トップ
>
面映
>
おもは
ふりがな文庫
“
面映
(
おもは
)” の例文
一体、私はそういう自分の幼時のことを人に
訊
(
き
)
いたりするのは何んだか
面映
(
おもは
)
ゆいような気がして、自分からは一遍も人に訊いたことはない。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
女史は少し
面映
(
おもは
)
ゆげに、プラチナの腕輪の
嵌
(
はま
)
った手を伸ばしてその白い西洋封筒を受けとりながら——これは十円紙幣かな——とドキッとした。
軍用鼠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それとまた、佐渡は、昨夜からの自分の
焦躁
(
しょうそう
)
が、この返書に対して、
面映
(
おもは
)
ゆくあった。謙虚な心の持主に対して、少しでも疑ったことが自ら恥じられた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「改まって何の用ぞいのうおほほほ」と、何気なく笑いながらも、
稍
(
やや
)
面映
(
おもは
)
ゆげに藤十郎の顔を打ち仰いだ。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
笛の名人豊住又七は麻の夜具から頭だけ出して、
面映
(
おもは
)
ゆそうにちょっと会釈した。あの晩から熱が出たと言って、枕もとにはオポピリンの入った湯呑茶碗なぞが置いてあった。
助五郎余罪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
▼ もっと見る
窓通いの現場を発見されたのが
面映
(
おもは
)
ゆかったのか、それとも、今後恋路の妨げをしないようにお世辞を使っとく必要ありとでも認めたものか、あの、私が夜中に窓をあけた翌日
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
満場の視線が、明るいライトを浴びた我々に集まり、むずかゆい様な
面映
(
おもは
)
ゆさでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
湯島あたりのかげまか、
歌舞伎
(
かぶき
)
の若衆でもなければ見られない
面映
(
おもは
)
ゆい
扮装
(
いでたち
)
……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と女房は急に
面映
(
おもは
)
ゆそうに眼を伏せ、顔を赤めて、あの時はいろいろお世話になりました、恥かしゅうて、よう人に顔が合わされん、と遠慮したような笑い方をし、うちのは居りましたよ
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「そっとしておれよ、
面映
(
おもは
)
ゆいからの」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「さよう……。恥の多い前身の名を申し上げるは
面映
(
おもは
)
ゆいが、実は、わしは、興福寺にいた
教信沙弥
(
きょうしんしゃみ
)
でおざるよ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帆村はそれを聞くと
面映
(
おもは
)
ゆげにニッと笑い
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
千早の戦いなどを、事大に、言い
囃
(
はや
)
されるなどは、正成にとり、
面映
(
おもは
)
ゆいことでしかありませぬ。あの善戦をなしえたのは、時の
御稜威
(
みいつ
)
、また時の人心が支えたもの。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「醜い——恥かしい——それはもう上人様のまえで申すも
面映
(
おもは
)
ゆいことでござりますが、実は」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(このごろは、ちと貴族のような)と聖光院のきらびやかな生活を
面映
(
おもは
)
ゆくも思い
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「武蔵どのには、ちと
面映
(
おもは
)
ゆかろうが」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
仰山
(
ぎょうさん
)
にいわるるなよ。
面映
(
おもは
)
ゆいわえ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
映
常用漢字
小6
部首:⽇
9画
“面映”で始まる語句
面映気