をか)” の例文
解釋かいしやくしたとき御米およねおそろしいつみをかした惡人あくにんおのれ見傚みなさないわけかなかつた。さうしておもはざる徳義上とくぎじやう苛責かしやく人知ひとしれずけた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
日本につぽんでは明治維新めいじいしんのち森林しんりんをむやみにつた結果けつか方々ほう/″\洪水こうずいをかされ、明治二十九年度めいじにじゆうくねんどには二萬九百八十一町村にまんくひやくはちじゆういつちようそんといふものがみづにつかり
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
私の死際しにぎはは、お前さへゐなかつたらをかす氣にもならなかつたらうと思はれる惡い行爲の記憶の爲めに責めさいなまれてゐる。
そもそも五一永治えいぢの昔、をかせるつみもなきに、五二みかどみことかしこみて、三歳の五三体仁としひとゆづりし心、人慾深きといふべからず。
二十五六さいころより毎日まいにち朝夕てうせき實行じつかうして、七十七さい今日こんにちおよび、爾來じらい數十年間すうじふねんかん頭痛づつうわすれ、健全けんぜんとなり、感冐かんばうをかされたることいま一度いちどもあらず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
凡夫ぼんぷの悲しさは、一度をかせる惡事は善きにつけ惡しきにつけ、影の如く附きまとひて、此の年月の心苦しさ、自業自得なれば誰れに向ひて憂を分たん術もなく
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
思ひ行末ゆくすゑを案じけるに今迄一點の罪ををかせし事もなきに斯る無實むじつの罪をうけやいばかゝ非業ひごふ最期さいごげ五體を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きみこれきてこれけんとしていはく、「かうなるかな、ははめのゆゑ刖罪げつざいをかせり」と。きみ果園くわゑんあそぶ。彌子びしももくらうてあまし。((彌子))つくさずしてきみたてまつる。
わたしのやうにまはりはこと/″\心得こゝろえちがひばかりで出來上できあがつて、ひとつとして取柄とりえこまものでも、こゝろとしてをかしたつみいほどに、これ此樣このやう可愛かあいらしいうつくしい
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
汝等のさがは、その種子たねによりてこと/″\く罪ををかすに及び、樂園とともにこれらの尊き物を失ひ 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
チッバルトをころしたうへに、おのがをもころさうとや? みづか墮地獄だぢごくつみをかして、そなたゆゑにこそきてゐやるあのひめをもころさうとや? なんそなた出生しゅっしゃうのろひ、てん
だが、んな途方もない樣子を見せながら、お粂には何んとなく、をかし難いものがあつたのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
いゝえぞんじません。)といふときたちまをかすべからざるものになつたから、わしくちをつぐむと、婦人をんなは、さぢげてきぬちりはらふてうま前足まへあししたちいさな親仁おやぢ見向みむいて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をかしました、けれど継母はゝうへ、貴女のお望の破操の大悪よりは、軽う御座いますよ——
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しかし、その態度の中には、何か、げんとしてをかすべからざるところがあつた。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
現時げんじひとよりうらやまるゝほど健康けんかうたもれども、壯年さうねんころまでは體質たいしついたつてよわく、頭痛づつうなやまされ、み、しば/\風邪ふうじやをかされ、えずやまひためくるしめり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
かへつて(四八)浮淫ふいんげて・これ(四九)功實こうじつうへくはふるをうれへ、以爲おもへらく、(五〇)儒者じゆしやぶんもつはふみだし、しかうして(五一)侠者けふしやもつきんをかす。
彼女の絹の着物を引き裂いて、滅茶々々めちや/\にすることも、珍らしくないのだ。それでもなほ、リード夫人の「大切な一人ツ子」であつた。私は、どんな過失あやまちをかさないようにした。
わし腹立はらだたせて、また罪惡ざいあくをかさせてくださるな。おゝ、はやなしゃれ。眞實しんじつわし自分じぶんよりも足下おぬし可愛いとしうおもうてゐる、わし自殺じさつをしようと覺悟かくごして此處こゝものであるにって。
やさしいなかにつよみのある、気軽きがるえても何処どこにか落着おちつきのある、馴々なれ/\しくてをかやすからぬひんい、如何いかなることにもいざとなればおどろくにらぬといふこたへのあるといつたやうなふう婦人をんな
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またういふ旦那だんなさまをわざたてゝわたし一生いつしやうくるしませてくださるかとおもふと實家じつかおや、まあおやです、それはおんのある伯父樣をぢさまですけれども其人そのひとことうらめしいとおもひまするし、第一だいいちをかしたつみわたし
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
意氣なあはせの前をキチンと合せて進藤勝之助は四角に坐るのでした。二十二三のまだ若いが苦味走つた良い男、腕にも分別にも申分のないのが、侍の地が出ると、さすがにをかし難いところがあります。
をかし行かれしとて思ふ如き鳥もかゝるまじまづ今日はやめに致し玉へ手柄は何時でもできる事と押止おしとゞめけれど思ひこみたる左京は更に聞き入れず思立しが吉日なり是非とも參りたしとたつての懇望こんまうなれば然程さほどに思はれなば兎も角もと手下の小賊せうぞく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
北海道ほくかいだう移住後いぢゆうご冬時とうじ服裝ふくさうは、内地ないちりしときほとんどことならず。しかして當地たうち寒氣かんき左程さほどかんぜざるのみならず、凍傷とうしやうとう一度いちどをかされたることあらず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
なんとくしたがそのもつとおほい(五三)彰明しやうめい較著かうちよなる者也ものなり近世きんせいいたるがごとき、(五四)操行さうかう不軌ふきもつぱ(五五)忌諱ききをかし、しか終身しうしん逸樂いつらくし、富厚ふうこうかさねてえず。
其處であなたは大變な過失ををかすのです。どんな質のものか、またはどんな動機からかはまあいゝとして、その結果はあなたに一生涯つきまとひ、あなたの生存をすつかり毒してしまひます。
國禁ををかしておびたゞしい拔荷をさばいて居ることがわかりました。
ならば、ひんまもるにもおよばぬ。法度はっとをかしてこれりゃれ。
後眼しりめかけ憑司は役人に向ひ御覽の通り飛石は血だらけに候と申す言葉に終ひに役人上意じやういこゑ諸共もろともいましめける傳吉大いに驚き私し身にとりをかせる罪はけつしてなしと言ひけれども捕方とりかたは耳にもかけず申し分あらば奉行所ぶぎやうしよに於て申すべしと傳吉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
諫説かんぜいしてきみかほをかすにいたつては、所謂いはゆるすすみてはちうつくすをおもひ、退しりぞいてはあやまちおぎなふをおもものなるかな(七三)假令もし晏子あんしにしてらば、これめにむちるといへど忻慕きんぼするところなり。