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ぜんたい
ふりがな文庫
“
全体
(
ぜんたい
)” の例文
旧字:
全體
ことに
去年
(
きょねん
)
からのここら
全体
(
ぜんたい
)
の
旱魃
(
かんばつ
)
でいま外へ
遊
(
あそ
)
んで歩くなんてことはとなりやみんなへ
悪
(
わる
)
くてどうもいけないということを云った。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
しかし
外面
(
おもて
)
から
見
(
み
)
たのとは
違
(
ちが
)
って、
内部
(
なか
)
はちっとも
暗
(
くら
)
いことはなく、ほんのりといかにも
落付
(
おちつ
)
いた
光
(
ひか
)
りが、
室
(
へや
)
全体
(
ぜんたい
)
に
漲
(
みなぎ
)
って
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
春
(
はる
)
になると、
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
きました。ちょうどその
国
(
くに
)
全体
(
ぜんたい
)
が
花
(
はな
)
で
飾
(
かざ
)
られるようにみえました。
夏
(
なつ
)
になると、
青葉
(
あおば
)
でこんもりとしました。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
あ
)
の
坊主
(
ばうず
)
は
妙
(
めう
)
な事を
云
(
い
)
ふて、人の見て
居
(
ゐ
)
る
前
(
まい
)
では物が
喰
(
く
)
はれないなんて、
全体
(
ぜんたい
)
アノ
坊主
(
ばうず
)
は
大変
(
たいへん
)
に
吝
(
けち
)
で
金
(
かね
)
を
溜
(
ため
)
る
奴
(
やつ
)
だと
云
(
い
)
ふ事を聞いて
居
(
ゐ
)
るが
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この
感覚
(
かんかく
)
の
中
(
うち
)
において
人生
(
じんせい
)
全体
(
ぜんたい
)
が
含
(
ふく
)
まっているのです。これを
苦
(
く
)
にすること、
悪
(
にく
)
むことは
出来
(
でき
)
ます。が、これを
軽蔑
(
けいべつ
)
することは
出来
(
でき
)
んです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
山
(
やま
)
全体
(
ぜんたい
)
が
動
(
うご
)
いたやうだつた。
急
(
きふ
)
に
四辺
(
あたり
)
が
薄暗
(
うすくら
)
くなり、
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
けるやうな
冷
(
つめた
)
い
風
(
かぜ
)
の
唸
(
うな
)
りが
起
(
おこ
)
つてきたので、
驚
(
おどろ
)
いたラランは
宙返
(
ちうがへ
)
りしてしまつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
製作
(
せいさく
)
に付きては内部の
充實
(
じうじつ
)
したる物と
空虚
(
くうきよ
)
なる物との二種有り
形式
(
けいしき
)
に付きては
全体
(
ぜんたい
)
に
太
(
ふと
)
りたる物と前後より
押
(
お
)
し平めたるが如き物との二種有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
地気天に
上騰
(
のぼり
)
形
(
かたち
)
を
為
(
なし
)
て雨○雪○
霰
(
あられ
)
○
霙
(
みぞれ
)
○
雹
(
ひよう
)
となれども、
温気
(
あたゝかなるき
)
をうくれば水となる。水は地の
全体
(
ぜんたい
)
なれば
元
(
もと
)
の地に
皈
(
かへる
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「ああ、」とお
父
(
とう
)
さんが
言
(
い
)
った。「それは
本当
(
ほんとう
)
に
困
(
こま
)
ったね。
全体
(
ぜんたい
)
、おれに
黙
(
だま
)
って
行
(
い
)
くなんてことはありやしない。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
全体
(
ぜんたい
)
誰に頼まれた訳でもなく、誰
誉
(
ほ
)
めてくれる訳でもなく、何を苦しんで
斯様
(
こんな
)
事
(
こと
)
をするのか、と内々
愚痴
(
ぐち
)
をこぼしつゝ、必要に迫られては
渋面
(
じゅうめん
)
作って朝々通う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
全体
(
ぜんたい
)
、
箱根
(
はこね
)
でも、
塩原
(
しほばら
)
でも、
或
(
あるひ
)
は
木曾
(
きそ
)
の
桟橋
(
かけはし
)
でも、
実際
(
じつさい
)
にしろ、
絵
(
ゑ
)
にせよ、
瑠璃
(
るり
)
を
灌
(
そゝ
)
ぎ、
水銀
(
すゐぎん
)
を
流
(
なが
)
す
渓流
(
けいりう
)
を、
駕籠
(
かご
)
、
車
(
くるま
)
で
見
(
み
)
て
行
(
ゆ
)
くのは、
樵路
(
せうろ
)
、
桟道
(
さんだう
)
、
高
(
たか
)
い
処
(
ところ
)
で
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
全体
(
ぜんたい
)
誰
(
だれ
)
に頼まれた訳でもなく、
誰
(
たれ
)
誉
(
ほ
)
めてくれる訳でもなく、何を苦しんで
斯様
(
こん
)
な事をするのか、と
内々
(
ない/\
)
愚痴
(
ぐち
)
をこぼしつゝ、必要に迫られては
渋面
(
じふめん
)
作
(
つく
)
つて
朝々
(
あさ/\
)
通
(
かよ
)
ふ。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
學士
(
がくし
)
眉
(
まゆ
)
を
皺
(
しは
)
めて
夫
(
そ
)
れは
困
(
こま
)
つたもの、
全体
(
ぜんたい
)
が
健康
(
じようぶ
)
といふ
質
(
たち
)
でなければ
時候
(
じこう
)
の
替
(
かは
)
り
目
(
め
)
などは
殊
(
こと
)
さら
注意
(
ちうい
)
せねば
惡
(
わ
)
るし、お
民
(
たみ
)
どの
不養生
(
ふやうじよう
)
をさせ給ふな、さてと
我
(
わ
)
れも
急
(
きう
)
に
白羽
(
しらは
)
の
矢
(
や
)
が
立
(
た
)
ちて
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
で
全体
(
ぜんたい
)
を
綜合
(
そうがふ
)
した
処
(
ところ
)
で、
私
(
わたし
)
の
頭
(
あたま
)
に
残
(
のこ
)
つた
印象
(
いんしやう
)
と
云
(
い
)
ふのは——
初
(
はじ
)
めての
出会
(
であひ
)
は
小川町
(
をがはちやう
)
あたりの
人込
(
ひとごみ
)
のなかであつたらしく、
女
(
をんな
)
の
袖
(
そで
)
へ
名刺
(
めいし
)
でも
投込
(
なげこ
)
んだのが
抑
(
そもそ
)
もの
発端
(
はじまり
)
で、二
度目
(
どめ
)
に
同
(
おな
)
じ
通
(
とほり
)
で
会
(
あ
)
つたとき
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
というひびきが、
列車
(
れっしゃ
)
全体
(
ぜんたい
)
をつつむようにとどろきわたった。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
「おおむぞやな。な。何ぼが
泣
(
な
)
いだがな。さあさあ
団子
(
だんご
)
たべろ。食べろ。な。今こっちを焼ぐがらな。
全体
(
ぜんたい
)
何処
(
どこ
)
まで行ってだった。」
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
へーえ、
夫
(
それ
)
は
旨
(
うま
)
い事を考へたが、
全体
(
ぜんたい
)
幾許
(
いくら
)
置いて
来
(
き
)
たんだ。レ「ア、
金
(
かね
)
の
勘定
(
かんぢやう
)
を
仕
(
し
)
ずに
来
(
き
)
た……
夫
(
それ
)
では
何
(
なん
)
にもなりませぬ。 ...
(洋)金の勘定を仕ずに来た
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
失敬
(
しっけい
)
な!』と、
一言
(
ひとこと
)
呌
(
さけ
)
ぶなりドクトルは
窓
(
まど
)
の
方
(
ほう
)
に
身
(
み
)
を
退
(
よ
)
け。『
全体
(
ぜんたい
)
貴方々
(
あなたがた
)
はこんな
失敬
(
しっけい
)
なことを
言
(
い
)
っていて、
自分
(
じぶん
)
では
気
(
き
)
が
着
(
つ
)
かんのですか。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ただ
海
(
うみ
)
に一
艘
(
そう
)
の
漁船
(
ぎょせん
)
もなく、
又
(
また
)
陸
(
おか
)
に一
軒
(
けん
)
の
人家
(
じんか
)
も
見
(
み
)
えないのが
現世
(
げんせ
)
と
異
(
ちが
)
っている
点
(
てん
)
で、それが
為
(
た
)
めに
何
(
なに
)
やら
全体
(
ぜんたい
)
の
景色
(
けしき
)
に
夢幻
(
ゆめまぼろし
)
に
近
(
ちか
)
い
感
(
かん
)
じを
与
(
あた
)
えました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
石錐
石鏃
(
せきぞく
)
の
類品
(
るゐひん
)
にして、
全体
(
ぜんたい
)
棒
(
ぼう
)
の形を成せる物有り、又一方のみ棒の形を成し一端は
杓子
(
しやくし
)
の如くに
膨
(
ふく
)
らみたる物有り。
是等
(
これら
)
は
錐
(
きり
)
の用を爲せしものなるべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
食物
(
しょくもつ
)
に
困
(
こま
)
るときは、
美代子
(
みよこ
)
の
家
(
うち
)
一
軒
(
けん
)
ばかりのことでなく、
町
(
まち
)
全体
(
ぜんたい
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
困
(
こま
)
ることですから、いつまでも
食物
(
しょくもつ
)
がこなくて、すまされるわけはありませんでした。
ごみだらけの豆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
西蔵
(
チベット
)
は
世界
(
せかい
)
の
屋根
(
やね
)
といはれてゐるほどで、
国
(
くに
)
全体
(
ぜんたい
)
が
高
(
たか
)
い
山々
(
やまやま
)
の
連
(
つらな
)
りだ。その
山々
(
やまやま
)
の
中
(
なか
)
でも
群
(
ぐん
)
を
抜
(
ぬ
)
いて
高
(
たか
)
く、
西蔵
(
チベット
)
の
屋根
(
やね
)
ともいはれるのが、
印度
(
インド
)
との
国境
(
こくきやう
)
に
跨
(
またが
)
るヱヴェレスト
山
(
ざん
)
である。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
全体
(
ぜんたい
)
少しも
腐
(
くさら
)
ず、
形
(
かたち
)
今の船に
異
(
ことな
)
るのみならず、
金具
(
かなぐ
)
を用うべき処みな
鯨
(
くぢら
)
の
髭
(
ひげ
)
を用ひて
寸鉄
(
すんでつ
)
をもほどこしたる処なし。木もまた何の木なるを
弁
(
べん
)
ずる者なく、おそらくは
異国
(
いこく
)
の船ならんといへりとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
如何
(
いかん
)
となれば、
人間
(
にんげん
)
全体
(
ぜんたい
)
は、
餓
(
うえ
)
だとか、
寒
(
さむさ
)
だとか、
凌辱
(
はずかし
)
めだとか、
損失
(
そんしつ
)
だとか、
死
(
し
)
に
対
(
たい
)
するハムレット
的
(
てき
)
の
恐怖
(
おそれ
)
などの
感覚
(
かんかく
)
から
成立
(
なりた
)
っているのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
第三の
土偶
(
どぐう
)
は面の上下共凹みたる
線
(
せん
)
にて界されたれど、
全体
(
ぜんたい
)
の形状境界の
位置共
(
ゐちとも
)
他の土偶と
等
(
ひと
)
しくして、示す所は同じく頭巾の
縁
(
へり
)
にて面の上下を
覆
(
お
)
ひたる形と思はる。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
また、
波
(
なみ
)
は、この
島
(
しま
)
全体
(
ぜんたい
)
を
隠
(
かく
)
してしまおうとするように、そして、なにもかもいっさいを
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
大
(
おお
)
きな
海
(
うみ
)
の
口
(
くち
)
へ、のみ
込
(
こ
)
んでしまおうとするようにみられたのでした。
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(私は
全体
(
ぜんたい
)
何をたずねてこんな
気圏
(
きけん
)
の上の方、きんきん
痛
(
いた
)
む空気の中をあるいているのか。)
インドラの網
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
全体
(
ぜんたい
)
少しも
腐
(
くさら
)
ず、
形
(
かたち
)
今の船に
異
(
ことな
)
るのみならず、
金具
(
かなぐ
)
を用うべき処みな
鯨
(
くぢら
)
の
髭
(
ひげ
)
を用ひて
寸鉄
(
すんでつ
)
をもほどこしたる処なし。木もまた何の木なるを
弁
(
べん
)
ずる者なく、おそらくは
異国
(
いこく
)
の船ならんといへりとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
須利耶さまは
奥
(
おく
)
さまとご
相談
(
そうだん
)
で、何と名前をつけようか、三、四日お考えでございましたが、そのうち、話はもう
沙車
(
さしゃ
)
全体
(
ぜんたい
)
にひろがり、みんなは子供を雁の童子と
呼
(
よ
)
びましたので
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あの
枝
(
えだ
)
に
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
くのは、いつのことか。」と、ちらちらと
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
る
日
(
ひ
)
に、
外
(
そと
)
をながめながら
思
(
おも
)
ったのが、はや、くっきりと
枝
(
えだ
)
全体
(
ぜんたい
)
にうす
紅色
(
べにいろ
)
を
帯
(
お
)
びて、さんご
樹
(
じゅ
)
を
見
(
み
)
るような
気
(
き
)
がするのです。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「まあそうですね。しかしひばりのことなどはまあどうなろうと
構
(
かま
)
わないではありませんか。
全体
(
ぜんたい
)
ひばりというものは小さなもので、空をチーチクチーチク
飛
(
と
)
ぶだけのもんです。」
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
からだは
全体
(
ぜんたい
)
が、
細
(
ほそ
)
く
黒
(
くろ
)
かったけれど、
目
(
め
)
だけは、
光
(
ひか
)
っていました。
雪だるま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうかと思うと水色の
焔
(
ほのお
)
が玉の
全体
(
ぜんたい
)
をパッと
占領
(
せんりょう
)
して、
今度
(
こんど
)
はひなげしの花や、黄色のチュウリップ、
薔薇
(
ばら
)
やほたるかずらなどが、
一面
(
いちめん
)
風にゆらいだりしているように見えるのです。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
今日も
眼
(
め
)
をパチパチやらかしてますよ、僕のあなたに物を言ってるのはわかっていても、何を言ってるのか風でいっこう聞こえないんですよ、けれども
全体
(
ぜんたい
)
、あなたに聞こえてるんですか
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
全体
(
ぜんたい
)
、竜というものはねむるあいだは形が
蛇
(
へび
)
のようになるのです。
手紙 一
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
全体
(
ぜんたい
)
駄目
(
だめ
)
です。どいつも
満足
(
まんぞく
)
の手のあるやつはありません。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
全体
(
ぜんたい
)
どごさ行ぐのだべ。」
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
全体
(
ぜんたい
)
誰
(
だれ
)
がたべるのだ
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“全体”の解説
全体(ぜんたい)とは、ある特定の事物を残らず集め、何も欠けていないその事物のこと。全部、総体、全てともいう。
(出典:Wikipedia)
全
常用漢字
小3
部首:⼊
6画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“全体”で始まる語句
全体性