(
ぼく
)
をして、
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
心
(
こころ
)
に
深
(
ふか
)
く
感
(
かん
)
じたいっさいを
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
ける
機会
(
きかい
)
をば、
永久
(
えいきゅう
)
にうしなわしてしまったのでした。
だれにも話さなかったこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あれでございますか、
文部省
(
もんぶせう
)
が
建
(
た
)
ちましたの、
空気
(
くうき
)
の
好
(
い
)
い
処
(
ところ
)
でなければならんと
仰
(
おつ
)
しやいまして、
森大臣
(
もりだいじん
)
さまが
入
(
い
)
らツしやいまして。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さういふ
天
(
てん
)
の
世界
(
せかい
)
にとゞくやうな、
空気
(
くうき
)
の
稀薄
(
うす
)
いところでは、あれあれといふ
間
(
ま
)
もなく、千
年
(
ねん
)
位
(
ぐらゐ
)
の
年月
(
としつき
)
が
流
(
なが
)
れてしまふさうだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
そのころ、
中津藩
(
なかつはん
)
の
空気
(
くうき
)
は
大
(
だい
)
の
西洋
(
せいよう
)
ぎらいでしたから、
諭吉
(
ゆきち
)
の
気持
(
きも
)
ちなどさっしてくれるものがないのも、むりはありません。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
▼ もっと見る
寒
(
さむ
)
く
感
(
かん
)
ずるのは
山
(
やま
)
が
深
(
ふか
)
いからではない。ここはもうそろそろ
天狗界
(
てんぐかい
)
に
近
(
ちか
)
いので、一
帯
(
たい
)
の
空気
(
くうき
)
が
自
(
おの
)
ずと
異
(
ちが
)
って
来
(
き
)
たのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「なんの
息
(
いき
)
って……。どういったらいいかなあ、
空気
(
くうき
)
の
息
(
いき
)
、
神様
(
かみさま
)
の
息
(
いき
)
、いろんなものの
息
(
いき
)
……ただ
息
(
いき
)
だよ」
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「おれの
姿
(
すがた
)
がおまえに見えないからって、おれは
怪
(
あや
)
しい
人間
(
にんげん
)
ではないんだ。ただわけがあっておれの姿は
空気
(
くうき
)
とおなじで、すきとおっていてだれにも見えないんだ」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
午後になって、いやに
蒸暑
(
むしあつ
)
い
空気
(
くうき
)
が
湛
(
たた
)
えた。
懶
(
ものう
)
い自然の気を感じて、眼ざとい鶴子が
昼寝
(
ひるね
)
した。掃き溜には、犬のデカがぐたりと寝て居る。芝生には、
猫
(
ねこ
)
のトラが
眠
(
ねむ
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
けれど、
五月雨
(
さみだれ
)
の
頃
(
ころ
)
とて、
淡青
(
ほのあを
)
い
空気
(
くうき
)
にへだてられたその
横顔
(
よこがほ
)
はほのかに
思
(
おも
)
ひうかぶ。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
音楽は
家
(
いえ
)
の
外
(
そと
)
にあるものなんだ、外で神様のさわやかな
空気
(
くうき
)
を
吸
(
す
)
う
時
(
とき
)
なんかに……。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「どうも、この家は
空気
(
くうき
)
が悪い。古
臭
(
くさ
)
い
空気
(
くうき
)
がたまるのだ。家を
変
(
かは
)
らう。家を。」
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
所
(
ところ
)
が、
丁度
(
ちょうど
)
私
(
わたし
)
もこの
節
(
せつ
)
、
暇
(
ひま
)
を
貰
(
もら
)
って、
異
(
かわ
)
った
空気
(
くうき
)
を
吸
(
す
)
いに
出掛
(
でか
)
けようと
思
(
おも
)
っている
矢先
(
やさき
)
、どうでしょう、一
所
(
しょ
)
に
付合
(
つきあ
)
っては
下
(
くだ
)
さらんか、そうして
旧事
(
ふるいこと
)
を
皆
(
みんな
)
忘
(
わす
)
れてしまいましょうじゃありませんか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
はじめはみんな
黙
(
だま
)
ってきいていたが、
少
(
すこ
)
したいくつになったので、お
経
(
きょう
)
を
知
(
し
)
っている
大人達
(
おとなたち
)
は、
庵主
(
あんじゅ
)
さんといっしょに
唱
(
とな
)
え
出
(
だ
)
した。
何
(
なん
)
だか
空気
(
くうき
)
がしめっぽくなった。まるでお
葬
(
とむら
)
いのような
気
(
き
)
がした。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
終日
(
ひもすがら
)
、わづらはしき
病室
(
びやうしつ
)
の
白葡萄酒
(
はくぶどうしゆ
)
の
如
(
ごと
)
き
空気
(
くうき
)
に
呼吸
(
こきふ
)
し
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
(これからこの
部屋
(
へや
)
の
空気
(
くうき
)
をかき
出
(
だ
)
してしまふ。)
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
空気
(
くうき
)
までが私たちの
愉快
(
ゆかい
)
な
常談
(
じょうだん
)
で笑い
笑いの歌
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ブレイク
(著)
「
先生
(
せんせい
)
が、
秋
(
あき
)
になると、
空気
(
くうき
)
が
澄
(
す
)
むから
近
(
ちか
)
く
見
(
み
)
えるのだといったよ。」と、
木
(
き
)
の
頂
(
いただき
)
が
天
(
てん
)
についていないと
反対
(
はんたい
)
した
子供
(
こども
)
はいいました。
木に上った子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
荒井城内
(
あらいじょうない
)
の十
幾年
(
いくねん
)
の
武家生活
(
ぶけせいかつ
)
……
随分
(
ずいぶん
)
楽
(
たの
)
しかった
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
の
種子
(
たね
)
もないではございませぬが、
何
(
なに
)
を
申
(
もう
)
してもその
頃
(
ころ
)
は
殺伐
(
さつばつ
)
な
空気
(
くうき
)
の
漲
(
みなぎ
)
った
戦国時代
(
せんごくじだい
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
部屋
(
へや
)
には、
冬
(
ふゆ
)
だというのに、あたたかな
空気
(
くうき
)
がほかほかとここちよくながれ、
部屋
(
へや
)
にもろうかにも、ガス
灯
(
とう
)
がいっぱいついていて、
夜
(
よる
)
もまるで
昼
(
ひる
)
のようにあかるいのです。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
からだじゅうを、オーバーとえりまきでしっかり
包
(
つつ
)
んで、ぼうしのつばをぐっとまぶかにおろし、
空気
(
くうき
)
にふれているところといったら、
寒
(
さむ
)
さで赤くなっている
鼻
(
はな
)
さきだけであった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
如何
(
いか
)
なれば
規則
(
きそく
)
はあっても、ここに
学問
(
がくもん
)
は
無
(
な
)
いのである。
哲学
(
てつがく
)
を
捨
(
すて
)
てしまって、
他
(
た
)
の
医師等
(
いしゃら
)
のように
規則
(
きそく
)
に
従
(
したが
)
って
遣
(
や
)
ろうとするのには、
第
(
だい
)
一に
清潔法
(
せいけつほう
)
と、
空気
(
くうき
)
の
流通法
(
りゅうつうほう
)
とが
欠
(
か
)
くべからざる
物
(
もの
)
である。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
土
(
つち
)
や
空気
(
くうき
)
や水のいぶき、または
闇
(
やみ
)
の中にうごめいてる、
飛
(
と
)
んだりはったり
泳
(
およ
)
いだりしている
小
(
ちい
)
さな
生物
(
いきもの
)
の、歌や
叫
(
さけ
)
びや音、または
晴天
(
せいてん
)
や雨の
前兆
(
ぜんちょう
)
、または
夜
(
よる
)
の
交響曲
(
シンフォニー
)
の
数
(
かぞ
)
えきれないほどの
楽器
(
がっき
)
など
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
空気
(
くうき
)
は甘し……また赤し……
黄
(
き
)
に……はた、
緑
(
みどり
)
……
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そういって、
弟
(
おとうと
)
のほうは、ポケットから、
三日月形
(
みかづきがた
)
に
折
(
お
)
りたたんだ、
紙製
(
かみせい
)
の
風船球
(
ふうせんだま
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して、
空気
(
くうき
)
をいれるべく、
吹
(
ふ
)
きました。
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
例
(
たと
)
えば
深
(
ふか
)
い
深
(
ふか
)
い
穴蔵
(
あなぐら
)
の
奥
(
おく
)
と
言
(
い
)
ったような
具合
(
ぐあい
)
で、
空気
(
くうき
)
がしっとりと
肌
(
はだ
)
に
冷
(
つめ
)
たく
感
(
かん
)
じられ、そして
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
に、
何
(
なに
)
やらうようよ
動
(
うご
)
いているものが
見
(
み
)
えるのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その
怪物
(
かいぶつ
)
の
姿
(
すがた
)
は、まるっきり
見
(
み
)
えないのである。すきとおっていて、ガラス、いや
空気
(
くうき
)
のように
透明
(
とうめい
)
なのだ。
諸君
(
しょくん
)
は、そんなことがあるもんか——と、いうだろう。だが、待ちたまえ!
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
空気
(
くうき
)
は
酸
(
すゆ
)
し……いま青し……
黄
(
き
)
に……なほ赤く……
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ふあんな
空気
(
くうき
)
がただよっていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
なんともいえない、なつかしいいい
香
(
かお
)
りが
夜
(
よる
)
の
空気
(
くうき
)
にしみ
渡
(
わた
)
っているのにつけて、
小太郎
(
こたろう
)
はほんとうのお
母
(
かあ
)
さんを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
けしの圃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
空気
(
くうき
)
は重し……また赤し……共に……はた
緑
(
みどり
)
……
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
くりのこげるにおいが、つめたいへやの
空気
(
くうき
)
へひろがりました。けれど
兄弟
(
きょうだい
)
は、
外
(
そと
)
のあらしに
気
(
き
)
をとられるので、おちつかなかったのです。
ペスときょうだい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
微
(
かす
)
かな
鉄分
(
てつぶん
)
をふくんだ
空気
(
くうき
)
に
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そして、それで
火
(
ひ
)
がきえてしまうのだ。なぜって、
両方
(
りょうほう
)
からの
火
(
ひ
)
で、
空気
(
くうき
)
があつくなって、まん
中
(
なか
)
の
空気
(
くうき
)
がなくなるからだ。
赤土へくる子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ほの青き
銀色
(
ぎんいろ
)
の
空気
(
くうき
)
に
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
健康
(
けんこう
)
の
人
(
ひと
)
の
住
(
す
)
む
世界
(
せかい
)
と、
病人
(
びょうにん
)
の
住
(
す
)
む
世界
(
せかい
)
と、もし二つの
世界
(
せかい
)
が
別
(
べつ
)
であるなら、それを
包
(
つつ
)
む
空気
(
くうき
)
、
気分
(
きぶん
)
、
色彩
(
しきさい
)
が、また
異
(
こと
)
なっているでありましょう。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こうして
耳
(
みみ
)
をすますと、
大海原
(
おおうなばら
)
の
波音
(
なみおと
)
のように、あるいは、かすかな
子守唄
(
こもりうた
)
のように、
都会
(
とかい
)
のうめきが、
穏
(
おだ
)
やかな
真昼
(
まひる
)
の
空気
(
くうき
)
を
伝
(
つた
)
ってくるのです。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ごしんせつに、ありがとうございます。
気
(
き
)
をつけます。」といって、みつばちは、
元気
(
げんき
)
よく、
朝
(
あさ
)
の
空気
(
くうき
)
の
中
(
なか
)
を、
羽
(
はね
)
を
鳴
(
な
)
らして
飛
(
と
)
んでゆきました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは、
野
(
の
)
にも、
山
(
やま
)
にも、
圃
(
はたけ
)
にも、
花
(
はな
)
という
花
(
はな
)
はあったし、やんわりとした
空気
(
くうき
)
には、
甘
(
あま
)
い
香
(
かお
)
りがただよっていた。
冬のちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おや、
花火
(
はなび
)
かな。」と、
眼鏡
(
めがね
)
をかけたおじさんは、
耳
(
みみ
)
をすましました。すると、ドーンドーンとつづいて、しずかな
空気
(
くうき
)
をやぶる
音
(
おと
)
がしたのでした。
どこかで呼ぶような
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ちらちらと
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
っては
消
(
き
)
え、
消
(
き
)
えてはまた
降
(
ふ
)
るというようなことが
重
(
かさ
)
なりました。その
後
(
あと
)
で
寒
(
さむ
)
い
寒
(
さむ
)
い、たたけば、
空気
(
くうき
)
も
鳴
(
な
)
りそうな
冬
(
ふゆ
)
となりました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太
(
ふと
)
い
繩
(
なわ
)
で、
鉄槌
(
てっつい
)
を
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げて、
打
(
う
)
ち
落
(
お
)
とすたびに、トーン、トーンというめり
込
(
こ
)
むような
響
(
ひび
)
きが、あたりの
空気
(
くうき
)
を
震動
(
しんどう
)
して、
遠
(
とお
)
くへ
木霊
(
こだま
)
していました。
白い雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おじいさんも、このごろ、こんなような
日
(
ひ
)
がつづきました。
戸外
(
こがい
)
は、
秋日和
(
あきびより
)
で、
空気
(
くうき
)
がすんでいて、はるかのふもとを
通
(
とお
)
る
汽車
(
きしゃ
)
の
音
(
おと
)
が、よくきこえてきます。
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そんなことうそさ、
暖
(
あたた
)
かい
空気
(
くうき
)
と
冷
(
つめ
)
たい
空気
(
くうき
)
の
作用
(
さよう
)
で
台風
(
たいふう
)
ができるんだと、
学校
(
がっこう
)
の
先生
(
せんせい
)
がいっていたよ。」
台風の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
暗
(
くら
)
い
塔
(
とう
)
の
中
(
なか
)
は、
冷
(
つめ
)
たい、しめった
空気
(
くうき
)
がみなぎっていました。また
階段
(
かいだん
)
には、
人
(
ひと
)
の
骨
(
ほね
)
だか、
獣物
(
けもの
)
の
骨
(
ほね
)
だかわからぬようなものが、
散
(
ち
)
らばっていたりしました。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そうかなあ、
空気
(
くうき
)
が
澄
(
す
)
んでいるんだね。」と、まだ
知
(
し
)
らない
北国
(
ほっこく
)
をふしぎなところのように
思
(
おも
)
うのでした。
さか立ち小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
酒
(
さけ
)
と
脂
(
あぶら
)
のにおいが、
周囲
(
しゅうい
)
の
壁
(
かべ
)
や、
器物
(
きぶつ
)
にしみついていて、
汚
(
よご
)
れたガラス
窓
(
まど
)
から
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
む
光線
(
こうせん
)
が
鈍
(
にぶ
)
る
上
(
うえ
)
に、たばこの
煙
(
けむり
)
で、いつも
空気
(
くうき
)
がどんよりとしていました。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
男
(
おとこ
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えなくなったときには、
草花
(
くさばな
)
だけが、やはりもとのように、
夜
(
よる
)
の
空気
(
くうき
)
の
中
(
なか
)
に
香
(
にお
)
っていました。
月夜と眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、とうとう、
空
(
そら
)
へ
舞
(
ま
)
い
上
(
あ
)
がって、
庭
(
にわ
)
の
上
(
うえ
)
を
一
(
ひと
)
まわりしたかとみると、あちらの
高
(
たか
)
い
木
(
き
)
を
目
(
め
)
がけて、
懸命
(
けんめい
)
に、
傷
(
きず
)
ついた
羽
(
はね
)
で
空気
(
くうき
)
を
刻
(
きざ
)
みながら
飛
(
と
)
んでいきました。
自由
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのうち、シュッと、するどく
空気
(
くうき
)
を
切
(
き
)
って、たまの
飛
(
と
)
ぶ
音
(
おと
)
がしました。いままで
鳴
(
な
)
いていた
鳥
(
とり
)
の
声
(
こえ
)
はやんで、
同時
(
どうじ
)
に、なにか、ぱたりと
下
(
した
)
へ
落
(
お
)
ちたのでありました。
すずめを打つ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“空気”で始まる語句
空気銃
空気草履
空気兜
空気合
空気枕
空気服
空気洞
空気焔
空気窓
空気の精