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極
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きまり
ふりがな文庫
“
極
(
きまり
)” の例文
盃
(
さかづき
)
を
納
(
をさめ
)
るなり
汽車
(
きしや
)
に
乗
(
の
)
つて
家
(
いへ
)
を
出
(
で
)
た
夫婦
(
ふうふ
)
の
身体
(
からだ
)
は、
人間
(
にんげん
)
だか
蝶
(
てふ
)
だか
区別
(
くべつ
)
が
附
(
つ
)
かない。
遥々
(
はる/″\
)
来
(
き
)
た、と
言
(
い
)
はれては
何
(
なん
)
とも
以
(
もつ
)
て
極
(
きまり
)
が
悪
(
わる
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いいじゃありませんか。もう
極
(
きまり
)
のわりいお年でもないでしょう」おゆうは顔を
赧
(
あから
)
めながら言って、二人を見比べた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「だツて
極
(
きまり
)
が惡いんですもの………」と
嘘
(
うそ
)
でない
證據
(
しようこ
)
といふやうに顏を
赧
(
あから
)
め、「
男
(
をとこ
)
の
方
(
かた
)
ツてものは、他の事を其様に
根堀
(
ねほ
)
り
葉堀
(
はほ
)
りなさるもんじやないわ。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
こう
成
(
なっ
)
て見ると、もう
潜
(
ひそまッ
)
ているも何となく
極
(
きまり
)
が悪くなって来たから、文三が素知らぬ顔をしてふッと奥座敷を出る、その顔をお鍋は不思議そうに
眺
(
なが
)
めながら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
どの
通
(
とほり
)
もどの
通
(
とほり
)
もから/\で、
却
(
かへ
)
つて
埃
(
ほこり
)
が
立
(
た
)
つ
位
(
くらゐ
)
だから、
足駄
(
あしだ
)
なんぞ
穿
(
は
)
いちや
極
(
きまり
)
が
惡
(
わる
)
くつて
歩
(
ある
)
けやしない。つまり
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
に
住
(
す
)
んでゐる
我々
(
われ/\
)
は一
世紀
(
せいき
)
がた
後
(
おく
)
れる
事
(
こと
)
になるんだね
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
時々
(
とき/″\
)
同室
(
どうしつ
)
の
者等
(
ものら
)
に
脊
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
獨
(
ひとり
)
窓
(
まど
)
の
所
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて、
何
(
なに
)
かを
胸
(
むね
)
に
着
(
つ
)
けて、
頭
(
かしら
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
熟視
(
みい
)
つてゐる
樣子
(
やうす
)
。
誰
(
たれ
)
か
若
(
も
)
し
近着
(
ちかづき
)
でもすれば、
極
(
きまり
)
惡
(
わる
)
さうに
急
(
いそ
)
いで
胸
(
むね
)
から
何
(
なに
)
かを
取
(
と
)
つて
隱
(
かく
)
して
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
初
(
はじめ
)
は
朝
(
あさ
)
まだきに
馬
(
うま
)
の
秣
(
まぐさ
)
の一
籠
(
かご
)
を
刈
(
か
)
るに
過
(
すぎ
)
ないけれど、
燬
(
や
)
くやうな
日
(
ひ
)
のもとに
畑
(
はた
)
も
漸
(
やうや
)
く
極
(
きまり
)
がついて
村落
(
むら
)
の
凡
(
すべ
)
てが
皆
(
みな
)
草刈
(
くさかり
)
に
心
(
こゝろ
)
を
注
(
そゝ
)
ぐ
樣
(
やう
)
に
成
(
な
)
れば、
若
(
わか
)
い
同志
(
どうし
)
が
相
(
あひ
)
誘
(
さそ
)
うては
遠
(
とほ
)
く
林
(
はやし
)
の
小徑
(
こみち
)
を
分
(
わけ
)
て
行
(
ゆ
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それも出世して立派になつてゐるのなら、さうも思はないけれど、つまらない
風采
(
なり
)
をして、何だか大変
羸
(
やつ
)
れて、私も
極
(
きまり
)
が悪かつたから、能くは見なかつたけれど、気の毒のやうに
身窄
(
みすぼらし
)
い様子だつたわ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
緩
(
ゆる
)
め
然
(
さう
)
して如何だと
再度
(
ふたゝび
)
問
(
とは
)
れ今は
包
(
つゝみ
)
もならざれば
自己
(
おのれ
)
は本町小西屋の
召仕
(
めしつかひ
)
なることより婚姻とまで
極
(
きまり
)
しが
今朝
(
こんてう
)
箇樣々々
(
かやう/\
)
の
醫師
(
いし
)
來りて大藤の娘お光は
云々
(
かく/\
)
と云たりしに
主個
(
あるじ
)
長左衞門は大きに驚き
直
(
すぐ
)
管伴
(
ばんたう
)
の忠兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一々の物の形を正しく拵えて行くのが
極
(
きまり
)
で
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
旦那、顔を見っこなし……
極
(
きまり
)
が悪い……何と、もし、これで別嬪の姉さんを引寄せようという腹だ、おかしな腹だ、
狸
(
たぬき
)
の腹だね。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お島の体は、
単衣
(
ひとえ
)
もののこの頃では、夕方の涼みに表へ出るのも
極
(
きまり
)
のわるいほど、月が重っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
時々
(
ときどき
)
同室
(
どうしつ
)
の
者等
(
ものら
)
に
脊
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
独
(
ひとり
)
窓
(
まど
)
の
所
(
ところ
)
に
立
(
た
)
って、
何
(
なに
)
かを
胸
(
むね
)
に
着
(
つ
)
けて、
頭
(
かしら
)
を
屈
(
かが
)
めて
熟視
(
みい
)
っている
様子
(
ようす
)
。
誰
(
たれ
)
かもし
近着
(
ちかづき
)
でもすれば、
極
(
きまり
)
悪
(
わる
)
そうに
急
(
いそ
)
いで
胸
(
むね
)
から
何
(
なに
)
かを
取
(
と
)
って
隠
(
かく
)
してしまう。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
御早
(
おはや
)
う」と
挨拶
(
あいさつ
)
した。
彼
(
かれ
)
は
今朝
(
けさ
)
も
亦
(
また
)
とくに
參禪
(
さんぜん
)
を
濟
(
す
)
ました
後
(
のち
)
、
斯
(
か
)
うして
庵
(
あん
)
に
歸
(
かへ
)
つて
働
(
はたら
)
いてゐたのである。
宗助
(
そうすけ
)
はわざ/\
呼
(
よ
)
び
起
(
おこ
)
されても
起
(
お
)
き
得
(
え
)
なかつた
自分
(
じぶん
)
の
怠慢
(
たいまん
)
を
省
(
かへり
)
みて、
全
(
まつた
)
く
極
(
きまり
)
の
惡
(
わる
)
い
思
(
おもひ
)
をした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お前様のお
極
(
きまり
)
だ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
吹通
(
ふきとほ
)
しの
風
(
かぜ
)
砂
(
すな
)
を
捲
(
ま
)
きて、
雪駄
(
せつた
)
ちやら/\と
人
(
ひと
)
の
通
(
とほ
)
る、
此方
(
こなた
)
は
裾端折
(
すそはしをり
)
の
然
(
しか
)
も
穿物
(
はきもの
)
の
泥
(
どろ
)
、
二
(
に
)
の
字
(
じ
)
ならぬ
奧山住
(
おくやまずみ
)
の
足痕
(
あしあと
)
を、
白晝
(
はくちう
)
に
印
(
いん
)
するが
極
(
きまり
)
惡
(
わる
)
しなど
歎
(
かこ
)
つ。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まさか……
極
(
きまり
)
がわりいじゃありませんか」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
極
(
きまり
)
が悪うございますわ。……(太郎は米搗き、次郎は夕な、夕な。)……
薄暮合
(
うすくれあい
)
には、よけい
沢山
(
たんと
)
飛びますの。」
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どのくらいか
臆病
(
おくびょう
)
づらを下げて、
極
(
きまり
)
の悪い
思
(
おもい
)
をしたか知れやしねえ、畜生め、
己
(
ひと
)
が臆病だと思いやあがって
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浅間
(
あさま
)
しい、……
極
(
きまり
)
が悪い。……由紀は、いまは活きていられない。——こうしていても、貴方(とはじめて顔を振向けて、)私の
抱
(
だい
)
ている顔も手も皆見える。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何だじゃないわ。お気を着けなさいよ。梅次
姉
(
ねえ
)
さんの事なんか言って、兄さんが
他
(
ほか
)
の方に
極
(
きまり
)
が悪いわ。」
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は
極
(
きまり
)
が悪うございましたけれども、そっと気をつけましたんですが、こういう処で話をする事ではない。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
極
(
きまり
)
が悪いと云えば、私は今、毛筋立を
突張
(
つっぱ
)
らして、薄化粧は
可
(
い
)
いけれども、のぼせて湯から帰って来ると、染ちゃんお客様が、ッて
女房
(
おかみ
)
さんが言ったでしょう。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
極
(
きまり
)
の悪いことも何にもない。誰も見やしないから、これから先は、人ッ子一人居やしない、よ、そうおし
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
云ったんだから、あの人につけても、お前さんが毎晩来てくれなくッちゃ
極
(
きまり
)
が悪いわ。後生ですよ。その代り、この蒲団は、誰の手も触らせないでこうやって
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
桐油合羽
(
とういうがつぱ
)
を
小
(
ちい
)
さく
畳
(
たゝ
)
んで
此奴
(
こいつ
)
を
真田紐
(
さなだひも
)
で
右
(
みぎ
)
の
包
(
つゝみ
)
につけるか、
小弁慶
(
こべんけい
)
の
木綿
(
もめん
)
の
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を一
本
(
ぽん
)
、お
極
(
きまり
)
だね。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「へ、……どういたして、こうなると
私
(
わっし
)
あ
極
(
きまり
)
が悪い、」と
面
(
おもて
)
を背けて、たじたじになった罪の無さ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それを
大袈裟
(
おおげさ
)
に礼を言って、
極
(
きまり
)
を悪がらせた上に、姿とは何事です。
幽霊
(
ゆうれい
)
じゃあるまいし、
心持
(
こころもち
)
を悪くする姿というがありますか。
図体
(
ずうたい
)
とか、
状
(
さま
)
とかいうものですよ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おや、おや。」と口の
中
(
うち
)
、女中は
極
(
きまり
)
の悪そうに顔を赤らめながら、変な顔をして座中を
眗
(
みまわ
)
すと、誰も居ないで
寂
(
しん
)
として、
釜
(
かま
)
の湯がチンチン、途切れてはチンという。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ふむ、」と心ある
頭
(
かしら
)
は返事まで物々しい。ちと
応答
(
うけこたえ
)
を仰山にされたので、源次は急に
極
(
きまり
)
が悪そう。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ふ、」と泣くでもなし、笑うでもなし、
極
(
きまり
)
悪げに、面を背けて、目が見えないのも忘れたらしい。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あなたも
厭
(
いや
)
だといふし、
其
(
それ
)
に
私
(
わたし
)
も、そりや
樣子
(
やうす
)
を
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
一所
(
いつしよ
)
に
苦勞
(
くらう
)
をして
呉
(
く
)
れたからツたつても、
※
(
ねえ
)
さんには
極
(
きまり
)
が
惡
(
わる
)
くツて、
内
(
うち
)
へお
連
(
つ
)
れ
申
(
まを
)
すわけには
行
(
ゆ
)
かないしさ。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あなたも
厭
(
いや
)
だというし、それに
私
(
わたし
)
も、そりゃ様子を知って居て、
一所
(
いっしょ
)
に苦労をして
呉
(
く
)
れたからッたっても、姉さんには
極
(
きまり
)
が悪くッて、
内
(
うち
)
へお連れ申すわけには
行
(
ゆ
)
かないしさ。
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蝙蝠
(
こうもり
)
のはりかえ直しと夫婦になって暮している処へ、のたれ込んで、しょう事なし
門
(
かど
)
づけに出たんですがね、その身になってもお前さん、見得じゃないけれど
極
(
きまり
)
が悪くッて
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、お三輪が湯を
注
(
さ
)
しに来合わせて、特に
婦人客
(
おんなきゃく
)
の
背後
(
うしろ
)
へ来て、
極
(
きまり
)
の悪そうに手を
支
(
つ
)
いた。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
極
(
きまり
)
も悪し、
面
(
おもて
)
を背けて店口から奥へ抜けようとすると、
同
(
おなじ
)
く駒下駄を手に提げて裏口からはらりと入って来た、前日の美人とぱったり逢った。袖も
摺合
(
すれあ
)
うばかり敷居で
行違
(
ゆきちが
)
う。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
障子
襖
(
ふすま
)
は閉切ってございましたっけ、ものの小半時
経
(
た
)
ったと思うと、見ていた私は
吃驚
(
びっくり
)
して、地震だ地震だ、と
極
(
きまり
)
の悪い大声を立てましたわ、何の事はない、お居間の瓦屋根が
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小母さんでも
可
(
よ
)
うござんす。構わないで
家
(
うち
)
へいらっしゃいよ。玄関の書生さんは
婦
(
おんな
)
のお客様をじろじろ見るから
極
(
きまり
)
が悪かったら遠慮は無いわ、ずんずん庭の方からいらっしゃい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はい、こうして鉦太鼓で
探捜
(
さがし
)
に出ます騒動ではございますが、捜されます御当人の
家
(
うち
)
へ、声が聞えますような近い所で、名を呼びましては、
表向
(
おもてむき
)
の事でも
極
(
きまり
)
が悪うございましょう。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と強く手を引いて
扶
(
たす
)
け入れたのでありまする。お雪はそんな
中
(
うち
)
にも、
極
(
きまり
)
が悪かったと見え、ぼんやり顔をば
赧
(
あか
)
らめまして、あわれ霜に悩む秋の葉は美しく、蒲団の
傍
(
そば
)
へ坐りました。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
内じゃがえんに
知己
(
ちかづき
)
があるようで、
真
(
まこと
)
に近所へ
極
(
きまり
)
が悪い。それに、聞けば芸者屋待合なんぞへ、主に
出入
(
ではい
)
りをするんだそうだから、娘たちのためにもならず、第一家庭の乱れです。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「失敬な。」も口の
裡
(
うち
)
で、島野は顔を見らるると
極
(
きまり
)
悪そうに
四辺
(
あたり
)
をきょろきょろ。茶店の
女
(
むすめ
)
は、目の前にほっかりと黒毛の
駒
(
こま
)
が汗ばんで立ってるのを
憚
(
はばか
)
って、
密
(
そ
)
と
洋盃
(
コップ
)
を
齎
(
もた
)
らした。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お願いだから、可いんだから、それでないと実に面目を失する。こうやって顔を合していても冷汗が出るほど、何だか
極
(
きまり
)
が悪いんだ、
夜々中
(
よるよなか
)
見ず知らずが入込んで、どうも変だ。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
うっかり口に出そうな
挨拶
(
こんにちは
)
を、唇で
噛留
(
かみと
)
めて、心着くと、いつの間にか、足もやや近づいて、帽子に手を掛けていた
極
(
きまり
)
の悪さに、背を向けて立直ると、雲低く、
下谷
(
したや
)
、神田の屋根一面
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いやもう、しっとり
冷汗
(
ひやあせ
)
を掻いたと言う事、——こりゃなるほど。
極
(
きまり
)
がよくない。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もっと早くから、来よう、来ようと思ったんだけれど、
極
(
きまり
)
が悪いしねえ、それに私見たようなものには逢って下さらないでしょうと思って、学校の帰りに
幾度
(
いくたび
)
も九段まで来て止したの。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わざわざ
呼留
(
よびと
)
めて、災難を
免
(
のが
)
れたとまで事を
誇大
(
こだい
)
にして、礼なんぞおっしゃって、元来、私は余計なお世話だと思って、御婦人ばかりの
御住居
(
おすまい
)
だと聞いたにつけても、いよいよ
極
(
きまり
)
が悪くって
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
オイ、姉や、
私
(
わっし
)
が肩へつかまりねえ、わけなしだ。お前ン
処
(
とこ
)
まで送ってやろうと、
穿物
(
はきもの
)
を
突懸
(
つっか
)
けておいて、
蹲
(
しゃが
)
んで背中を向けますとね、そんな中でも
極
(
きまり
)
のわるそうに淋しい顔をして、うじうじ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人の
顋
(
あご
)
をしゃくうような手つきで、銭を
強請
(
ねだ
)
る、爪の黒い
掌
(
てのひら
)
へ持っていただけの
小遣
(
こづかい
)
を載せると、目を
睜
(
みは
)
ったが、黄色い歯でニヤリとして、
身体
(
からだ
)
を
撫
(
な
)
でようとしたので、
衝
(
つ
)
と
極
(
きまり
)
が悪く
退
(
すさ
)
った
頸
(
うなじ
)
へ
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……知らぬ間に
肥満女
(
ふとっちょ
)
の込入ったのと、振向いた娘の顔とを等分に見較べて(
和女
(
あんた
)
、
極
(
きまり
)
が悪いやろ。そしたら
私
(
わし
)
が方へ来て
食
(
あが
)
りなはるか。ああ、そうしなはれ、)と
莞爾々々
(
にこにこ
)
笑う、気の
可
(
い
)
い男さ。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“極”の意味
《名詞》
(きょく)2端のうちの一方。
(ごく)1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 = 1048を表す。載の次で恒河沙の前の位。
《形容動詞》
(ごく)程度の大きい様。
(出典:Wiktionary)
極
常用漢字
小4
部首:⽊
12画
“極”を含む語句
京極
極刑
見極
極端
極光
北極
極微
至極
極々
極彩色
取極
極月
極熱
極楽寺
感極
北極星
終極
結極
極限
極付
...