かひ)” の例文
なぎさつきに、うつくしきかひいて、あの、すら/\とほそけむりの、あたかかもめしろかげみさきくがごとおもはれたのは、記憶きおくかへつたのである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ホヽいやだよ此人このひとは、しゞみかひごとべてさ……あれさお刺身さしみをおかつこみでないよ。梅「へえ……あゝ心持こゝろもちになつた。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
また骨角器以外こつかくきいがい貝殼かひがらつくつた器物きぶつもないではありませんが、それはおも裝飾そうしよくもちひられたもので、なかでも一番いちばんおほいものはかひ腕輪うでわであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
貝塚土器かひづかどき破片はへんが、わづかに二三ぺん見出みいだされたが、かひ分量ぶんりやうから比較ひかくしてると、何億萬分なんおくまんぶんいちといふくらゐしかにあたらぬ)
もとより意識して私はおさやんの帯でかひくちを結んでうしろへ廻しましたそしておさやんの気の附かないうちにまた解いて置かうと思つて居ます所へもうおさやんが出て来ました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
篠掛すゞかけ 摺袴すりはかま 磨紫金ましきん 兜巾ときん かひ 貝詰かひつめ 護摩刀ごまたう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
人間は丸木舟のからに乗つてわしかひだ。
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
阿古屋あこやかひつら
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
には、きよらかな白歯しらはたまふ、真珠しんじゆふ、かひふ。……いま、ちらりと微笑ほゝえむやうな、口元くちもとるゝは、しろはな花片はなびらであつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると人足にんそくの一にんか『かひところ此所こゝばかりぢやアりません。御門ごもんはいつて右手みぎて笹山さゝやまうしろところにも、しろかひ地面ちめんます』と報告ほうこくした。
それからして石器時代せつきじだい人間にんげんかひさかなほかに、おもゐのしゝだとか鹿しかだとかをりして食料しよくりようにしてゐたことがられます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
帯は黒い毛繻子けじゆすのくけ帯をかひくちに結んで居ました。紺木綿こんもめんの前掛をして居ました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
かひひろはん莫告藻なのりそ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
いで、戰場せんぢやうのぞときは、雜兵ざふひやういへど陣笠ぢんがさをいたゞく。峰入みねいり山伏やまぶしかひく。時節じせつがら、やり白馬しろうまといへば、モダンとかいふをんなでも金剛杖こんがうづゑがひととほり。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みな成熟せいじゆくしたかひばかりで、未成熟みせいじゆくのものがなく、また二枚貝にまいがひ一方いつぽうだけのものがおほいことなどがわかりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
たん以上いじやうかひつてはこしてある。其跡そのあとからは清水しみづ湧出ゆうしゆつして、たゞちにほどひくくなつてる。此所こゝ貝塚かひづかがあらうとは、今日けふまでらなかつた。
いまときかひひゞく
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
むしのやうだとつたが、あゝ、一層いつそ、くづれたかべひそんだ、なみ巖間いはまかひる。——これおもふと、おほいなるみやこうへを、つてつて歩行あるいた人間にんげん大膽だいたんだ。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
難有ありがたいと、それをかばんれてると、ふるひかひつて女土方をんなどかたが、ちいさなこゑで。
臺所だいどころ豪傑儕がうけつばら座敷方ざしきがた僭上せんじやう榮耀榮華えいえうえいぐわいきどほりはつし、しやて、緋縮緬小褄ひぢりめんこづままへ奪取ばひとれとて、竈將軍かまどしやうぐん押取おつとつた柄杓ひしやく采配さいはい火吹竹ひふきだけかひいて、鍋釜なべかま鎧武者よろひむしや
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにたかとひながらも、を四はうくばつてると、掘出ほりだしたかひは、一々いち/\ふるひふるつて、かひかひだけとして、やまごとんである。破片はへん其所此所そこここ散亂さんらんしてる。むね土器々々どき/\である。
さんぬるとし中泉なかいづみから中尊寺ちうそんじまうでた六ぐわつのはじめには、細流さいりうかげ宿やどして、山吹やまぶきはなの、かたかひきざめるがごといたのをた。かれつめた黄金わうごんである。これあたゝかき瑠璃るりである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは、二十つぼばかりの貝殼かひがらを、のこらず綺麗きれい取出とりだして、やぶはうはこび、其所そこ綺麗きれいに、かひかひいしいしつちつちと、ふるひけてあるにかゝはらず、石器せききも、土器どきも、獸骨じうこつも、なにらね。
くさむしれ、馬鈴薯じやがいもれ、かひけ、で、げつくやうな炎天えんてんよる毒蛇どくじやきり毒蟲どくむしもやなかを、鞭打むちう鞭打むちうち、こき使つかはれて、三月みつき半歳はんとし一年いちねんうちには、大方おほかたんで
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
泥土でいど混亂こんらんく、かひいろゆきごとしろく、合貝あひかひて、灰層くわいそうり、うしてなか/\ふかい。『有望々々いうぼう/\』とよばはりながら、水谷氏みづたにしぼくとはあなならべてすゝんだが、珍品ちんぴんらしいものにほひもせぬ。
せめては狩衣かりぎぬか、相成あひなるべくは、緋縅ひをどしよろひ……とがつくと、暑中伺しよちううかゞひに到来たうらい染浴衣そめゆかたに、羽織はおりず、かひくちよこつちよに駕籠かごすれして、ものしさうに白足袋しろたび穿いたやつ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
方々かた/″\様子やうすみなほゞわかつた、いづれも、それ/″\お役者やくしやである。が、白足袋しろたびだつたり、浴衣ゆたかでしよたれたり、かひくちよこつちよだつたり、口上こうじやう述損のべそこなつたり……一たいそれはなにものだい。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かつらならではとゆるまでにゆひなしたる圓髷まるまげに、珊瑚さんご六分玉ろくぶだまのうしろざしをてんじた、冷艷れいえんたぐふべきなきと、こゝの名物めいぶつだとく、ちひさなとこぶしを、あをく、銀色ぎんしよくかひのまゝかさねた鹽蒸しほむしさかな
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)