)” の例文
旧字:
そしてあの少年しょうねんっていたようなふでがあったら、自分じぶんにもきっと、あのようにいきいきとけるのであろうとおもいました。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
この人をモデルにして不満足ふまんぞくというだいなり彫刻ちょうこくなり作ったならばと思われる。ふたりはしばらくのあいだ口もきかなかった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
桃太郎ももたろうはおさむらいるような陣羽織じんばおりて、かたなこしにさして、きびだんごのふくろをぶらげました。そしてもものかいてある軍扇ぐんせんを手にって
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それからまた、いつもちがいのあるいいもの、菓子かしとかとかめずらしい玩具などを持っててくれるから、きだった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
二人は足でけむりのような茶色の草穂くさぼをかきわけて見ましたが、ルビーの具皿ぐざらはそこにちていませんでした。
「おいらはおいらの弟子でしよ。かきに師匠ししょう先生せんせいなんざ、足手あしでまといになるばッかりで、ものやくにゃたねえわな」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ベッドには、ちゃんとけぶとんがありますし、壁には、三人の騎士きしのかいてある、長いぬのもかかっています。
いいなア、いいなア、さすがに天子てんしさまの都だけあるなあ。オーむこうに見えるのが御所ごしょの屋根だな。かすみをひいてのとおりだ。二じょう、三条、四条、五条。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
書物の文字やと一所に、どこかへ綺麗きれいに消え失せてしまって、自分は矢張り最前の銀杏いちょうの根本に、書物を持ったままぼんやりと突立っているのであった。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
そこにはけないおうきな油絵あぶらえなどが、まどぎわにてかけてあつたりして、大入道おうにうどうのR国人こくじんが、この作者さくしやについて、意味いみについて説明せつめいしてくれたりしたが
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
この村の恒例で、甲州術道五宿の『うつ』の名人、小浜太夫こはまたゆうの一座がにぎにぎしく乗りこんできた。
顎十郎捕物帳:15 日高川 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
清造はぺこぺこにへったおなかをかかえて、もう目がまわりそうにだるいのをこらえながら歩いてくると、ふと道の片側かたがわに、いろいろなのかかっている店がありました。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
かぜすこいてりましたが、そらには一てんくももなく、五六もあろうかとおもわるるひろ内海いりうみ彼方かなたには、ふさくにひく山々やまやまのようにぽっかりとうかんでりました。
この××丈出演の芝居は、まあ、あのさしが生きて動いているといった感じのものだったよ。
百面相役者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
母はいろいろなおはなしをして、ぼくたのしませてくれたが、自分じぶんではなんにも考えせないと思っていたものだから、僕の持っていた絵本えほん土台どだいにしておはなしをしてくれたものだ。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
わたしは、またもう一つ読本の中にあったくまのをありありと思いだすことができます。それは、大きなくまが後足で立って、木のえだにさけをたくさんとおしたのをかついでいくところです。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
のない絵本えほん
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
風流ふうりゅうべに
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そのおんなひとかおは、あちらをいているので半分はんぶんしかいてありません。けれどわかい、しとやかな、うつくしい姿すがたをしていました。
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぱっと、漆盆うるしぼんうえ欝金うこんらしたように、あたりがあかるくなった。同時どうじに、春重はるしげのニヤリとわらった薄気味悪うすきみわるかおが、こっちをいてっていた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ヴェッテルンの南の地方のように、いきいきとした、のように美しいところは、スウェーデンじゅうどこをさがしてもないって、おっしゃったじゃないの。
いよいよ女神めがみいえまえまでますと、着物きものからくつから弓矢ゆみやまで、のこらず一にぱっと紫色むらさきいろふじはなして、それはにかいたようなうつくしい姿すがたになりました。
春山秋山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
栂尾とがのおの山も、そろそろ寒うなったので、わしも、鳥羽の庵にうつり、冬じゅうは、など描いて、こもしてあるほどに、まれには、遊びにわたられいとな。……
すすきのれつでさえぎられ、白鳥のしまは、二ばかり、うしろの方に見えましたが、じきもうずうっと遠く小さく、のようになってしまい、またすすきがざわざわ鳴って
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
には平袖ひらそで白衣びゃくいて、おびまえむすび、なにやら見覚みおぼえの天人てんにんらしい姿すがた、そしてんともいえぬ威厳いげん温情おんじょうとのそなわった、神々こうごうしい表情ひょうじょう凝乎じっわたくしつめてられます。
この書物にはその持ち主が、自分や他人の身の上について知りたいと思う事、又はの人に知らせたい、話して聞かせたいと思う事が、自由自在にや文字となって現われて来る。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
その時分じぶん、うちわのには、庭の池に築山つきやまがあったり、ほたるが飛んでいたりするのがたくさんありました。清造はそういう絵を張っていると、いつでもあの沼のことを思い出しました。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
ただつきひかりに、あたりはぼうっとゆめのようにかすんで、はてしもないひろ野原のはらに、これらのひとたちは、のごとくいてえたのです。
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おいらのまえじゃ、はだまでせて、うつさせるおまえじゃないか、相手あいてだれであろうと、ここで一時いっとき、茶のみばなしをするだけだ。心持こころもよくってやるがいいわな
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
まずまちさかに一けん見世物小屋みせものごやをこしらえて、文福ぶんぶくちゃがまの綱渡つなわたりとかれおどりのをかいた大看板おおかんばんげ、太夫元たゆうもと木戸番きどばん口上こうじょういを自分じぶん一人ひとりねました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
竹童ちくどう鷲乗わしのりをうつしまねて、空へと、ってげたよりほかに考えようがないが、あのに見まほしき振袖ふりそですがたで、そんなあぶないはなれわざが、たして首尾しゅびよくいったろうか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このありさまは、おかあさんがときどき、箱の中からとりだして見せてくれた、むかしのお話の本の中のています。ニールスは、なかなか、じぶんの目を信じることができませんでした。
にじあしもとにルビーの具皿ぐざらがあるそうです」
そのために、うちわのいてあるおもてが、赤黒あかぐろげてしまったのです。そして、しょうちゃんのおかあさんもげてしまいました。
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほのかに差したあかりの前に、仲蔵まいづるやに似た歌麿の顔が、うつのように黄色く浮んだ。
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「いつかおを拝見させてくださいませね!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だれでも、そのると、ろうそくがほしくなるように、そのには、不思議ふしぎちからと、うつくしさとがこもっていたのであります。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これは、普仏戦争ふふつせんそう画報がほうでありました。いっしょに、このたおじいさんは、いいました。もとより、おじいさんもわかかったのです。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
それで、一まいこうかとおもって、いにかけて、かえってみると召集令しょうしゅうれいがきていたんだ。ああ、それでがついたよ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、子供こども時分じぶん星空ほしぞらるのが、なによりきだった。かみさまのかいたでもるようで、いろいろふしぎな空想くうそうにふけったものだ。」
アパートで聞いた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このごろ、をかいてみたいというがおこったので、こうしているも、ものものとの関係かんけいや、光線こうせん色彩しきさいなどを、注意ちゅういするようになりました。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、しばらくふで使つかっていましたが、やっと、それで満足まんぞくしたように、をながめて、はしごをりると自分じぶんうちほうかえってゆきました。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金持かねもちは、くさうえこしをおろして、たばこをすいながら、いたような、あたりの景色けしきにうっとりととれたのです。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かみさまの評判ひょうばんは、このようにたかくなりましたけれど、だれも、ろうそくに一しんをこめていているむすめのことを、おもうものはなかったのです。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめは、っていたろうそくに、せきたてられるのでくことができずに、それをみんなあかってしまいました。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしはなにもほしいとはおもわないが、ただおまえのが、なかみとめられれば、それで満足まんぞくです、なによりもそれがうれしいといったのですよ。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じいやぶれた帽子ぼうしをかぶっていました。そして西洋せいようにあるとしとった牧羊者ひつじかいのように、しろいあごひげがのびていました。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある光治こうじもりおくにあるおおきないけのほとりへいってふえこうとおもってきかかりますと、先日こないだ少年しょうねんがまたいけのほとりでいていました。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはかつて、ここの景色けしきいて、学校がっこう先生せんせいにほめられ、そのは、しになりました。また、ここを文章ぶんしょういて、こうをもらいました。
子供はばかでなかった (新字新仮名) / 小川未明(著)
は、あまりうまくないな。けれどこのあいいろがなかなかいい。いまどきのものに、こうした、あいえたいろられないな。まあ、いいしなだろう。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)