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映
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えい
ふりがな文庫
“
映
(
えい
)” の例文
あなた
方
(
がた
)
がそれを
受
(
う
)
け
入
(
い
)
れるか、
入
(
い
)
れないかは
全
(
まった
)
く
別
(
べつ
)
として、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
に
映
(
えい
)
じたままを
率直
(
あからさま
)
に
述
(
の
)
べて
見
(
み
)
ることに
致
(
いた
)
します。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其頃
(
そのころ
)
の
宗助
(
そうすけ
)
は
今
(
いま
)
と
違
(
ちが
)
つて
多
(
おほ
)
くの
友達
(
ともだち
)
を
持
(
も
)
つてゐた。
實
(
じつ
)
を
云
(
い
)
ふと、
輕快
(
けいくわい
)
な
彼
(
かれ
)
の
眼
(
め
)
に
映
(
えい
)
ずる
凡
(
すべ
)
ての
人
(
ひと
)
は、
殆
(
ほと
)
んど
誰彼
(
だれかれ
)
の
區別
(
くべつ
)
なく
友達
(
ともだち
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから、くる/\と
卷
(
ま
)
いてポケツトにさし込んで來た
週
(
しう
)
刊
雜誌
(
ざつし
)
をひろげて、この春に來る外國
映
(
えい
)
畫のスチルを
眺
(
なが
)
めはじめた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
春星
(
しゆんせい
)
影
(
かげ
)
よりも
微
(
かすか
)
に空を
綴
(
つゞ
)
る。
微茫月色
(
びばうげつしよく
)
、花に
映
(
えい
)
じて、
密
(
みつ
)
なる枝は月を
鎖
(
とざ
)
してほの
闇
(
くら
)
く、
疎
(
そ
)
なる
一枝
(
いつし
)
は月にさし出でゝほの白く、
風情
(
ふぜい
)
言ひ
尽
(
つく
)
し
難
(
がた
)
し。
花月の夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
彼等は無数の人々の視線の彼等の背中に集まるのを感じた。いや、彼等の心臓さえはっきりと人目に
映
(
えい
)
ずるのを感じた。
早春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
さういふ
村落
(
むら
)
を
包
(
つゝ
)
んで
其處
(
そこ
)
にも
雜木林
(
ざふきばやし
)
が一
帶
(
たい
)
に
赭
(
あか
)
くなつて
居
(
ゐ
)
る。
他
(
た
)
に
先立
(
さきだ
)
つて
際
(
きは
)
どく
燃
(
も
)
えるやうになつた
白膠木
(
ぬるで
)
の
葉
(
は
)
が
黒
(
くろ
)
い
土
(
つち
)
と
遠
(
とほ
)
く
相
(
あひ
)
映
(
えい
)
じて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ここでは親も狐、子も狐であって、しかも静と忠信狐とは主従のごとく書いてありながら、やはり見た眼は恋人同士の道行と
映
(
えい
)
ずるように
工
(
たく
)
まれている。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
けれど、
鳥
(
とり
)
の
飛
(
と
)
んでゆくかなたの
空
(
そら
)
だけは、
明
(
あか
)
るい、なんとなくなつかしい
色
(
いろ
)
を、
瞳
(
ひとみ
)
に
映
(
えい
)
じたのでありました。
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんなわけだから、
一眼
(
いちがん
)
になって異常な視神経の発達により、普通の人には
到底
(
とうてい
)
見えない赤外線までが、アリアリと彼女の
網膜
(
もうまく
)
には
映
(
えい
)
ずるようになったのだ。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
雪
(
ゆき
)
はいよ/\
降
(
ふ
)
り
積
(
つも
)
るとも
歇
(
や
)
むべき
氣色
(
けしき
)
少
(
すこ
)
しも
見
(
み
)
えず
往來
(
ゆきゝ
)
は
到底
(
とても
)
なきことかと
落膽
(
らくたん
)
の
耳
(
みゝ
)
に
嬉
(
うれ
)
しや
足音
(
あしおと
)
辱
(
かたじけな
)
しと
顧
(
かへり
)
みれば
角燈
(
かくとう
)
の
光
(
ひか
)
り
雪
(
ゆき
)
に
映
(
えい
)
じ
巡囘
(
じゆんくわい
)
の
査公
(
さこう
)
怪
(
あや
)
しげに
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その上、彼女の眼には私の
人柄
(
ひとがら
)
や身分や話が如何にも怪しく
映
(
えい
)
じたに違ひなかつた。彼女は頭を振つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
元日が最もはげしく、暮れたばかりの夜空に、さながら幾千百の
銀蛇
(
ぎんだ
)
が尾をひくように絢爛と
流星
(
りゅうせい
)
が乱れ散り、約四
半時
(
はんどき
)
の間、
光芒
(
こうぼう
)
相
(
あい
)
映
(
えい
)
じてすさまじいほどの光景だった。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
西行は、灰の白さと、真っ赤な火の、
映
(
えい
)
じ合う美しさに、うっとりしていたが、面をあげて
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの
甘
(
あま
)
くして
柔
(
やはら
)
かく、
忽
(
たちま
)
ちにして
冷淡
(
れいたん
)
な
無頓着
(
むとんちやく
)
な運命の手に
弄
(
もてあそ
)
ばれたい、と
云
(
い
)
ふ
止
(
や
)
み
難
(
がた
)
い空想に
駆
(
か
)
られた。空想の
翼
(
つばさ
)
のひろがるだけ、春の青空が以前よりも青く広く目に
映
(
えい
)
じる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
斷崖
(
だんがい
)
の
上
(
うへ
)
の
欄干
(
らんかん
)
に
凭
(
もた
)
れて
憩
(
いこ
)
つた
折
(
をり
)
から、
夕颪
(
ゆふおろし
)
颯
(
さつ
)
として、
千仭
(
せんじん
)
の
谷底
(
たにそこ
)
から、
瀧
(
たき
)
を
空状
(
そらざま
)
に、もみぢ
葉
(
ば
)
を
吹上
(
ふきあ
)
げたのが
周圍
(
しうゐ
)
の
林
(
はやし
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
誘
(
さそ
)
つて、
滿山
(
まんざん
)
の
紅
(
くれなゐ
)
の、
且
(
か
)
つ
大紅玉
(
だいこうぎよく
)
の
夕陽
(
ゆふひ
)
に
映
(
えい
)
じて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
前日来の
艱酸
(
かんさん
)
と
辛労
(
しんろう
)
とは茫乎として
転
(
うた
)
た
夢
(
ゆめ
)
の如し、一行皆沼岸に
坐
(
ざ
)
して
徐
(
おもむ
)
ろに風光を
賞嘆
(
しやうたん
)
して
已
(
や
)
まず、
遠
(
とほ
)
く対岸を
見渡
(
みわた
)
せば無人の一小板屋
忽
(
たちま
)
ち双眼鏡裡に
映
(
えい
)
じ来る、其
距離
(
きより
)
凡そ二里
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
かく精神は落ち着き、自覚したのちでも
化物
(
ばけもの
)
の
形
(
かたち
)
がハッキリと目に
映
(
えい
)
じていた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
かれの眼に
映
(
えい
)
じた大河無門と荒田老とは、まさに場内の
好一対
(
こういっつい
)
であった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
他の一部の人達にとりて、
此等
(
これら
)
の通信は単に珍らしいものというにとどまり、又或る人達の眼には、単なる愚談と
映
(
えい
)
ずるであろう。私は決して一般の歓迎を期待して、本書の刊行をするものではない。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
其単純な眼に
映
(
えい
)
じた第一印象の実録である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
歌麿の目に
映
(
えい
)
じた。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼
(
かれ
)
の
読
(
よ
)
んでゐるものは、活字の
集合
(
あつまり
)
として、ある意味を以て、
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
に
映
(
えい
)
ずるには
違
(
ちがひ
)
ないが、
彼
(
かれ
)
の肉や
血
(
ち
)
に
廻
(
まは
)
る気色は一向見えなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
土
(
つち
)
は
凡
(
すべ
)
てを
段々
(
だん/\
)
と
刺戟
(
しげき
)
して
堀
(
ほり
)
の
邊
(
ほとり
)
には
蘆
(
あし
)
やとだしばや
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
の
草
(
くさ
)
が
空
(
そら
)
と
相
(
あひ
)
映
(
えい
)
じてすつきりと
其
(
そ
)
の
首
(
くび
)
を
擡
(
もた
)
げる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
(あっ、あそこだわ!)
炯眼
(
けいがん
)
なる彼女の小さな眼に
映
(
えい
)
じた一つの異変! それは高い天井の隅にある空気抜きの
網格子
(
あみごうし
)
が、ほんのちょっと曲っていたことである。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
忽然
(
こつねん
)
として
天
(
てん
)
開
(
ひら
)
け、身は雲に包まれて、
妙
(
たえ
)
なる
薫
(
かおり
)
袖
(
そで
)
を
蔽
(
おお
)
い、
唯
(
と
)
見ると
堆
(
うずたか
)
き雪の如く、
真白
(
ましろ
)
き中に
紅
(
くれない
)
ちらめき、
瞶
(
みつ
)
むる
瞳
(
ひとみ
)
に緑
映
(
えい
)
じて、
颯
(
さっ
)
と分れて、一つ一つ、
花片
(
はなびら
)
となり、葉となって
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一面の
琉球
(
りうきう
)
藺は
伐採
(
ばつさい
)
を受けざる為め
茸々
(
しやう/\
)
として沼岸に
繁茂
(
はんも
)
し、沼辺の
森林
(
しんりん
)
は
欝乎
(
うつこ
)
として水中に
映
(
えい
)
じ、
翠緑
(
すゐりよく
)
滴
(
したた
)
る如く、燧岳の中腹は一帯の
雲烟
(
うんえん
)
に
鎖
(
とざ
)
され夕陽之に
反照
(
はんせう
)
す、其景の
絶佳
(
ぜつか
)
なる
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
「
僕
(
ぼく
)
の
学校
(
がっこう
)
へおいでよ、
花園
(
はなぞの
)
を
見
(
み
)
せてあげるから。」と、
友吉
(
ともきち
)
が、いうと、
良
(
りょう
)
一の
目
(
め
)
に、
先刻
(
さっき
)
もらったような、
青
(
あお
)
い
花
(
はな
)
や、
赤
(
あか
)
い
花
(
はな
)
の、
見
(
み
)
わたすかぎり
咲
(
さ
)
き
誇
(
ほこ
)
る、
美
(
うつく
)
しい
花園
(
はなぞの
)
が
映
(
えい
)
じたのであります。
僕が大きくなるまで
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今迄
(
いままで
)
宗助
(
そうすけ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
映
(
えい
)
じた
御米
(
およね
)
は、
色
(
いろ
)
と
音
(
おと
)
の
撩亂
(
れうらん
)
する
裏
(
なか
)
に
立
(
た
)
つてさへ、
極
(
きは
)
めて
落
(
お
)
ち
付
(
つ
)
いてゐた。さうして
其
(
その
)
落
(
お
)
ち
付
(
つ
)
きの
大部分
(
だいぶぶん
)
は
矢鱈
(
やたら
)
に
動
(
うご
)
かさない
眼
(
め
)
の
働
(
はた
)
らきから
來
(
き
)
たとしか
思
(
おも
)
はれなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼等
(
かれら
)
の
間
(
あひだ
)
に
惡戯
(
いたづら
)
の
好
(
す
)
きな五六
人
(
にん
)
が
夜
(
よ
)
が
深
(
ふ
)
けてからそつと
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
へ
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
た。
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
は
只
(
たゞ
)
自分等
(
じぶんら
)
の
陰翳
(
かげ
)
が
稍
(
やゝ
)
長
(
なが
)
く
庭
(
には
)
の
土
(
つち
)
に
映
(
えい
)
じて、
月
(
つき
)
は
隙間
(
すきま
)
だらけの
古
(
ふる
)
ぼけた
雨戸
(
あまど
)
をほのかに
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
せて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
山の
端
(
は
)
の月に
映
(
えい
)
じて、ただ独り
彳
(
たたず
)
みたり。……これからよ、南無妙。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
喧嘩
(
けんくわ
)
の一部分として、
人
(
ひと
)
を
怒
(
おこ
)
らせるのは、
怒
(
おこ
)
らせる事自身よりは、
怒
(
おこ
)
つた
人
(
ひと
)
の
顔色
(
かほいろ
)
が、如何に不愉快にわが
眼
(
め
)
に
映
(
えい
)
ずるかと云ふ点に於て、大切なわが生命を
傷
(
きづつ
)
ける打撃に
外
(
ほか
)
ならぬと心得てゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
が
文字
(
もんじ
)
に
映
(
えい
)
じて、
如何
(
いか
)
に
相違
(
さうゐ
)
があるかを
御覧
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れやう。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
代助の
眼
(
め
)
には
夫
(
それ
)
がぱつと
映
(
えい
)
じた丈で、すぐ刺激を失つて仕舞つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
映
常用漢字
小6
部首:⽇
9画
“映”を含む語句
夕映
反映
映画
目映
映写幕
映像
映山紅
朝映
面映
照映
月映
映出
灯映
波映
映照
余映
映畫
映丘
映画館
持映
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