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悠然
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いうぜん
ふりがな文庫
“
悠然
(
いうぜん
)” の例文
其船頭
(
そのせんどう
)
は
悠然
(
いうぜん
)
として、
片手
(
かたて
)
で
艫
(
ろ
)
を
繰
(
あやつ
)
りはじめながら、
片手
(
かたて
)
で
其
(
そ
)
の
水
(
みづ
)
を
飮
(
の
)
む
時
(
とき
)
、
白鷺
(
しらさぎ
)
の
一羽
(
いちは
)
が
舞
(
ま
)
ひながら
下
(
お
)
りて、
舳
(
みよし
)
に
留
(
と
)
まつたのである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
伊庭はさう云つて、
悠然
(
いうぜん
)
と、机の前に戻つた。老人は困つたやうな様子だつた。伊庭はすかさず、台帳を老人の前に差し出した。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
悠然
(
いうぜん
)
として
巻煙草
(
まきたばこ
)
を吸ひ初める。
長吉
(
ちやうきち
)
は「さうか」と感服したらしく返事をしながら、
然
(
しか
)
し
立上
(
たちあが
)
つたまゝに
立見
(
たちみ
)
の
鉄格子
(
てつがうし
)
から舞台の
方
(
はう
)
を
眺
(
なが
)
めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
觸
(
ふれ
)
ぬ此度は相摸守殿には
玄關
(
げんくわん
)
式臺迄
(
しきだいまで
)
御見送
(
おんみおく
)
り町奉行は下座敷へ
罷出
(
まかりい
)
で
表門
(
おもてもん
)
を一文字に
推開
(
おしひら
)
けば天一坊は
悠然
(
いうぜん
)
と乘物の
儘
(
まゝ
)
門
(
もん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
窻
(
まど
)
の
硝子越
(
がらすご
)
しに
海上
(
かいじやう
)
を
眺
(
なが
)
めると、
電光艇
(
でんくわうてい
)
は
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
びて
悠然
(
いうぜん
)
と
波上
(
はじやう
)
に
浮
(
うか
)
んで
居
(
を
)
る、あゝ
此
(
この
)
艇
(
てい
)
もかく
竣成
(
しゆんせい
)
した
以上
(
いじやう
)
は、
今
(
いま
)
から
一週間
(
いつしゆうかん
)
か、十
日
(
か
)
以内
(
いない
)
には、
萬端
(
ばんたん
)
の
凖備
(
じゆんび
)
を
終
(
をは
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
「オヽ、もう品川ぢや、浜子」と侯爵は少女の手を
採
(
と
)
りて急がしつ「今夜は杉田の別荘に一泊するから失敬する」と言ひ棄てたるまゝ
悠然
(
いうぜん
)
降り立ちて、
闇
(
やみ
)
の
裡
(
うち
)
へと影を没せり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
煙草
(
たばこ
)
を
喫
(
すつ
)
て
見
(
み
)
たり、
自分
(
じぶん
)
が
折
(
を
)
り折り
話
(
はな
)
しかけても
只
(
た
)
だ『ハア』『そう』と
答
(
こた
)
へらるゝだけで、
沈々
(
ちん/\
)
默々
(
もく/\
)
、
空々
(
くう/\
)
漠々
(
ばく/\
)
、三日でも
斯
(
か
)
うして
待
(
ま
)
ちますよといはぬ
計
(
ばか
)
り、
悠然
(
いうぜん
)
、
泰然
(
たいぜん
)
、
茫然
(
ばうぜん
)
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
悠然
(
いうぜん
)
と
車上
(
しやじよう
)
に
搆
(
かま
)
へ
込
(
こ
)
んで
四方
(
しはう
)
を
睥睨
(
へいげい
)
しつゝ
駆
(
か
)
けさせる時は
往来
(
わうらい
)
の
奴
(
やつ
)
が
邪魔
(
じやま
)
でならない右へ
避
(
よ
)
け左へ
避
(
さ
)
け、ひよろひよろもので
往来
(
わうらい
)
を
叱咜
(
しつた
)
されつゝ歩く時は
車上
(
しやじよう
)
の奴
が
(
やつ
)
が
癇癪
(
かんしやく
)
でならない。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
恰
(
あだか
)
も
四肢
(
しし
)
を以て
匍匐
(
ほうふく
)
する所の四足獣に
化
(
くわ
)
し
去
(
さ
)
りたるの
想
(
おも
)
ひなし、
悠然
(
いうぜん
)
坦途
(
たんと
)
を
歩
(
あゆ
)
むが如く、行々山水の
絶佳
(
ぜつくわ
)
を
賞
(
しやう
)
し、或は
耶馬渓
(
やまけい
)
も
及
(
およ
)
ばざるの
佳境
(
かけう
)
を
過
(
す
)
ぎ、或は
妙義山
(
めうぎざん
)
も三舎を
避
(
さ
)
くるの
険所
(
けんしよ
)
を
踏
(
ふ
)
み
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
『
關
(
かま
)
はない!』
悠然
(
いうぜん
)
として
王樣
(
わうさま
)
が
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
大𢌞
(
おほまは
)
りには
成
(
な
)
るけれど、
呉服橋
(
ごふくばし
)
を
越
(
こ
)
した
近
(
ちか
)
い
處
(
ところ
)
に、バラツクに
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
だから、
不斷
(
ふだん
)
の
落着家
(
おちつきや
)
さんだし、
悠然
(
いうぜん
)
として、やがて
來
(
こ
)
よう。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
爪繰
(
つまぐり
)
たり其の跡は藤井左京麻上下にて續いて山内伊賀亮は上下なり四人の者潛りより入りて玄關式臺の眞中を
悠然
(
いうぜん
)
として
歩
(
あゆ
)
み
行
(
ゆ
)
く門内には與力同心の數人スハと云へば
搦
(
から
)
め
捕
(
とら
)
んと控へたり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
縁端
(
えんはた
)
には篠田が
悠然
(
いうぜん
)
と腰打ち掛けて、朝日の
光
(
ひかり
)
輝く峯の白雲
眺
(
なが
)
めつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
七
尺
(
しやく
)
有餘
(
いうよ
)
の
猛狒
(
ゴリラ
)
は
苦鳴
(
くめい
)
をあげ、
鮮血
(
せんけつ
)
を
吐
(
は
)
いて
地上
(
ちじやう
)
に
斃
(
たを
)
れた。
私
(
わたくし
)
と
少年
(
せうねん
)
とは
夢
(
ゆめ
)
に
夢見
(
ゆめみ
)
る
心地
(
こゝち
)
。
韋駄天
(
いだてん
)
の
如
(
ごと
)
く
其
(
その
)
傍
(
かたはら
)
に
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つた
時
(
とき
)
、
水兵
(
すいへい
)
は
猛獸
(
まうじう
)
に
跨
(
またが
)
つて
止
(
とゞ
)
めの
一刀
(
いつたう
)
、
海軍士官
(
かいぐんしくわん
)
は
悠然
(
いうぜん
)
として
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
北八
(
きたはち
)
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ、と
立直
(
たちなほ
)
つて
悠然
(
いうぜん
)
となる。
此邊
(
このあたり
)
小
(
こ
)
ぢんまりとしたる
商賣
(
あきなひや
)
の
軒
(
のき
)
ならび、しもたやと
見
(
み
)
るは、
産婆
(
さんば
)
、
人相見
(
にんさうみ
)
、お
手紙
(
てがみ
)
したゝめ
處
(
どころ
)
なり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
少し
明
(
あけ
)
けるにこは
何
(
いか
)
に徳太郎君には
悠然
(
いうぜん
)
と上段に
控
(
ひか
)
へ給ふ將監この
形勢
(
ありさま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
他愛
(
たわい
)
なく
頭
(
かしら
)
が
下
(
さが
)
つたと
云
(
い
)
ふのは、
中年
(
ちうねん
)
の
一個
(
いつこ
)
美髯
(
びぜん
)
の
紳士
(
しんし
)
、
眉
(
まゆ
)
におのづから
品位
(
ひんゐ
)
のあるのが、
寶石
(
はうせき
)
を
鏤
(
ちりば
)
めた
藍
(
あゐ
)
の
頭巾
(
づきん
)
で、
悠然
(
いうぜん
)
と
頤
(
あご
)
の
其
(
そ
)
の
髯
(
ひげ
)
を
扱
(
しご
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蹴込
(
けこみ
)
へ
片足
(
かたあし
)
を
掛
(
か
)
けて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
たのでは、
大
(
おほい
)
に、いや、
少
(
すくな
)
くとも
湯治客
(
たうぢきやく
)
の
體面
(
たいめん
)
を
損
(
そこな
)
ふから、
其處
(
そこ
)
で、
停車場
(
ていしやぢやう
)
の
出口
(
でぐち
)
を
柵
(
さく
)
の
方
(
はう
)
へ
開
(
ひら
)
いて、
悠然
(
いうぜん
)
と
待
(
ま
)
つたのである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
帝王
(
ていわう
)
世紀
(
せいき
)
にありといふ。
日
(
ひ
)
の
怪
(
あや
)
しきを
射
(
い
)
て
世
(
よ
)
に
聞
(
きこ
)
えたる
羿
(
げい
)
、
嘗
(
かつ
)
て
呉賀
(
ごが
)
と
北
(
きた
)
に
遊
(
あそ
)
べることあり。
呉賀
(
ごが
)
雀
(
すゞめ
)
を
指
(
さ
)
して
羿
(
げい
)
に
對
(
むか
)
つて
射
(
い
)
よといふ。
羿
(
げい
)
悠然
(
いうぜん
)
として
問
(
と
)
うていふ、
生之乎
(
これをいかさんか
)
。
殺之乎
(
これをころさんか
)
。
術三則
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
出
(
で
)
ますよ、さあ
早
(
はや
)
く/\。
彌次
(
やじ
)
舷端
(
ふなばた
)
にしがみついてしやがむ。
北八
(
きたはち
)
悠然
(
いうぜん
)
とパイレートをくゆらす。
乘合
(
のりあひ
)
十四五人
(
じふしごにん
)
、
最後
(
さいご
)
に
腕車
(
わんしや
)
を
乘
(
の
)
せる。
船
(
ふね
)
少
(
すこ
)
し
右
(
みぎ
)
へ
傾
(
かたむ
)
く、はツと
思
(
おも
)
ふと
少
(
すこ
)
し
蒼
(
あを
)
くなる。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
(
ひと
)
つ
一
(
ひと
)
つがおなじやうに、
二三寸
(
にさんずん
)
づゝ、
縱横
(
じうわう
)
に
間
(
あひだ
)
をおいて、
悠然
(
いうぜん
)
として
流
(
なが
)
れて
通
(
とほ
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
か
)
の
大自然
(
だいしぜん
)
の、
悠然
(
いうぜん
)
として、
土
(
つち
)
も
水
(
みづ
)
も
新
(
あた
)
らしく
清
(
きよ
)
く
目覺
(
めざむ
)
るに
對
(
たい
)
して、
欠伸
(
あくび
)
をし、
鼻
(
はな
)
を
鳴
(
な
)
らし、
髯
(
ひげ
)
を
掻
(
か
)
き、
涎
(
よだれ
)
を
切
(
き
)
つて、うよ/\と
棚
(
たな
)
の
蠶
(
かひこ
)
の
蠢
(
うごめ
)
き
出
(
い
)
づる
有状
(
ありさま
)
は、
醜
(
わる
)
く
見窄
(
みすぼ
)
らしいものであるが
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
と
)
見
(
み
)
ると、
驛員
(
えきゐん
)
は
莞爾
(
くわんじ
)
として、
機關車
(
きくわんしや
)
の
方
(
はう
)
へ、
悠然
(
いうぜん
)
として
霧
(
きり
)
を
渡
(
わた
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
の
覺
(
おぼ
)
えがあるから、あたりを
拂
(
はら
)
つて
悠然
(
いうぜん
)
として
教
(
をし
)
へた。——
今
(
いま
)
はもう
代
(
だい
)
は
替
(
かは
)
つた——
亭主
(
ていしゆ
)
は
感心
(
かんしん
)
もしないかはりに、
病身
(
びやうしん
)
らしい、お
粥
(
かゆ
)
を
食
(
た
)
べたさうな
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
女房
(
にようばう
)
が
評判
(
ひやうばん
)
の
別嬪
(
べつぴん
)
で。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
呆氣
(
あつけ
)
に
取
(
と
)
られた
彼
(
かれ
)
を
一人
(
ひとり
)
室内
(
しつない
)
に
殘
(
のこ
)
して、
悠然
(
いうぜん
)
と
扉
(
とびら
)
を
出
(
で
)
たのである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少時
(
しばらく
)
すると、うしろへ
悠然
(
いうぜん
)
として
立
(
た
)
つた
女性
(
によしやう
)
があつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
悠然
(
いうぜん
)
として、
草
(
くさ
)
を
踏
(
ふ
)
んで
左右
(
さいう
)
へ
一歩
(
ひとあし
)
。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
悠
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“悠然”で始まる語句
悠然見南山