“雲烟”の読み方と例文
読み方割合
うんえん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
郊外の龍華寺にきその塔に登って、ここに始めて雲烟うんえん渺々びょうびょうたる間に低く一連の山脈を望むことができるのだと、車の中で父が語られた。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
虹汀此の所の形相けいそうを見て思ふやう。此地、北に愛宕あたごの霊山半空にそびえつゝ、南方背振せぶり雷山らいさん浮岳うきだけの諸名山と雲烟うんえんを連ねたり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
昨夜来さくやらいしきりにり来る雨は朝に至りて未だれず、はるかに利根山奥をのぞむに雲烟うんえん濛々もう/\前途漠焉ばくえんたり、藤原村民の言の如く山霊さんれい果して一行の探検たんけんを拒むかとおもはしむ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)