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雲烟
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うんえん
ふりがな文庫
“
雲烟
(
うんえん
)” の例文
郊外の龍華寺に
往
(
ゆ
)
きその塔に登って、ここに始めて
雲烟
(
うんえん
)
渺々
(
びょうびょう
)
たる間に低く一連の山脈を望むことができるのだと、車の中で父が語られた。
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
虹汀此の所の
形相
(
けいそう
)
を見て思ふやう。此地、北に
愛宕
(
あたご
)
の霊山半空に
聳
(
そび
)
えつゝ、南方
背振
(
せぶり
)
、
雷山
(
らいさん
)
、
浮岳
(
うきだけ
)
の諸名山と
雲烟
(
うんえん
)
を連ねたり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
昨夜来
(
さくやらい
)
頻
(
しき
)
りに
降
(
ふ
)
り来る雨は朝に至りて未だ
霽
(
は
)
れず、
遥
(
はる
)
かに利根山奥を
望
(
のぞ
)
むに
雲烟
(
うんえん
)
濛々
(
もう/\
)
前途
漠焉
(
ばくえん
)
たり、藤原村民の言の如く
山霊
(
さんれい
)
果して一行の
探検
(
たんけん
)
を拒むかと
想
(
おも
)
はしむ
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
草を
茵
(
しとね
)
とし石を
卓
(
たく
)
として、
谿流
(
けいりゅう
)
の
縈回
(
えいかい
)
せる、
雲烟
(
うんえん
)
の変化するを見ながら食うもよし、かつ価も
廉
(
れん
)
にして妙なりなぞとよろこびながら、
仰
(
あお
)
いで口中に卵を受くるに、
臭
(
におい
)
鼻を
突
(
つ
)
き味舌を
刺
(
さ
)
す。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一面の
琉球
(
りうきう
)
藺は
伐採
(
ばつさい
)
を受けざる為め
茸々
(
しやう/\
)
として沼岸に
繁茂
(
はんも
)
し、沼辺の
森林
(
しんりん
)
は
欝乎
(
うつこ
)
として水中に
映
(
えい
)
じ、
翠緑
(
すゐりよく
)
滴
(
したた
)
る如く、燧岳の中腹は一帯の
雲烟
(
うんえん
)
に
鎖
(
とざ
)
され夕陽之に
反照
(
はんせう
)
す、其景の
絶佳
(
ぜつか
)
なる
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
烟
漢検1級
部首:⽕
10画
“雲烟”で始まる語句
雲烟万里