“面映”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもは65.2%
おもはゆ34.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一体、私はそういう自分の幼時のことを人にいたりするのは何んだか面映おもはゆいような気がして、自分からは一遍も人に訊いたことはない。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
女史は少し面映おもはゆげに、プラチナの腕輪のはまった手を伸ばしてその白い西洋封筒を受けとりながら——これは十円紙幣かな——とドキッとした。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何となく本能をさらけ出すようで面映おもはゆくもあるし、そうかと言って、厳粛に事務的であるためにはあまりに雑沓している。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
差しつくる蝋燭ろうそくの火のふき込められしが、取り直して今度は戸口に立てる乙女のかたにまたたく。乙女の顔はかざせる赤き袖の影に隠れている。面映おもはゆきは灯火ともしびのみならず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)